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 花芸安達流[月刊誌]花ばさみ(対談) 1995年1月号掲載記事

墨を磨るのに半日
 井上:紙は和紙を使用されているのですか。

 園家:そうです。中国製です。墨は中国と日本のもの両方を使っています。昔から「墨に五彩あり」といわれていますが、あらゆる色が凝縮されているように思えます。墨を磨るのに時間がかかりますが、静かに精神統一が出来て私は好きですね。

 赤木:額になったものが多いようですが他にもあるのですか。

 園家:お軸もあります。これはニューヨークで個展をした初めてのときに扇に仕立てました。それにTシャツも・・・・・・。

 上野:素晴らしいですね。涼しそうで、墨色は日本人が落ちつける色ですね。こういう扇子をおしげなく使ってみたいですね。

 園家:「汀」から海岸線のイメージ、「游」は水遊び、「風」とか涼しげな文字が多くなりますね。扇に直接文字を書く方もいらっしゃいますが、私は扇面に切った紙に書いてから作ってもらいます。それでないと“にじみ”がうまく出ないのですよ。Tシャツは東京の代官山にあるギャラリーに依頼されて書いたものです。イラストレイターとかグラフィックデザイナーのひとたちの中に入れていただきました。

 井上:これだと気楽に楽しめますね。これからはどのように考えていらっしゃいますか。

楽しめる心書を
 園家:どんどん個展を開きたいですね。多くの人に見ていただいて評を仰ぐ、それをはげみにする方がいつもピリッとしていられますから。もうすぐフランスの個展をひかえているのですよ。

 それと誰にでも解ってもらえる書を、身の回りに置いて楽しんでもらいたいですね。たとえばロールカーテンやクッションなどインテリアとして気軽に飾ってほしいと思っています。また、Tシャツの他にスカーフの様に身に付けるものも考えていきたいですね。街で見かけたら、うれしいですね。

 赤木:個展をひかえてお忙しいときに長時間ありがとうございました。

インタビュアー(花芸安達流大阪府支部):赤木里佳(川崎洋瞳門下)
上野麻子(栗原松瞳門下)
井上宏子(増井寿美瞳門下)
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