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11月6日(火)
11月13日(火)
11月20日(火)
11月27日(火)
12月4日(火)
今日から刺繍の実技が始まります。
2年生 3年生 研究生 計14名
実技3回目 2回目の学生もいて、その学生は昨年と1昨年に作った刺繍の名古屋帯を持っています。
今年の秋はその名古屋帯が大活躍して、あちこちで褒められたと言っていました。
そんな訳で手順を知っているので作業は早く進み、今までとは違ったものをと
意気込みも鋭く、実に楽しい授業となっています。
2年生は初めてだから、刺繍台の組み立て、 下絵のつけ方 生地の検寸 柄位置の割り出し と
失敗が許されない、緊張の連続で、いつにない真剣な顔つきでした。
刺繍の実技2日目
お天気は崩れそうで急激に冬型に・・・・
風邪で一人欠席、一人で大丈夫かと心配。
絹糸を使い「刺繍を施した名古屋帯」作っている。
友禅で染めた模様に刺繍を入れている学生
織りで名古屋帯を織って刺繍だけで模様を表現してる学生。
5日間25コマしかない「短期間で」仕上げなくてはならないから
かなり無理をしている。
授業も強引に進めている。
学生も苦労していると思うが、時間をかければそれでいいとも思わない。
放課後も居残りで自習する学生も居る。
それはそれでいいと考えている。
ボケ~としてしていても一日は一日だから集中すればいい。
宿題を出してある。
それは、今作っている自分の名古屋帯に
「値段」をつけることである。
そして学生とこのことについて話が盛り上がれば
いいと思っている。
さあ~ どうかな??。
2006年に読んだ、村上隆「芸術起業論」幻冬舎
にこのような一節があっていつまでも気になっているのである。
「・・・・勤め人の美術大学教授」が「生活の心配のない学生に」
ものを教え続ける構造からは、モラトリアム期間を過ごし続けるタイプの
自由しか生まれてこないのも当然でしょう。エセ左翼的で現実離れした
ファンタジックな芸術論を語り合うだけで死んでいけるような腐った楽園が
そこにあります。」
かなりキツイ言い方ではあるが、なるほど思うところもあって
いつまでも記憶にあるのだと思う。
そうなんです。
モノ作りで生きていくなら、何が何でも作ったものを
売って、生き残らなくてはならないのです。
モノのつくり方は教えるが「モノの売り方」は教えない。
これも美系の学校としては当たり前かもしれないが、
「作ったものを換金して、それで生活をしていく道筋を説く」
ことも必要ではないかと思うです。
「モラトリアム」ってなんじゃ???
と思って調べました。
(年齢では大人の仲間入りをするべき時に達していながら、精神的にはまだ自己形成の
途上にあり、大人社会に同化できずにいる人)
とあった。
ふ~~ん。!!
実技3日目。 折り返し。
残り2日。 授業開始のチャイムで教室に入るが
既に刺繍作業を開始している。
今までにない出来事で「どうしたんや??」と聞きたくなる。
5日しか授業時間がないので納得する柄付けをすると
時間が足らなくなる。 放課後も残って自習しているようだがそれでもまだ足りない。
刺繍はそんなにむつかしいことではない、「糸を並べるだけだ」といっている。
綺麗に見せるには条件がそろわなくてはならない。
まず第一に 「針目」が立っていなくてはならない、模様の輪郭がきれいかどうかだ。
次に 撚り糸を使うのだが、この撚りが揃っていなくては綺麗に見えない。
第三番目 糸を並べるだけだが、「平行に並べるのならあくまで平行に」
カーブを切っていくのなら「できる限りなめらかに」 だ。
この3条件が揃えばきれいに見える。
簡単なことだ。
ビックリするほど針目が立つ学生がいる。
糸よりが抜群に上手い子がいる。
集中度が半端でない子がいる。
天性なのだろう。
14人が刺繍台の前にいる、おそらくこの景色は日本でここだけだろう。
日本刺繍を教える学校も既になくなったと聞いている。
科がコースになりそのコースも消滅したとか・・・・
だからこの景色もここだけだとおもう。
いいお天気だけど寒かった。
近鉄電車を乗り継いで学校まで行っていたが、
自動車で行くようになってから、なんとなく便利で、雨 風心配なく
実に快適。
実技4日目。
完成した学生も何人かいて、順調に進んでいる。
刺繍は簡単に見えているが、実は難しい。
頼よるところが何もないのですべてが「手加減一つ」で
良くも悪くもなる。
そんな作業をわずか5日間で「帯1本」だから無理は承知。
まあ若いからというか、元気だからというか、
みんな頑張っている。
「HPの容量拡張完了」の通知がやっと来た。
寒かった。
とうとう冬になって、今年もこの12月を残すのみ。
私の授業も今日の刺繍を持って今季は終了。
多い目に柄付けして終了しない学生がいるが、あとは自習で完成さす。
つぎは卒業式に会うだけで、みんな思い思いの道に進んでいく。
決められた時間内でどれだけできたか、学生の心にいかほど芽生えたか、
よくわからないがとりあえず、今日で終了。
学生はよくやりました。
完成した刺繍名古屋帯の画像をUPします。
リホームの最中。古い訪問着、蝋伏せしてブルーの地色を引き染すると言っていた。
プロの職人さんに助けてもらいながらも、自分でデザインして彩色した振袖。
先輩に仕立ててもらってきょう出き上がり、成人式に間に合った。(´▽`)。