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エーコー(=Hcwv)

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 ギリシア神話のナルキッソスが死に直面した、鏡の池に住んでいた「ニンフ」。ギリシア・ローマ神話によると、エーコーは愛する花神ナルキッソスの死をあまりにも歎き悲しんだために、やつれて、しまいには声だけになってしまったという。本来、エーコーは古代ギリシア以前の生誕の女神のアッコであった。その頃アッコは「神の声の最後の反響」とされ神託と考えられていた。そして古代インドの女神ヴァーチュに相当する創造の声を意味していた。 point.gifLogos. へブライ語ではバト・コルBath Kolといって、声の娘であった[1]。

 エーコーが春の神ナルキッソス-アンテウス-アドーニス-ヒュアキントスに語った言葉は、明らかに死の呪いであって、聖王の宿命的な劇の最後の様相を伝えるものであった。というのは、ナルキッソスはあらゆる花の添え名を持つディオニューソスと同じ神であった[2]。


[1]Leland, 220.
[2]Graves, G. M. 1, 288.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)




 森のニンフ。《こだま》の意。こだまの説明のために二種の話が創られている。
1)ひとつは、彼女はパーンの愛を受け容れなかったので、パーンは羊飼たちを狂わしめ、彼女を八つ裂にさせたところ、大地がその身体をかくしたが、こだまの作用は残ったというのである。
2)他は有名なナルキッソスとの話である。彼女は、ゼウスが恋人と戯れているあいだヘーラーに気づかせないように、つねに自分と話をするようにした。しかしヘーラーはこのトリックに気づき、彼女をこだまにした。この状態でナルキッソスに恋をしたが、遂げられず、彼女は悲しみのあまり消えうせて、声だけ残った。(『ギリシア・ローマ神話辞典』)

 もちろん、バーバラ・ウォーカーにかかれば、エーコーの言葉は、「明らかにの呪いであって、聖王の宿命的な劇の最後の様相を伝えるものであった」ということになる。(グレイヴズ、p.414-415)


[画像出典]
Waterhouse, John William
Echo and Narcissus
Walker Art Gallery at Liverpool