日本刺繍 森繍

伝統工芸刺繍作家
日本工芸会正会員 森康次 公式ホームページ

日誌という名の記録

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「きものと帯の縮尺デザイン画の描き方」
授業内容(2010年4~8月 全15回)

4月13日(火)

1時限
自己紹介 この授業の概略と進行の説明
使う道具 準備の説明
2時限~ 5時限
江戸時代の雛型を使った「デザイン画の模写」の準備
江戸時代の雛型の配布 ロール紙を使って文様を描く(下書き)

4月20日(火)

1時限・2時限
木枠に画用紙を貼り、生地色を作る
3時限~ 5時限
ロール紙を使ってひな形に文様を描く
画用紙に文様を決めつける 画用紙に彩色をする

4月27日(火)

1時限~5時限
画用紙に彩色をする
模写、着色図案の完成

5月11日(火)

1時限~5時限
出品用のきものデザインの作成に着手
ロール紙を使って文様を描く(下書き)
デザインの題材(モチーフ)を決める
資料を集める 部品をまとめる
構図、構成を完成させる 地色を決める

5月18日(火)

1時限~5時限
ロール紙を使って文様を描く(下書き)
デザインの題材(モチーフ)を決める
資料を集める 部品をまとめる
構図、構成を完成させる 地色を決める

6月1日(火)

1時限~5時限
木枠に画用紙を貼り、生地色を作る
ロール紙で完成させた最終原稿を画用紙に決めつけ
彩色をする

6月8日(火)

1時限~5時限
ロール紙で完成させた最終原稿を画用紙に決めつけ
彩色をする

6月15日(火)

1時限~4時限
彩色をする
5時限
合評会

7月6日(火)

1時限~5時限
タイコ柄の帯デザイン

7月13日(火)

1時限~5時限
タイコ柄の帯デザイン

7月20日(火)

1時限~5時限
タイコ柄の帯デザイン完成

7月27日(火)

1時限~5時限
全通柄の帯デザイン

8月31日(火)

1時限~5時限
全通柄の帯デザイン

9月7日(火)

1時限~5時限
全通柄の帯デザイン完成
合評会  制作意図や作図の軌道などを発表し作品解説を各自が行う

4月13日火曜日 曇り時々晴

桜の花と共に新年度が始まり、花の盛りが過ぎ花見客もいなくなった頃今年の授業が始まった。
久しぶりの奈良行きと久しぶりの早起き、久しぶりに皆さんにお会いしました。
みんな元気そうで何よりでした。
2年生14名、3年生5名の合同授業。3年生は卒業制作を意識したデザイン画の復習。
昨年と違うのは授業コマ数が3倍に増えたこと、受講生も3倍に増えたこと。
そしてキモノだけでなく帯のデザインも2種類実習すること。
昨年の経験を踏まえて、今年は「小袖ひな形」の模写からはいる。
「小袖ひな形」と言っても江戸時代に描かれたものを自由に着色し、今風のキモノの寸法に置き替えるというもの。
350年も前の着物デザインを平成生まれの学生が模写をし、きものデザインを研究するため解体する。
なんとも悠久ではないかと一人で感心し満足している。
授業は思いがけないスピードで進み、少々混乱気味。
模写を一枚完成した学生がいた。もう少しで完成も数名。

4月20日火曜日 雨のち曇り

昨晩からの雨も朝にはやみ、授業中の雨も帰りにはやみました。
濡れずにすみました。
着色ひな形の授業も2日目、14人もの学生が完成、そして提出。
とにかく皆さん熱心です。
集中しているときは教室が静寂につつまれ雨音しか聞こえません。
そして仲良しです。画材を貸し借りしたり、助け合ったりです。
デザインの経験者もいますが大半は「今回が始めて」。
提出のあった14点をUPします。

4月27日火曜日 雨

大原和服専門学園に行く時はたいがい良いお天気だったのに、前回がギリギリセーフ。
今回は帰りに雨風に悩ませられた。
授業は今日も順調に進む。4点の完成を見る。残り1点。
14回きものデザインコンクールに出品する作品に随時取りかかっているのだが、実は学生の中に19歳が7名居る。今後の友禅の授業で、来年の成人式に着る振り袖の制作に入るという。振り袖用の生地も買ってある。それではと振り袖のキモノデザインを描くことにして、この7人は実施計画を変更。
なかなかの大仕事になるが、放課後も作業にあてるという。
来年の成人式が楽しみ。
この7人は、きものデザインコンクールの出品は「振り袖」になる。

では 本日完成した4点

講義日誌講義日誌

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5月11日火曜日 曇り時々雨

連休があったので2週間ぶり。あいにくと今日も小雨。
ひな形の模写が終わり、一通りの過程を経験したので、デザインコンクールに出品する作品作りに取りかかっている。どんな模様にするのか、地色は何色か、構図はどうするのか、一つ一つを確認しながら追求していく。
最終原稿を仕上げて着色に入っている学生もいる。
描いては消し、描いては書き直しの連続だが、一日がかりの作業だから能率は良い。疲れてスタミナ切れになる学生もいるが、私は案外元気。

5月18日火曜日 晴れ

久しぶりの良いお天気、朝日が眩しかった。
授業は順調に進行。小袖雛形の模写、最後の一人も完成提出。
廊下の掲示板に19名全員の成果を張り出していただいた。

14回着物デザインコンクール出品にむけて、次の準備に入る。
今度は模写でないから何をどのように進めるか、次から次へと問題が出てくる。
それを一つずつ解決しながら前へと進む。気の遠くなるような行程。
それでも少しずつ出来上がっていく。

西大寺から各駅停車に揺られて、ウトウトしながらゆっくり帰る。

6月1日火曜日 晴れ

いよいよ今日から6月、季節外れの寒さから解放されてやっとそれなりの気候。
良いお天気で気持ちが良い。2週間ぶりだがいつもの時間に新田辺行きの普通に乗る。ゆっくり座れるので40分ばかり読書。アイパッドが発売されたから電車の中で何人かは開いているかもと期待していたが、そのような人はいなかった。そんなもんかな!
授業も順調に進みコンクールに出品する作品も順次出来てくる。
5分の1以上の縮小で描いているので、おのずと小さく細かい作業になる。
実寸とのギャップに苦労しながら着色していく。

6月8日火曜日 曇り

心配していた雨は降らず快適な一日、時折汗ばむがこれはこの時期仕方のないこと。
新田辺までの普通は読書に最適な45分ほど、西大寺までも座れてニコニコ。8:36分の難波行きの発車まで15分ほどの待ち時間、西大寺の駅でお気に入りにのパンを買ってフレッシュな野菜ジュースを飲んで朝食。
こんなパターンの奈良への遠征。
昨年の4月に初めて奈良まで遠征したときのウロウロ、オロオロとは大違いの落ち着き。
14回きものデザインコンクールに出品する作品も今日で6点完成。次回には全員に近い数がが完成予定。
完成度も高く皆さんの力量に驚いている。公募展の出品作品だから、ここで画像のUPは出来ないのが残念。
作業途中の画像で紹介

6月15日火曜日 曇りのち雨

そうだ梅雨入りだ、曇りのち雨ず~~っと雨。
14回きものデザインコンクールに出品する「デザイン画」今日までで仕上げる。
数人は明日までかかりそうだが、全員出品できそう。
美術やデザインの学校ではない、まして十分な時間をかけての制作でもない、しかし確実に出来上がっている。
作図の手順を体験している。
完成したデザインをここで発表出来ないのは残念だ。
公募展だから審査の前に公に出来ない。
作品発表は、今年の10月22日(金)~25日(月)までの期間、元離宮二条城 二の丸御殿台所で展示される。
是非お運びいただきたい。
デザインの話に戻るが、よりよい伝達、豊かなコミュニケーションにデザインが威力を発揮する。
作図出来ること、デザイン出来ることは「武器になる」
次回からは帯のデザイン。
時間はたっぷりあるゆっくり楽しく深めて欲しい。

7月6日火曜日 曇り

二回も休んだので3週間ぶり。
今日から「帯」タイコ柄、前帯び柄の描き方の実習。
と言っても実寸で描くと仕事量が多くなるので、時間の節約と小回りが効くように約50%の大きさで描く。
実寸で確認したければ200%で拡大すればよい。
写生からの作図ではないので,どうしてもきもの雑誌や染織の参考資料からの構成になるが古典や伝統的な模様をさけて、独自の図柄を追求する学生もいる。
楽器やウミガメなどがあって楽しい。
今日完成したデザイン2点
縦位置がタイコ
横位置が前帯び

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7月13日火曜日 雨のち激しい雨

帯の作図も順調に進む。
2点目を完成させた学生もいる。
この授業にも作図にも慣れてきた、細かい所まで指摘をし「ダメだし」を増やす。
作図の前に明確なイメージを持っているか、持っていないか。
その時に柔軟に変化、対応ができるどうかが問題。
そうでないと作業の段階で「進化」しない。
デザインとはそう言うもの。
デザインの手法に「分ける」「囲む」「重ねる」「ずらす」「回転」などがある。
きもの雑誌や参考資料からの構成でなく、デザインとしてもう1歩進んだ作図まで経験できればと思っている。
すこしハードルを上げてみよう。

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7月20日火曜日 快晴

日差しが痛いぐらいの良いお天気。先週の大雨とえらい違い。
楽しみにしている奈良の授業、タイコ柄の帯デザインも今日が最終日。
先週に引き続き7点の完成を見る。
このデザインは「染め帯」「刺繍帯」「綴れ帯」などに使うことが出来る。
どのような技法にしろデザインが先行しなければ良いものが出来ない。
作図に経験が無くても、このようにイメージしたものを紙の上に置き換える事が出来る。
この段階でもっと時間をかけ、経験を積みデザインを進化させばよい。
19人のクラスだから19通りの道筋があり、その変化が面白くて仕方がない。
次回から織物用のデザインに入る。
「制約」があり今までのように自由でやりたい放題には行かない。
さあどうするかな。

7月27日火曜日 快晴

8月から学生は夏休み。懐かしい響きを保つ言葉。そうか、夏休みか・・・。
だから1学期最後の授業。
織物帯デザインとなるとさすがにスピードが落ちる。
どこから手を付けて良いのか分からない。
それでも模索しながら少しずつ進んでいく。
9月7日の最終の授業では各自作品解説をして貰う。
制作意図や特に気をつけたところ、アピールしたい内容などを話して貰う。
だから気合いが入っている。
作図を気にし、頭や心の中であれこれ考えながらもず~っとおしゃべりしていた学生もいたが、時間は容赦なく過ぎていく。
決められた時間内に完成さすことも大事な要素。
そして9月7日を迎える。最終日です。
提出期限は厳守ですから。

オープンキャンパスが7月から始まっている。
電車の中の広告もそのようなことが書いてあった。
私の教室にも授業風景を見に来られた。
就職活動も盛んなようだし、もう来年は始まっているのか・・・
大変だ。

8月24日火曜日 快晴

本当に快晴でした。
うだるような暑さとは言いませんが、夏はこんなもんでしょうが、溶けそうな暑さです。
そのわりには電車の冷房がよく効いていて寒いくらいで長袖が欲しかったです。
全通の帯デザインも今日を入れても残り3日。
今までと違って込み入った高度なデザインが完成しつつあります。
皆さんよく頑張っています。
筆の使い方 絵の具の合わせ方 色の塗り方構成の手順や準備の進め方など、もう少し時間をかけたいのだが、やりながら覚えていくと言う手法。
かなり強引ですが皆さんよくやっています。
しっかり身につくと思います。

8月31日火曜日 快晴

この授業も最終段階に入る。
この授業の集大成に取りかかっている、したがって完成度の高いユニークなデザインが描けている。
技術的にも進歩した、配色も洗練された。
デザインは設計図であり、伝達手段であり、メッセージなのだ。
和服専門学園ではあるが、デザインをする方法、を体験した。
今後きっと役立つときが来る。
絵筆を持つのを今回限りとせず、続けて欲しいものだ。
何をするにもデザインを先行さすことも記憶にとどめて欲しい。
14回きものデザインコンクールに3名の佳作受賞があった。
あの段階は授業を初めて4回目、学生にとってはまだまだ手探りだった。
不安だった。
かなり無理をして描いた。
苦労の甲斐があった。
よかったよかった。

で、完成した帯ときもののデザインをUP。
これ以降は作者の記名解説文付きになる。

講義日誌桐原愛衣

一度は描いておきたかった音楽関係の図案。
とりあえず、音符や記号を好きなように描きちりばめました。
模様の配置は、ほとんど適当ですが、
色は、記号、4分音符、8分音符・・・と分けて、細かく色を変えないようにして、
うしろの五線譜にも似た色を使って、模様でごちゃごちゃさせたかわりに、色ではまとまりを出しました。
音符の模様にする時、旋律にしようかとも思いましたが、リズミカルな感じを表現したいと思い、バラバラにしました。

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9月7日火曜日 晴のち曇り

この授業で今回の授業は終了する。
始まった時はまだ桜の花が残っていた。
季節はすっかり変わってしまったが、学生達は見違えるように上達した。
2名を残して完成したデザインをUPします。
とにかく個性的で清々しい。

講義日誌前場美里

完全オリジナルの模様を使い、模様の地を絵の具、柄は色えんぴつを使い、少しぼかし目に仕上げました。
少々、配色を誤ってしまった部分もありますが、自分自身で模様を考えるのは、とても楽しかったです。
今後は、この模様を使い、色々な配置、配色を考えてみるのもおもしろいかもしれないと思いました。

講義日誌髙橋早季

秋の訪れはまだまだ先のようですが、
全通帯のモチーフには私の大好きなどんぐりを選びました。
コロンとした実の形もさることながら、その力強い葉にも魅かれているということを描きながら知りました。
モチーフの大きさを変えながら全体をうめることで、織りの良さを生かしたデザインに仕上がりましたが、配色に悩むことになりました。
全体のバランス、メインとサブの関係、もっとたくさんのデザインを描いて、自分で判断できるようになりたい、と思わされた作品です。

講義日誌尾﨑友美

私は今まで鮮やかな配色が多かったので、今回は地色にやわらかな黄色を使用し、
花は白、葉や枝は灰でまとめました。
今まで桜をモチーフにしたデザインが多く、新しい花に挑戦したいと思っていたので、
たくさんの花を描くことができて良かったです。

講義日誌越智彩花

私は、格子ともみじの組み合せのものが好きなので、この柄にしました。
初め、もみじは白色になる予定でしたが、何故か画用紙の赤色が出てきてしまい、全体的にもみじの色がピンク色になってしまいました。
なので、もみじの中の線を赤色にして、全体的に赤色でまとめ、可愛くしようと思いました。
このデザインは、少し派手な感じがするので、あまり柄のないシンプルな着物に合わせてみたら良いのではないかと、思います。

講義日誌仁和香純

前回の縞柄の梅を、今回は斜めに配置して、配色を変えました。
斜めにしたことで、上と下がつながるようにするのが難しく、少してこずりました。
前回の配色は、かっこよく粋な感じでしたが、今回はかわいらしく、やわらかい感じの色を使いました。
同じ柄でも、色や構図を少し変えるだけで、全く違った印象になるのだなぁ、と実感しました。
梅の柄をたくさん描けて、楽しかったです。

講義日誌乾 智香子

1月の刺繍の授業で使うために、小紋のデザインを考えました。
今回のきものは、お母さんへのプレゼントにしようと思っています。
なので、自分の好き勝手に柄や色をデザインできなかったのが、1番しんどかったです。
改めて、お母さんとはシュミが合わないなぁ、と思いました。

講義日誌深川 真貴子