趣旨
1980年代、90年代に、市民への文化サービスと、都市のイメージや文化力アップを狙って全国津々浦々につくられた美術館・博物館が、いまや箱モノ行政と批判され、市場性を問われ、財政改革のターゲットとなっている。
なかでも、芦屋市立美術博物館では運営を肩代わりできる企業やNPOが現れなければ閉鎖するという方針が打ち出され、存続を求める市民がNPO 芦屋ミュージアムマネージメント(通称:AMM)を立ち上げ、2006年より運営を肩代わりすることになった。
果たして芦屋市に美術館は贅沢なのか、流行らなければ閉鎖してしまったり、指定管理者に投げ出して良いものなのか。一体だれが、支えるべきなのか。そして、都市ののイメージや文化力アップといったまちづくり上の役割はお題目だったのか。
一方では創造都市政策が話題になっている今日、都市とミュージアムについて、AMMの代表であり、都市の空間と文化を研究されている角野幸博氏より報告と問題提起をいただき議論した。
セミナー委員 前田裕資