~音声外科~ 痙攣性発声障害、声帯麻痺、声帯萎縮、声の高さを変える手術など。 
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アレルギー性鼻炎・花粉症の話

アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎の治療として、薬物療法、減感作療法、手術療法が行われます。

薬物療法
  1. 抗ヒスタミン剤
    抗原が鼻から入ると、肥満細胞からヒスタミンが出され、これが神経を刺激してアレルギーの症状が出ますが、抗ヒスタミン剤はヒスタミンが神経を刺激するのを妨げることにより症状を抑えます。 抗ヒスタミン剤の特徴は、くしゃみ、鼻水に早く効くことですが、鼻づまりにはあまり効きません。 眠気や体がだるくなる副作用があります。抗ヒスタミン剤
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  3. 抗アレルギー剤
     抗原が抗体を反応すると肥満細胞からヒスタミンが出されますが、このヒスタミンの放出を抑える薬を抗アレルギー剤と呼んでいます。
     即効性ではなく、効果が現れるのに2週間ぐらいかかります。抗ヒスタミン作用を合わせ持つ薬もあります。 抗アレルギー剤

     

     

  4. ステロイド剤
    ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)は炎症を取る作用の強い薬です。 副作用もあることから、アレルギー性鼻炎では飲み薬はあまり使わず、主に鼻に噴霧する薬が使われています。
    鼻に噴霧することにより、くしゃみや鼻水の回数を減らしたり、鼻づまりを取るのに有効です。 飲み薬は花粉症で症状がひどい場合に日数を限って使われます。ステロイド剤

 

減感作療法

 アレルギーの原因となっている抗原を少量から少しずつ増やして皮内注射して行き、抗原に対する過敏性を減らす治療法で、根本的治療方法といえます。

 週に1~2回から始めて、次第に回数を減らし、月1回の注射を続けます。 ハウスダストでは70~80%に効果がありますが、スギ花粉症では花粉の量が多いと、症状が出ます。

 注射した抗原によりショックを起こすこともありますので、専門医による治療が必要です。 また、治療には長期間(2~3年間)を要するという欠点があります。

 

手術療法

 アレルギー性鼻炎の症状の中でも、特に鼻づまりのひどい人には手術も有効です。 下鼻甲介の粘膜を切除する手術が行われます。 手術は簡単で、入院も数日と短期間で済みます。

 腫れた粘膜を切り取ることにより鼻の通りは良くなります。 粘膜とともに粘膜にある神経、鼻水を出す腺や血管も切り取られますので、くしゃみ、鼻水にもある程度、効果がありますが。鼻の粘膜を全て切り取るわけではありませんので、これらの症状は残ります。