ギリシアの楽園。ペルセポネーの英雄のための天界で、「祝福された人々の島」と言われる。この楽園は地下の世界か、あるいは母ヘーラーのへスペリスたちのリンゴ園のように、西の果てに位置した。エーリュシオンもアヴァロン島やエデンの園のように「リンゴの圏」だった[1]。エーリュシオンは「楽園」の一般的同義語になった。
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)
神々に愛された英雄が死後そこで幸多い生活を営んだ野。ホメーロスではこれはハーデースの支配下にある冥界とはまったく別に、西のはて、オーケアノスの流れ近くに位置し、支配者はラダマンテュスである。しかしウェルギリウスなどローマの詩人ではエーリュシオンの野は冥界に移されている。「幸福の島Makavrwn Nh:soi」〔浄福者たちの島〕もまたこれと似たもので、同一場所かも知れない。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)