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エーリュシオン(=Hluvsion)

 ギリシアの楽園。ペルセポネー英雄のための天界で、「祝福された人々の島」と言われる。この楽園は地下の世界か、あるいは母ヘーラーへスペリスたちリンゴ園のように、西の果てに位置した。エーリュシオンもアヴァロン島やエデンの園のように「リンゴの圏」だった[1]。エーリュシオンは「楽園」の一般的同義語になった。


[1]Graves, G. M 1, 123.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)



 神々に愛された英雄が死後そこで幸多い生活を営んだ野。ホメーロスではこれはハーデースの支配下にある冥界とはまったく別に、西のはて、オーケアノスの流れ近くに位置し、支配者はラダマンテュスである。しかしウェルギリウスなどローマの詩人ではエーリュシオンの野は冥界に移されている。「幸福の島Makavrwn Nh:soi」〔浄福者たちの島〕もまたこれと似たもので、同一場所かも知れない。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)


幸福の島
 正しくは「浄福者たちの島」。はるか西方に、幸ある死者たちの住む島あるいは海辺の場所があると考えられていた。のち地理学者たちはこれをマデイラ島と同一視しているが、この島はこのほかいろいろな所と同一視されている。

ヘスペリスたちの園」 古くは世界の西のはて、オーケアノスの近くにあることになっていたが、のちにアトラース山脈の近く、あるいはヒュペルボレイオス人の国にあるとされていた。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)