声帯が突然麻痺して声が掠れると、先ずその原因が何か詳しく調べます。 肺癌、食道癌、甲状腺の病気、ウイルス疾患その他命に関わる病気の症状かもしれないからです。 原因不明と言う場合には先ずステロイド(副腎皮質ホルモン)の内服をします。初期には効くかもしれません。2~3ヶ月以後で効く事は稀です。
声帯麻痺は肺癌、食道癌、甲状腺癌などの症状のことがありますので、まずそうでないか詳しく調べる必要があります。 声帯麻痺はいったん起こると非常に治りにくい病気で、圧迫による麻痺以外は麻痺が治ることは稀です。1年以上経つと麻痺が治ることはまずありません。 麻痺は治りませんが、声を良くすることは出来ます。 現在最もよく行われている手術は甲状軟骨形成術1型、あるいは披裂軟骨内転術で、手術は局所麻酔で行い、手術中に声を出して貰い調整しますので、かならず声は良くなります。デリケートな手術ですが、出血も少なく、決して大きな手術ではありません。
麻痺が治るのは無理でも、声は充分良くなりますから決して諦めない事です。麻痺した声帯を真ん中に移動すれば良い声がでます。その方法として、私が開発した甲状軟骨形成術や声帯に脂肪や筋膜を入れる方法があります。先日手術した患者さんは17年も諦めていて、声が出た時は涙を流して喜んでいました。簡単に諦めない事です。
1.麻酔のチューブで長時間声帯を圧迫したために起きた声帯の腫張。 2.同じ原因で起きた声帯に付いている軟骨の脱臼。 3.長時間の圧迫による声帯を動かす神経の麻痺。 4.首や胸の手術の場合は、その手術で神経が損傷を受けたかもしれません。 |