アレルギー性鼻炎を説明する前に、まず「鼻」の構造とそのはたらきについて、簡単に説明してみます。
鼻と云えば、一般的には顔面中央に位置し、二つの穴(外鼻孔)が開いた突出部(外耳)を指しますが、実はその奥に大きな容積を持つ鼻腔(1)があります。 吸気(空気)は外耳腔(2)を通り、鼻腔を経由して肺に向かいます。
図1および図2の通り、鼻腔は中央で鼻中隔(3)に隔てられ、鼻腔の中には、粘膜におおわれた薄い骨からなる下鼻甲介(4)中鼻甲介(5)上鼻甲介(6)が張り出しています。
肺への空気の通り道になり、空気中に含まれたホコリを取り除く(除塵)ほか、肺に入る空気に湿り気を加えたり(加湿)、温度を上げる(加温)などを行っています。 おもに下・中鼻甲介がはたらきます。
ニオイ分子は、吸気とともに、鼻に入り、鼻腔の上部(上鼻甲介、これに向かい合った鼻中隔の部分)にある臭粘膜に達し、ニオイが知覚されます。 鼻の上部の通りが悪くなると、嗅覚が鈍くなります。
声を出す際に共鳴腔として働きます。 鼻がつまると、声の響きが違って鼻声(閉鼻声)になります。
鼻の粘膜に刺激が加わると、刺激の原因になるものを体の外へ排除しようとするクシャミ発作がおこります。