2009年度JUDI関西海外交流セミナー イタリア部会

イタリアの小さな町の豊かな生活
 
2009JUDI関西イタリアセミナー顛末記
 第1回海外セミナーのメルカテッロ再訪の企画を井口さんと進めていたところ、ブロック幹事の金澤成保さんから「今年の国際セミナーは堀口浩司委員長が韓国、中国との交流をやるから担当しなくていいよ」と言われ、交渉の結果二つの海外交流セミナー企画のうちの一つとしてイタリア部会が位置づけられた。
 セミナー記録を当初からJUDIニュースにカラー入り特集として組むことも企画しており、松村みち子広報委員長、作山康さんや関西ブロックの委員の方々の快諾により思ったより早く実現し、web掲載についてもご了解をいただいた。とりわけ作山さんには私の慣れない編集作業を助けていただいた。
 カラー印刷代にあてるべく、2008年韓国セミナーの講演収入などをプールしてきたが、ほぼ予算内でおさまり、積立金をセミナー参加者の総意によりメルカテッロの井口邸に大暖簾を贈るという小林郁雄さんの企画にあて、イタリアセミナーの集いを開催して贈呈式を行った。旅行中、様々なトラブルに見舞われたが無事セミナーを終えることができた。
 1997年のイタリアセミナー企画の中心であり、今回も参加予定で事前打ち合わせにも出ておられた土橋正彦さんが急遽入院され、連絡先をお願いしていた篠原祥さんからメルカテッロで訃報のメールを受けたこともこのセミナーを印象深いものとした、折から2010年は彼の故郷、諏訪の御柱祭の年、心からご冥福をお祈りいたします。
   
 イタリア部会委員長  難 波  健
  
  
イタリアセミナー開催にあたって         井口 勝文
  

東京一極集中、大都市偏重に対して一方に限界集落という日本の現状に対し、コンパクトシティ、都市のストック、スローライフ,スローフード,地産地消のコミュニティ経済、参加のまちづくり、これらが単なるスローガンではなく、60年代から課題に掲げてやってきたのがヨーロッパ、なかでもイタリアの都市であることは皆さんご承知の通り。
 12年前に我々はメルカテッロでそのことを体験し、色んなことを考えた。ここに見られる豊かな生活は決して凡々たる生活から得られたものではないし、それなりの課題もある。生活の確かな価値観とそれを自分のものにするしぶとい試行錯誤、根強い実行力、培われた審美眼、そのようなものが今の豊かな生活をもたらしている、そのことを再度確かめるのが、今回のセミナーである。

 
JUDI関西海外交流セミナー2009イタリア部会    難波  健
  

 1997年に第1回の海外交流セミナーで訪問した井口勝文氏のメルカテッロのお宅を、2009年JUDI関西海外交流セミナーのイタリア部会として再訪した。90%修復が完了した井口邸を中心とするセミナーの企画は、8月25日から29日の5日間をコアとして20名が参加し、それぞれの興味によりイタリア各地を探訪し、メルカテッロのセミナーに集結した。(訪問都市6P参照)
 前半は2つのコースに分かれ、Aコースはトスカーナ州を中心に、フィレンツエからヴィンチ、モンテカティーニ・テルメ、サン・ミニアートを経てボローニャを歴訪。Bコースはイタリア半島の南東部、バーリからカステル・デル・モンテ、アルベロベッロ、チステルニーノ、マテーラといった特徴ある住居を持つ都市を訪れた後、アドリア海沿いに列車で北上し、ペーザロでAコースと合流した。
 A,B合流後のコアセミナーは、ウルビーノでラファエッロ生家などを観てメルカテッロに入り、井口邸を中心に4つの性格の異なるホテルに分宿し、26日27日はメルカテッロの都市計画に関係する方々からレクチャーを受け、周辺の集落を視察し、27日の夜は町の住民の方々や井口さんの友人が加わった賑やかなパーティーが開かれた。
 28日はミケランジェロの生誕地カプレージェ・ミケランジェロ、聖フランチェスコの修道地ラ・ヴェルナの修道地を経てポッピに宿泊し、ワイン祭(Festa del Vino)に参加、そして明くる29日にフィレンツエで解散という、なんとも内容の濃いセミナーであった。今回のセミナーで訪れた都市の数は、22余りとなる。
 解散後、私と千葉さんはジェノヴァ湾に面する世界遺産、チンクエテッレの漁村を廻り、サンタ・マルゲリータ・リグレから船でポルトフィーノに入り、そして大海洋時代に全盛を誇ったジェノヴァを経てミラノから帰路についた。

  
 メルカテッロは人口1500人の山奥の町、元気で陽気な752
                               井口 勝文
 
 町の豊かさとは何か−JUDI関西が見たイタリアの豊かさ
                               難波  健
                          
3 イタリアのアグリトゥリズモ
3-1 垣間見たイタリアのアグリトゥリズモ(Agriturismo)
                           千葉 桂司 
  
3-2 アグリトゥリズモの極意
                           角野 幸博
  
◆ JUDIメンバーが宿泊したホテルのプラン
  
 イタリアの元気の元は、チェントロ ミノーレ(小さな町)にある。
4−1 ルネッサンスの3巨匠、その生家を訪ねると、、、、。
                               井口 勝文
                             
4−2 ボローニャBologna 創造都市の修復事業
                               加藤 晃規
                             
4−3 アルベロベッロAlberobelloのトゥルッリに住む
                               堀口 浩司
                            
4−4 マテーラMatera  よみがえる洞窟住居都市
                               小林 郁雄
                             
4−5 ラ・ヴェルナLa Verna  エコロジーの聖地
                               江川 直樹
                             
4−6 ポッピPoppi アルノ川上流の丘上都市でのワイン祭
                               若本 和仁
                             
4−7 チンクエ・テッレCinque Terreを守る暮らしと景観
                               千葉 桂司
                            
5 小さなまちの豊かな生活(写真構成)
   ◆ イタリアの小さなまち メルカテッロ Mercatello sul Metauro
 
   ◆ 交流セミナー
 
   ◆ 井口邸での交流パーティー
 
   ◆ メルカテッロのまちの生活
 

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