虫草日誌 2004年(5)


「薮の中」パネルにテンペラ、油彩 2003年 334x212mm

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(左)マユダマタケ、(右)不明種

8月5日(木)

K川へ。ダム湖上流の流れ込みに沿って遡る。いつも調べる場所より更に奥まで調べてみる。岩に付いたアシダカグモ生のコゴメクモタケを見つけたが岩からはずす時にバラバラになってしまった。枝や葉裏に付いているのはよく見かけるが、岩に付いているのは見たことがない。さらにクモから出たマユダマタケを見つけた。これも岩に直接付いている。マユダマタケは珍しくないが、クモ生のものは初めてだ。
また、アオキの葉裏に付いた5mm程の卵か繭のような物から白っぽいつぶつぶのような物が出ているのを見つけ持ち帰った。
帰ってからよく調べるとやはり子嚢果のようだ。検鏡してみると子嚢果の形、色、大きさ、子嚢などがコゴメクモタケと非常によく似ている。同種の寄主違い寄生かもしれない。繭を破ってみると中から小さな蜂の成虫の死骸がが出て来た。調べてみるとコマユバチの仲間のようだ。どうやらこの繭の主ではなく寄生していたもののようだ。



卵虫草(不完全型)

8月2日(月)

K川へ。アブの卵虫草を見つけた川筋をくわしく調べてみる。ナガレアブがどのような場所で産卵するかわかったので、これはと思う場所では必ずといっていい程、卵塊を見つけることができた。 前回アブが卵を産みつけていた葉を調べると、薄いピンクがかった白色の不完全型の虫草が出ていた。他にも完全型がいくつか見つかったが、未熟だったので不完全型のみを持ち帰った。



卵虫草

7月19日(月)

K川へ。祝日なので家族連れが多い。Y谷に向かう川筋を調べる。日照り続きのせいか水かさが減っている。クモ生虫草は思ったより少ない。やや水が深くなった辺りでナガレアブを見つけた。集団で産卵している。昨年このアブの卵から発生したトルビエラ型の虫草を見つけているので、辺りの葉を裏返して調べてみると菌糸に覆われた卵塊がいくつか見つかり、ルーペで見るとそのうち一つに子嚢果ができていた。どうやらこの辺りが坪のようだ。 他にツツナガクモタケが見つかった。



オサムシタンポタケ

7月14、15日(水、木)

14日、WEBで知り合った広尾山荘さんからオサムシタケの完全世代であるオサムシタンポタケを送っていただいた。夜になっていたのでクリーニングだけして撮影、検鏡はせずに冷蔵庫に入れた。
15日は革工芸作家のK野氏と車で北山へ虫草探しに出かける。まず貴船に行くが観光地なので車を停める場所が無い。かなり上流でやっと見つけてその付近を調べる。コエダクモタケ他、クモ生のものがいくつかみつかった。さらに鞍馬に行くが、鞍馬寺は参道がほとんど舗装されていて虫草が生える余地がない。ひるからは川沿いに北山のあちこちを調べるが、クモ生のものが少しみつかっただけ。西山と比べて少し密度が低いようだ。その後、西に転じて嵐山付近の社寺でセミタケを探すが、地面が乾き切っていて収穫無し。最後にこの前のカメムシタケの坪に行ってK野氏は満足したようだ。しかしいつも思うのだが、車が入れる場所で手頃な坪というのはなかなか見つからないものだ。 オサムシタンポタケは検鏡してみたが、古くなっていたのか元々ステリル(不稔株)だったのか、胞子は見られなかった。



不明種

7月13日(火)

K寺へ。コガネムシハナヤスリタケの坪を調べる。5月11日に見つけたコガネムシ生の不明虫草は倒れてしまっていたが、ルーペでよく見ると子嚢果をつけているようだ。さっそく掘り出して持ち帰ることにする。蚊が多くてとてもゆっくり調べてはいられない。持ち帰った不明虫草は萎びてはいたがまだ胞子を出しているようだったので検鏡してみると、丸い粒が繋がったような胞子が見えた。クチキムシツブタケのものにそっくりだ。そういえば外観も寄主を除けばクチキムシツブタケに似ている。かってあの場所で同種を見つけたこともあり、シーズンも一致しているところからみて、クチキムシツブタケの寄主違い型と考えられる。

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