復興の様子
こうした淡路島の風土特性の中で、 最初に見たような瓦屋根の家屋を中心に現在再建されているわけです。 阪神間に比べ淡路の漁村部の再建の特徴は、 以下のような点が挙げられます。
まとめ
最後に震災後の景観と言いながらほとんど淡路島の特徴について見てきました。 漁村では確かにプレハブは増えましたが、 まだ7割強が在来工法で建てられており、 プレハブであっても瓦屋根がのっている状況を考えると、 今後の景観形成のあり方は地元の住民自身が自ら選択指向しているとも言えます。 再建されたプレハブ家屋の問題点は、 後で堀口さんの方からまとめてお話下さると思いますが、 淡路島特有の問題点ではなく、 プレハブ住宅そのものに共通した問題点となってしまいます。 阪神間との違いはまだ数が少なく通りや街区ではなく、 建築単体としての問題点と言えます。 このため淡路島の復興景観の特徴は、 震災で傷つきはしたものの今も息づく淡路島特有の景観特性にあると言えます。 このため淡路島の景観の文脈特性を中心にお話しましたが、 問題は漁村や散居集落の良さを行政も含め住民もあまり理解されていない点です。
漁村は全て一律に捉えている観が強く、 淡路で唯一街並み保存の動きがあった江井で復元型の再建例の比率が高いことを考えると、 住み手の住民が何よりも自分達の集落に誇りを持つことから景観づくりは始まるとも言えます。
震災で失われ傷ついたことを契機に、 淡路島の集落で共有してきた失われてはならない景観の良さの再確認が始まれば、 と思います。
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