淡路島の集落の空間構成 ここではしばらく被害の大きかった淡路島の漁村を中心に現在の淡路島の景観的特徴を見てみたいと思います。 漁村集落の様子
漁村集落の様子
塊村形態を特徴とする漁村集落の背後は、 こういった状態で、 緑に包まれ、 段々畑が広がり散居集落になっています。
コンクリートのスレートの瓦工場も、 沿道の村はずれに分布しています。
金毘羅宮
地形でいうと漁村背後に丘陵がずーっと指状に突き出た微高地(フィンガートップ)に金毘羅宮があって、 それがいまだに緑として大切に保全されています。
ため池と棚田
夏には日差しで海がきらきら輝いて、 淡路瓦もきらめき、 その上のため池もきらめいて見えます。 家並みの屋根が水平線にそって重なり、 手前には小さな棚田が分布しているというこの構図が、 リアス式の入江では味わうことの出来ない西浦特有の情景となります。 我々が調査していて、 「あー淡路島だ」という印象を抱いた風景です。
農村集落の様子
家づくりの仕組み
一番最初に母屋を建てたら、 次の代の人は離れを建て、 三代目の人は長屋を建てと、 代々受け継ぐ形で建てられていきます。 そういう伝統が今も残っています。 家造りは人生の節目節目で考えられていて、 先祖に対して恥ずかしいものは決して建てない、 あるいは自分が生きてきた証として立派なものを建てなくては、 子供たちに申し訳ないといった思いで作られているようです。
瓦工場
内陸部(平野と山)
そういう伝統的風習も、 農村部ほど強く、 漁村の方は意外にあっさりしていて信仰が薄いというような状況があります。
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