title.gifBarbaroi!
back.gif第13章 伊曽保物語


インターネットで蝉を追う

補説

Odo of Cheriton






 オドー〔c.1185-c.1247〕の寓話集の内容を、Hervieuxの編集本に拠って通覧すると、以下のごとくである。

  • Odo 1「いかにして木々は王を選んだか」(Perry 262)「木々とオリーブ」
  • Odo 1a「アリたち」
     アリたちが丸太を自分たちの王に選んだが、小便を引っかけた。次にヘビを選んだ — ヘビは彼らを喰ってしまった。
  • Odo 1b「カエルたちが王を選ぶ」(Perry 44)「王様を欲しがるカエル」
  • Odo 1c「ひよこたちが王を選ぶ」
     かつて、雌鳥たちは王としてヘビを選んだため、みんなむさぼり食われてしまった。そこでヒヨコたちは、ほかの王を選ぶことにした。ほかより賢い1羽が言った、「ハトを選ぼう。あいつは単純なやつだから、われわれを強奪も引き裂きもむさぼり食いもしないから」。そこで、そうして、単純なハトはヒヨコたちと仲良くすごした。すると1羽のヒヨコが言った、「われわれの王はつまらない。なにしろ、傷つけることも引き裂くこともしないのだから」。他の1羽が言った、「あいつを追っ払おう。そこで、さて、誰を選ぼうか?」
     「トビを選ぼう」と皆が口々に言った。そして、そのとおりにした。こうして、トビが王に選ばれたある日、トビはヒヨコの1羽をそのくちばしとかぎ爪で引き裂き、むさぼり食った。2羽めも同じようにした。3羽めも。こうしてヒヨコたちは皆、自分たちの残忍な王のせいで全滅した。
  • Odo 1d「鳥たちが王を選ぶ」(Perry 486)「トビとハト」
  • Odo 1e「修道院長と食事と修道僧たち」
     修道院長がいて、修道僧たちに日に3度の食事を許していた。「あいつは」と修道僧たちは言い合った、「われわれにちょっとしかくれん。あいつの寿命が短くなるよう、神にお願いしよう」。そのせいかどうか、院長はまもなく亡くなった。
     他の院長が就任したが、この院長は2度の食事しか与えなかった。修道僧たちは腹を立て、意気消沈して言った、「今こそ祈る時だ。なにしろ、食事の1回分を失ったのだから。神よ、あいつの命を取り除いてください」。今度も、院長は亡くなった。
     3人目の修道院長が就任したが、この院長は2度の食事を差し引いた。修道僧たちは激昂して言明した、「こいつは最悪のやつだ。われわれを空腹で殺すつもりだ。あいつがすぐに死ぬよう、神にお願いしよう」。すると、ひとりの修道僧が言った、「わしは神に祈るつもりだ、あいつが長生きし、わしらのためにあいつを護ってくださるよう」。他の修道僧たちが驚いて、どうしてそんなことを言うのかと尋ねると、彼は答えた、「最初の修道院長は悪かった。二人目はさらに悪かった。そしてこいつは最悪だ。だから、わしは恐れるのだ、3人目が死んだら、次に来るのは他のもっと悪いやつではないかと。そいつはわしらを飢えで完全に抹殺するだろうよ」
  • Odo 2「タカとハトと、"Duke"」(Perry 588)「"Duke"〔公爵〕という鳥〔フクロウの一種〕を王に選んだ鳥たち」
  • Odo 2a「スズメバチ」
     スズメバチが羽音をたてていた。それはまるで"Frai bien, frai bien"と言っているように聞こえた。しばらくたって、スズメバチはあなたの眼の中に飛びこんできた。
  • Odo 3(Perry101〔Babrios72〕)「借り物の羽根を身にまとったコクマルガラス」;( Perry472〔Phaedrus I_3〕)「高慢ちきなコクマルガラスとクジャク」
  • Odo 4 (Perry 644)「ノスリとタカ」
  • Odo 4a「カッコウとスズメ」
     ある時、カッコウが卵をスズメの巣の中に産み落とした。スズメは一生懸命にカッコウの雛を育てた。やがて、雛が一人前の大きさになった時、スズメが餌を運んでやると、カッコウの雛は口を大きく開けて — スズメを呑みこみ、むさぼり食ってしまった。
  • Odo 5 (Perry 230)「カメがワシから受けた教え」
  • Odo 6 (Perry 156)「オオカミとサギ」
  • Odo 7 (Perry 589)「聖マルティヌスの鳥」〔『カリーナとディムナ』第7章 参照〕
  • Odo 8 (Perry 576)「花と鳥たち」
  • Odo 9「『骨砕き』と呼ばれる鳥」
     骨砕きすなわち"Freinos"という名で知られている鳥は、口ばしで骨を砕き、その髄を食べる。骨があまりに硬くて砕けない時は、空高く運んで、それを岩の上に落下させて、こなごなにする。
  • Odo 10「ワシ」〔point.gif『自然究理家』第6話
  • Odo 11(Perry 590)「コウノトリとその口ばし」
  • Odo 12「異教徒とハエ」
     トゥルーズ〔イタリア南部、ガロンヌ河畔の都市〕あたりにひとりの異教徒がいたという。彼は板の上で寝起きし、眼に見えるこの世界を創りたもうたのは真実の神にあらずと説いた。つまり、動物もそのほかの物質も、神が創ったのではないというわけだ。「善なる神が」と彼は尋ねる、「出来損ないに見えるハエをつくりたもうたはずがあろうか」と。
     一匹のハエが飛んできて、この異教徒の顔にとまった。彼は手でぴしゃりと叩いた。けれどもハエはほかの場所に飛び移っただけ、異教徒がまたぴしゃりと叩いた。しかしハエは、異教徒の顔の上をしつこく飛びまわりつづけた。そのことをあまりに苦にしすぎて、その異教徒はまっさかさまに身を投げてしまった。
  • Odo 13「不死鳥」〔point.gif『自然究理家』第7話
  • Odo 14(Perry 591)「ヒキガエルとその美しき息子」
  • Odo 14a「若者と老婆」
     ある若者が、胸くその悪くなるような老婆に対する愛の虜になっているのを眼にしたことがある。その若者は、ほかの者たちは、その老婆に恋をしないのが不思議でならなかった。ある人が言った、「君は本当にこの不美人な婦人が好きなのかい?」。その若者は彼に答えた、だって彼女は本当に美しいんだもの、と。
  • Odo 15(Perry 592)「ネコと修道僧」
  • Odo 15a「クモ」
     クモが自分の内蔵をすっからかんにまでして糸を紡ぎ、巣を織るのは、たった一匹のハエを捕まえるためなのだ。しかし最後には風が吹き、そしてクモの巣をずたずたにして運び去ってしまう。クモもハエももろともに!
  • Odo 15b「ハエ」
     ハエの行動は予測しがたい — ときには咬み、ときには汚し、ときにはわれわれを扇動する。
  • Odo 16(Perry 352)「田舎のネズミと都会のネズミ」
  • Odo 17「アンテロープ」〔point.gif『自然究理家』第36話
  • Odo 18「例話:ヘビとワニ」
     ヘビというよく知られた生き物は、窮地に陥るととぐろを巻いて、そうすることでよりよく這ってゆけるのだ。あるとき、ワニが眠っている間に、その口からワニの体内に入って行き、腹の中に入りこんで、その心臓をむさぼり喰い、そうやってワニを殺してしまった。
     〔point.gif『自然究理家』第25話
  • Odo 19(Perry 593)「キツネと井戸の中のオオカミ」
  • Odo 20(Perry 149)「ライオンとロバとキツネ」
  • Odo 21(Perry 594)「ネコとネズミとチーズ」
  • Odo 21a「イヌたちとカラスたち」
     イヌたちが獲物をむさぼり食っている間、カラスたちは樹の上で待っている。イヌたちが喰い飽きて立ち去ると、カラスたちは舞い降りてきて、骨にまだ残っている食い残しを喰うのだ。
  • Odo 21b(Perry 384)「ネズミとカエル」
  • Odo 22(Perry 595)「修道僧になりたがったイセングリム」
  • Odo 23(Perry 596)「オオカミを訴えるヒツジ」
  • Odo 23a「ヒツジの面倒をみるオオカミ」
     ある家長が12頭のヒツジを所有していた。その彼が旅行をしたくなったので、仲間のイセングリムにヒツジの面倒をみることを頼んだ。相手はよく面倒をみようと誓った。
     家長はすぐに旅に出た。イセングリムは、自分の仕事をよく考えて — 最初の日に、最初の1頭を食事に供した。次の日に、別の1頭を。そうやって、家長が帰ってみると、ヒツジは3頭しか残っていなかった。
     家長は、残りのヒツジはどうしたのかと、仲間に尋ねた。イセングリムは、老衰で死んでしまったと答えた。そこで家長が言った、「それなら、ヒツジたちの皮をくれ」。そこにはオオカミの歯形がはっきり残っていた。「こいつらの死はおまえの責任だ」、そう言って家長はオオカミを吊し首にした。
  • Odo 24(Perry 155)「オオカミと仔ヒツジ」
  • Odo 25(Perry 597)「雄鳥に罪の告白をするキツネ」
  • Odo 26(Perry 358)「ライオンの皮を被ったロバ」
  • Odo 27「幸せの地を探し求めるウォルター」
     ウォルターという男が、「永遠の喜びのある、苦しみのまったくない地」を求めて旅をする。もちろん最後は、梯子を立てかけた老人に出会う。この梯子をのぼれば、天国に達するというわけだ。
     注目されるのは、どんな美女、どんな富や名誉を得ても、クマとオオカミと気持ちの悪いにょろにょろした虫とヘビにとりまかれて生きているようなものだという譬え。これが西洋流無常観だとすると、東洋流無常観と近いような遠いような……。
  • Odo 27a(Perry 569)「サルの王様」
  • Odo 28(Perry 598)「ハチとクモ」
  • Odo 28a「センチコガネ」
     あるとき、センチコガネが、花咲き匂う牧場に囲まれた森を越え、林檎園を越え、薔薇園を越え、百合やそのほかの花園も越えて飛びまわってみた。やがて、馬や家畜の堆肥の山にもどってきたセンチコガネは、どこに行ってきたのかという妻の問いに、こう答えた、「世界中を飛びまわってみたが、このうんこ山ほど快適ですばらしいところは見たことがない」。
  • Odo 29(Perry 599)「ワシと医者カラス」
  • Odo 30「狩り好きの戦士が動物寓話を聞く」
     ある戦士が聖職者に、天国にはどんな喜びがあるのかと尋ねた。聖職者は答えた、「眼にまだ見たこともなく、耳にまだ聞いたこともなく、心に思い浮かんだこともないような喜びがある。そういうものを、神は自分を愛する者のために備えられている」。すると、この戦士は根っからの狩り好きの俗人あったので、「天国には猟犬や鷹はおるのか」と重ねて尋ねた。
     聖職者は答えた、「それほど喜ばしいところに、犬どもが行くのはふさわしくない」。「けれども」と俗人は言った、「猟犬や鷹がいれば、そこに行きたいという思いはもっと強くなるのだが」。そこで聖職者は次のような寓話を話してきかせた —
  • Odo 30aその内容「動物たちを食事に招いたライオン」
     ほかの動物たちと仲良しとなったライオンが、みなを宴会に招いた。さまざまなご馳走にあずかった後、それぞれ家路についた。その帰路、オオカミは、蛆のわいた残飯を食べているブタに出会った。ブタが話しかけてきた、「イセングリムよ、どこに行くだ?」。「ライオンの品のよい宴会から帰るところよ」とオオカミが答えた、「で、おまえはそこで何をしてるんや」。ブタが尋ね返した、「教えてくれ、ライオンはすばらしいご馳走でもてなしたんけ」。「たしかに、すばらしいもてなしやった」。「残飯は何もなかったんけ。それが日々の食い物やとゆ〜んけ」。するとオオカミが答えた、「くそったれ、おまえは何を言いたいんや。宴会にひどいもんは出せんやろが」。
  • Odo 31「センチコガネと百姓」
     ひとりの百姓が、センチコガネを何匹かつかまえて、自分のやくざな馬が引っ張る鋤に馬といっしょに繋いだ。何でそんなことをするのかと尋ねられて、百姓は答えた。「後ろに引っ張るものでさえなければ、何でも助けになると思ってね」。百姓は何度も何度もセンチコガネを追い立てたが、牛糞の上にとまろうとするばかりで、ついに百姓の言うことはきかなかった。
  • Odo 32「ハチとセンチコガネ」
     昔、ハチがセンチコガネを昼食に招いた。センチコガネが食卓につくと、ハチは蜂蜜と巣で供応したが、センチコガネはあまり食べずに、そそくさと帰っていった。
     別の機会に、今度はセンチコガネがハチを招待した。食卓につくと、センチコガネは牛のうんこを客人の前に供した。ハチは手もつけずに退散した。
  • Odo 33(Perry 600)「ロバとブタ」
  • Odo 34(Perry 601)「ニワトリと雛とトビ」
  • Odo 35(Perry 602)「ライオンの家での食事」
  • Odo 36(Perry 603)「ガチョウとカラス」
  • Odo 36a「罪人のために:義人は神に祈る」〔国字本下巻第34話「出家と盗人の事」参照〕
  • Odo 36b「貧しき馬鹿」
     ある男が、時には教皇の前で、時には皇帝の前で、時には王や王子の前で時を過ごしていた。長い旅路の果てに、彼は特別な貧困者と出会った。貧しい男は、自分といっしょにいてくれるように頼んだ。するとその旅人は言った、「何でおまえといっしょにいなきゃならんのや? 高貴な身分の方々とたっぷり時を過ごしてきたおれが!? おまえは馬鹿だ」。
  • Odo 36c「魔術師」
     ある魔術師が王や王子たちの前で演技を見せながら時を過ごしていた。観客みなの眼をくらませながら。
  • Odo 36d「チェス遊び」
     金持ちはチェス遊びと同じ。チェスをする者は、駒箱から駒を取り出し、盤上に並べる。その駒を王とか騎士とか、城将(ルーク)、歩とか呼ぶ。金持ちはこういったもので遊び、相手をやっつけると勇者として歓呼の声をもって迎えられる。けれども、終われば駒は盤上から取り除けられ、駒箱の中にごちゃごちゃに放りこまれる。
  • Odo 37「野生の仔馬」
     野生の仔馬は、馬勒で引き留められないかぎり、自分から水の中に飛びこんだり、罠の中に飛びこんだりする。
  • Odo 38(Perry 604)「タカの真似をしたトビ」
  • Odo 39(Perry 605)「多くの術を知っているキツネと、たったひとつの術しか知らないネコ」〔アルキロコスの断片201
  • Odo 40(Perry 606)「カラスとハト」
  • Odo 41「ヤツガシラとナイチンゲール」
     美しいヤツガシラが、色とりどりに着飾り、きらびやかな羽根飾りをつけて、ナイチンゲールを訪問した。「君は夜中じゅう歌いつづけて、ごつごつした枝の上をのぼったりおりたり。ぼくの巣に着て休憩したまえ」。この招待をよろこんで、ナイチンゲールはヤツガシラの巣を訪れた。しかし、巣の中に臭いうんこがあるのを見つけて、休憩することができず、飛び去りながら言った、「こんなうんこの中で休むよりは、ぼくはごつごつした枝の中をあがったりさがったりしている方がいいのさ」。
  • Odo 42「多数の牛を借りた金持ち」
     多くの牛を所有している金持ちがいた。その横に、たった一頭の、しかしよく肥えた乳牛を持っている未亡人が住んでいた。金持ち野郎はそれが欲しくなって、下男に言った、「あの後家さんを見ろ。わしの見たこともないようなよく肥えた乳牛を持っていやがる。行って連れてこい」。
     主人の言いつけを守って、下男は乳牛を連れてきた。そこで金持ちはこれを殺すよう命じて、その一片を煮、残りを焼いて、その肉を昼飯に運ばせた。ところが、最初の一切れを食べたとたん、金持ちは息が詰まって死んでしまった。
  • Odo 42a「愚か者が借金を支払う」
  • Odo 42b「アリの勤勉」〔Perry112?; Perry373? 〕
  • Odo 43(Perry 607)「オオカミの葬式」
  • Odo 44(Perry 608)「糞するイヌ」
  • Odo 45(Perry 609)「人と一角獣」〔『バルラームとヨアサップ』〕
  • Odo 46(Perry 610)「キツネと渡し守」
  • Odo 47「サル」
     サルが舌鼓を打ちながらクルミを食べていた。ところが、硬い殻に行きあたって、中においしい仁があるとも知らず、中身もろとも殻といっしょに捨ててしまった。
  • Odo 48「カメ」
     カメは家を背負って運ぶ。だからその歩みは遅いが、質素な日々の仕事を果たすのみである。
  • Odo 48a「同じくカタツムリ」
     カタツムリは2本の角を出す。しかし、1片の籾殻や、何かの棘に触れようものなら、それを引っこめるばかりか、自分も殻の中に閉じこもる。
  • Odo 48b「クモとハエとハチ」
     ハエが飛んできてクモの巣に引っかかったので、クモは喜び勇んで大股で近寄り、ハエを捕らえてこれを殺した。ところが今度はぶんぶんいうハチが恐ろしい羽音をたてながらやってきたので、クモは自分の巣穴の中に逃げこんだ。
  • Odo 49「キツネ」〔point.gif『自然究理家』第15話
  • Odo 49a「同じような別の例話」
     ある人がチーズの1片を罠に仕掛ける。ネズミがその匂いをかいで罠に入り、チーズをつかんだとたんに、自分が罠に掛かってしまった。
  • Odo 50(Perry 611)「キツネと雌鳥」
  • Odo 51 「キツネの欺瞞」
     ヒツジはキツネが名うての悪党であることを知っているので、自分たちの境界と、番犬が守ってくれる範囲より外には決して出て行かない。「けれどおいらにはわかっている」とキツネは思う、「ヒツジの皮を身につけて、やつらの中にもぐりこんでいたら、いつかやつらをごちそうにできるってことが」。そして本当にそうしたのである。
  • Odo 51a「盗賊の欺瞞」
    〔修道士の格好をして隊商の中に紛れこみ、身ぐるみ剥いだ盗賊団の話〕
  • Odo 52「白ヒツジと黒ヒツジとロバと牡ヤギの言い争い」
  • Odo 53「まぐわとヒキガエル」
     あるとき、まぐわがヒキガエルを轢いてしまった。そして歯の1本が頭を刺し抜き、もう1本が心臓を、さらにもう1本が腎臓を貫いた。ヒキガエルが叫んだ、「My God bring destruction upon all lords!」〔すべての神に破滅あれ〕
  • Odo 54(Perry 612)「ハヤブサとトビ」
  • Odo 54a(Perry 613)「ネコについて相談するネズミ」〔国字本下巻第17話「鼠の談合の事」
  • Odo 55(Perry 614)「フクロウと鳥たち」
  • Odo 56(Perry 615)「酒瓶の中のネズミとネコ」
  • Odo 56a「ノミ」
     修道院長がノミをつかまえた。いつもひどい目に遭っているので、今日こそは殺してやるという。ノミは、殺す前に掌にのせて、どうか最期の罪の告白を聞いてくださいと哀願する。修道院長が同情して、掌にのせたとたん、ノミはぴょんぴょん逃げていった。
  • Odo 56b「アレキサンダー:危険に直面した人間」
     海で仕事をすることになったアレキサンダーという男の話。アレキサンダーは神に祈った、「港に導いてくださったら、わたしは永久に善人となって、あなたを怒らせるようなことは何もいたしません」。
     そうして、本当に港について、安全な場所に投錨したとき、彼は叫んだ、「イエス様、イエス様、わたしはあなたをだましていました。今も、善良であることには、あたしはこれっぽっちも関心がないのでございます」。
  • Odo 56c「穀物倉」
     穀物でいっぱいの納屋が火事になって、誰が見ても穀物倉は灰燼に帰すと思えた。すると倉の主が叫んだ、「神よ、もしも火を消してくださったら、穀物は貧しい人たちに分け与えます」。すると、火がすぐに消え、穀物は無傷で残った。けれども、その主人が誓いを守ることはなく、貧しい人たちに小麦を与えることはなかった。
  • Odo 57「ペリカン」〔point.gif『自然究理家』第4話
  • Odo 58(Perry 616)「オオカミと争うウサギ」
  • Odo 59(Perry 176)「旅人とマムシ」
  • Odo 59a(Perry 618)「みじめな男」
  • Odo 60「ヒョウ」〔point.gif『自然究理家』第16話
  • Odo 61(Perry 133)「肉を運ぶイヌとその影」
  • Odo 62(Perry 376)「自分を膨らませるヒキガエル」
  • Odo 62a「騎士の息子」
     父親が非常に勇敢な騎士の息子がいたが、自然はこの子に優れた体力を与えなかった。にもかかわらず、息子は父親をまねて、馬上試合に出たが傷つき、それがもとで死んでしまった。
  • Odo 63(Perry 619)「ネズミの嫁入り」
  • Odo 64 「ネコの美人妻」
     美しい妻を持ったネコがいた。しかし妻は夫を大事にせず、ほかのネコたちとぶらついてばかりいた。夫が友人にこぼすと、こう忠告した、「細君の毛皮にそこらじゅう焦げ跡をつけちゃいな、そうしたら、いつも家にいるだろうよ」。夫が友人の忠告どおりにしたら、美人妻はいつも家にいるようになって、出歩かなくなった。
  • Odo 64a「ある貴婦人」
     そんなに惜しみなく着飾っているのはなぜかと尋ねられた貴婦人が答えた、「もちろん、世間のためではございません、夫をよろこばすためざ〜ますわ」。
     相手がその点をとらえて言った、「それは嘘でしょう、奥さん。逆に、あなたは人がうじゃうじゃいるところでは、惜しみなく着飾っているのに、夫君と面つき合わせているときには、ぼろをまとって、あなたの気前のいいその衣裳は、箪笥の中にぶらさがっているのですから」。
  • Odo 65(Perry 620)「コウノトリとヘビ」
  • Odo 66(Perry 621)「羽根をなくしたクジャク」
  • Odo 67(Perry 622)「ヒキガエルとカエル」
  • Odo 67a「イヌと二人の人間」
     一匹のイヌが、二人の男といっしょに歩いていた。どちらのものかわからなかった。しかし、別れ道にさしかかると、イヌは主人の方について行った。
  • Odo 68 「ロバとライオン」
    〔百獣の王ライオンが配下の動物たちをみな召喚した。それでみな、思い思いの仕方で奉仕した。ロバは、自分は歌がうまいと申し出た。「それでは聴かせてもらおう」とライオンが言った。そこでロバは口を開いた — が、それはとんでもない調子はずれの歌声だったので、ライオンを怒らせてしまった。

     Perry83に「踊る猿と駱駝」がある。歌う驢馬の寓話もどこかで見たような気がするのだが、思い出せない(^^ゞ〕
  • Odo 69(Perry 91)「じゃれつくロバと主人」
  • Odo 70(Perry 124)「カラスとキツネ」
  • Odo 70a(Perry 623)「アテナイの哲学者」
  • Odo 71「コウノトリとネコ」
     ウナギをつかまえておのが巣に運ぶコウノトリを見習うがよい。
     ネコがこれを見て、ウナギは食いたし、自分の足は濡らしたくなしで、コウノトリに話しかけた、「ああ、何と美しい鳥さんなんざ〜ましょ、あなたの赤いくちばしといい、白い羽といい、あなたのくちばしの内側も赤い色なんざ〜ますか?」
     コウノトリは返事をしなかった。口を開けて、ウナギを失いたくはなかったのだ。するとネコは悪口雑言を浴びせかけた。「おい、おまえ、おまえはつんぼかおしか。返事もできないとは、情けないやっちゃ。おまえがヘビを食うって〜のはほんまか。ヘビやて〜。ありとあらゆる生き物の中で、有毒で最もきたならしいのを選んで食うとは。だからおまえは鳥の中で最も不浄なやつなんだ」。
     しかしコウノトリは返事もせず、ウナギをしっかり掴んだまま家路を急いだ。
  • Odo 72「修道院生活:同じテーマで」
     修道院の生活をしたいという男がいた。そこで修道院長は、人骨の山を見せて、これを祝福せよと言いいつけた。男が祝福すると、修道院長は尋ねた、「骨は何かこたえたかね?」。「何も」と若い男は答えた。次に修道院長は骨の山を呪うように言いつけた。男があらんかぎりの呪いの言葉を吐くと、院長は尋ねた、「骨は何かこたえたかね?」。「何も」と男は答えた。「兄弟よ」と修道院長が言った、「修道士になりたいのなら、これらの骨のようになることが必要だ — 祝福にも呪いにも、何もこたえないという」
  • Odo 73(Perry 623a)「ヤギとロバ」
  • Odo 73a「老父とその息子と王様」
     老父が、かつて騎士だったというわけで、これを馬鹿息子がヒツジに騎乗させようとした。父親を虐待していると聞いた王様が、その息子を牢屋にぶちこんだ。
  • Odo 73b(Perry 624)「老父と馬鹿息子」
  • Odo 74(Perry 625)「釣りをするオオカミとキツネ」〔『狐物語』〕
  • Odo 75(Perry 521)「アリとハエ」
  • Odo 76(Perry 626)「カッコーとワシ」
  • Odo 77(Perry 627)「ナイチンゲールと射手」〔『バルラームとヨアサップ』、ペトルス・アルフォンシ『知恵の教え』〕
  • Odo 78「一角獣を逃れる男」〔『バルラームとヨアサップ』〕
  • Odo 79「ネズミとその息子たち」
     ある家ネズミがいたずら者の子どもたちを持っていた。親ネズミが餌を探しに出かけると、子どもたちは、押し合いへし合い巣穴から出てきて、ふざけまわった。そして親ネズミが帰ってくると、あわてて巣穴にもどって、知らんぷりをしていた。あるとき、親ネズミが餌を探しに出かけたすきに、イタチがやってきて、子ネズミが巣穴から出てくるのを見越して、出口で待ちかまえていた。そして、一匹、また一匹と、とうとう一匹残らず食ってしまった。
  • Odo 80「シオンの司教テオドシウス卿」
    〔氷の中に閉じこめられた魂を救うために、さまざまな妨害にもかかわらず、30日間のミサをやり遂げる話〕
  • Odo 81(Perry 628; Cf. Perry452〔Walz, Rh. G. I, p.597〕)「キツネとロバの告白を聞くオオカミ」





 オドーは、話材をスペイン旅行から得たと考えられている。そのオドーの寓話集は、15世紀、スペインに逆輸入されて、『猫の書(Libro de los gatos)』として刊行された。といっても、猫はほとんど重要性を占めておらず、写本の誤りでcuentos〔物語〕がgatos〔猫〕となったというにすぎないらしい(三原幸久「スペインの古典説話」、『ラテン世界の民間説話』所収、p.113)。収録作品の題名を見ても、これがオドーのスペイン語訳であることは明らかであろう。とはいえ、スペイン語がまったく出来ないもので、誤りを訂正いただけるとありがたい。
 全文はここ。-->多謝、田邊まどかさん。

  『猫の書』 Odo of Cheriton 参考
1. 海亀と鷲のあいだに起こったことの寓話 Odo 5 (Perry 230)「カメがワシから受けた教え」  
2. 鶴と狼の寓話 Odo 6 (Perry 156)「オオカミとサギ」  
3. サン・マルティンの鳥の寓話 Odo 7 (Perry 589)「聖マルティヌスの鳥」 『カリーナとディムナ』第7章 参照
4. 鶉と狩人の寓話 Odo 8 (Perry 576)「花と鳥たち」 ?  
5. 骨を砕く鳥の寓話 Odo 9「『骨砕き』と呼ばれる鳥」  
6. 蝿と異端者の寓話 Odo 12「異教徒とハエ」  
7. ヒキガエルと兎の寓話 Odo 14(Perry 591)「ヒキガエルとその美しき息子」  
8. 老女を愛する若者の寓話 Odo 14a「若者と老婆」  
9. 猫と鼠の寓話 Odo 15(Perry 592)「ネコと修道僧」  
10. 蝿の諸特性についての寓話 Odo 15b「ハエ」  
11. 鼠たちの寓話 Odo 16(Perry 352)「田舎のネズミと都会のネズミ」  
12. ヒドラというぜん虫 Odo 18「例話:ヘビとワニ」  
13. アンテロープという動物の寓話 Odo 17「アンテロープ」 『自然究理家』第36話
14. 狐と狼のあいだに起こったことの寓話 Odo 19(Perry 593)「キツネと井戸の中のオオカミ」  
15. ライオンと狼と狐の寓話 Odo 20(Perry 149)「ライオンとロバとキツネ」  
16. チーズを食べた鼠の寓話 Odo 20(Perry 149)「ライオンとロバとキツネ」  
17. 犬たちと烏たちの寓話 Odo 21a「イヌたちとカラスたち」  
18. 鼠と蛙、鳶の寓話 Odo 21b(Perry 384)「ネズミとカエル」  
19. 狼と修道士たちの寓話 Odo 22(Perry 595)「修道僧になりたがったイセングリム」  
20. 狼と羊たちの寓話 Odo 23(Perry 596)「オオカミを訴えるヒツジ」  
21. 善良な男と狼の寓話 Odo 23a「ヒツジの面倒をみるオオカミ」  
22. 驢馬たちと人間たちに起こったことの寓話 Odo 26(Perry 358)「ライオンの皮を被ったロバ」  
23. ガルテルとある女に起こったことの寓話 Odo 27「幸せの地を探し求めるウォルター」  
24. 狐と雌鶏たちの寓話 Odo 50(Perry 611)「キツネと雌鳥」  
25. 狐と羊たちに起こったことの寓話 Odo 51 「キツネの欺瞞」  
26. 侯爵と商人たちの寓話 Odo 51a「盗賊の欺瞞」  
27. 白い羊と驢馬と山羊の寓話 Odo 52「白ヒツジと黒ヒツジとロバと牡ヤギの言い争い」  
28. 二人の仲間の寓話 Odo 67a「イヌと二人の人間」 ?  
29. 蜘蛛と蜂の寓話 Odo 28(Perry 598)「ハチとクモ」  
30. 蝶の寓話 Odo 28a「センチコガネ」  
31. 烏と鷲の寓話 Odo 29(Perry 599)「ワシと医者カラス」  
32. 善良な男と騎士の寓話 Odo 30「狩り好きの戦士が動物寓話を聞く」  
33. 鍬で耕す男と黄金虫の寓話 Odo 31「センチコガネと百姓」  
34. 蜜蜂と黄金虫の寓話 Odo 32「ハチとセンチコガネ」  
35. 善良な男と驢馬の寓話 Odo 33(Perry 600)「ロバとブタ」  
36. 鳶と雌鶏たちの寓話 Odo 34(Perry 601)「ニワトリと雛とトビ」  
37. 猫とライオンの寓話 Odo 35(Perry 602)「ライオンの家での食事」  
38. 鵞鳥と烏の寓話 Odo 36(Perry 603)「ガチョウとカラス」  
39. 鶉たちと鳶の寓話 Odo 38(Perry 604)「タカの真似をしたトビ」 ?  
40. 猫と狐の寓話 Odo 39(Perry 605)「多くの術を知っているキツネと、たったひとつの術しか知らないネコ」 アルキロコスの断片201
41. 鳩と烏の寓話 Odo 40(Perry 606)「カラスとハト」  
42. ヤツガシラと小夜啼鳥の寓話 Odo 41「ヤツガシラとナイチンゲール」  
43. 修道士の寓話 Odo 42「多数の牛を借りた金持ち」 ?  
44. 村人〔小作農民〕たちの寓話 Odo 42a「愚か者が借金を支払う」  
45. 蟻と豚たちに起こったことの寓話 Odo 42b「アリの勤勉」 Perry112?; Perry373?
46. 狼の死の寓話 Odo 43(Perry 607)「オオカミの葬式」  
47. 狼とイグサの寓話 Odo 44(Perry 608)「糞するイヌ」  
48. 一角獣の寓話 Odo 45(Perry 609)「人と一角獣」 『バルラームとヨアサップ』
49. 狐と船乗りの寓話 Odo 46(Perry 610)「キツネと渡し守」  
50. 猿の寓話 Odo 47「サル」  
forward.GIF第14章 バイユーのタピスリ
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