日本刺繍 森繍

伝統工芸刺繍作家
日本工芸会正会員 森康次 公式ホームページ

下絵

下絵について

「下絵の付け方に工夫をしなければ、刺繍は変わらない」
を持論にしています。
出来るだけ「しっかりした細い線」を要求しています。

その技法に見合った下絵の付け方。
ここが一番大切なところです。

墨で下絵を描くと、その下絵の墨の線を消す為に
全面をぬい詰めなくてはいけません。
(江戸時代の刺繍はこのような下絵が書いてあります。)

例えば 粗い目の網目のような刺繍をしたいときには
このような墨で描いた下絵は不向きです。
下絵の墨線が残り汚いです。
それを消そうとマツイぬいをすれば「絵」が硬くなります。
イメージと違った出来上がりになります。
可能なら、刺繍をした後で下絵が消えてくれればいいのです。

下絵を付けるいくつかの方法

  • 型紙を切り抜いて胡粉を刷り込み下絵にします。昔から使われていた手法です。
  • 白のチャコペーパーでコピーをしたり、当たりを取って面相筆を使い白や金泥、あるいは白鉛筆・黒鉛筆などで清書します。
  • 黒の事務用カーボン紙も使います。

手芸材料店にはいろいろな複写用の材料がありますので、一番いいものを上手く使いこなす事です

下絵の道具

左から

  • 型紙
  • 白片面チャコペーパー
  • 黒カーボン紙
  • 鉄筆
  • 白色鉛筆
  • 印刀
  • 刷り込み刷毛(大)
  • 刷り込み刷毛(小)
  • 面相筆(中)
  • 面相筆(小)
  • 文鎮
  • 絵皿