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オーケアノス(=OkeanovV)

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 ギリシア・ローマの水ヘビの神。その広大な身体で大地を取り巻いていると考えられ、尻尾をくわえて、世界の外側に途切れることのない水の壁を形成していた。オーケアノスはしばしば、ネプトゥーヌス、ポセイドーン、ウーロボロス、タアウト、またはピュートーンと混同された。また、原初の海の女神テーテュース(あるいはテティス)と結婚した。彼の名は「迅速な女王に属する神(God of the swift queen)」を意味した[1]。


[1]Graves, G. M. 1, 27. ; 2, 402.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)



 ギリシア神話中ではウーラノスとガイアの子で、ティーターン神族に属する水の神

 ホメーロスなどの古いギリシア人の世界像では、オーケアノスは平板な円形の大地の周囲を巻いて流れている大河、あるいは大洋で、世界のあらゆる河川や泉はこの水が地下を通って地上に現れるものと考えられていた。したがってオーケアノスは地の果であり、エーリュシオンの野やハーデースの国、ゴルゴーン、ゲーリュオーン、ヘスペリスたちの園、エティオピア人などの遠いお伽噺の国の所在地はすぺてオーケアノスの岸辺におかれ、太陽はこの河に沈み、黄金の大杯に乗って夜の間に東に渡って、ふたたびこの河から上ると想像されていた。オーケアノスは、したがって、なかば地理的ななかば人格的な神であり、ギリシア人の地理的知識の進歩に従って、オーケアノスは人格神から地理的な概念に変って行った。

 オーケアノスは姉妹のテーテュースを妻として、すべての河川と3000人の娘たち(オーケアニデス)を生んだ。へーシオドスは幾人かの河神とオーケアニデスの名を挙げているが、このリストは人によって異り、一致しない。彼女たちの中で有名なのは、冥界の河ステュクス、アレトゥーサ、ケイローンの母ビリュラー、クリュメネー、カリロエーなどである。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)

 グレイヴズによる語源説は、Ogygia→Ogen→Okeanosという変化を想定し、OgygiaがwjkuvVと同根とみなしているらしい。しかし、大方の承認を得ているわけではない。
 バーバラ・ウォーカーは、ギリシア神話に関しては、グレイヴズの主張を無条件に踏襲している。


[画像出典]
Okeanos