日本刺繍 森繍

伝統工芸刺繍作家
日本工芸会正会員 森康次 公式ホームページ

糸染め

糸染めについて

刺繍糸の染色についてお話しましょう。

刺繍糸の1綛(かせ)は約12g、500mです。
特別でない限りこの単位で染めます。
染める前に白糸を地入のため水に濡らします。
片手の手の内に軽く握る事が出来るほど小さいものです。
こんなにも少量ですから「染め」は思いのほか簡単です。
大掛かりな道具や場所がいるわけでもありません。
27cm程の台所用のボールとガスレンジがあれば充分です。

「糸」は無縒糸ですから直ぐ染まります。
染まり過ぎるので遅染剤(均染剤)を入れるくらいです。
ところがこの無縒糸というのが超デリケートなのです。
扱いには充分に気をつけて、優しく扱ってください。

市販の糸では色数が少なく
イメージどうりの色がなかなか手に入りません。
今後のことを考えると糸染めは習得したい工程です。

不安がらずに是非挑戦してみてください。
「配色」という色の世界が広がります。

▼酸性染料 15色

糸染め酸性染料

▼刺繍糸30mを小さな綛にして、原色で濃淡に染めた サンプル

糸染め酸性染料

糸染めの道具
染め道具
(左から)遅染剤・染め液を入れるボール(32cm)・其の隣の白い器(2個)は染料を溶かす器 (白のホーローですので色がよくわかります。)・それと手前にあるのは何かと便利な大きなスプーン