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Isocrates弁論集



第16弁論
一揃いの〔戦車用〕競走馬について

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一揃いの競走馬
 四頭立ての競走馬。詳しくは、The Ancient Greek Worldの Use of Chariotsを参照のこと。
 この裁判については、プルタルコス「アルキビアデス伝」に次のように記されている。
 「アテナイの町に、アルキビアデスの友だちで、ディオメデスという相当な人物がいた。彼はオリュンピア優勝の夢にとりつかれていたところ、アルゴスの町が競技用のいい戦車を持っていることを耳にした。そして、アルキビアデスがアルゴスで羽ぶりもよく、友人をたくさんもっているのを知っていたものだから、彼に得心させて、その車を買いとってもらった。しかし、アルキビアデスは、約束の車を買うことは買ってやったが、オリュンピア競技には、それを自分の車として登録し、当のディオメデスのことなんかは、ほうりっぱなしにしてしまった。そこで息まいたディオメデスは、神々と人とを証言に呼びむかえてアルキビアデスの悪事を訴えた。この件については、裁判までひらかれたらしく、イソクラテスが、アルキビアデスの息子を弁護し、「戦車について」という裁判演説を書いている。もっとも、そこでは、原告がテイシアスであって、ディオメデスではないけれども」(村川堅太郎訳)
 原告がディオメデス、テイシアスと混乱しているのは、原告が複数であったせいかもしれない。
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デケレイアを要塞化し
 アテナイの北東64Km、アッティカ平野と、エウボイアやボイオティアに向かう街道とをおさえる要衝の地。413年春、ラケダイモン軍がここを占領し、以後、アッティカの農事や交通をかき乱し、鉱山奴隷が大挙逃亡したさいの集合地点ともなった。トゥキュディデス、第6巻、第6章。
 また、 リュシアス、第14弁論 30。
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おりにふれて父を侮るふりをして
  リュシアス、第14弁論 35-38
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ポテイダイアの戦い
 トゥキュディデス、第1巻、第64章、2。
 プラトン『酒宴』220Eにおいて、アルキビアデスはソクラテスに言う。
 「将軍たちがわたしに最勇賞まで授けたあの戦闘のあったときに、わたしを救助してくれたのは人間中このひと以外のなにびとでもなかったのです。このひとは、傷ついたわたしを見捨てることを拒んで、わたし自身のみならず武器をも共に救ってくれたのです。だたからわたしとしては、おおソクラテス、すでにあのときに、最勇賞はあなたに授けるように将軍たちにすすめたのです。……ところが将軍たちがわたしの地位を顧慮して最勇賞はわたしに授けたいと望んでいた際に、あなたよりもわたしがもらうようにとあなた自身が将軍たちよりもいっそう乗り気になったのです」(三井浩訳)。
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一等にも二等にも、また三等にもなった
 トゥキュディデス、第6巻、第16章 2。
 「ギリシア人どもが、わがアテーナイの国力は戦争のために疲弊しきっていると思い込んでいた矢先に、わたしがオリュムピア競技に参加し絢爛たる賞を飾ったために、かれらはわが国の実力を幾層倍も過大に評価するに至った。それも私が、かつて個人参加者としては前例のない、騎車七台を出場させ、一等、二等、四等の順位を独占し、それのみかかくの如き勝利にふさわしい盛大な装いをととのえたからである」(久保正彰訳)。
 プルタルコス、アルキビアス伝 11。
 「彼のほかには、個人にしろ、王にしろ、ひとりとして、オリュンピアの競技に七頭もの馬を出場させたものはなかったからだ。しかも、それに優勝したばかりか、二等はおろか、トゥキュディデスによると四等、エウリピデスによると、三等までも一手のうちにおさめ、そのかがやかしい名声は、この分野における野望という野望をことごとく色あせたものにしてしまった。
 エウリピデスは、このアルキビアデスの勝利をたたえて歌う、
 「君をほめうたわん、クレイニアスの子よ。勝利はうるわしい。されど、うるわしさのきわみとは、ギリシアの何人たりともなしえざりし君が勝利なり。君は戦車を駆って、一等、二等、三等を独占す。しかも、つかれし気配なく、あゆみいで、ゼウスのオリーブを冠にいただき、おのが名を三たびまでも布令役に呼ばわしめたり」と」(村川堅太郎訳)。
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カリクレス
 「三十人」僭主中、クリティアスとならぶ過激派。
  リュシアス、第12弁論 55
  クセノポン、ヘレニカ、第2巻、第3章 1
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諸々の特典を受け取る
 オリュンピア競技で、特に馬の関係する競技に優勝した場合、プリュタネイスでの食事という特典が与えられることは、ソクラテスの『弁明』からもうかがえる(Apol.36 D-E)。
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