趣旨
丹波では、小さな山々の連なりと、その山並みに囲まれて長く続く盆地や谷底平野が風景の骨格を形づくっています。地域を象徴するような際だった地形や地物はないものの、山々に囲まれた農地、まちや集落、歴史的建造物、木々の緑などの要素が微妙なバランスを保って調和していることが地域空間を特徴づけています。
それは、どこにでもある農村風景のようにも思いますし、それでも、やはり、丹波独自の風景のようにも感じられます。何れにしても、いま、このような環境や風景……柳田國男が『別にこゝといふ中心も無いやうな』『斯ういふ茫として取留めの無い美しさ』『之を作り上げた村の人々の素朴な一致』と形容する、ありふれていてかけがえのない農村風景を、守り、育てていく計画論は成立するでしょうか。
丹波地域における「緑豊かな地域環境の形成に関する条例(緑条例)」の見直しや集落単位のまちづくりの取り組みなどをご紹介し、こうした活動を通じて考えたことを、お話しさせていただきました。
兵庫県 金野幸雄
記録
兵庫県緑条例の背景
兵庫県 難波 健
兵庫丹波の環境的魅力--都市計画白地地域を捉える
緑のまち研究所 横山宜致
『美しき村』の計画論
兵庫県県土整備部 金野 幸雄
質疑応答
- 計画策定時の意見調整について
- 緑条例の罰則規定について
- 用途制限をしなかった理由
- 景観の目標像、景観の考え方
- 丹波だからこそできた緑条例。景観法との関係は?
- 風景を読み解く方法
- 地元の盛り上がり
- 終わりに
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