工程5 仮組 ガレージキットの多くは、普通のプラモデルと同じ様にパーツ分けされていますが、ガレージキットの場合、精度が格段に悪いので(プラモデルでも全く合わない物も有りますが・・・)、一つ一つのバーツ同士のの合いを確認する必要が有ります。確認作業はバリや段差が激しいと出来ないので、それが終わってからと言う事になります。又、塗装時の支持棒や接着時の補強の芯材もこの時点で通します。 ガレージキットはプラモデルに比べて精度が悪いと言っても、昔の様に全く合わない事は、最近の市販の商品では殆ど有りません。 が、「2つや、3つのパーツ同士では合うが、全部組むとパーツ同士が干渉する」と言う事が有るので、塗装前に一度組み上げてやる必要が有ります。 もし、この時点で合わなかった場合は、どちらかのパーツを削って適当に調整して下さい。 思いっ切り不親切ですが、一つ一つキットによって状況が違うので、こればかりは文章で表現するのは難しいです。多少合わなくても強引に貼り付けたりしてますし・・・・ すり合わせ ガレージキットは原型を作った後にパーツ分割する事が有り、その時に原型をのこぎり等の厚みの有る刃物で切断して、その後にパーツのすり合わせを原型段階でやらない人もいるので、豪快に合わせないと言う事が結構有りますます。最近一般販売されているキットは原型時に既にバーツ分割されているので、大きく隙間が出来るとい事は少ない物の、多少の隙間が出る場合も有ります。こう言う場合はポリバテで合わせ目を作り直してやる必要が有ります。 まず、パーツの形状を確認して、ポリバテを盛るパーツを決定します。ポリバテを盛る部分かが決まったらパテの食いつきを良くするために400番くらいの少し荒めの紙やすりでパテを盛る場所を磨いてやり、パテを付けない方のパーツに薬用リップクリームか、メンソレータム等のワセリンを塗ってやり準備完了です。 先程紙やすりで荒らしたパーツにポリパテを十分に盛り、いきなりでも良いですし、バテが硬化し始めた時点迄待ってもよいので、好きな頃合に両方のパーツを合わせてやります。 パテが安定するまでの間の固定はマスキングテープなどで行うと良いでしょう。 色々やってみた結果、パテを貼り合わせる前に離型剤として塗ったワセリンがキチンと塗られていれば完全硬化しても引っ付く事は有りませんので、完全硬化後にパーツを話してやります。互いのパーツを放してやると、綺麗に合わせ目が出来ている筈です。余分なパテはナイフや彫刻刀、ヤスリで削り落してやりましょう。 十分にパテが回っておらず隙間が出来てしまうなら、お互いのパーツに塗ったワセリンを落してから、ワセリンを塗る所からやり直しです。ワセリンは水溶性なので、水洗いしてから軽くペーパー掛して落すとよいでしょう。私はティッシュペーパーで拭き取っているだけですが、これでも特に問題は有りません。 歪みの修正 長さのある程度あるパーツや厚みがそれ程無いパーツは大抵歪んでいます。又、大きなパーツでも整形時の問題で歪んでいる事が結構有ります。多くの場合は加熱してやる事で元の形に戻す事が出来ます。 大抵の場合はお湯で10分くらい茹でてやるとゆがみは解消しますが、それ以外の方法も紹介しておきます。 上の写真は2000年に製作したベルダンディーの髪の毛です。 この場合キャストは熱で柔らかくなるので、お湯、ドライヤー等で暖めてやれば、曲げることが出来ます。 因みに私が使っている熱源はコレです。燃料は要りますが、コンパクトで簡単に持ち運び出来て便利です。非喫煙者なんですけどね。 そして修正後のパーツ。若干ずれていますが、このぐらいなら、強引に接着すればOK。 少しばかり焦げていたりしますが焦げているのは表面だけなので紙やすりで研けば綺麗になります。 キャストの素材のウレタンはかなり燃え易い物ですので、ライターやアルコールランプ等で火を直接当てて修正する時は、 火事に十分に注意しましょう。ドライヤーやお湯で修正する場合はその危険は有りません。 補強線 パーツ同志の合い具合を確認しながら接着時の強度や、仮組み状態を維持できる様に多くの場合芯にとしてとして金属線を通し、補強線にしてやります。 着剤は接着面に対し垂直方向には非常に強力なのですが、水平方向には非常に弱く、瞬間接着剤は良い角度に衝撃が入ればほんの少しの衝撃で外れてしまいます。補強線を入れると言う事は接着剤の弱点である水平方向へのズレを起こさなくすると共に、接着時のガイドの役割を果たします。又、綺麗に芯を打てば接着せずに差込のみで飾ると言う事も可能です。移動させる際に分解する事が出来るので、私は必要最小限の部分にしか接着を行いません。 全てのパーツを繋ぎ合わせて全体のバランスを確認するのは普通のプラモデルの様にセロテープやマスキングテープで行っても良いのですが、どうせ必要なのですから、塗装前の段階で全てのパーツに行いましょう。 私は入手性とコスト、扱い易さの面から芯材には真鍮線を使いますが別にステンレスでもスチールでもピアノ線でも実用上は問題ありません。但しアルミ線は強度が低いのでお奨めしません。又、太さは細かいパーツ用には例外的に0.3mmのステンレス線を使う場合がありますが、通常は0.5mmから0.5mm刻みで2mmまでの太さの真鍮線で事足ります。 切断するのは2mm迄は少し大きめのニッパーで問題無いのですが、2ミリ以上になると中々歯が立たなくなるので、クリッパー(ワイヤーカッター)を使います。これはそれ程力が無くても3mmの真鍮線が簡単に切断できるので女性にもお奨めです。少し大きくて取り回しが効き難いとは思いますが、振り回す物では無いので問題無いと思います。どちらもダイソーの様な100円均一の店で購入可能です。 最近のキットでは大きなタボが打ってあり芯材を入れてやる必要が無い物が増えてはいるものの、そこまで作る側の事情を考えたキットは少数派で大抵の場合は芯材を入れて遣らなければなりません。 芯材を通す前に接着の下準備として、両方の接合部の表面を100版くらいのペーパーか、金属ブラシで良く磨いて荒らし、予め接着剤の食い付きを良くしてやってから、真鍮線と同じ太さのピンバイス(ドリル)で片方のパーツに適当に真中辺りに真鍮線を刺す穴を空けてやり、もう片方も真鍮線が通る事を考えながら、ピンバイスで穴を空けてやります。この状態で真鍮線を刺して、きいなりバーツ同士が合うなんて事はほとんど無いので(10回やって10回とも完璧に合うなら、こんな所を読んで、時間を浪費せずに自分の道を突き進んでください)、片方の穴を大きくしてやるか、少し手間をかけて、片方の芯材用の穴をあけたら、その穴に真鍮線を刺し、穴から出ている所から2〜3ミリ位の所で切断して切断面が尖がっていればそのまま、綺麗に切断してある場合はヤスリなどで尖らせて、 もう片方のパーツに少し強めの力をかけて合わせてやれば真鍮線を通すべき場所に傷がついているので、そこにドリルで穴をあけてやり、真鍮線を入れた状態で角度がズレが有るのならばラジオペンチで真鍮線を曲げてとにかく真鍮線が通る様に調節してやります。 |