/ saving

貯蓄

ここでは私個人の資産の内容よりも貯蓄に関する私の考えを主に述べることにします。

2010年12月16日政府は相続税の基礎控除額のうち定額部分5000万円を3000万円に引き下げ、相続人一人あたり控除額を、1000万円から600万円に引き下げることを決定しました。また最高税率を50%から55%に引き上げることになります。
これは納税対象者を大幅に増やし大幅な増税となります。仮に遺産1億円、妻と子供2人の場合、私の概算では今までですと2000万円に対して課税されますので課税総額は100万円ですが、今回の改訂では5200万円に対し課税され、課税率と課税分の控除額(配偶者控除ほか)を考慮しても290万円課税されることになります。子供二人だけが相続する場合はこれまで総額350万であったのが770万円に増額されます。

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序章

私の貯蓄のベースになっているのは、退職金もありますが、それよりも、若くその日の食べ物にも困っていた時から、現在もなお続けている収入の一割貯蓄です。インフレ時代には貯蓄してもドンドン値打ちが下がるから意味ないよと思ったこともありましたが、結果はインフレ当時かなり高い利息が複利で付いてきたので、デフレ時代のいま、その果実をすこしばかり享受しています。もう一つ貯蓄意欲の動機になったのは友人が私に50万円を予備的に持つと気が楽だと言ったことです。当時の給料は 月4万円程度でしたが、少しでも余分ができると三井信託にビッグとして預けていきました。三井信託(現在の三井住友信託)とのおつきあいは振り返ってみると60年以上と言うことになります。これらの預金が現在の資金運用の基盤になっています。最近高齢者の犯罪が増えていますが、多くの場合経済的に行き詰まっての犯罪が多いのです。イソップのアリとキリギリスの物語はやはり正しいと思います。消費が振るわないので政府は貯蓄は罪悪といわんばかりの宣伝をしますが、惑わされてはなりません。何事も自分の頭で納得してから
高かった日本の貯蓄率も高齢層の取り崩しが進みつつあり、1994年には12.9%であった家計貯蓄率は2013年には0.9%(2000年7.3%)に低下しています(余談ですが、中国の2008年の家計貯蓄率は28.8%でした。)。貯蓄はそれ自体が目的物ではなく、心おきなく必要なときに使い、心の余裕を持つために必要なのです。せめて晩年には自分の使いたいことには自由に使えるだけの余裕が欲しいものです。世間の事件の裏を読むとすべての現象の背後にはやはり経済が横たわっているようです。ですから家計の全容を把握し、経済的に打つべき手は打っておくことが精神的にゆったりした生活には必要です。 2013年度の金融広報中央委員会の調査によりますと、貯蓄ゼロ世帯が全体の31.0%(2010年度22.3%、2009年度22.2%)ですが、そういう世帯でも点検すれば必ずしも必要でない物品の購入や調理済み食品の購入など無駄は無いのでしょうか?持つものと持たざるものの二極化を批判して責任を自分以外の所に転嫁してはいないでしょうか。貯蓄を持つ世帯での平均残高は1,101万円です。二極化はますます進むでしょう。震災・病気などお金のいる事が予期しない時にやって来ますから、その時に備えて、わたしは多少無理してもデフレ下であれインフレ下であれ貯蓄することを経験上お勧めします。予期しない事態が出現するのが人生ですが、若いときから独自のライフ プランを自分なりに持ち、老後に備えて多少は計画的に資金をコツコツと準備していくことをおすすめします。一生を振り返るとそんなにけちなことはしてこなかったつもりですが、資金運用にも心がけると思いの外に準備ができるものです。チャップリンではありませんがちょっぴりお金の面で余裕があると精神的にも余裕を持って生活できます。1929年生まれの私は基本的には国に頼ることは考えていません。むしろ頼りすぎると危険だと思っています。自律的ですべて自分で責任を持つことを基本にしましょう。国が自分だけではできないことをしてくれるのは感謝しています。親父の代にはなかった現在の介護保険・健康保険などとかくの批判はありますが、やはりありがたい制度だと思っています。しかし嘗て「御国のため」といって個人の生活を制約し、自由を奪い、とどのつまりが一枚の赤紙で有無を言わさず生殺与奪の権限を国が行使した苦い思い出は焼き付いているのです。戦時の産めよ増やせよ政策が現在の高齢化社会の根元でしょう。国力から見て人口が増えすぎた面があります。愛国心教育復活に嘗ての悪夢がよみがえります。国は基本的には個人の権利の守護神ではないのです。ましてや国と地方で現在1000兆円を越える赤字がありますから、いわばすでに破産しているのです。破産者に要求することは無理だと思っています。

敢えていえば個人も資産運用に習熟・研究を要する時代(注に日商岩井の例)に入ってきています。しかし株式との付き合いには骨董の購入と同じような所があります。つまらない骨董を買って痛い目に遭い、発憤してこの失敗を糧にして、工夫し、眼を養って次に備えなくてはならない点が似ています。ただし、よほど頭の切り替えの巧みな人以外は、私の考えでは、55歳までは自分の本業に頭をフルに使うために、株式にのめり込むことは止めておくのがよいと思います。株式は関係する情報を集め分析するのにかなり頭がいり、エネルギ−を使う作業だからです。最後は決断の問題で、その決断の責めは自分が負うしかありません。楽なものではありません。その上ギャンブル性もあります。経済評論家のいうことも決してそのまま信じてはなりません。参考にしてもよろしいが最後は自分の判断と実行です

以上のように私の株に対する姿勢は素人そのものですから、あまり参考にならないと思いますが、素人の一例としてご覧くだされば幸いです。私は投資のために借り越し(空売り)はしない主義で、すべて自分の裁量で生み出した手持ち資金の範囲で、投資は生活費とは別勘定でいわば預貯金の分野で独立させて運営しています。株にはばくち的要素はつきものですが、ばくち的要素のより高いFX、先物取引や証券会社からの借り越しで信用取引することはしません。思いも掛けぬ大きな儲けもしないし現実には資金繰りで苦労はしないということになります。先物取引では時には大きい儲けもあるでしょうが証拠金がいりますから、追い証を迫られないかビクビクしていなければならないこともあるでしょう。空売りも一時は儲かるかも知れませんが、買い戻しのタイミングがこないかも知れません。そうなれば大損です。素人には場を読むことは非常に難しいのでわたしは手持ち金だけで小さい取引をしています。追い証でビクビクすることはありません。何しろ我が一族は祖父の代に米の先物取引で破産し、苦労した経験があるので慎重なのです。昔は株でも"値上がりよりも配当"それが元々の発想だったといいます。金融の基本は金利と配当です

わたしの場合現在株式の配当は税引きで年額約30万円あり、買値に対し約1%になりました。一般の銀行の預金利子よりも高く回っていますから敢えてキャピタルゲインがなくてもよいのです。私の特殊事情としては株式の売却益があった結果医療費負担が3割になったり、私と家内の受けている公的サービスが削減されたりと、あまり収入が増えるとマイナス面も増えるのです。あまり儲けてはかえってマイナスになるのです。幸いなことに日常の経費は私の年金と家内の障害基礎年金(これは無税)とでなんとかまかなえていますから、株の売却益を当てにする必要はないのです。

庶民生活の二極化も避けられないでしょう。かといって所得の再配分を社会主義的手法に委ねることは、神様ばかりでないこの社会では、野心的な支配層の官僚的な独善支配や汚職の温床を作り、庶民の自由を制約し社会の不活性問題を引き起こすことを、あまりにも多くわれわれの世代は歴史で見てきました。

第一章

株についての私の考えは、私個人としては空売りはしませんので、いわゆる「株をやる人」の部類には入りません。もうけの手段としての株式運用はしていないのです。ですから帳簿の上で下がったからと言って含み損が大きくなりこそすれ、現実にどうということはありません。追い証で悩むことはありません。世界的に過剰なマネーの引き上げの機運があり、ことにアメリカの動向に世界が揺り動かされているので、いつ現在の株価高騰の動きが破られるかという恐れを抱えています。金利も上昇気味でいつ債券の価格が暴落するかと戦々恐々の状態です。基準金利の引き上げはいずれは避けられず、その上で正常な株価の形成もみられるのでしょう。村上ファンドやさらには旧日銀福井総裁のように直接間接に株価に影響を及ぼしうる人が株に投資して運用したり、インサイダー取引をして不正に利益を得るようなファンドに投資するのと、我々が株を買うのとは本質的に違うのです。株で儲けることは容易ではありませんが、自分の考えに従って資産保有手段として、また、たとえば脱原発後のエネルギーをどうするのか、エネルギーの化石燃料依存からの転換、医療の革新など未来への展望の試金石としてポートフォリオの見直しを行うのはそれなりに楽しいことです。投資に当たり自分のしっかりした株哲学を持たないで株に乗り出しては危険です。

心理的に1円たりとも損はしたくない人は絶対に株式に手を染めてはなりません。いくら預金利息が低いといってもマイナスではありません。私の経験した含み資産損失約1,000万円は株を手がけたためです。それでも相変わらず私が株式を保有するのは、株価の動きが経済の動きの生きた指標になるので、経済の動きを、損得の懸かった体感的な味わい方が出きるのと、資産保有の形としての面白みからです。没後の財産分配にも不動産より簡単です。ですから少し値が上がったから、下がったからといって売ったり買ったりはしません(こういう姿勢ですからかなりの含み損をそのまま抱えることになったりするのですが。尤もケインズの株投資の結論は“割安な優良株を、数を搾って長期保有する”ことだったそうですし、現在世界で最も有名な投資家、バークシャー・ハザウェイ社の最高責任者、ウォーレン・バフェット氏の投資の特徴は、“究極はファンダメンタルズに基づいた高収益企業だけに投資すること、また一度買ったら基本的には売らず長期投資を心がけること”だそうです。 「正しい投資手法は、その経営内容を理解し、経営陣を信頼する企業にまとまった額を投資すること」。米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏が好んで引用するこの言葉は、ケインズによるものでした。またジーン・シモンズはインタビューの中で「ウォーレン・バフェット氏を研究してみると分かるが、彼は自分の知っているものにしか投資していない。つまり、自分が何を知らないかを理解しているのだ。自分の知らないものには投資すべきでない。」、これらの人の考えに同感です。

                    自分が知っているものだけに投資をするということだ。
                    投資については勉強を続けていくしかないし、私も日々勉強している。

                                 ジム・ロジャーズ
                  未来を創り出すのは、事業家と投資家だ。社会に貢献する夢を実現するために、
                          事業を興して挑戦するのが事業家で、その夢を応援するのが投資家だ。
                          だから「自分がどんな社会に住みたいのか」ということを実現してくれる企業を
                          応援することが肝要。この不安定な経済環境のなかで短期的に株式が上がるか
                 どうかを心配するより、心から応援できる企業を見つけて、株が売られて値が下がっていれば、
                 チャンスと見て買い続けるのが長期投資家である。

                                                                   澤上 篤人(さわかみ投信株式会社 代表取締役) 

ここにあげたお二人の言葉のうち私が見て特に重要だと思うのはジム・ロジャーズの言葉です。株投資に当たって最も重要なのは将来に対して、これからの展開についてどのような展望を自分自身が描いているかが決定的な重要性を持ちます。有料で株式の展望を売っている人や会社も多いのですが、誰にも予測が立つことはありません。多くの人はそれら株式展望に頼って投資をして致命的な損失を抱えることになり後悔しています。自分で考え、得た展望に沿って自分の判断で投資するしか方法はありません。それが「自分が知っているものにだけ投資をする」ということです。

            現在のバフェット氏の言葉も引用しておきましょう。「株を買い入れるルールは単純だ。他の人々が強欲になっているときに恐れ、皆が恐れを抱いているときに欲を出すことだ」「これから先5年、10年、20年後には主要な企業は記録的な業績を上げるだろう」「市場が今後1ヶ月や1年の間に上がるのか下がるのかは私にも分からないが、市場心理や経済が上向く前に、おそらく市場は上昇に向かい、しかも大幅に上昇するだろう。コマドリを待っていたら、春は過ぎ去ってしまう。」(The New york Times Opinion:2008.Oct.16)現在投資している会社は何らかのユニークな特徴を保つもので、それを見極めて長期に亘り結果を待つという姿勢、つまり株式投資には振るわないときは「じっと待つ」ことが大事なように思います。結局会社の業績が長期投資ではもっとも大事な指標になります。現在盛んな端金稼ぎのデイ・トレーダー的短期の株取引をするつもりは私にはありません。あるファイナンシャルプラナーは「株式投資は恋人選び。信じられる相手と長く付き合い、その結果、お互いが大きく成長するもの」といっていますが一つの見識でしょう。私は日本の現状に必ずしも悲観的ではないのです。サブプライムローン問題で明らかになったような金融資本主義に必ずしもまだ日本は偏っていないからです。日本の企業にはまだ物の生産でユニークな技術を持ち、それで世界と勝負しているところがみられるからです。儲けだけにうつつを抜かして資金を金融面でだけ運用し投機に走り回る資本主義にはなっていないところに日本の救いが見られます。アメリカで発した金融不安は日本の株価にも大きな影響を及ぼしましたが、私の投資している会社は会社自体が経営を誤っているわけではありませんから、このまま静観するつもりです。私はこれからの社会のあり方や投資先の情報に絶えず気を配り、情報を分析して総合的に判断し、将来性に投資する事を原則としています。以前アメリカの株価、特にIT関連のナスダックの暴落に伴って日本の株価も暴落しましたが、基本的には株価はその会社の業績を反映するものだという自明のことを改めて思い起こさせてくれました。特に投機家でないわれわれは、一時的に評判になった、業績の裏付けのないバブル株に、タイミング悪く、というのは何によらず評判になっているときはもはやピークを過ぎているのです、(いま考えていること 134(2003年05月)もご覧ください。)後手に回った形で手を出せば、いずれは痛い目に私が遭うことを見せてもらい、良い経験をしました。少なくとも3年後に眼を向けてその会社がどのようになるかを検討することはそれ自体が楽しいことです。あなたが3年後にこの会社は発展すると思って投資し、3年後にもし予想通りの成果を収めておれば、精神的にも資産評価の上でも満足が得られるでしょう。

先年ギリシャの金融危機が表ざたとなり、日本でも株価はとめどもなく下がりました。どこまで下がるのかという不安の前には私もとうとう持ちこたえられなくなり、持ち株をすべて売却しました。この損失は960万円に達しました。その後少しギリシャ問題が収まるとともに私の投資癖は再び点火し、現在は日本株は大阪瓦斯(1000株)、日立製作所(5000株)、日本セラミック(400株)、日揮(4000株)、シスメックス(600株)、クラレ(1000株)、DMG森精機(700株)、電源開発(1500株)、ユニチャーム100株、ローム(200株)の10社の株式を保有しています。中には値下がりしているものもありますが、以上の国内株についてはトータルでは11月4日現在投資額の103.79%です。個々の会社の特色を詳しく分析し、特色を持ち、ビジョンの確かな経営者のいる会社は長い目で見れば必ず発展します。10月に入って全般的に恐ろしく値下がりし中でも日揮が値下がりしていますが、次年度の業績が伸びないことが主原因で、本質的には何ら心配はせず、買い増しました。近頃はその会社が原子力に代わるエネルギー(石炭・LNG )と関連を持っているか、アジアに関心と布石を行っているか?またシステムを販売しようとしているか(例:シスメックス)?の3点も会社選択の視点です。最近の外国人の日本株売買状況、中でも買いの傾向か売りの傾向かも大きな参考資料になります。翌日の日本の株価の動きには前日の米ドルに対する為替相場と米株式のダウ(Dow Jones)平均終値及び前日の動き−−たとえばだいたい定常に推移したか、あるいは途中で重要な発表があって変動したか−−を日本の朝に見ますとその日の日本株式市場の動きの予測が立ちます。さらにRealplayer・香港・韓国など当日の海外為替指数も予測にかなり有効です。

わたしのような素人は株式売買のいろいろなテクニックは持ち合わせないので、あくまで正攻法です。個人の判断よりも世界の政治や経済の状況が株価に支配的な影響をもたらしますが、ダウや海外の株価の動きを見ていますと、世界の政治や経済の動きが凝縮されて映し出されているのです。アメリカ経済が持ち直さない限り日本経済の持ち直しも期待できないことは、現在株価の推移予測がほぼダウの動きを見ておれば出来ることが証明しています。

現在注目している株式は次の視点からです。クラレの持つユニークな独自性のある研究開発能力は群を抜いたものがあり無視できません。クラレは一時無機ELに関心を示していましたが、どうやらこの試みは失敗であったようです。しかし、クラレの業績の中では最近ではエヴァル樹脂製の自動車用ガソリンタンクの普及があります。最近の円安方向の経済の動きは原油価格の上昇を招きますが、クラレはユニークな製品ですから製品の価格上昇で切り抜けるでしょう。また、今回の福島原発事故で脱原発の動きが盛んですが、エネルギー消費の面ではおそらく当面は原子力発電から完全に撤収することは出来ず、日本でも再稼働の動きが次第に強まるでしょう。その進展がわたしの予想に合うかどうかが興味の焦点です。日立製作所・電源開発の株保有はこの考えからです。この両社は今後電力供給システムの革新に寄与できる能力を備えている点にも長期的に注目しています。日本セラミック・ロームの株式の保有は今後センサーがますます発展するだろうとの見込みからです。

一部の人が唱えている根本的に原発に代わるエネルギー源として天然ガス及び水素ガスおよび石炭が主役になる時代が来るのではないでしょうか?。新しいエネルギー源としてシェルガスが登場してきたことで当面は脱石油・脱原発が可能かもしれません。非在来型の天然ガスの埋蔵量は400年間の需要を賄えるといいます。水素電池もやがては現実化すると思われます。水素と天然ガス発電をエネルギーの中心とする時代が近いような気がするのです。東京都の猪瀬前知事もこの見通しを持ち東京都は「東京天然ガス発電所」の具体化に着手しましたが、単なる評論でなく行政の実力を伴っているので、私は期待しています。私はこの見解から石油関連プラント建設で世界的に有名な日揮の株式を購入することにしました。このほか天然ガスと水素を扱うようになると思われる大阪ガスの株式を保有した理由でもあります。日本では新しい再生可能エネルギーに目が向けられていますが、それから生み出されるエネルギーは補助的な範囲を超えませんから、やはり石炭を無視できず、電源開発に代表されるガス化した石炭のガスタービン発電がますます見直される時が来ていると思います。シスメックスはガンの診断面で注目される装置が開発されており、いずれは花が咲くでしょう。この会社は装置販売後のアフターケアが充実している点でも注目されます。血液検査領域で特に中国でシェアーを増やしているのが注目されます。森精機は高性能の特殊工作機械が魅力です。
これらの各社の特色が私の投資指向を支えます。

ポートフォリオの構築に当たって近頃留意しているのは利益の出ている株式の売却で得た金額で、検討の末将来値上がりの予想される比較的安くなった株を買い入れることです.最近では国際石油帝石の株を売って、その金で日揮、電源開発、森精機を買い、さらに今後のセンサーの伸びを見越して日本セラミックを新規購入しました。米国株でもDDDシステムズが恐ろしく値下がりしていますが、3Dプリンターの分野でのこの会社の実力を信じて手放してはいません。近頃やや回復の兆しを感じられる様になってきました。

投資姿勢の結果がリターンに変化をもたらし、格差をもたらしたとしても自分の洞察の当否の結果だとする心境でなければ投資に手を出してはな りません。

第二章

株も村上事件に見られるようなインサイダー取引、政府の意向を汲んだ公的資金(社会保障審議会年金資金運用分科会の年金資産配分計画や公的保険などの資産運営計画による)の投入があり、必ずしも正直とはいえないのですが、不振時も含め経済の動きを反映する指標性は好きです。また、流動性が高く、上場会社の株なら、原則的には、いつでも成約当日も含めて4日後には市価で現金化できるのも魅力です。

昨年度の税制改正で完全に投資関係の課税も預金並みに20%課税になることになりました。平成26年からは英国で1999年に導入された「個人貯蓄口座(ISA)」の日本版非課税口座が始まります。これは満20歳以上の希望者が非課税口座を開設すると口座開設の年に取得した上場株式や株式投資信託に限り、取得価格100万円まで10年間非課税にすることが出来るというモノです。口座は1金融機関に限り開設できます。5年間は毎年非課税口座が開設でき計500万円まで非課税に出来ます。年越しの繰り越しは出来ずまた途中売却して生じる空き枠は再利用できません。私も利用しようと思っています。 課税分についての平成22年の大きい変更は損益通算の範囲を広げ株式譲渡損と株式配当の損益通算が可能としたことです。適用条件は配当所得の「申告分離課税」を選んでいることです。「総合課税」を選んだ場合は通算できません。その代わり 「申告分離課税」を選ぶと確定申告で「配当控除」は使えなくなります。平成22年1月1日以降には、証券会社等のシステム開発の準備が終わり、特定口座源泉徴収有りの口座への配当等の受け入れが可能となっています。源泉徴収ありの特定口座を持ち、かつ、配当受け取りを「株式数比例配分方式」にしていると特別の手続きをしなくても、2010年からは配当金を特定口座に受け入れて証券会社で株式売却損と損益通算をしてくれて、年末には特定口座の報告を送ってくれます。

3月11日の東北大震災は予想を超えてものであっただけに株価は大幅に下落し、震災のみならず原子核発電所の危機は未だに収まらずむしろ危険の度合いを増して今日に及んでいます。損害は推定10兆ないし25兆とされ、今後の経済の負担は恐ろしい額に登るでしょう。
このため2013年1月1日から債券の利子・上場株式公募株式投資信託の配当と売買益・デリバテイブ取引の利益に2037年まで復興特別所得税(所得税額の2.1%)がかかります。これに伴って上場株式・公募株式投資信託の配当と売買益に2013年は国税7.147%(住民税は3%)、2014年からは国税15.315%(住民税は5%)が課税されることになります。

ともあれ個人の資産についても流動性の乏しい不動産から、現金や換金性の高い資産(キャッシュフロー)の運用を、考慮に入れなければならない時代に入ったのですね。不動産の証券化も進んでいます。一面、株は運用を誤ると、無価値な一片の紙切れになることも考えて置かねばなりません。短期の株価の上下に一喜一憂する人も、株はやめておいた方が良いのです。株は儲かるときは儲かりますが、究極的には損をする人が9割です。公開された主婦3人の方の経験談も参考になります。


しかし株式を持つと、現実に資産価値の変動を体験しながら、どういう銘柄を組み入れるか考えるので、結構経済に真剣な、本気の関心が持てます。ヤフー ファイナンスは使いやすく、参考になります。

日本の株価は外人の売買で大きく影響されます。外人の買いが入ると株価はたいてい上昇するのです。2014年7月現在株価の日経平均は急速に回復しましたが、外人および法人の買い越しそれぞれ364.8万円、8,220.1万円に対し、個人は7,625.3万円の売り越しです。

日本では以前、年金制度の崩壊を前にして、国会で株価回復の期待も込めて日本版401K(確定拠出型年金法案)が成立しましたが、同時テロの発生以前からITバブルの崩壊でアメリカは株安に見舞われ、さらにテロ以後エンロンの倒産でエンロン社社員が401Kで破産に近い損失を受けています。他の一般401K加入者もアメリカ経済の不透明さからかなりの衝撃を受けました。2008年の混乱期には自嘲気味に201kと呼ぶ人もアメリカでは見られるのです。これは明日の日本の姿かも知れません。アメリカでも消費熱は後退しているのです。アメリカでは住宅も投資対象と考えられていたのですが、もはやバブルの崩壊が現実化しました。サブプライム住宅ローン(信用力の低い人を対象とした高金利型の住宅ローン)の一つであるニューセンチュリー・ファイナンシャルは2007年4月2日会社更生手続きを申請し、経営破綻しました。住宅ローン市場の崩壊が始まりました。このときから個人の倒産も増加の一途を辿っています。 ホームレスになった人も増えています。最近ではサブプライムローン関係のクレジットが証券化されていたため世界の金融界を脅かし、アメリカのギャンブル金融資本主義手法は完全に破綻しました。アメリカ人の貯蓄率は2005年には1.5%でしたが2009年には5.1%、2010年には5.3%になりその後はやや下がり気味とはいえ4.3%程度になっています。

2009年9月16日号のNEWSWEEKには次の記事が見られます。

マークザンディー(ムーディーズ・エコノミー・ドットコム・チーフエコノミスト):
貯蓄率は80年代初期と同じ9%もしくは10%に向かっている。私は、貯蓄に対するアメリカ人の考え方は完全に様変わりしていると考える。高齢化しつつあるアメリカ社会で、もっとも多い層は50代。引退が近づくにつれて、彼らはさらに貯蓄に走る。その結果、アメリカ全体の貯蓄率が上がるだろう。

NEWSWEEKの結論:
失業率が10%前後に落ち着くようであれば、貯蓄率は4〜5%を推移するだろう。

日経ビジネス ニューヨーク支局長水野博泰氏:
米国の消費者が購買欲と資金力を取り戻しつつあることは間違いなさそうだ。ただしその盛り上がりはリーマンショックの前後を境に、根本的に変質した。「倹約は美徳」で「節約はかっこいい」。(2009年12月10日)

2008年10月7日IMFの世界金融安定性報告(GFSR)は世界の金融機関の被った損失は総額1兆4050億ドル(約143兆円)に達する見通しと述べていましたが、2009年1月28日の報告では、サブプライムローン関係の世界金融機関損失は2.2兆ドル(約200兆円)に達すると述べています。

現在の世界的経済不況はいわばサブプライム以来崩壊した古いやり方の資本主義が、新たな復興を求めての過渡期にあるのではないでしょうか。復興とそれに伴う市況の回復及び企業や家計のバランスシートの回復(負債利息をカバーするだけの資産の回復)には数年を要すると見ておくのが妥当と思っています。短期の変化だけ見て一喜一憂するのは無駄なことです。

国内の経済改革は未完で、減損会計を初めとして会計処理原則の変更が始まっており、最近の金融不況から世界的にデフレが深刻化する様相を呈してきました。一方、金融危機で世界的な政府の資本増強の動きやFRBの国債・住宅抵当証券・民間債務の買い取りでインフレの要素も蓄積されてきています。日本でも大量の国債が発行されていますが今後国債利率の上昇とともに長期金利が上がり、それに伴って一般の金利も上がってくると思われます。日本の増税は形を変えた形で医療面・介護面などの保険制度で進行しています。国の財政も破滅的で、年金制度や今後介護制度も財政的に行き詰まって来ると予想されますから、国民への負担は重くなり、内需は抑えられデフレ傾向は続きながら、一方でインフレ的な物価の上昇が徐々に進むでしょう。大きな財源として消費税の諸国並みの引き上げが決定されました。

under construction


それはさて置き私の貯蓄内容に目を移しますと、2014年7月29日現在で預金25.7%,公社債0.0%,株式(国内)64.2%、株式(中国)6.2%、株式(米国)2.5%、投信1.3%,外貨MMF0%、野村MMF0.0%、MRF0.1%です。日本人の資産に占める株式の比率平均も2013年度の金融広報中央委員会の調査によりますと、2012年は20.8%になりました。私は相変わらずの借家住まいで、決して金持ちではありませんが、私の資産に占める株式の比率は私の好みで高いのです。2014年7月29日現在日本・中国・米国計73%で、まだやや高率です。(野村総研の発表ではいわゆる富裕層のリスク性資産は財産の60〜70%です。)。現在の心境は預金利息に対して株式の配当は遙かに高いと言うことがあります。
最近はアメリカドルに対し円安がかなり進んできました.また中国の元や香港ドルに対しても円安の傾向にあり外国の株式株式保有はこの面でも悪くありません。昨年11月6.34香港ドルで買った哈爾浜電気2000株を4.98香港ドルで今年の12月に売りましたが昨年よりも円安になっていたので為替差益があり結果として3385円の利益が出ました。

現在の我が国金利は0.10%で一般の預金金利もゼロに近く、金融機関ことにゆうちょ銀行は現在国債を購入して国債金利で営業している状況で(海外投資家による日本国債所有率は約6%)正常な金融活動を怠っているのが現状ですが、これも政府が国債の販売先を金融機関に依存しているからです。これから他の先進各国で政策金利の引き上げが次第に進み出すと、ゆうちょ銀行の破綻をはじめ金融危機が発生します。我が国でもどのような対応がとられるかは関心があります。

さてわたしの貯蓄の約1/3を占める預金を7月29日現在その内訳を見ますと、信託銀行預金54.0%、現在までの簡易保険払込額20.2%、ゆうちょ銀行(定額貯金、家内の福祉定期、など)19.9%、、金貨2.1%、貯蓄預金を主とする京都銀行3.8%、医療費基金(野村MMF・外貨分)0.0%となっています。信託銀行のビッグも2009年9月から募集を止めましたから、この家内名義の預金は家庭裁判所の意向もあり、成年後見人としては投機性のない変動金利定期スパートにしています。ヒットの募集はなくなりました。2012年1月から家内は私の病気でいくつかの病院を転々としたので病院への支払いが必要となり、ビッグ・スパートの一部を解約して三井住友信託の普通預金に入れています。家内名義の預金は私が成年後見人をしていますので私が勝手には引き出せないのです。

今後転居を迫られるときが来ると予想されますので内容の大きい書き換えが必要になると思いますが、現時点での遺言は現金・預金・投信は家内に、株式は子供に相続させることにしています。

これまでの政治の先送り基調もこれ以上の赤字財政の余裕は消え、終着駅に差し掛かっています。格差は地方と都市の間で著しくなってきました。地方と都市の格差は徴税上の格差があり政治的に調整して行かなくてはなりませんが、個人の格差は自分を他人と比較することで生まれる認識です。しかしすべての人が他人と異なる生活観の上で生活しているのですから異なる見返り(格差)が生まれてもそれは当然のことだと思います。それを政治的に格差をなくしようとすると一方で不公平の気持ちを生み出すでしょう。何によらず個人の意識に政治が強権的に臨むことは私の好むところではありません。政治は個人がそれぞれの気持ちでフルに生きていけるような社会的環境の整備に努力するべきものだと思います。戦時のようにすべてが政府の手に委ねられた状態はお断りです。

引き上げた消費税は福祉の充実のために使うと政府は言っていますが、これまで福祉のために組んできた予算に若干の余裕ができることになりますからその分をこれまでの膨大な赤字の充填に回すことができることになり、あるいはこれまでのような公共投資に振り向けることができるのですから、福祉の充実は絵に描いた餅になりかねません。内閣が変わっても、今後ますます国民の負担は大きくなり、我々の生活へのしわ寄せはきつくなりこそすれ、楽にはならないでしょう。ましてこれから震災と原発の被害がじわっとボディブロウのように効いてくることが予想されますから、いよいよ気楽なことは言っておれません。

第三章

中国・アジアの諸国と友好して貿易を伸ばし、アジア市場への進出をもっと真剣に考える方が景気回復と少子高齢化の日本経済に役立つたのではないでしょうか。例えば財務省の貿易統計速報を見ても平成26年6月の輸出入ともアジアのウエイトが大きいことがわかります。対米輸出6294億円に対しアジア向け輸出3兆2,028億円中国向け1兆0956億円。輸入も対米6,294億円にたいし、対アジア2兆9761億円中国1兆4679億円です。このように既にもう大きい変化の時期を迎えていることは明らかです。鉄鋼も現在減産に追い込まれていますが、長い目で見て中国・アジアの需要は拡大を続けるでしょう。成長を続ける中国市場を意識して、日本の中小企業でも中国への進出が盛んだという報告をNHKで見ました。2002年7月16日、遂に為替相場で1ドルが116.26円、1ユーロが116.95円になりユーロの方が高くなりました。記念すべき日です。現在1ドル=0.7445ユーロ(2014年07月29日)となりました。最近円の価値は相対的に若干下がり7月29日現在1ドルは101.97円、1ユーロは136.94円前後で推移しています。 アメリカに同調してイラクに派兵をしないと日米安保にひびが入るといいますが、日本が持つ膨大なアメリカ債と日本基地のウエイトを考えればアメリカこそ日本に逃げられては大変な事態になるのをよく知っているはずです。

尖閣列島の帰属についてはこれまでから懸案ですが、日中間で当分は触れないでおきましょうとの了解で来たのですが、石原都知事が尖閣列島購入を契機に国有化に発展し、現在日中間の政治情勢は冷え切り、経済的にも日本ボイコットになりましたから、自動車をはじめとして対中貿易は縮小しています。これからますます我が国は中国との貿易が不可欠ですから、現在の状況は何とか打開しなければなりません。野田政権の最大の失点というべきでしょう。

昔は日本でも株価が下がると公定歩合を引き下げる措置をとったものですが、これでFRBも日銀同様金利面からのテコ入れの手段はなくなったことになります。また金利目的の海外からの資金流入もストップするでしょう。

オバマさんの最大の懸案、医療保険問題が一応解決され大統領の勝利が見られ、今後の政権運営に明かりが見えました。金融危機に対する反省から提案された金融規制案も両院を通過し大統領は2010年7月21日署名しました。この金融規制改革ではリスクの高い取引を規制し、FRBの監督権限の強化が実施され、更に金融安定監視評議会と消費者金融保護局が新設されます。評議会は金融システム危機の事前の監視・対応を行います。財界の抵抗でこの法律もかなり抜け穴を抱えおり、またその具体化にはまだ数年の年月を要するでしょうが、これまでの野放しの金融活動に歯止めを掛ける点で、これからの資本主義に対する包括的な制限を課するものにはなるでしょう。

2010年4月22日オバマ大統領はクーパーユニオン大学で演説し、金融規制法案成立を促進するために演説しました。日本経済新聞によるとその骨子は次の通りです。

★ボルカー・ルールの採用

★デリバティブ取引の透明化

★金融利用者の保護策

★役員報酬等に対する株主発言権の強化

★大手金融機関精算システムの構築

★金融規制改革への抵抗を止めるように金融界に要求

この中に今後の規制の方向を窺うことができます。

2010年11月10日オバマ大統領外遊中に大統領諮問機関「財政規律改革委員会」は3.8トリオンの財政赤字削減策を発表しました。提案がこのまま実現するとは思われませんが、今後の大統領の施策の方向は窺えるでしょう。その骨子は次の通りです。

★公的年金の満額支給を69歳に引き上げる。

★50万ドル以上の不動産ローン利子の税額控除を廃止する

★1ガロンあたり15セントのガソリン税増税

★法人税率を26%に引き下げる

★連邦政府人員の10%削減

★100ビリオンの軍事費削減求

★診療報酬抑制による医療費の伸び率カット

★議会主導の補助金(イアマーク)の全廃

2010年12月3日超党派の財政規律改革委員会は必要な賛成が得られず、議会への提出は見送りました。しかし、この中にオバマ施政の哲学を窺うことができます。

これらの規制強化や医療制度の成立は国民の負担を増やし、アメリカのこれまでの理念である、「国民も自立的に努力するものが報われる。」を脅かすと、ティーパーティーを軸とした反対が強まっています。

私の見るところでは現在のような状況下でも先進国で社会主義に舵を切り替えようという動きはなく、現在は新しい資本主義建設の準備期間ではないでしょうか。この過渡期はおそらく数年は必要とするでしょう。その期間がすまないと株価の低迷も抜け出すことは出来ないでしょう。その日が来るまで株価の変動に一喜一憂することを止め、静かに待ちましょう。自由を掲げて展開されるアメリカのティーパーティーの動きが以前の新自由主義の復活を意図するものならば困ったものです。

信州大学の真壁教授は現在の経済状況は「ニューノーマル」という定常状態にあり、低い成長率が続くと観ておられますが、私も同感です。

日本の株価は外人の売買で大きく影響されます。外人の買いが入ると株価はたいてい上昇するのです。2014年8月現在株価の日経平均は急速に回復しましたが、外人の買い越し9207万円に対し、個人は1億1900万円、の売り越しです。
第四章

今回の破綻は、マネーゲーム的な資本主義、投資銀行の破綻ですから、これまで数年のアメリカ経済のあり方の崩壊を意味します。アメリカはこのマネーゲームで世界から資金を集めていましたが、その終焉です。私たちはおそらく戦後60年間続いてきたアメリカ中心の世界経済のあり方の崩壊に直面しているのでしょう。そういう意味ではまさに百年に一度のドラマのさなかに証人として存在しているのかも知れません。世界の経済秩序がアメリカ経済も含めて更新され抜本的な新しいあり方−健全な資本主義−が見られるようになるまでには数年を要するでしょうから、日本の株価もまだまだ見通しのつかない時代が続くでしょう。さらに今回のギリシャの破綻は今後日本でも放漫な財政支出が続くと、国債の国内消化の余裕がなくなった現在日本の財政破綻が現実化する危険を予想させます。

基調としては石油の需要は増える一方で、現在も石油埋蔵が新しく発見されているとはいうものの、いずれは枯渇の時期を迎えることは明らかです。むやみに原油の消費を増やすことはできないのです。化学産業では現在石油は不可欠ですが、そのためにも少なくとも燃料としての石油消費は抑えられなければなりません。バイオエタノールの自動車燃料化がある時期クローズアップされましたが、他方食料資源との相克が語られました。この潮流を変えるには燃料電池の一日も早い実用化が待たれます。全体としてのエネルギーは電気で、問題が多いとはいえ究極的には化石燃料には頼らず、質量をエネルギーに変換する原子力によって作られた電力の利用しかありませんが、原子力利用に携わる人々の意識の変革がないと先般明らかになった原子力発電所での臨界状態や今回の福島騒動で露呈した杜撰な原子力の扱いには将来への危惧を抱かざるを得ません。手放しで原子力歓迎とはいきません。 しかし未来を眺望すると、核融合も含めて原子力利用の研究の進展と安全化、一般への啓蒙が進むことが欠かせません。いま考えていること 330(2008年08月;2009年6月)―地球温暖化と原子力発電―もご覧下さい。

高速増殖炉もんじゅの再開は、液体ナトリウムを使うので原子炉の危険に加えてナトリウム事故の心配があります。化学的にはナトリウムは活性が高く水とも激しく反応しますから、いったん事故が起こるとその処理が非常に難しいと思います。わたしはむしろTWRの実用化研究の方が良いのではないかと思っています。

やっと気付いたことですが、一般論としてはデフレやリストラが進行しているとき株式や投資信託は値が下がるものだと思って間違いありません。株式はインフレに強いといわれますが、それはインフレに順応して値が上がるということで、裏返せばデフレに対しても同様の反応を示し、企業の収益が落ちますから株価の低下が起こるのが当然です。

個々の会社・個人の力量ではどうにもならないもっと大きな歴史の流れが大きい意味を持ちます。その意味では資産運用もすべて個人の責任にするのは誤りで、個人の努力には限度があるというべきでしょう。

結論としては、会社はそれぞれが、なかなか個性的に動いています。おそらく株価の二極化、つまり上がる会社と止めどもなく下がる会社は今後も出てくるでしょう。

投資には今までになく先行きの研究と持ち株については辛抱が必要です。こういう厳しい時期ほど、よい製品を持つことがまず前提ではありますが、それだけでは駄目で、21世紀に入って変わっていく産業構造・世界情勢を睨む経営者の力量が試されている時代だとも言えそうです。しっかりした経営者がいてしっかりした将来展望が出来、独創的な製品を開発する力を持つところは今日の株価の変動に杞憂するよりも、むしろ業績がいずれは伸びるだろうと期待しましょう。住友特殊金属時代から NEOMAXに変わってからの株価の躍進に、この例が見られます。日本はこれまでの横並びで別段独創的な経営者を必要としないようになっていた社会の崩壊を迎えています。投資にあたってもその会社がどういう特徴ある製品を持ち、経営者がどういう実績を作ってきたか、どういう方針を持っているかを検討し、特にこれからの新しい成長の芽を持っているか、育てているかが重要なポイントだと思います。その上で納得がいったら気長に投資する時代に入ったというのが私の見解です。業界共通の見通しとして私は燃料電池が次第に現実化していく過程に入りつつあると感じています。燃料電池には水素ガスが必要ですから、その時に備えてガス会社は水素供給を計りつつあるようですし、クラレなどはメタノール電解膜で効率のよいものを重点目標の一つにしているように見えます。

正直に言うと私の頭のどこかにも再び大幅な経済の伸張を描いているかも知れないのです。しかし地球環境の問題からもエネルギーの消費を減らす方向ですし、エネルギーの使用を減らすと言うことは、もはや、かっての経済的伸張ではなくて現在のような抑圧された経済を正常と考えて舵取りせざるを得ないということではないでしょうか?まして日本では実際に人口減少が始まりました。これは日本社会のあり方の根本的変革を迫ります。デフレの原因の一つは少子高齢化です。21世紀の日本はこの少子高齢化が国のあり方を決定するでしょう。いま考えていること 62(2001年01月)−−21世紀を迎えて−これからの日本−−もご覧下さい。歴史的にも私はもはや日本は成熟社会に入り、後は次第に衰退する段階(運命)にあるとみています。これを克服するには世界に類のない新しい技術の開発と成長するアジアに歩調を合わせて同調し、成長のおこぼれを享受するしかありません。2009年の総選挙で民主党が財源もないのに児童手当の大幅な増額を提示したのも少子化対策の現れでしょう。アメリカで始まった金融資本主義の崩壊が解決するまで日本の経済も苦難の時代に入りました。

唯一の希望は中国・インドをはじめアジア諸国の今後の発展が期待できることで、これにわが国がどう関与していくかが将来を握ります。

厚労省は現在の確定給付企業年金制度(掛け金は企業が原則として負担する)や確定拠出年金制度への移行を推進しています。アメリカの401Kに類する確定拠出型年金法が、2001年10月から導入されていますが、厚労省によると、2014年6月末現在企業型(企業が毎月の社員の掛け金を負担する)18675社、加入者数は497.1万人といいます。このほか個人型加入者が18万7766人です。団塊世代の大量退職に伴って投資信託を通じてかなりの資金が市場に継続的に投入され、実体を伴わない不安定要素を抱えながら、平均的には株価に多少の刺激にはなっているのでしょう。401K導入企業に情報や商品を提供する各種運営管理機関設立の動きも強まりましたが、現在登録運営管理機関は198社で当初の1/3に減っています。積極的なのは証券会社で、永年護送船団方式で過ごしてきた個々の銀行・保険も参入していますが、日本の証券会社・銀行・保険の運営管理能力については「脚下照顧」と言いたいところです。 この経済収縮期に失敗すると委託した庶民はとんでもない事態に直面するでしょう。収入のところにも書きましたように、401Kは決して老後に備えた年金制度として好ましいものではないと思うのですがこれからの少子高齢化では、現行の公的年金制度の維持は困難で、個人として別の老後設計がどうしても必要で、他人任せでない株式運用も考えなければならないのです。
大前研一氏はニュースの視点ブログ「「年金制度の改革」のロジック」で年金制度の抜本的運用見直しを提言し「国家による福祉を放棄し、401k(確定拠出年金)に類似する個人退職勘定に移行し、これに税制上の優遇措置を与え、運用は自己責任で行うというスタイルを提唱しています。
これは年金を「二階建て」とする考え方です。一階部分は生活保障として税金でカバーし、2階部分は401kと同じく個々人が自分の計画に沿って拠出し、運用します。」と述べています。現在の年金問題の諸問題を踏まえて今後はこのアメリカ方式しかないだろうと提言しています。年金の現状を見ると、掛け金の拠出率も低く、政府の財政行き詰まりから考えると実際に1階は少額ながら税負担の一律年金、2階は401Kに準ずる個人運用による年金に実際変わるかも知れません。株価の暗雲を経験したアメリカ国民も貯蓄性向を強めています。2008年8月以後アメリカ人の貯蓄率は3%を回復し2009年10月は4.4%です。現在は4.8%前後です。クレジット社会から貯蓄社会へ転換しつつあります。401Kなどでアメリカ家庭の4割が直接間接に株式を持つといわれます。401Kを採用する場合、社会の動きとそれなりの金融商品の学習が必要で、運営管理機関任せでは泣きを見ます。最近のAIJ投資顧問による企業年金消失問題もこの例でしょう。運営管理機関はまず自社の利益確保が目的なのです。株価の下落と低利息の昨今安全な運用を計っていた人も手数料を差し引くと運用実績がマイナスのケースも多いのです。

2012年春、投資顧問会社「AIJ投資顧問」が企業年金(厚生年金基金)の運用に失敗し約2,000億円の運用資産の大半を失って業務停止を命じられたと報じられました。おそらくここ数年の株価下落の影響でほかの投資顧問各社で同じような事態が発生していると私はみています。現在は常識はずれの高利はあるはずがなく、利殖の専門家でも過ちを起こしたという意味で警鐘となりました。

2004年4月の法改正で日興コーディアルグループは投資顧問子会社をスタートさせ、証券会社の投資顧問業兼務が始まっています。その契約残高の75%はラップ口座が占めています。ラップ口座では投資一任契約の上資産運用を完全に委ねるもので、手数料は資産の残高に応じて支払うのがふつうです。従って投資運用の成果に応じて手数料が高下する点では合理的なのですが、契約高が大和証券SMAの場合1億円以上500万円単位、みずほ証券資産運用ラップ(LONG AP)が2,000万円以上100万円単位、日興コーディアルSMAグローバルポートが1000万円以上1円単位、野村もファンドラップで最低500万円あるいは1000万円とSMAが3億円からになっています。このほか信託銀行でもラップ口座を開く傾向があり、三井住友信託ではファンドラップ500万円以上SMA3,000万円以上となっています。また手数料は資産残高に応じているので資産運用上の損失が出ても手数料は取られるのです。今後5年間の団塊世代退職金は85兆円に上ると見られ、ラップ口座の更新率はほぼ100%なので証券会社にとっても魅力です。私は手数料は資産運用利益に比例していわば成功報酬を求める方式優先にならないとおかしいと思っています。この点みずほ証券資産運用ラップBタイプの報酬体系が年間残高の約2.10%の固定報酬+元本超過分の21%の成功報酬になっているのは肯けます。詳しくは各社のラップ口座(SMA)の案内を見てください。ラップ口座/SMAも参考にしてください。 いずれにせよ取扱機関に委せ切りは危険です。常に金融機関の利益という立場があり、資産運用者がサブプライムローン証券などとんでもないものに投資する危険があるのです。委せきりは危険です。

敢えていえば個人も資産運用に習熟・研究を要する時代(注に日商岩井の例)に入ってきています。しかし株式との付き合いには骨董の購入と同じような所があります。つまらない骨董を買って痛い目に遭い、発憤してこの失敗を糧にして、工夫し、眼を養って次に備えなくてはならない点が似ています。ただしよほど頭の切り替えの巧みな人以外は、私の考えでは、55歳までは自分の本業に頭をフルに使うために株式にのめり込むことは止めておくのがよいと思います。株式は関係する情報を集め分析するのにかなり頭がいり、エネルギ−を使う作業だからです。最後は決断の問題で、その決断の責めは自分が負うしかありません。楽なものではありません。経済評論家のいうことも決してそのまま信じてはなりません。参考にしてもよろしいが最後は自分の判断と実行です

私は投資のために借り越し(空売り)はしない主義で、すべて自分の裁量で生み出した手持ち資金の範囲で、投資は生活費とは別勘定でいわば預貯金の分野で独立させて運営しています。株にはばくち的要素はつきものですが、ばくち的要素のより高いFX、先物取引や証券会社からの借り越しで信用取引することはしません。思いも掛けぬ大きな儲けもしないし現実には資金繰りで苦労はしないということになります。先物取引では時には大きい儲けもあるでしょうが証拠金がいりますから、追い証を迫られないかビクビクしていなければならないこともあるでしょう。空売りも一時は儲かるかも知れませんが、買い戻しのタイミングがこないかも知れません。そうなれば大損です。素人には場を読むことは非常に難しいのでわたしは手持ち金だけで小さい取引をしています。追い証でビクビクすることはありません。何しろ我が一族は祖父の代に米の先物取引で破産し苦労した経験があるので慎重なのです。昔は株でも"値上がりよりも配当"それが元々の発想だったといいます。金融の基本は金利と配当です

わたしの場合2013年は株式配当は税込みで約30万円あり、買値に対し約1%になりました。一般の銀行の預金利子よりも高く回っていますから敢えてキャピタルゲインがなくてもよいのです。私の特殊事情としては株式の売却益があった結果医療費負担が3割になったり、私と家内の受けている公的サービスが削減されたりと、あまり収入が増えるとマイナス面も増えるのです。あまり儲けてはかえってマイナスになるのです。幸いなことに日常の経費は私の年金と家内の障害基礎年金(これは無税)とでなんとか賄えていますから、株の売却益を当てにする必要はないのです。

庶民生活の二極化も避けられないでしょう。かといって所得の再配分を社会主義的手法に委ねることは、神様ばかりでないこの社会では、野心的な支配層の官僚的な独善支配や汚職の温床を作り、庶民の自由を制約し社会の不活性問題を引き起こすことを、あまりにも多くわれわれの世代は歴史で見てきました。世界が現在、どの国も苦境にありますが、それでもどこからも社会主義経済にその活路を拓こうとする動きは見られません。

株についての私の考えは、私個人としては空売りはしませんので、いわゆる「株をやる人」の部類には入りません。もうけの手段としての株式運用はしていないのです。ですから帳簿の上で下がったからと言って含み損が大きくなりこそすれ、現実にどうということはありません。追い証で悩むことはありません。世界的に基準金利引き下げの動きはあるのですが資金は債券に向かい株安の流れはまだ止まらないのです。全般に景気は停滞し、基準金利引き下げの傾向が見られますが、資源インフレも考えると基準金利引き上げの底流はすでに登場してきています。基準金利の引き上げはいずれは避けられず、その上で正常な株価の形成もみられるでしょう。しかし当面は株価は低迷すると思います。私は当分現金の必要もなさそうなので、ここ数ヶ月株価の変動を利用してポートフォリオの再構築を計りました。村上ファンドやさらには旧日銀福井総裁のように直接間接に株価に影響を及ぼしうる人が株に投資して運用したり、インサイダー取引をして不正に利益を得るようなファンドに投資するのと、我々が株を買うのとは本質的に違うのです。株で儲けることは容易ではありませんが、自分の考えに従って資産保有手段として、また、たとえば脱原発後のエネルギー、エネルギーの化石燃料依存からの転換、医療の革新など未来への展望の試金石としてポートフォリオの見直しを行うのはそれなりに楽しいことです。自分のしっかりした株哲学を持たないで株に乗り出しては危険です。

第五章

繰り返しますが、心理的に1円たりとも損はしたくない人は絶対に株式に手を染めてはなりません。いくら預金利息が低いといってもマイナスではありません。私の経験した含み資産損失約1,100万円は株を手がけたためです。それでも相変わらず私が株式を保有するのは、株価の動きが経済の動きの生きた指標になるので、経済の動きを、損得の懸かった体感的な味わい方が出きるのと、資産保有の形としての面白みからです。没後の財産分配にも不動産より簡単です。ですから少し値が上がったから、下がったからといって売ったり買ったりはしません(こういう姿勢ですからかなりの含み損をそのまま抱えることになったりするのですが。尤もケインズの株投資の結論は“割安な優良株を、数を搾って長期保有する”ことだったそうですし、現在世界で最も有名な投資家、バークシャー・ハザウェイ社の最高責任者、ウォーレン・バフェット氏の投資の特徴は、“究極はファンダメンタルズに基づいた高収益企業だけに投資すること、また一度買ったら基本的には売らず長期投資を心がけること”だったそうです。またジーン・シモンズはインタビューの中で「ウォーレン・バフェット氏を研究してみると分かるが、彼は自分の知っているものにしか投資していない。つまり、自分が何を知らないかを理解しているのだ。自分の知らないものには投資すべきでない。」、これらの人の考えに同感です。
自分が知っているものだけに投資をするということだ。
                    投資については勉強を続けていくしかないし、私も日々勉強している。

                                 ジム・ロジャーズ
             未来を創り出すのは、事業家と投資家だ。社会に貢献する夢を実現するために、
                   事業を興して挑戦するのが事業家で、その夢を応援するのが投資家だ。
                   だから「自分がどんな社会に住みたいのか」ということを実現してくれる企業を
                   応援することが肝要。この不安定な経済環境のなかで短期的に株式が上がるか
          どうかを心配するより、心から応援できる企業を見つけて、株が売られて値が下がっていれば、
          チャンスと見て買い続けるのが長期投資家である。

                                                                   澤上 篤人(さわかみ投信株式会社 代表取締役) 

            現在のバフェット氏の言葉も引用しておきましょう。「株を買い入れるルールは単純だ。他の人々が強欲になっているときに恐れ、皆が恐れを抱いているときに欲を出すことだ」「これから先5年、10年、20年後には主要な企業は記録的な業績を上げるだろう」「市場が今後1ヶ月や1年の間に上がるのか下がるのかは私にも分からないが、市場心理や経済が上向く前に、おそらく市場は上昇に向かい、しかも大幅に上昇するだろう。コマドリを待っていたら、春は過ぎ去ってしまう。」(The New york Times Opinion:2008.Oct.16)現在株を保有する会社は何らかのユニークな特徴を保つもので、それを見極めて長期に亘り結果を待つという姿勢、つまり株式投資には振るわないときは「じっと待つ」ことが大事なように思います。結局会社の業績が長期投資ではもっとも大事な指標になります。現在盛んな端金稼ぎのデイ・トレーダー的短期の株取引をするつもりは私にはありません。あるファイナンシャルプラナーは「株式投資は恋人選び。信じられる相手と長く付き合い、その結果、お互いが大きく成長するもの」といっていますが一つの見識でしょう。私は日本の現状に必ずしも悲観的ではないのです。サブプライムローン問題で明らかになったような金融資本主義に必ずしもまだ日本は偏っていないからです。日本の企業にはまだ物の生産でユニークな技術を持ち、それで世界と勝負しているところがみられるからです。儲けだけにうつつを抜かして資金を金融面でだけ運用し投機に走り回る資本主義にはなっていないところに日本の救いが見られます。アメリカで発した金融不安は日本の株価にも大きな影響を及ぼしていますが、私の投資している会社は会社自体が経営を誤っているわけではありませんから、このまま静観するつもりです。私はこれからの社会のあり方や投資先の情報に絶えず気を配り、情報を分析して総合的に判断し、将来性に投資する事を原則としています。以前アメリカの株価、特にIT関連のナスダックの暴落に伴って日本の株価も暴落しましたが、基本的には株価はその会社の業績を反映するものだという自明のことを改めて思い起こさせてくれました。特に投機家でないわれわれは、一時的に評判になった、業績の裏付けのないバブル株に、タイミング悪く、というのは何によらず評判になっているときはもはやピークを過ぎているのです。(いま考えていること 134(2003年05月)もご覧ください。)後手に回った形で手を出せば、いずれは痛い目に遭うことを見せてもらい、良い経験をしました。少なくとも3年後に眼を向けてその会社がどのようになるかを検討することはそれ自体が楽しいことです。これまで10年も無配の続いた神戸製鋼など駄目だと思われたこともありましたが、見通しをたてた以上迷うことなく持ち続けたおかげでポートフォリオ再編のため売却した神戸製鋼株式からはかなりの利益を得ました。私は投資はしますが投機はしません。私の経験からすると、個々の会社の特色を詳しく分析し、これといった特色を持った会社は長い目で見れば必ず発展します。近頃はその会社がアジアに関心と布石を行っているか(例:DOWA・ヤマトホールディングス)?またシステムを販売しようとしているか(例:シスメックス)?の2点も会社選択の視点です。 わたしのような素人は株式売買のいろいろなテクニックは持ち合わせないので、あくまで正攻法です。個人の判断よりも世界の政治や経済の状況が株価に支配的な影響をもたらしますが、ダウや海外の株価の動きを見ていますと、世界の政治や経済の動きが凝縮されて映し出されているのです。現在の円高も所詮ドル安であり、これまでの資本主義のあり方の否定と再建が進行中なのですから、とても日本がアタフタしたってどうなる物でもありません。経済は生き物です。ドル安もアメリカにおける経済再建の一条件だとすれば受け入れなければならないのでしょう。アメリカ経済が持ち直さない限り日本経済の持ち直しも期待できないことは、現在株価の推移予測がほぼダウの動きを見ておれば出来ることが証明しています。当分円高になって株価の低迷が続いても、そこはドル換算の持ち株評価がむしろ高まっていくのだくらいに考えて静観したいものです。

投資姿勢の結果がリターンに変化をもたらし、格差をもたらしたとしても自分の洞察の当否の結果だとする心境でなければ投資に手を出してはなりません。

株も村上事件に見られるようなインサイダー取引、政府の意向を汲んだ公的資金(社会保障審議会年金資金運用分科会の年金資産配分計画や公的保険などの資産運営計画による)の投入があり、必ずしも正直とはいえないのですが、不振時も含め経済の動きを反映する指標性は好きです。また、流動性が高く、上場会社の株なら、原則的には、いつでも成約当日も含めて4日後には市価で現金化できるのも魅力です。

税制改正でこれまでの投資優遇税制は無くなり、その代わり英国で1999年に導入された「個人貯蓄口座(ISA)」の日本版非課税口座NISAが始まります。これは満20歳以上の希望者が非課税口座を開設すると口座開設の年に取得した上場株式や株式投資信託に限り、年間取得価格100万円まで10年間非課税にすることが出来るというモノです。口座は1金融機関に限り開設できます。5年間の間毎年非課税口座が開設でき計500万円まで非課税に出来ます。年越しの繰り越しは出来ずまた途中売却して生じる空き枠は再利用できません。 平成22年の大きい変更は損益通算の範囲を広げ株式譲渡損と株式配当の損益通算が可能としたことです。適用条件は配当所得の「申告分離課税」を選んでいることです。「総合課税」を選んだ場合は通算できません。「申告分離課税」を選ぶと確定申告で「配当控除」は使えなくなります。平成22年1月1日以降には、証券会社等のシステム開発の準備が終わり、特定口座源泉徴収有りの口座への配当等の受け入れが可能となっています。源泉徴収ありの特定口座を持ち、かつ、配当受け取りを「株式数比例配分方式」にしていると特別の手続きをしなくても、2010年からは配当金を特定口座に受け入れて証券会社で株式売却損と損益通算をしてくれて、年末には特定口座の報告を送ってくれます。確定申告することが必要で配当も分離課税になるので「配当控除」は使えなくなります。

ともあれ個人の資産についても流動性の乏しい不動産から、現金や換金性の高い資産(キャッシュフロー)の運用を、考慮に入れなければならない時代に入ったのですね。不動産の証券化も進んでいます。一面、株は運用を誤ると、無価値な一片の紙切れになることも考えて置かねばなりません。短期の株価の上下に一喜一憂する人も、株はやめておいた方が良いのです。株は儲かるときは儲かりますが、究極的には損をする人が9割です。公開された主婦3人の方の経験談も参考になります。

第六章


原子力発電が今、世間での当面の関心です。この問題についての私の見解は次の通りです。投資もこの見解から立案しています。基本的に原子力は現在の技術では否定せざるを得ません。しかし長い目で見て将来化石燃料が枯渇した時には原子力が見直されることになるでしょう。その時までにより研究を重ねて安全な原子力発電を人類は手に入れておかなくてはなりません。再生可能エネルギーも開発する必要は考えますが、ますます増大していくエネルギー需要から見るととても必要なだけの電力を供給することは不可能だと思います。それでは当面原子力発電に代わるものは何かといいますと、非在来型天然ガスをはじめとする天然ガスと新型の石炭火力発電ではないでしょうか。私の投資の主力はこの方面に向けています。天然ガス発電と石炭火力発電ではコンバインドガスタービンが主要な役割を演じます。電源開発は石炭火力発電に長じた会社であり、川崎重工はコンバインドタービンで実績を持っています。日揮は新しいエネルギーの開発全般に特徴があり、日立は発電全域に対し技術を持っています。また東芝は傘下にウエスチングハウスを持ち原子力発電に可能性をみられ、新しい原子力発電所建設が不可能でも現在ある原子力発電所の解体処理にその能力が必要になるでしょう。国際石油開発帝石は我が国トップの石油開発能力を持ちその他天然ガス・再生可能エネルギー分野でも期待できます。

このほか現在楽天証券に口座を開いて、中国株の購入もしています。私の見るところ中国は着実に発展していますし、人口13億の広大な市場は無視できません。中国株についての情報もネットを使えばいろいろと知ることが可能です。現状では中国の株式は比較的安く手に入れることができますし、中国の政治的なナショナルリスクは大きいのですが、近ごろの日本の政治の結果から中国との経済交流が危機に陥っていることも私には刺激になっているのでしょう。政治形態に不安はあるのですが、反面経済の波にどのように政府が手を打っていくのか、この頃の日本政府の対策はないのに等しいですから関心があります。現在保有しているのは、チャイナ・ユニコム(4000株)、恒安国際(1500株)、昆明機床(12000株)、配当金の上でも、株価の上(114%)でも思った以上に成果を納めています。

アメリカ株としてはこれからの発展も考えられる3Dプリンター関係でDDD systemsを少し(290株)持っていますが、最近も一度大きく値上がりしたので 利益を確定するため売却をして過去の赤字の補填にあて、その後株価が下がる局面を迎えましたが将来性に賭けて買い戻し買い増しました。DDDシステムズは現在のところ配当がありませんが、株価の方でも損失(現況購入価格の55.9%)が見られています。しかし3Dプリンターはまだ伸びるとみて少し買い増しました。アメリカ株はトータルで現在価格は55.9%です。

現在2014年11月4 日現在は国内株式で111万、中国株で39万の含み益、、米国株で59万の含み損、投資信託(除MMF)で30万円の含み益となっています。全体としては20年間で通算186万の含み損です。

ここからしばらく投資信託について書きましょう。

資産としては株式と比べると投資信託はおもしろくありませんが、経済の大勢の指標として少し持っています。

家内の名義のものは被後見人として家庭裁判所が株式の保有を認めませんので、フィデリティ欧州中小型株オープンとフィデリティ・グローバルエクイティを家内の分として保有しています。幸い多少分配金がありますから,後見人としてはまずまずのところでしょう.私名義ではJPモルガンの「JFアジア成長株」、キャピタルアセットマネージメントの「世界シェールガスファンド」、「野村原油先物投資」、中国関係の投資信託「ノムラ中国株ファンドB」を保有していますが,これらは世界の経済のある種の指標としているのです。財産の保有手段としても最近は目立って良くなってきました。



現状で財産は投入額の100.6%になりますが、これまで20年間の過去の分まで考えますと過去の確定損失が303万円に上りますから現在の黒字分を加えても総額272.7万円まだ損失したことになります。

第七章

投資信託は取扱者(たとえば銀行)が手数料稼ぎに利用しており、その値段のうごきや内容構成には自分の手が届きませんから、私は株の方がポートフォリオ構成に自分で責任をとれるので好きです。投資信託も短期の上下に一喜一憂する人はやめておいた方がよいと思います。

わたしは特定口座を開設しています。これまで源泉徴収ではなかったのですが、特定非課税分の処理も終わったので、確定申告に必要な売却時の書類を送ってもらえるのを「良し」としたからです。この点では野村證券に保管を託していたのはラッキーでした。具体的に書きましょう。私の古い神戸2007年6月7日消費者団体訴訟制度が発足しました。詳しくは消費者庁の情報を御覧下されば手がかりが得られると思いますが、要点を申しますと「消費者が不当な契約条項、例えば@業者の賠償責任を免除する条項A消費者に過大な違約金を設定する条項B信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項による被害を被ったり、不当な勧誘行為、例えば@不実告知・断定的な判断の供与A不利益事実の告知をしないB不退去や監禁などの不法行為の下での契約」による被害を受けた時に内閣府が認定した「適格消費者団体」が個人に代わって「今後その様な不当行為を差し止める請求」ができるようになりました。現段階では差し止め請求までで賠償請求はできない不十分なものです。

これまで少しドルに慣れるためにUSMMFにドル投信を設定していたのですが、ドルの将来に不安を感じて、また信託銀行のBIGも現状あまりにも低金利なので、外貨MMFに投資したこともあります。私の見るところ、トルコ・ブラジル・メキシコなど金利のさらに高い国はありますが、あまり金利が高いと国情が不安定の場合もあります。外貨MMFは毎日付く利息は1ヶ月ごとにまとめて分配され、買い増していくので1ヶ月複利となります。これは運用上大きいです。外貨MMFはホームトレードで売却してMRFに移し郵便局を使って簡単に引き出しもできます。一面円高になると元本評価損も大きく出ます。
シティ・バンクなどへの直接的外貨預金は、口座維持経費など考えて今のところ見合わせています。

7月と12月には株式配当が合計約30万ありますから、余裕資金にあてます。

資産運用を勧める電話がときたま飛び込んできます。低金利時代に入ったいま、いよいよ異常に高い利息を払うというものは用心しなければなりません。外国の債券もこの手のものは先々債務不履行のことがあります。まして詐欺師の金儲け商法の甘い口に乗ってはなりません。乗るなら後で痛い目にあっても、それは自分の"欲"の結果ですから、人のせいにしたり監督責任があるからといって国や行政機関の責任にはできません。豊田商事事件の裁判結果からもこれは分かることです。だいたい国の監督といっても国は本来そんなに個人の味方として信用のおけるしろものでは無いのです。高利回りのPrinston Economics International発行の「プリンストン債」という外国の私募債を買っていた多くの一流会社が、債務不履行を被り多額の損失を出しました(1999年9月20日)。これなどは会計処理が原価主義から時価主義に移行するのを控えて、発生する損失を隠すために、欲に目が眩んで怪しげな私募債を買った付けのようです。(その上担当者への闇リベートがあったことも魅力だったのでしょう)。一流会社でさえがこれです。最近では、個人を対象に投資信託の装いをしたインチキ商品さえ出始めているようです。高収率で危険のない商品など絶対にありません。EB債なども怪しげなものです。
最近の例では、元手をつぎ込んでくれれば低利でその7倍まで融資し、株を底値で買って儲けましょうと言って、全国約200人から資金を集め、運転資金や遊興費に使っていたケースがあります。ご用心、ご用心!!

「隣は詐欺師」・・・夏原武もご覧ください。
子供達にはよく「子孫のために美田を残さず」と西郷隆盛はいったそうな、と話しました。独立独歩こそがまず原点であり、財について親を当てにするようなことではろくなことになりません。この言葉を挙げたのは財産ではなくて、人づくりが親にとって大事な仕事だと言いたいからです。お金を借りて返すということも学ばせておくという知人もいますが、私は「借金せず」のやり方です。参考までに書いておきますが、2013年の金融広報中央委員会の調査によりますと、借入金のある家庭が39.8です。万一読者の中に貸金業者からお金を借りておられて法定利息以上に利息を支払われた方があればみなし弁済規定についての知識を持たれることも必要でしょう。やはり利子を付けて返すお金と多少とも利息が入ってくるお金では、上下大変な違いです。デフレは過去の借金の重みを増幅させるのですが、私にとってはデフレは完全な手持ち資金の価値の増幅です。ローンなど借金がありますと、その返済のスケジュールが引っかかって勤めを辞められないということも、起こり得ます。それが無かったおかげで、家内の病気で勤めを急に辞めることになった時も自由に、即座に実行できました。人の一生、いろいろな事情で借金もしなければならないこともあるでしょうが、無理のないようにベースになる資金は常々自分で用意して置かねばならないと思います。昔の人も「恒産なければ恒心なし」といっていますし、チャップリンも「人生に必要なものは勇気と想像力、そしてほんの少しのお金」といっています。私のような精神修養の足らない凡人には、それが自分の心の自由を保障してくれるのです。人それぞれ心の自由というものほど、かけがえのないものはありません。

私は自分で“支払い魔”だと思っています。物を買ったり請求書を受け取ると即刻支払うのを原則にしています。こうすれば支払いが溜まって一度に多額のお金を準備する必要もありませんし、後で支払った方が安くなるのならともかく、払えばもうその支払いのことは忘れてしまえます。受け取る人も支払の速いことを喜んでくれます。

それぞれに事情のあることでしょうから、一般論として読んで下さればと思うことがあります。それは近頃銀行の貸し渋りが大きい問題になっていますが、バブル期といわずこれまでは右肩上がりのインフレ経済でしたから、借金してもその重荷は年月が経つに連れて自然に解消していったものです。企業も個人もこの傾向が当たり前のことになっていましたから、いわば“借金経済”が当然になっていたのです。銀行も土地を担保とした安易な融資に溺れて、その企業の将来性、企画・運営能力を審査することなく、また審査能力さえ不要という状態で融資をしてきました。その結果が焦げ付き−−不良債権化−−だと思います。銀行は貸さないと採算がとれないのですから、本来貸し渋りはあり得ないのです。
ところで日本の銀行は依然として担保主義で貸し付けをしています。このため不良化するかも知れない貸付を回避し、日銀が金融を緩和してもお金は銀行止まりで中小企業にはお金が回らないのです。企業の事業力を診断できないバンクマンの体質が変わっていないところに最大の問題があります。
ゆうちょ銀行は総資産の80%以上を国債に投入し一般の銀行でも15%程度は国債に投入しています。銀行は現在70兆円以上(108兆円とも)の国債を保有して預金利息との差を稼いでいます。 国も国債のよい買い手として利用していると見るべきでしょう。こうして間接的にわれわれ預金者の資金を国債購入に回しているのです。貸出先の選別能力を持たないので、本当にお金の要る企業への貸し出しはせず、中小企業への貸し渋りも起こしているのです。優秀な企業はこれから銀行からの借り入れではなくて、社債や新株を発行して市場で直接資金調達する方向を強めるでしょう。ビッグの役割が終わったのもこの現れです。金持ち優遇と云われようが、制度的にも株式投資の優遇策を取り入れざるを得ません。現状ではお金の循環が死に体に陥っているからです。個人も、デフレ基調の現在は銀行やクレジットからの借り入れ経済から、基本的には自立しないと利払い地獄状態に追い込まれて行くことは明かです。英語のことわざにも“Out of debt, out of danger"(借金がなければ、危険はない)というのがあります。今後いずれはまたインフレへの動きが国債の大量発行の裏返しに顕在化して来るでしょう。そうなれば、日銀の基準金利引き上げも現実のものとなり、間違いなく借り入れローン金利は上昇します。

日本でも2003年の個人自己破産申し立て件数は24万2377件に上りました。グラフではどんどん増えてきていることがわかります。この年をピークとして一応減ってきています。2008年は12万9508件でした。
東京弁護士会法律相談センター運営委員会によると最近はリストラや給料減によって住宅ローン返済ができなくなっている人が増え、負債額が1,000万円以上というケースも少なくないということです。何千万円も借りて手に入れた家のローンはそのまま残っていますが、家の価格は半値になって儲かるどころか資産としての価値も下がり、破産に追い込まれるのです。家が資産の時代は終わりました。借金を重ねていわゆる多重債務に苦しむ人も増えています。この苦しんでいる多重債務者を食い物にする悪い人もいるのです。世の中万事うまい話にはご用心。悪質な一例

強盗・殺人事件の多くに借金返済の困難が理由になっている例が増えてきました。(安易に借金をして最後に自己破産すればよいとお考えの方は、ぜひ
これで納得!自己破産手続&自己破産のデメリット でも一読されるとよいと思います。かなりの費用を出して弁護士に依頼をせねばなりませんし、弁護士のバッジを付けていても整理屋と結託した悪徳弁護士も多いのです。裁判所が自己破産をすべて認めるわけでもありません。その後数年間はブラックリストに載せられますのでローンもクレジットカードも組めません。幸い一度破産免責を受けても、その後また借金をすると今度は破産法では10年間は免責を受けられないことになっています(第366条ノ9 裁判所ハ左ノ場合ニ限リ免責不許可ノ決定ヲ為スコトヲ得。4.%破産者ガ免責ノ申立前10年内ニ免責ヲ得タルコトアルトキ)から、ヤミ金業者はよいカモと誘いの手を伸ばしてくるといいます。なお特定調停という制度も2000年2月にスタートしています。この場合も書類作成には弁護士か司法書士の資格が必要です。『返済がいったん止まる』という甘言で迫ってくる無資格悪徳業者も横行していますから注意が必要です。特定調停Q&Aも参考になりましょう。私の家も大正時代に米相場で破産を経験しています。その影響は祖父一代に止まらず、その後の世代にも及びました。
なお、2001年4月からは個人版民事再生法(個人債務者の民事再生手続に関する特則)も施行されています。

−−−今一番大事なことは生活運営の基本的な考え方を切り替えなければならないということでしょう。私はそう思います。竹下首相の各自治体への1億円ばらまき、公明党発案の地域振興券に乗っかった7000億円の小渕・森両内閣の施策は従来の考え方からすると当然の政策だったのでしょうが、私たちの将来への不安が何も解消されなかったと言う意味では、壮大な浪費でした。國の莫大な赤字は施政の手詰まりを招き「小さな政府」を余儀なくさされています。少子化の進行で今世紀は国民の数も減ります(いま考えていること 62(2001年01月)―21世紀を迎えて−これからの日本―もご覧下さい)。将来への不安をなくする政策、例えば経済構造を変革し、新しい分野への投資を大胆に展開して、新しい利便を創生し、雇用の機会も増やすとかして、舵を切り替えることが必要なのです。従来型の公共投資の限界は政策シンクタンク「構想日本」の論文でも指摘されたことでした。国民としては、やはり基本的には自己防衛のためすべての分野に亘って縮小、堅実化を大原則にした生活に切り替えざるを得ないと思います。今のステージで、「かっての繁栄を追い求めるのは幻想だ」と言っておきましょう。

漱石の「こころ」上 先生と私 28節「君のうちに財産があるなら、今のうちによく能く始末をつけて貰って置かないといけないと思うがね、余計な御世話だけれども、君の御父さんが達者なうちに、貰うものはちゃんと貰っておくようにしたらどうですか。万一の事があったあとで、一番面倒の起こるのは財産の問題だから」。尊敬する「先生」の口からあまりにも生々しい言葉が出たので「私」は驚かされたのでした。遺産を巡ってのトラブルは絶えません。遺産を残すことを考えるよりも資金の投入によってその対象が活きてくるならば、思い切って生きているうちに使いましょう。子供たちにしても親が死んで転がり込んできたお金は本当の有り難みがわかりませんから、大抵は詰まらぬことに使ってアッという間に霧散してしまうものなのです。残さないで子ども自身の力で道を切り開かせる方が大事だと思います。

所詮自分のものなど何もありません。命をはじめ、すべては借り物、いつかは返して空(クウ)に帰るのです。私たちは不思議の国からの旅人なのです。  

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