ガレージキットフィギュアの作り方
HOW TO BUILD GARAGE KIT FIGURE



 工程9 下地塗装と下塗り

 いよいよ塗装です。
 塗装には大きく分けて、

  素材と塗装を食いつける為の下地塗装。
  発色を良くする為の下塗り。
  彩色。

の3つの塗装が有ります。ただし、模型ではそれ程厳密に3工程を行う必要はなく、 下地の色が本塗装に影響しなければ下塗りを飛ばしたりしても全く問題有りません。
 この項目では下地塗装と下塗りを紹介します。

 私がフィギュア製作を行う場合下地塗装はプライマー(塗料接着剤、定着材とも言います)を噴き付けたあと、肌色部分の有るパーツには可能な限りサフレス塗装での肌色を表現する為、クリアーのラッカー系のスプレー塗料で下地塗装を行います。
 気泡が多かったり、成型色がサフレス塗装に向いていない場合や、肌色が無いパーツには、ホワイトサーフェイサーで下地塗装を行います。
 ラッカー系のクリアーにはプライマーが必須ですが、ホワイトサーフェイサーにはプライマー成分が入っているので、必須ではありませんが、プライマーを塗布するに越した事は有りません。
 以前は下地塗装にグレーのサーフェイサーを全体に使う事もあったのですが、現在は原型製作での仕上げが主な用途で、稀に、色が黒や濃いグレーの下地塗装に使う程度です。

 プライマーに関してはミッチャクロンマルチと、フィックスプライマーの二種類を使用した事が有るのですが、ミッチャクロンマルチは性能は優れているのですが、垂れ易く塗るのにコツが必要。一方フィックスプライマーは垂れにくく、簡単に綺麗に塗れるのですが、ミッチャクロンに比べると体感的に塗料の定着力が劣るので、一長一短と言った所です。第三の選択としては、スプレー式でない方のミッチャクロンマルチをエアーブラシで塗布する方法で、おそらくこれがペストだと思います。ただ、私自身は缶スプレーの方が手軽なので、やっていませんが。

 下地用のクリアー塗料は、以前はボークスの造形村ブランドのクリスタルクリアーを使っていましたが、入手性が良くないので、最近はMr.スーパークリアーを使っています。
 表面の脱脂が不十分で油分が残っていたり、プライマーの塗布が足りなかったら、マスキングの際に剥離する事が有りますか、これはどんな塗料を使っても起こり得る事で、脱脂とプライマーの塗布を十分に行っていれば、何の問題も有りません。

 白サフの場合、クレオス(昔のグンゼ)か、タミヤの二択になるのですが、どちらも大して違いは有りません。

 グレーサーフェイサーはコーナンで売られている、ホルツの自動車用プライマーサーフェイサーを使用しています。色々試したのですが、乾燥速度と硬化後の切削性からこれにたどり着きました。価格もかなり安めです。

 噴き付け方は、サーフェーサーに限らず、缶スプレーで塗装する場合は一度に厚く吹かず、薄く噴いて行き 乾燥させ、叉薄く噴き付ける。と言う事を何度も繰り返し、少しづつ色をつけて行きます。最初の数回は入り組んだ所をのみを狙って吹くのがコツです。ただ、これはあくまで原則で、サーフェーサーを噴き付けるまで目立たなかった傷や気泡が浮いてくる事が殆どなので、モールドの無い部分は傷や気泡を消すのを優先して垂れてもお構いなしで噴き付けるという事も行います。
 缶スプレーの場合、模型雑誌などでは「30cmくらい離して」とありますが、それでは塗料の粒子が届く前に乾燥して表面がざらついてしまうので、私の場合は10cmくらいの距離で、シュッシュッと言う具合に一度に噴き付ける時間を出来るだけ短くして垂れないように噴き付けてやります。
 もしスプレーした塗料が垂れてしまった場合は、十分に時間を置いて完全に乾燥させてから、1000番くらいののペーパーで根気良く磨いてやり、再び塗装してやれば良いでしょう。完全乾燥する前に磨いたり、荒い番手の紙やすりで磨いたりすると、磨いた所が段差になるので磨く場合は十分に乾燥させておく必要が有ります。
 下地塗装を行った際に、気泡や傷が見つかったりする場合がほとんどなのですが、局所的に下地塗料を噴き付けて消すと言う荒業に出ますが、深い傷や気泡では歯が立たないので、素直にラッカーパテや、ポリバテなどで埋めてやすり掛けをしてから再びプライマーと下地塗料を噴き付ける事になります。
 大体で良いので下地塗装が全体に均一に塗布出来、傷や気泡も妥協出来る状態まで消せたら、3MスポンジやすりのULTRAFINE、MICROFINEの順に、磨き上げて行きます。空研ぎでも綺麗になりますが、スポンジヤスリに水を含ませて水研ぎしてやるとより綺麗に仕上がります。ただ、磨きすぎると彩色の際の塗料の乗りが悪くなるので、磨き込みは程ほどに。
 ホワイトサーフェイサーで下地塗装を行っている場合は、磨き込みが終われば大抵そのまま彩色を行って問題は無いのですが、クリアー塗料での下地塗装でパテの充填後がある場合は、キャスト地に近い色を下塗りとしてエアーブラシで塗ってやります。
 又、肌色を塗るパーツをホワイトサーフェイサーで仕上げた場合は肌色を塗る部分に予め、白いキャストに近い色をエアーブラシで下塗りしてやります。
 キャストの色がピンク等でサーフェイサーで色を均一にするのが困難な場合も、エアーブラシで白を下塗りしてやります。

 下塗りが終わったら、彩色に入ります。

1:購入  2:バリ取り  3:パーティングライン処理  4:気泡埋め

5:仮組  6:合わせ目消し  7:モールドの彫り直し  8:塗装前の下準備

9:下地塗装と下塗り  10:彩色  11:接着

工具  電動工具レビュー  各パテの使用感とか

 エッチングパーツの自作

Project Nimbus

模型材料、工具もあみあみ