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スリランカ国旗 スリランカの歴史− 2006年7月〜2007年2月(独立後12)− スリランカ国旗

独立前(483BC-1948.2)独立後1(1948.2-82.12)独立後2(1983.1-87.7)独立後3(1987.7-90.3)独立後4(1990.3-94.7)独立後5(1994.7-97.12)独立後6(1998.1-99.12)

独立後7(1999.12-00.10)独立後8(2000.10-01.11)独立後9(2001.12-04.3)独立後10(2004.4-05.11)独立後11(2005.11-06.7)独立後13(2007.2-07.10)独立後14(2007.11-)





− 時 代 区 分 −

2006年7月2006年10月2007年1月


 西 暦  出 来 事 
内戦の再開(2006年7月〜2007年2月)
2006年の前半を通じて着実に悪化し続けてきたスリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の関係は、東部州トリンコマリー県のカラル地域にあるマウィル・アル水門の開閉をめぐる両者の争いをきっかけとして、全面的な内戦に再突入する段階に至る。 その後LTTEは、2006年12月にはプラバーカランの片腕とでもいうべき存在であったアントン・バラシンガムを胆管癌により失い、さらに2007年2月には、スリランカ政府軍によって東部州を事実上奪還されることになる (スリランカ政府による制圧宣言は2007年7月になってから) 。 9.11後のテロ組織に対する締め付け強化とカルーナ大佐グループの分裂によって、LTTEは予想以上に弱体化していたのであった。 この期間は、そのようなLTTEにとってはまさしく受難の時期であり、他方のスリランカ政府にとっては、内戦の軍事的な解決に光明が差し始める救いの時期となる。 むろん、軍事的に解決できればであるが。
2006年7月
2006. 7.26 スリランカ政府空軍のクフィル・ジェット戦闘機が、東部州 (Eastern Province) トリンコマリー (Trincomalee) 県ウェルガル (Verugal) の政府軍支配地域にあるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する空爆を実施。 水門開放のための「人道的作戦」

LTTEは、数千人のシンハラ人、タミル人、スリランカ・ムスリムの居住する村落に水を流入させる水門を7月20日から閉じており、米の収穫にも関わることからLTTEとスリランカ政府との間で大きな問題となっていた
2006. 7.27 スリランカ政府空軍機が、 北部州 (Northern Province) のムライティブ (Mullaittivu) 県東方にあるタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の軍事目標に対する空爆を実施。 LTTE兵士6人が死亡、民間人5人が負傷。 LTTEが不法に滑走路を建設しているとされていた

国連難民高等弁務官 (UNHCR) が、「スリランカ国内には、内戦による長期の国内避難民 (internally displaced people, IDP) が31万5000人おり、そのうちの6万7000人が難民キャンプに、24万70000人が親類縁者の元に身を寄せている。 その他に12万5000人の国外避難民がおり、そのうちの6万8000人がインドにいる」と発表
2006. 7.28 フィンランドとデンマークが、治安情勢が悪化したことを受けて、停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) から自国の監視員を帰国させることを発表
2006. 7.29 スリランカ政府空軍機が、 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県カラディヤナル (Karadiyanaru) にあるテナハム会議場 (Thenaham Conference Centre) を空爆。  タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) 兵士8人が死亡、12人が負傷
2006. 7.30 停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) 団長のヘンリクソン (Ulf Henricsson) 少将が、「4年を迎える停戦協定は既に死文と化しており、本来の停戦とはかけ離れたものになっている」と発言
2006. 7.31 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県カラル (Kallar) 地域の水門付近で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍による激しい戦闘。 LTTE兵士40人と政府軍兵士 7人が死亡

スリランカ政府空軍機が、東部州のバッティカロア (Batticaloa) 県ワカライ (Vakarai) 地域にあるシー・タイガーの基地を空爆し、破壊。 LTTE兵士30人が死亡

東部州のトリンコマリー県で、LTTE兵士と思われる者がスリランカ政府軍のバスを襲撃。 政府軍兵士18人が死亡

北部州 (Northern Province) のジャフナ (Jaffna) 県で、LTTE兵士4人が殺害されたとの報道
2006. 8. 1 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE)が、東部州トリンコマリーの政府軍港を火砲で攻撃。 政府海軍兵士5人が死亡、30人が負傷
東部州のトリンコマリー県サンプール (Sampur) 地方のLTTE支配地域に対するスリランカ政府空軍による反撃で、LTTE兵士50人が死亡

トリンコマリーの政府軍港沖合で、スリランカ政府海軍が、政府軍兵士854人を載せたスリランカ政府海軍輸送船を破壊しようとしたLTTEを撃退

スウェーデンが、自国の監視員を停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) から帰国させることを発表。 7月28日に監視員を帰国させることを発表していたフィンランドとデンマークとともに
2006. 8. 2 スリランカ政府軍が、 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県サンプール地方のカッタパリッチャン (Kattaparichchan)、セルワナガル (Selvanagar)、マヒンダプラ (Mahindapura) 地域で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の攻撃を撃退。 LTTE兵士40人が死亡、50人が負傷。 政府軍兵士4人が死亡、38人が負傷
2006. 8. 3 タミル・イーラム解放のトラの兵士による無差別の発砲により、東部州のトップール (Thoppur) にあるアル・ヌリヤ・ムスリム学校 (Al-Nuriya Muslim School) とムトゥール (Muttur) にあるアラブ人学校に避難していた民間人15人が死亡、30人以上が負傷

スリランカ政府が、「東部州トリンコマリー県のムトゥール市が治安部隊 (security force) の完全な支配下におかれた」と発表
2006. 8. 4 東部州 (Eastern Province) トリンコマリー (Trincomalee) 県のムトゥール市で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、戦闘を逃れようとしていた100人以上の民間人を虐殺

東部州トリンコマリー県のムトゥール地域で、スリランカ政府軍が戦術的に重要な桟橋に対するLTTEの攻勢を撃退。 LTTE兵士152人が死亡

東部州トリンコマリー県のムトゥール市で、フランスの援助団体「Action Against Hunger」で働いているタミル人15人が、死体で発見される

ムトゥール市のパッチャノール (Pachchanoor) 地域で、砲弾が爆発。 スリランカ・ムスリム民間人5人が死亡

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、「スリランカ政府は、いかなるときであっても、いかなる問題についても、交渉を通じて解決する用意を整えており、銃を用いることによって問題を解決することを誰にも許してはいない」と演説
さらに大統領は、「スリランカ政府がマウィル・アル (Mavil Aru) の灌漑用水門を開くために軍事的な行動をとることを余儀なくされたのは、LTTEが、潅漑用ダムの水門を強制的に閉じることによって1万5000家族の基本的な権利を剥奪したからである」と弁明
2006. 8. 5 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) のラジオ放送によれば、過去4日間の戦闘で、LTTE 兵士330人が死亡
2006. 8. 6 停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) 団長のヘンリクソン (Ulf Henricsson) 少将が、東部州 (Eastern Province) トリンコマリー (Trincomalee) 県のカラル (Kallar) 地域にあるマウィル・アル (Mavil Aru) の灌漑用水門を開くために水門に向かうタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) 兵士に同行。 その最中に、スリランカ政府軍が砲撃を開始。 ヘンリクソン団長は辛うじて難を逃れる。 タミル人民間人15人が死亡
2006. 8. 7 東部州トリンコマリー県のカラル地域にあるマウィル・アルで、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の、潅漑用水門をめぐる激しい戦闘 (7月20日から継続)

スリランカ政府が、LTTEを和平交渉に招待
2006. 8. 8 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県のムトゥール (Muttur) 市で、フランスの援助団体「Action Against Hunger」で働いているタミル人2人の死体がさらに発見される。 合計で17人に

コロンボ (Colombo) で、イーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP) の前国会議員であるシヴァダサン (S. Sivadasan) の乗っている自動車を狙った爆弾による攻撃。 2歳の幼児を含む3人が死亡、シヴァダサンを含む8人が負傷。  タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による犯行と思われる

LTTEが、東部州トリンコマリー県のカラル (Kallar) 地域にあるマウィル・アル (Mavil Aru) の潅漑用水門を自ら開いた模様。 スリランカ政府軍は、LTTEの陣地に対する攻撃を継続
2006. 8. 9 スリランカ政府が、「東部州トリンコマリー県のカラル地域にあるマウィル・アルの灌漑用水門を、スリランカ政府軍が8月8日午後8時頃に開いた」と発表

タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) は、「同日午後5時にLTTEが開いた」と主張。 地域住民は「政府軍が開いた」と主張

カルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) グループが、選挙戦を戦うために、コロンボ (Colombo) に事務所を開設
2006. 8.10 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県のマウィル・アル (Mavil Aru) で、スリランカ政府軍がタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の砲撃に反撃。 LTTE兵士30人が死亡
LTTEの報道官であるマスター (Daya Master) は、「マウィル・アルにおける政府軍の攻撃を、宣戦布告とみなす」と発言

ノルウェイ政府が、 「EU諸国からの停戦監視団員がLTTEの設定期日 (9月1日) をもって帰国することによって発生する危機を乗り切るために、一時的な人員配置案を策定した」と発表
2006. 8.11 北部地域・東部地域で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラの戦闘。 政府軍兵士28人を含む128人が死亡
2006. 8.12 コロンボ (Colombo) 県のデヒワラ (Dehiwala) 地域で、イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) の前メンバーで、スリランカ政府の和平プロセス調整事務局 (Secretariat for Co-ordinating the Peace Process, SCOOP) の副事務局長であるロガナナタン (Kethesh Logananathan) が、射殺される。 ロガナナタンは、1985年に開催されたティンプー (Thimpu) 和平交渉に参加していた人物

東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ政府海軍基地に対して砲撃。 海軍兵士1人と民間人1人が死亡。 海軍兵士3人と民間人3人が負傷
2006. 8.13 ジャフナ (Jaffna) 県におけるスリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の戦闘による死者の数が、LTTE兵士125人、政府軍兵士32人に及ぶ

LTTEが、「ジャフナ県のアライッピディ (Allaipiddy) 地域で、治安部隊 (security force) による砲撃が教会を直撃し、民間人15人が死亡」と発表

スリランカ和平事務局 (Sri Lanka Peace Secretariat) が、「停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、停戦監視業務から撤退することを公式に伝えてきた」と発表

スリランカ政府が、LTTE兵士ならびに子ども兵士に対して、投降を呼びかける
2006. 8.14 コロンボ (Colombo) で、パキスタンの高等弁務官であるムハンマド (Bashir Wali Mohammad) を狙ったタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による自爆テロ。 スリランカ政府軍兵士4人を含む7人が死亡、17人が負傷。 ムハンマドは難を逃れる

LTTE が、「北部州 (Northern Province) のムライティブ (Mullaittivu) 県で、スリランカ政府空軍機の空爆によって少なくとも児童61人が死亡し、150人が負傷した」と発表
スリランカ政府は、「スリランカ政府空軍はLTTEの訓練キャンプを爆撃し、LTTE兵士50人以上を殺害した」と発表

スリランカ政府軍の報告によると、「8月11日以来のジャフナ(Jaffna) におけるスリランカ政府軍とLTTE の戦闘により、治安部隊兵士88人が死亡、120人が負傷。 LTTE 兵士200人以上が死亡、300人以上が負傷」
2006. 8.15 国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) が、「2006年4月以来のスリランカ政府軍とLTTEの戦闘の激化により、13万5000人以上が難民化した」と発表
2006. 8.16 ジャフナ (Jaffna) 県のキラリ (Kilaly) 地域で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) がスリランカ政府軍を襲撃。 政府軍の反撃により、LTTE兵士98人が死亡 。 政府軍兵士3人が死亡、15人が負傷

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、 「スリランカ政府は戦争を行っているのではない。 政府軍は、国家主権を守るためにLTTEの攻撃に対して反撃しているだけである」と述べる
2006. 8.18 アイスランド政府が、停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) に派遣している監視員を4人から10人に増員することを決定。 「監視員を16人から20人に増員する」というノルウェイ政府の決定を受けたもの

治安部隊 (security force) が、東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) にある「レワタ (Revatha) 子どもの家」からタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が50人の子どもを誘拐しようとしたのを阻止

スリランカ政府が、「人道的見地から、負傷したLTTE兵士に対する治療用設備の提供を行う」と発表
2006. 8.20 ジャフナ (Jaffna) 県のテリッパライ (Tellippalai) で、タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TUFL) の元国会議員であったシヴァマハラジャ (Sinnathamby Sivamaharajah) が、タミル・イーラム解放のトラ兵士と思われる者によって射殺される

スリランカ政府が、紛争の激化を受けて、ジャフナ半島の国内避難民に対する緊急人道援助を準備。 3800トンの食糧を積んだ赤十字の旗を掲げた船が、コロンボ (Colombo) からジャフナへ出発。 スリランカ政府による分配が行われる予定
2006. 8.21 2006年8月末をもって、停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) の団長が、スウェーデン人のヘンリクソン (Ulf Henricsson) 少将からノルウェイ人のソルベルク (Lars Johan Solvberg) に交代することに

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、停戦協定を遵守する意向を表明
2006. 8.22 アメリカ連邦検察官によると、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に深い関わりをもっていると思われる者13人が、地対空ミサイルの購入を企んだとして起訴される。 他の嫌疑として、アメリカ政府の指定するテロ組織りストからLTTEを外させるための贈賄工作等があげられていた
2006. 8.23 国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) が、「2006年4月以来の戦闘行為により、18万人近くが難民化した」と発表

カナダ国籍のタミル人2人が、タミル・イーラム解放のトラに対する兵器の購入を企んだ容疑で逮捕される
2006. 8.24 スリランカ政府が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が求めるのであれば、スリランカ政府はLTTEとの新しい停戦協定について考える意思がある」と表明

8月末で退任する停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) 団長のヘンリクソン (Ulf Henricsson) 少将が、LTTEに対する非合法化措置を採用したEUを批判
2006. 8.25 高地人民戦線 (Up-Country People's Front, UCPF) のリーダーで、the Minister of Community Development and Social Inequity Eradication 相でもあるチャンドラセカラン (P. Chandrasekaran) が、「その大臣職に就く決定を下す前に、タミル・イーラム解放のトラの政治局長であるタミルシェルバム (S. P. Tamilselvan) と会談した」と発言
2006. 8.28 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県サンプール (Sampur) で、スリランカ政府軍が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の攻撃に対して多弾頭ロケット連射砲等を用いて反撃。 LTTE兵士31人が死亡、105人が負傷。 政府軍兵士6人が死亡、28人が負傷

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、「北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) を含めて、戦闘行為の発生しているあらゆる県の事務所における活動を継続する」と発表
2006. 8.29 東部州のトリンコマリー県で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の激しい戦闘。 LTTE兵士66人、治安部隊 (security force) 兵士13人が死亡
2006. 8.30 停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、東部州 (Eastern Province) トリンコマリー (Trincomalee) 県のムトゥール (Muttur) 市で、フランスの援助団体「Action Against Hunger」で働いているタミル人17人が処刑された様な死体で発見された事件 (8月4・8日) について、治安部隊が関与していたとして公式に非難
同時にSLMMは、「調査を妨害した」としてスリランカ政府を非難
2006. 8.31 スリランカ政府軍の報道官であるサマラシンハ (Prasad Samarasinghe) 准将が、「スリランカ政府軍は、 東部州のトリンコマリー県サンプール (Sampur) 地域において、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の砲兵陣地を無力化させる作戦を遂行中」と発表

サマラウェーラ (Mangala Samaraweera) 外相が、停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) に対して、より中立的で公正な役割を果たすよう呼びかける
2006. 9. 1 スリランカ政府が、外国援助機関の労働者に対する新たな管理体制を施行。 国内・国外のNGO組織は、スリランカ国内に滞在する外国人スタッフに対する労働許可証を手に入れなければならないとされる
2006. 9.1−2 ジャフナ (Jaffna) 半島北方海上で、スリランカ政府海軍が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の船艇20隻 (自爆攻撃用船艇5隻を含む) による攻撃に反撃。 LTTEの船艇12隻を撃沈し、LTTE兵士80人を殺害。 スリランカ政府艦艇2隻に軽微な被害。  政府海軍兵士2人が負傷
2006. 9. 3 スリランカ政府が、タミル復興機構 (Tamil Rehabilitation Organization, TRO) の銀行口座を凍結。 TROは、キリノッチ (Kilinochchi) に事務所を構え、北部地域・東部地域で主に活動しているNGO。 スリランカ政府にも登録されている公認慈善事業団体 (registered charity) であったが、タミル・イーラム解放のトラの覆面組織 (front organisation) であると疑われていた。 アメリカ、イギリス、オーストラリアが、世界28ヵ国で活動しているTROの調査を開始
2006. 9. 4 スリランカ政府軍が、戦略的に極めて重要な東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県サンプール (Sampur) 市を制圧したと発表 

タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の報道官であるエリラン (S. Elilan) は、「依然として戦闘が継続中」と発表
2006. 9. 6 東部州アンパラ (Ampara) 県のカンチャンクディ (Kanchankudi) 地域のジャングルで、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とカルーナ大佐 (通称はColonel Karuna)(本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) グループの激しい戦闘。 LTTEの軍事キャンプが、カルーナ大佐グループの軍隊によって制圧される

LTTE兵士が、東部州トリンコマリー県のカラル (Kallar) 地域にあるマウィル・アル (Mavil Aru) の灌漑用水門近辺にいるスリランカ政府軍兵士に対して、砲撃。 政府軍兵士2人が死亡、16人が負傷

LTTEの政治局長であるタミルシェルバム (S. P. Tamilselvan) が、東部州のトリンコマリー県サンプール市を制圧した治安部隊 (security force) を非難し、「停戦協定が結ばれる前の位置に撤退しなければ、和平交渉の余地はない」と発言
2006. 9. 7 アメリカ政府の児童労働に関する報告書で、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、北部地域・東部地域にある津波被災民のキャンプから、津波によって孤児になった子どもを兵士にリクルートしている」と発表
2006. 9. 8 タミル・イーラム解放のトラが、「東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県サンプール (Sampur) から即座に撤退しなければ、戦争となろう」との警告をスリランカ政府に対して発する
2006. 9.9−10 ジャフナ (Jaffna) 半島北方のムハマライ (Muhamala) で、A-9道路をめぐる治安部隊 (security force) とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の戦闘。 LTTE兵士150人が死亡。 政府軍兵士28人が死亡、120人が負傷
2006. 9.12 スリランカ政府が、過去6日間のジャフナにおける治安部隊とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の戦闘で、185人が死亡と発表

ノルウェイ政府が、「スリランカ政府とLTTEが無条件の和平交渉再開に同意した」と発表

スリランカ政府が、LTTEとの無条件の和平交渉に合意したとする報道を否定。 さらに、和平交渉の期限を公示したノルウェイを批判
2006. 9.14 ウィクラマナヤケ (Ratnasiri Wickramanayake) 首相が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) がスリランカ政府との和平交渉の再開を望むのであれば、LTTEはまず武器を置くべきである」と発言
2006. 9.15 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、和平交渉再開の条件として、「スリランカ政府が停戦協定を完全に遵守すること」、「東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県サンプール (Sampur) 市など、スリランカ政府軍が征圧した地域から撤退すること」を求める
2006. 9.17 東部州のバッティカロア (Batticaloa) 県のカルムナイ (Kalmunai) 沖海上で、スリランカ政府海軍と空軍が、兵器を運搬していると思われるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の船艇1隻を撃沈。 LTTE兵士10数名が死亡
2006. 9.18 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県ポットゥウィル (Pottuvil) 市で、スリランカ・ムスリム民間人11人が死亡。 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍が、相互に非難合戦

スリランカ政府が、LTTEのリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) に対し、「平和を実現するためにLTTEを努力させる」という個人的な保証を要求。 さらに、LTTEがより活発に実施しようとしている国際的な活動に対するチェックを行うことを国際社会に求める
2006. 9.19 ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、スイス大統領ロイエンベルガー (Moritz Leuenberger) との会談において、「スイス政府に対して、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) がスイス国内で実施している集金活動を防止する措置をとること」を求める

新しく着任した在スリランカ・アメリカ大使のブレイク (Robert O. Blake Jr) が、「ノルウェイが、LTTEに対して、和平交渉を再開すること、ならびに和平交渉を自らを軍事的に強化するために利用しないようにすることを求めて説得を行っている」と発言
2006. 9.20 ラジャパクサ大統領が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) に対して、「暴力行為を停止すること」、ならびに、「民主主義と、ノルウェイ政府によって仲介されるような国際的な交渉を含めた和平交渉プロセスとを受け入れること」を要求
ラジャパクサ大統領が、国連総会における演説において、「LTTEは無慈悲なテロリスト集団であり、その力全てを、暴力、自爆テロ、民間人の虐殺、無差別の軍事攻撃、子ども兵士の徴兵に捧げている」と批判
2006. 9.22 2006年に地方選挙が実施されなかった北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) 県、 キリノッチ (Kilinochchi) 県、ムライティブ (Mullaitivu) 県、ジャフナ (Jaffna) 県、マンナル (Mannara) 県、東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県の地方選挙が、2007年6月30日に実施されると発表
2006. 9.24 東部州のトリンコマリー (Trincomalee) 県のプルモッダイ (Pulmoddai) 沖で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府海軍の激しい戦闘。 LTTEの船艇8隻が沈没、LTTE兵士70人が死亡

東部州のバッティカロア (Batticaloa) 県プリパンチカル (Pulipanchikal) 地域で、治安部隊 (security force) が、スリランカ政府軍兵士を攻撃したLTTE兵士に反撃。 LTTE兵士15人が死亡

東部州トリンコマリー県のムトゥール (Muttur) 市で、LTTEの覆面組織 (front organisation) と思われる Tamileela Thayaga Meedpu Padai が、「ムトゥール市を奪還するための最終準備が整った。 ムトゥール市から即座に退去せよ。 さもなくば、破壊に直面するだけである」との警告ビラを配布。 それにより、数千人のスリランカ・ムスリムがムトゥール市を脱出、との報道。 LTTEは、関与を否定

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、「マイノリティ・コミュニティと権力を分有する用意がある」と表明
2006. 9.26 スリランカ政府が、「ジャフナ (Jaffna) とコロンボ (Colombo) を結ぶ主要幹線であるA−9道路の代わりに、北西部州 (North Western Province)プッタラム (Puttalam)−北部州 (Northern Province) 西岸マンナル (Mannar)−同プーネリン (Pooneryn) を結ぶ道路を開通させる可能性を模索する」と発表
2006. 9.28 A−9道路の閉鎖に関して、国防相のランブクウェッラ (Keheliya Rambukwella) が、「A−9道路を閉鎖させたのは、ムハマライ (Muhamalai) 地域で政府軍に対する攻撃を実施 (9月9日) したタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) である」と発言し、A−9道路の開通を求めるLTTEの要求を拒絶

スリランカ政府が、「LTTEのリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、和平交渉の再開に同意した」と発表

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Peace Accord, 1987)に定められたとおり、 「東部地域の住民は、自らの将来をレファレンダムによって決定するべきである」と発言
2006. 9.29 スリランカ政府が、タミル・イーラム解放のトラとの極秘の取引をしていたとされる4つの国際NGOメンバーに対するVISAを、国家安全保障に対する脅威となりうるとの理由で無効にすることを発表。 MSS France、MSS Spain、MDM France、Doctors of the World USA の4団体が対象
2006. 9.30 スリランカ政府が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との将来のいかなる和平交渉も、3つの条件をLTTEリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が認めるか否かにかかっている」と発言
3つの条件とは、@和平交渉を再開する時期・終了する時期を明確化すること、A海上ルートを通じた兵器の密輸を行わないことを援助国共同議長 (Donor Co-chairs) に保証すること、B和平交渉中に暴力行為を実施しないことを確約すること
2006.10. 1
東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県カッタンクディ (Kathankudi ) で、スリランカ・ムスリムのグループ同士が衝突。 民間人3人が負傷、家屋32棟に損害。 夜間外出禁止令発令

Tamileela Makkal Viduthalai Puligal (TMVP) のリーダーであるカルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が、「ほとんどのタミル・イーラム解放のトラの軍指揮官は高齢になって衰えている。 プラバーカラン (Prabhakaran) は優秀な新兵を失っている。 皆、リーダーシップの悪さゆえである。 TMVPは、独立国家のためではなく、連邦制度を採用した憲法のもとでの統一スリランカ (united Sri Lanka) を求める」と発言
2006.10. 3 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ政府との無条件の和平交渉の再開に同意したと発表。 ただし、「スリランカ政府が軍事行動を継続するのであれば、停戦協定を破棄する」と警告
2006.10. 4 スリランカ政府が、タミル・イーラム解放のトラとの無条件の和平交渉をジュネーブで開催することに同意
2006.10. 5 スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉が、10月28・29日にスイスで開催されることが決定
2006.10.6−7 東部州 (Eastern Province) バッティカロア (Batticaloa) 県のマンケルニ (Mankerni) とカジュワッタ (Kajuwatta) で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が治安部隊 (security force) に大規模な攻勢。 LTTE兵士60人が死亡、多数が負傷。 政府軍兵士2人が死亡、15人が負傷、12人が行方不明

ジャフナ (Jaffna) 県のマッラカム (Mallakam) で、イーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP) の元メンバーであるナガラッサ (Nagarasa) が、LTTE兵士と思われる者によって射殺される
2006.10. 8 治安部隊が、東部州のトリンコマリー (Trincomalee) 県西方のムトゥール (Muttur) 地域におけるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の最後の抵抗地域を制圧
2006.10. 9 スリランカ政府が、10月28・29日にオスロで開かれる、タミル・イーラム解放のトラとの新ラウンドの和平交渉を求めると発表。 議題は、人権と開発
2006.10.10 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、キリノッチ (Kilinochchi) で、ノルウェイ大使ブラッツカー (Hans Brattskar) に対し、「LTTEはスリランカ政府との和平交渉に臨む用意はできている。 しかし、治安部隊 (security force) が攻撃を続けるのであれば、再考を余儀なくされる」と発言
2006.10.11 ジャフナ (Jaffna) 半島のムハマレ (Muhamale) とキラリ (Kilaly) における治安部隊 (security force) の前方防衛ライン (Forward Defence Line, FDL) で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の戦闘。 スリランカ政府軍兵士50人 (将校7人を含む) が死亡、214人が負傷

スリランカ政府の和平交渉責任者であるデ・シルバ (Nimal Siripala de Silva) が、「LTTEには、スリランカ政府の主権下にあるいかなる土地についても要求する権利はない」と述べる

スリランカ政府が、ノルウェイ政府に対して、「10月28・29日に開かれる和平交渉でLTTEと会見すること」を確約。 しかし、和平交渉の開催地については、「まだ未定である」と伝える
2006.10.12 スリランカ政府軍が、「11日のジャフナ半島のムハマレ (Muhamale) とキラリ (Kilaly) の前方防衛ラインにおけるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との戦闘で、スリランカ政府軍兵士78人が死亡、LTTE兵士400人が死亡」と発表

ジャフナ市で、イーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP) のメンバーを含む民間人4人が、LTTEのピストル・ギャングによって射殺される

ジャフナ県のカッチェリ (Kachcheri) 道路で、LTTEがEPDPのメンバーを乗せた自動車を狙った地雷攻撃。 民間人3人と警察官2人が死亡

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領率いる与党スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) と前首相ウィクラマシンハ (Ranil Wickremesinghe) 率いる野党の統一国民党 (United National Party, UNP) が、あらゆる問題 (民族問題に関する連邦制度の採用を通じた解決方法を含む) について、国民的なコンセンサスを追求することに同意
2006.10.13 スリランカ政府軍が、ジャフナ (Jaffna) 半島における11日の戦闘で政府軍兵士129人を失ったことを認める。 政府軍兵士283人、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 兵士312人が負傷とも

LTTEのリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、10月18に予定されていた日本政府和平特使の明石康との会談を拒否

イギリス政府が毎年発行する「人権報告書 (Human Rights Report)」が、スリランカ政府とLTTEの双方を、基本的人権に対する侵害行為を行っているとして非難
2006.10.14 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、ジャフナ (Jaffna) 県のムハマレ (Muhamale)、ナガルコウィル (Nagarkovil)、キラリ (Kilaly)の各地域で、スリランカ政府軍に対する砲撃。 スリランカ政府軍兵士2人が死亡、13人が負傷
2006.10.15 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県西方沖で、スリランカ政府海軍が、兵器を運搬していると思われるタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) のトロール漁船を撃沈。 LTTE兵士6人が死亡

北部州のワウニヤ (Vavuniya) 県で、果物を集める自動車に乗っていたシンハラ人民間人3人が、LTTE兵士によってジャングルに連行され、射殺される。 一緒にいたスリランカ・ムスリム民間人2人は解放される

ドイツ政府が、「スリランカ政府とLTTEに対して和平交渉を再開するよう圧力をかけるために、スリランカにおける新規の援助プロジェクトを凍結する」と公式に発表
2006.10.16 北中部州 (North Central Province) のハバラナ (Habarana) 付近で、スリランカ政府海軍の輸送車に対するタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の自爆攻撃。 海軍兵士98人が死亡、100人が負傷

スリランカ最高裁が、「(インド・スリランカ和平協定にもとづいて) 1987年に実施され 、毎年度延長されている北部州と東部州 (Eastern Province) の一時的な合併措置は、無効かつ違法のもの」と宣言。 さらに「大統領は、非常事態令の元であっても州を併合する権限は有しておらず、このような措置を決定することができるのは国会だけである」とも

2006.10.18 南部州 (Southern Province) のゴール (Galle) 市にあるダクシナ (Dakshina) 海軍基地で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の兵士と思われる者が自爆攻撃を敢行するも、スリランカ政府軍が撃退。 LTTE兵士15人が死亡。 政府海軍兵士1人が死亡、15人が負傷。 民間人14人が負傷

日本政府和平特使の明石康が、北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) で、タミル・イーラム解放のトラの政治局長であるタミルシェルバム (S. P. Tamilselvan) と会談。 会談後、明石は、「LTTEから、10月28日にジュネーブで開催される和平交渉に参加する準備が整ったとの確約を得た」と発言
2006.10.19 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、10月28・29日にジュネーブで開催される和平交渉に参加することに同意

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、「スリランカ南部の政党が、政治的な差異を乗り越え、共に協力し、コンセンサスの形勢に勤め、民族問題を解決して持続的かつ名誉ある平和を実現するための作業に全ての者が取り組むことができるような枠組みを形成する準備を整えた」と発言

2006.10.20 ジャフナ (Jaffna) 半島沖で、スリランカ政府海軍が、タミル・イーラム解放のトラの船艇7隻を撃沈。 LTTE兵士35人が死亡、政府海軍兵士2人が負傷
2006.10.22 ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領と、野党の統一国民党 (United National Party, UNP) のリーダーであるウィクラマシンハ (Ranil Wickremesinghe) が、スリランカが直面している死活的に重要な問題に関する6項目についての覚書 (Memorandum of Understanding) に合意
2006.10.23 コロンボ (Colombo) のテンプル・トゥリー (Temple Trees) で、スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) と野党の統一国民党が、前日に合意がなされた覚書に署名
2006.10.24 スリランカ政府が、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との戦闘による、過去11ヶ月間 (2005年12月1日から2006年10月10日) の死者の数を公表。 スリランカ政府軍兵の死者700人超、LTTE兵士の死者1300人超

スリランカ政府海軍が、コロンボ南部のウェラワッタ (Wellawatta) から同北部のウスウェタケイヤワ (Uswetakeyiyawa) 沿岸域における小型船の使用を禁止する声明を発表

スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の和平交渉代表団が、ジュネーブに向けて出発。 政府代表は厚生相 (Health Minister) のデ・シルバ (Nimal Siripala de Silva)、LTTE代表は政治局長であるタミルシェルバム (S. P. Tamilselvan)

2006.10.25 北部州 (Northern Province) のマンナル (Mannara) 県、ワウニヤ (Vavuniya) 県、東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県、バッティカロア (Batticaloa) 県、アンパラ (Ampara) 県で、北部州 (Northern Province) と東部州 (Eastern Province) の分離に反対するハータル (hartal) (一斉罷業、ストライキ) が実施される
2006.10.26 東部州のバッティカロアで、カルーナ大佐 (通称はColonel Karuna)(本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が率いる政党 Tamileela Makkal Viduthalai Puligal (TMVP) の事務所をタミル・イーラム解放のトラが襲撃。 TMVPメンバー3人が死亡、8人が負傷
2006.10.27 イギリスの新聞 The Times が、カルーナ大佐グループが、2006年3月以来、300人から900人の子どもを誘拐したとの証言を報道
2006.10.28 スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による2日間の和平交渉がジュネーブで開始される
開会式で、スリランカ政府和平交渉団代表のデ・シルバが、現状についてLTTEを批判する6600語からなる声明を発表
LTTE和平交渉団代表のタミルシェルバム (S. P. Tamilselvan) が、現状についてスリランカ政府を批判する3000語の声明を発表し、「和平交渉は停戦協定の実施如何にかかっている」と警告
2006.10.29 スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) による2日間の和平交渉が、何も合意が得られないままに終了 
報道によると、両者の対話は、ジャフナ (Jaffna) 半島とスリランカ南部を結ぶA−9道路の閉鎖措置をめぐる議論で決裂した模様
LTTEは、「和平交渉はA−9を開通させるかどうかにかかっている」と主張
スリランカ政府は、「a−9は安全保障上の理由から閉鎖されたのであり、LTTEはより重要な政治的問題を議論したくないがためにA-9の問題を言っているに過ぎない」と批判
2006.11. 1 タミル・ナドゥ (Tamil Nadu) 州の難民キャンプにおけるスリランカからの難民の数が1万5912人との発表。 男性が6027人、女性が5451人、男の子が2312人、女の子が2122人
2006.11. 2 Essential Services Commissioner のディヴァラトネ (S. B. Divaratne) が、「8月17日以来、スリランカ政府が迂回路を経由してジャフナ (Jaffna) 半島に必須食料品を供給しているので、A−9道路の閉鎖は、ジャフナ半島への必須食料品の供給に何の問題も引き起こしていない」と発言

統一国民党 (United National Party, UNP) が、民族紛争の解決策を追求するためのスリランカ南部のコンセンサスを見いだすために開催される、ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が呼びかける全政党会議 (All Party Conference) に参加することを決定

スリランカ政府空軍のジェット機が、北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) にあるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の本部から3キロ離れた病院付近に爆弾4発を投下。 民間人5人が死亡

2006.11. 5 ジャフナ (Jaffna) 県のプトゥール (Putur ) にあるイーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP) のオフィスで働いているデヴィ (Nagamani Rajani Devi) が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の兵士によって殺害される

東部州 (Eastern Province) バッティカロア (Batticaloa) 県のワライチェナイ (Valaichchenai) 地域で、EPDPの支持者であるラジュ (Raju) が、LTTE兵士によって殺害される

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、「スリランカ政府は、A−9道路の閉鎖、およびLTTE支配地域に対する継続的な空爆の実施により、停戦協定に違反した」と批判。 「LTTEは、スリランカ政府軍に対する地雷攻撃の実施により停戦協定に違反した」と批判
2006.11. 7 停戦監視団の報道官であるオラフスドティア (Helen Olafsdottir) が、「2006年の初頭に暴力がエスカレートして以来、 1076人の民間人が死亡した」と発言

スリランカ国会が、非常事態令 (Emergency Regulations) の1ヶ月の延長を決定
2006.11. 8 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県ワカライ (Vakarai) 地域で、スリランカ政府軍の反撃により福祉センターが砲撃され、民間人45人以上が死亡。 停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) の報道官であるオラフスドティアが、「SLMMは23人の死体と135人の負傷者を現地で確認」と発表。 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) は、「50から100人の民間人が、学校に対するスリランカ政府軍の無差別な発砲により殺害された」と非難

LTTEが、「スリランカ政府による、A−9道路に代わる別の道路の提案を拒否した」との報道
2006.11. 9 スリランカ政府海軍が、東部州のトリンコマリー (Trincomalee) からの民間人300人を乗船させた「グリーン・オーシャン号」に対するタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の自爆攻撃を撃退

スリランカ政府が、東部州のバッティカロア (Batticaloa) 県ワカライ地域において、LTTEによって「人間の盾」として使用されていた民間人を死亡させたこと (11月8日) に対する遺憾の意を表明。 スリランカ政府は、報道を否定して、民間人23人が死亡、125人が負傷と発表
2006.11.10 ジャフナ (Jaffna) 県選出のタミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) の国会議員であるラビラジ (Nadarajah Raviraj) とその護衛官が、コロンボ (Colombo) のボレッラ (Borella) 近郊の自宅で、正体不明の者によって射殺される

スリランカ政府海軍が、東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県ニラウェリ (Nilaveli) 沿岸で、漁船のふりをしていたタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の自爆用船艇1隻を撃沈、1隻を拿捕

国連事務総長のアナン (Kofi Annan) が、スリランカにおける暴力行為の停止と、スリランカ政府とLTTEが即座に和平交渉を再開することとを求める
2006.11.13 国連「子どもと武力紛争特別代表 (UN Special Representative for Children and Armed Conflict)」特別顧問のロック(Alan Rock) が、「特殊部隊 (security force) 隊員の一部が、カルーナ大佐グループが子どもを兵士にするために誘拐することを援助している」と批判。 さらに、「スリランカ政府軍兵士がカルーナ大佐グループのために子どもを強制的に集めていることを示す確かな証拠がある」と発言
2006.11.14 北部州 (Northern Province) のプッタラム (Puttalam) 県カルピティヤ (Kalpitiya) 沖で、スリランカ政府海軍が、大量の武器・弾薬・爆発物を運搬しているタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の大型トロール船を撃沈。 LTTE兵士8人が死亡
2006.11.15 ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、「インドは、スリランカの和平プロセスにおいて直接的な役割を果たさなくても良く、タミル・イーラム解放のトラによる資金・武器の入手を阻止する国際的なキャンペーンを実行してくれればそれで十分である」と発言
さらに大統領は、「北部州 (Northern Provinces) と東部州 (Eastern Provinces) に権限を委譲することを決定しており、様々な連邦制度を検討中である」とも発言
2006.11.16 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の衝突が3件発生。 LTTE兵士18人が死亡、政府軍兵士3人が死亡

同じく東部州のバッティカロア県カドジュワッタ (Kadjuwatta) で、治安部隊 (security force) が、前方防衛線 (forward defence line) にいるスリランカ政府軍に対するLTTEの攻撃に反撃。 LTTE兵士9人が死亡

ラジャパクサ大統領が、「武器を置いて和平交渉を再開し、民主主義と開発を追求すること」をLTTEに強く求める
2006.11.17 タミル・イーラム解放のトラが、ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領による和平交渉再開の呼びかけを、「ジョーク」と呼んで拒否
2006.11.18 北部地域・東部地域で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の戦闘。 23人が死亡

スリランカ政府軍筋の情報によると、北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 沖で、スリランカ政府海軍がLTTEの砲艦3隻を撃沈。 LTTE兵士15人が死亡。 LTTEは、「スリランカ政府海軍の艦艇2隻が沈没し、海軍兵士10人が死亡」と反論
2006.11.19 停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、「11月18日にスリランカ政府軍が、タミル・イーラム解放のトラがスリランカ政府軍を襲撃した後、北部州のワウニヤ (Vavuniya) 県で農業学校の学生に発砲し、5人が死亡」と発表

スリランカ政府が、必須日用品の運搬に供するために、ジャフナ (Jaffna) 半島とスリランカ本土を結ぶA−9道路の再開を命じる
2006.11.21 東京援助国会議の共同議長 (アメリカ、日本、EU、ノルウェイ) が、ワシントンDCにおける会合の後に共同声明を発表。 スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の双方による計画的な停戦協定違反を非難し、双方に対して敵意を緩和するよう強く求める

東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県選出のタミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) の国会議員が、 スリランカ国会議長に対して、「国会議員を辞職しなければ殺害するとの脅迫を受けた」とする書簡を提出
2006.11.22 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) のイデオローグであり、和平交渉の責任者でもあるバラシンガム (Anton Balasingham) が、胆管癌の最終段階にあるとの報道
バラシンガムは、病状が悪化するまで、ほぼ全ての主要な和平交渉でLTTE側の責任者を務めてきた人物
2006.11.23 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県で、特殊部隊 (Special Task Force) が、3人の警官と1人の護衛を殺害したタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士に対して発砲。 LTTE兵士12人が死亡、治安部隊 (security force) 兵士5人が負傷
2006.11.26 東部州のバッティカロア (Batticaloa) 県で、スリランカ政府軍がタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の兵士21人を殺害

北部州 (Northern Province) で、イーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP) のシンパであるセナサラン (Shankarpilla Senasaran) が、LTTEによって殺害される
2006.11.27 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran ) が、毎年恒例の「英雄の日 (Hero's Day) の演説」を実施
プラバーカランは、シンハラ人リーダーの二枚舌を批判し、「それこそがタミル人を政治的な独立 (political independence) 以外の選択肢のない状況に追いやった」と発言。 さらに、「LTTEが自由のための闘争を継続すること」を再確認し、「ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が昨年の英雄の日の演説における最後通牒を無視したこと」を非難

西部州 (Western Province) のコロンボ (Colombo) 県ネゴンボ (Negombo) で、スリランカ政府海軍が、 武器弾薬を密輸しているLTTEのトロール船を撃沈。 LTTE兵士6人が死亡
2006.12. 1 コロンボ (Colombo) のダルマパーラ・マワタ (Dharmapala Mawatha) で、タミル・イーラム解放のトラが、国防大臣 (Defence Secretary) のゴタバヤ・ラジャパクサ (Gotabhaya Rajapakse) (ラジャパクサ大統領の兄弟) を狙った自爆テロを実行。 スリランカ政府軍兵士7人が負傷 (後日2人が死亡) 、民間人7人が負傷

ジャフナ (Jaffna) 市のクロック・タワー・ロードとホスピタル・ロードで、正体不明の者による地雷攻撃。 警察官2人が死亡
2006.12. 2 スリランカ政府空軍が、北部州 (Northern Province) のムライティブ (Mullaitivu) 県の民間人地域を空爆。 民間人1人が死亡
2006.12. 5 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県ワカライ (Vakarai) 地域で、スリランカ政府軍がタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士16人を殺害。  政府軍兵士2人が死亡
2006.12. 7 スリランカ政府が、テロリズム防止法 (Prevention of Terrorizm Act, PTA) の再適用についての説明を求める停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) の要求を、拒否

少なくとも2203人の民間人が、マンタイ (Manthai) とウリヤンクラム (Uyilankulam) のチェック・ポイントを通って北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) 県とムライティブ (Mullaitivu) 県に到着
2539人の民間人が、12月1日から7日までの間に北部州のワウニヤ (Vavuniya) に到着
2006.12. 9 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県北東部で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の戦闘。 45人が死亡
2006.12.10 東部州のバッティカロア (Batticaloa) 県ワカライ (Vakarai) 地域にあるカンダラディ政府学校 (Kandalady Government School) に対して、スリランカ政府軍兵士が砲撃。 民間人19人が死亡、25人が負傷

タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、東部州バッティカロア県のカディムラウィクラム (Kaddimuravikulam)、カドジュワッタ (Kadjuwatta)、キリミッチヤ (Kirimichchiya)、マドゥランケルニ (Madurankerni) に対して激しい砲撃。 スリランカ政府軍兵士12人が死亡、51人が負傷
スリランカ政府軍の報道官は、「政府軍以上の被害がLTTEに発生した」と発表
2006.12.11 東部州 (Eastern Province) で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が衝突。 スリランカ政府軍兵士24人が死亡、69人が負傷。 LTTE兵士50人から60人が死亡
2006.12.13 スリランカ政府陸軍司令官のフォンセカ (Sarath Fonseka) が、「タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) は、民間人が平和な日常生活を取り戻すことができるようになるために、東部州 (Eastern Province) から駆逐されるであろう」と発言

スリランカ政府軍が、「LTTEは、カルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が分離した2004年3月に弱体化した」と発言
2006.12.14 Hindustan Times が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) 寄りのウェブ・サイトである「タミル・ネット (Tamil Net)」を引用して、「LTTEは、本年だけで818人の兵士 (そのうち女性兵士は250人)を失った。 1982年11月27日にLTTE初の死者となったサンケル中尉 (Lieutenant Sanker) の死以来、LTTEは18742人の兵士を失った」と報道

LTTEの和平交渉責任者であるバラシンガム (Anton Balasingham) が、胆管癌により、ロンドンで死亡。 68歳
バラシンガムは、LTTEのリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabakaran) に最も近い人物であり、1985年のティンプー (Thimpu) 会談以来、ほぼ全ての和平交渉の場にLTTEの責任者として参加してきた人物
2006.12.17 東部地域において、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、弾薬・砲弾の不足に直面しているとの報道。 スリランカ政府軍が、「LTTEは弾薬が底をつきつつあるために、東部州 (Eastern Province) において大規模な攻勢に打って出ることができないだろう」と発言
2006.12.19 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士が、東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県カルムナイ (Kalmunai) にある、カルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) 率いる Tamileela Makkal Viduthalai Puligal (TMVP) のオフィスに手榴弾を投擲。 TMVP兵士2人が死亡、1人が負傷

カルーナ大佐が、「スリランカ政府がカルーナ大佐グループ兵士の安全を保障できないのであれば、政府が制圧した東部地域においてタミル・イーラム解放のトラに対する戦闘を再開する」と警告
2006.12.20 スリランカ政府軍報道官のサマラシンハ (Prasad Samarasinghe) 准将が、「今年、タミル・イーラム解放のトラが455人の子ども兵士を政府支配地域から誘拐した」と批判し、そのような行為を中止するよう要求
2006.12.22 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、「スリランカ東部地域で進行している戦闘は、全面的な戦争にエスカレートするであろう」との警告を発す
2006.12.23 北部州 (Northern Province) 知事であるウィジェウィクラマ (Mohan Wijewickrama) 准将が、「北東部州 (North Eastern Province ) の分離計画が進行中である」と確認
2006.12.28 タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF) のリーダーであるアナンダサンガレー (V. Anandasangaree) が、「北東部州 (North Eastern Province)」 の分離を中止することをラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領に強く求める。 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) を強くするだけである、というのがその理由
2006.12.29 プッタラム (Puttalam) 県のガルガムワ (Galgamuwa) 警察が、タミル・イーラム解放のトラによって12月27日に誘拐されたタミル・イーラム人民解放組織 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE) のメンバー2人の死体を発見
2006.12.31 ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、「民族紛争を解決するためのタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉の扉は、常に開いている」と発言

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、スリランカ政府軍とLTTEの間の敵意が継続していることを受けて、「組織形態と活動内容とについて再考するために、監視活動を短期の間、縮小する」と発表
2007年
タミル・イーラム解放のトラによる民間バスに対する無差別地雷攻撃、スリランカ政府軍による事実上の東部州制圧
2007. 1. 1 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、LTTEの支配下に居住している民間人に対するIDカードの発行を開始。 最初の一枚は、LTTEリーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) に対して発行された
2007. 1. 2 国防省報道官のランブクウェッラ (Keheliya Rambukwella) が、「北部地域・東部地域からの停戦監視員の撤退は、タミル・イーラム解放のトラが大規模な子ども兵士のリクルートを自由に進める道を開く」と発言
2007. 1. 3 国連が、「戦闘を止めて、無実の人々を保護し、和平交渉を再開すること」を、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に求める

スリランカ政府陸軍司令官のフォンセカ (Sarath Fonseka) が、「東部州 (Eastern Province) をLTTEの支配下から解放し、その後に北部州 (Northern Province) を解放する」と誓った模様。 フォンセカはさらに、「LTTEは、今後2、3ヶ月の間に東部地域から根絶されるであろう」とも述べる
2007. 1. 4 国家安全保障メディア・センター (Media Centre for National Security) が、「タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) は、東部州のマウィル・アル (Mavil Aru)、ムハマライ (Muhamalai)、トップル (Thoppur)、サンプール (Sampur)、ムトゥール突堤 (Muttur jetty)、ワカライ (Vakarai)における戦闘で多くのLTTE兵士を失ったために、兵士の数を確保するうえで深刻な問題に直面している」と発表
2007. 1. 5 西部州 (Western Province) のガンパハ (Gampaha) 県で、ニッタムブワ (Nittambuwa) からギリウッラ (Giriulla) に向かうバスの内部で爆弾が爆発。 乗客6人が死亡、63人が負傷。 スリランカ政府は、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) を非難
2007. 1. 6 南部州 (Southern Province) のゴール (Galle) 県で、バスの内部で爆弾が爆発。 乗客16人が死亡、40人が負傷。 スリランカ政府は、タミル・イーラム解放のトラ非難
2007. 1. 9 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士が、東部州 (Eastern Province) バッティカロア (Batticaloa) 県ワラチェナイ (Valachchenai) にある、カルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) 率いる Thamil Makkal Viduthalai Pullikal (TMVP) のオフィスを砲撃し、完全に破壊

東部州のバッティカロア県で、武装した男達がカルーナ大佐グループの2つの軍事キャンプを襲撃し、数名を殺害

スリランカ国会が、非常事態令 (Emergency Regulations) の1ヶ月の延長を決定
2007. 1.11 スリランカ政府が、いくつかの外国および国内の援助グループを、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) を援助している疑いで調査中。 オランダからの団体を追放することになろう

国防省報道官のランブクウェッラ (Keheliya Rambukwella) が、「スリランカ政府には、LTTE支配地域を制圧するための攻撃を開始する意図は、全くない」と発言
2007. 1.12 特殊部隊 (special task force) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の8つの基地を制圧。 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県カンチクディチアル (Kanchkudichchiaru) 近郊にあるジャナック・キャンプ (Janak camp) を含む
2007. 1.15 東部地域にあるタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の軍事キャンプで、LTTEが逃亡者や密通者を罰するために使用していたとされる拷問部屋が発見される
2007. 1.16 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県パニッチャンケルニ (Panichchankerny) とイッチャランパットゥ (Ichchalanpatthu) 周辺で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の第3防衛ラインをスリランカ政府軍が制圧。 LTTE兵士30人が死亡。 LTTE寄りのウェブ・サイト「タミル・ネット (TamilNet)」は、「スリランカ政府軍兵士40人が死亡、LTTE兵士7人が死亡」と報道

カルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) グループが、東部州バッティカロアとその周辺地域に勢力を集結させようとしている模様
2007. 1.17 スリランカ政府軍報道官のサマラシンハ (Prasad Samarasinghe) 准将が、「2006年7月25日以来、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 兵士561人が東部地域においてスリランカ政府軍に投降し、その多くが子ども兵士であった」と述べる

国防省報道官のランブクウェッラ (Keheliya Rambukwella) が、「LTTEが、資金調達のために大麻 (cannabis) の栽培を始めている」と発言。 それに対しLTTEは、大麻が栽培されているのはシンハラ人のバキミディヤ (Bakkimiddiya) 村であるとして、否定
2007. 1.18 ニュー・デリー (New Delh) で、サマラウェーラ (Mangala Samaraweera) 外相が、「タミル人との権力分有を実現するための政治プロセスが進行中であるが、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が流血の惨事を生み出すことを止めない限り、反LTTEキャンペーンは継続される」と発言

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) の報道官であるオマルソン (Thorfinur Omarsson) が、「36人ほどの停戦監視員のうち10人が、来週には、北部地域・東部地域における自らの職務に復帰するであろう」と述べる

国連の人道問題オフィス (United Nations humanitarian affairs office) が、「スリランカにおいて継続中の暴力が、21万3000人ものあらたな避難民を生むことになった」と発言
2007. 1.19 治安部隊 (security force) が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の東部州 (Eastern Province) における最後の根拠地であるワカライ (Vakarai) を制圧
これにより、東部州のほとんどは事実上の政府軍支配下に陥落

数千人の民間人が戦闘を逃れて難民化

東部州のアンパラ (Ampara) 県で、LTTEのエリート・ゲリラ部隊が、特殊部隊 (Special Task Force) 兵士を襲撃。 政府軍兵士11人が死亡、11人以上が負傷

東部州のバッティカロア (Batticaloa) 県で、LTTEと治安部隊が衝突。  LTTE兵士9人が死亡、12人が負傷
2007. 1.20 ニュー・デリー (New Delh) で、サマラウェーラ (Mangala Samaraweera) 外相が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) はアルカイダよりも残忍である」と発言

スリランカ政府軍が、「東部州のコマタラマドゥ (Komathalamadu)、ウェルガル (Verugal)、カディラウェリ (Kadiraveli)、バッティカロア 、トリンコマリー(Trincomalee) を結ぶ道路を確保した」と発表

政府軍筋の情報によると、東部州 (Eastern Province) のワカライ (Vakarai) をめぐる2006年10月からの戦闘で、LTTE兵士331人が死亡した模様
2007. 1.21 スリランカ政府軍が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 兵士をトピガラ・ジャングル (Thoppigala jungles) に追い込み、「東部州のトリンコマリーとバッティカロア (Batticaloa) を結ぶ A-15道路を制圧した」と発表
さらに政府軍は、「東部州の民間人95%は今やスリランカ政府の支配下にあり、LTTEは、トピガラ・ジャングルの限定的な地域に閉じこめられている」と発言
2007. 1.22 スリランカ政府が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) を東部州 (Eastern Province) バッティカロア県のトピガラ・ジャングルから追い払うこと」を約束

野党の統一国民党 (United National Party, UNP) が、「民族問題の解決策は、東京合意 (Tokyo Agreement) にもとづく権限委譲を通じて追求されるべきである」と提言した模様。 統一国民党は、その提案を、全政党会議 (All Party Representative Committee) 議長のウィタラナ (Tissa Vitarana) に提出
2007. 1.23 タミル・イーラム解放のトラが、スリランカ政府による和平交渉への誘いを棄却。 提案に誠実さが見られない、という理由で
2007. 1.26 ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領の本拠地である南部州 (Southern Province) のハンバントタ (Hambantota) で、治安部隊 (security force) 兵士が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) 兵士に対する取り締まり活動により、38人を逮捕
2007. 1.29 国際援助国・組織が、「民族紛争をエスカレートさせないこと」、「暴力行為を停止させ、さらに経済を救うために、タミル・イーラム解放のトラとの権力分有を実現すること」をスリランカ政府に要求

南アジア地域担当の世界銀行副総裁であるパテル (Praful Patel) が、「自らの潜在的な可能性を発展させたいのであれば、スリランカ政府は平和の実現に努め、さらに援助国・組織の信頼を回復させなければならない」と発言
2007. 1.31 スリランカ政府が、激化する戦闘を停止させるために和平交渉に真摯に向き合うことをタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に要求。 スリランカ政府報道官のランブクウェラ (Keheliya Rambukwella) が、「スリランカ政府は、いつでもLTTEとの和平交渉に応ずる用意がある。 真摯な対話を求める」と発言
2007. 2. 1 「確実な勝利作戦 (Operation Niyathai Jaya [Definite Victory]) により、特殊部隊 (special task force) 兵士が東部州 (Eastern Province) アンパラ (Ampara) 県のカンギカダイチ・アル・ ジャングル (the Kangikadaichi Aru jungle ) にあるタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) のジーワナンダ (Jeewananda) 基地を制圧 

スリランカ政府軍が、LTTE兵士をワカライ (Vakarai) 市から撤退させた後に、東部地域におけるスリランカ政府軍の地位を確保。 スリランカ政府軍は、難民を帰還させるために地雷の除去作業に従事。 ワカライ (Vakarai)、パラッチェナイ (Palachchenai)、カディラウェリ (Kadiraveli)、ウェルガル (Verugal) で、4000もの地雷を除去

東部州は、LTTE兵士が逃げ込んだトピガラ・ジャングル (Toppigala jungle) などのごくごく狭隘な地域を除いて、スリランカ政府軍の支配下に事実上、陥落

北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) で、在スリランカ・ノルウェイ大使のブラッツカー (Hans Brattskar) が、LTTEの政治局長であるタミルシェルバム (S. P. Thamilchelvan) と、和平交渉の再開の方法について会談

独立前(483BC-1948.2)独立後1(1948.2-82.12)独立後2(1983.1-87.7)独立後3(1987.7-90.3)独立後4(1990.3-94.7)独立後5(1994.7-97.12)独立後6(1998.1-99.12)

独立後7(1999.12-2000.10)独立後8(2000.10-01.11)独立後9(2001.12-04.3)独立後10(2004.4-05.11)独立後11(2005.11-06.7)独立後13(2007.2-07.10)独立後14(2007.11-)


 
 参考: TamilNet、 BBC News Southasia、 本ホームページのリンク集に掲げたニュース・ソース



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