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スリランカ国旗 スリランカの歴史− 2001年12月〜04年3月(独立後9)− スリランカ国旗

独立前(483BC-1948.2)独立後1(1948.2-82.12)独立後2(1983.1-87.7)独立後3(1987.7-90.3)独立後4(1990.3-94.7)独立後5(1994.8-97.12)独立後6(1998.1-99.12)

独立後7(1999.12-2000.10)独立後8(2000.10-01.11)独立後10(2004.4-05.11)独立後11(2005.11-06.7)独立後12(2006.7-07.2)独立後13(2007.2-07.10)独立後14(2007.11-)





− 時 代 区 分 −

2001年12月2002年1月2002年7月2003年1月2003年7月2004年1月


 西 暦  出 来 事 
ウィクラマシンハ首相 vs クマーラトゥンガ大統領 (2001年12月〜04年3月)
第12回総選挙は、統一国民党 (UNP) のラニル・ウィクラマシンハが率いる統一国民戦線 (UNF) の勝利となる。 首相に就任したウィクラマシンハは、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) との和平交渉の推進とスリランカ経済の再建とを最優先の課題に掲げ、スリランカ政治の舵取りを行っていく。 しかし、野党のスリランカ自由党 (SLFP) に所属するクマーラトゥンガ大統領の任期が2005年までであるため、首相 (UNP) 対大統領 (SLFP) という対立の構図が、スリランカ政治に暗い影を落とすことになっていく。
2001年12月
2001.12. 5 第12回総選挙が実施される (投票率は76.0%)

全225議席 (括弧内は比例区選出議員数 [計29議席]) のうち、統一国民党 (United National Party, UNP) が109議席 (13)、人民連合 (People's Alliance, PA) が77議席 (11)、スリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) が5議席 (1)、人民解放戦線(Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP)が16議席 (3)

タミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) に属するタミル人政党のなかでは、タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF) が15議席 (1)、その他のタミル人政党のなかでは、民主人民解放戦線(Democratic People's Liberation Front, DPLF)が1議席 (0)、イーラム人民民主党(Eelam People's Democratic Party, EPDP)が2議席 (0)

UNPは、統一国民戦線 (United National Front, UNF) を組織して選挙戦を戦い、セイロン労働者会議 (Ceylon Workers Congress, CWC) と協力

TNAは、今回の選挙の直前に結成されたタミル人の組織で、タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF)、タミル会議 (Tamil Congress, TC)、イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF)、タミル・イーラム解放組織 (Tamil Eelam Liberation Organization, TELO) の4組織で構成されている (LTTE寄りとされる)

UNP率いるUNFが、SLMCの協力のもと、第1党に

2001.12. 8 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ政府との和平交渉を早くとも2002年1月に再開させる準備をしており、その可能性をつぶさないために政府軍に対する攻撃を自制している、との報道
2001.12. 9 統一国民党 (United National Party, UNP) のラニル・ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) が第17代首相に就任 (2001.12.9-2004.4.3)
ウィクラマシンハは、初代大統領であるジャヤワルダナ [Junius Richard Jayewardene] の甥にあたる
2001.12.12 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府の閣僚25人が就任
2001.12.15 人民連合 (People's Alliance, PA) の議員23人が国民政府 (National Government) を作ることに同意したため、PAの分裂が決定的になる
2001.12.19 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、12月24日から1ヶ月間の一方的な停戦を表明
2001.12.21 スリランカ政府が、24日からの停戦を表明。 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の停戦に呼応したもの

オーストラリア政府が、LTTEを非合法化

2001.12.24 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、インド人民党総裁のバジャパイ (Atal Behari Vajpyee) 首相と会談
バジャパイ首相は、和平交渉の再開を全面的に支援することを確約
2001.12.26 ウィクラマシンハ首相が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) 支配地域に対する経済制裁措置を1月15日から撤廃する予定である」と発言
2001.12.27 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、ノルウェイ政府に対して、タミル・イーラム解放のトラとの和平交渉を仲介するよう正式に依頼
人民連合 (People's Alliance, PA) が、「統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府による和平の模索を全面的に支援する」と表明
2002年
ノルウェイ政府の仲介により、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) との間で停戦協定が結ばれ、和平交渉が実施されるようになる。 希望の年。
2002. 1. 2 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるヴェルピライ・プラバーカラン (Velupillai Prabhakran) が、ノルウェイの首相であるクェル・マニェ・ボンデヴィック (Kjell Magne Bondevik) に対し、和平交渉を促進する仲介役として積極的に関わることを要請

国防大臣が、タミル・イーラム解放のトラの支配地域に対する禁輸措置を緩和すると発表。 7年ぶりのこと
2002. 1. 4 ノルウェイの副外務大臣であるヴィダル・ヘルゲッセン (Vidar Helgesen) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の政治局顧問であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) と会談
2002. 1.10 ノルウェイの副外務大臣であるヘルゲッセンが、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相、クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領と会談

タミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) のリーダーが、ノルウェイ政府代表団を訪問。 ノルウェイ政府代表団に対し、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置を即座に解除するようスリランカ政府を説得することを要請。 同時にTNAは、和平交渉を LTTEだけと行うべきであると主張

2002. 1.11 スリランカ政府が、タミル人漁師に課してきた漁業制限を緩和すると発表。 より強力なエンジンの船を使い、今よりも沖合いでの漁が可能になる
タミル人はさらなる緩和を要求
2002. 1.20 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、「民族紛争を終結させるために重要な決定を行う権限は、統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府ではなく大統領の手中にある」と発言

タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、一方的な停戦をさらに1ヶ月延長すると発表 (24日から)

スリランカ政府が、一方的な停戦をさらに1ヶ月延長すると発表 (24日から)
2002. 1.22 ノルウェイ政府の代表団が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の政治局顧問であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) と、停戦協定案について協議

ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、国会で、「平和への最後のチャンスを逸しないために、 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置を再検討すべきである」と発言。 バラシンガムは、この発言を歓迎

LTTEが、1993年以来捕虜にしていた軍人2人民間人1人、1997年以来捕虜にしていた民間人7人を解放

2002. 1.24 シンハラ人仏教僧の指導者が、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相に対して、タミル・イーラム解放のトラに対する非合法化措置を解除しないよう要請
2002. 1.25 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置の解除を示唆する統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府の姿勢に抗議して、人民連合 (People's Alliance, PA) の構成党が、反対キャンペ−ンを共同して実施する計画

参加したのは、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP)、イーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP)、人民統一戦線 (Mahajana Eksath Peramuna [People's United Front], MEP)
2002. 1.27 東部州 (Trincopmalee) のトリンコマリー (Trincomalee) で、統一国民戦線政府の閣僚であるアルムガム・トンダマン (Arumugam Thondaman) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) と会談
トンダマンは、セイロン労働者会議 (Ceylon Workers Congress, CWC) のリーダー
2002. 1.29 コロンボ (Colombo) で、数百人に及ぶ人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) の支持者が、タミル人に対する自治権の付与に抗議するデモを実施
2002. 2. 4 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) と東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) を結ぶ道路が再開される。 10年ぶりの壮挙
2002. 2. 5 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の停戦は見せかけのものであり、子ども兵士の徴兵を行っている」と批判。 LTTEはこれを否定
2002. 2. 8 ノルウェイ政府代表団が、「無期限停戦協定 (permanent cease-fire agreement)」の最終案を完成
2002. 2.13 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の支配地域に対する薬品および医療機器についての禁輸措置を解除
2002. 2.15 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) とキリノッチ (Kilinochchi) を結ぶ道路 (A9) が再開される
「ジャフナまで開通させる用意がある」とタミル・イーラム解放のトラ
2002. 2.18 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、「2002年度予算の防衛費を削減する意向である」と発表
2002. 2.21 北部州 (Northern Province) 東岸のムライティブ (Mullaittivu) 沖で、スリランカ政府海軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の海軍シー・タイガーとの戦闘。 政府軍に1名の死者

統一国民戦線政府の閣僚であるガミニ・ペイリス (Gamini L. Peiris)は、「和平交渉の妨げにはならない」と発言

この日、統一国民戦線政府とタミル・イーラム解放のトラとの間で、無期限の停戦に合意

2002. 2.22 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府とタミル・イーラム解放のトラの間で、「無期限停戦文書 (the Memorandum of Understanding, MOU) 」が調印される。 発効は23日

署名に慎重であったクマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領は、署名される前に内容が知らされなかったことを不服とし、「ショックと当惑を感じる」とコメント
2002. 2.23 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) が、停戦文書 (MOU) に関する討論を国会で開催するよう要求。 3月4日に開催されることに
2002. 2.24 人民連合 (People's Alliance, PA) の構成党である平等社会党 (Lanka Sama Samaja Party, LSSP) が、クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領らに対して和平交渉を妨害しないよう要請

ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、「テロリズム防止法 (Prevention of Terrorism Act, PTA) 」を撤廃しないことを確約し、さらに、「国家の分離をもたらすような憲法改正をしないこと、ひとつのスリランカを求めていること ("We want one Sri Lanka.") 」を表明

2002. 2.26 シンハラ・ウルマヤ (Sihala Urumaya) のリーダーであるティラク・カルナラトネ (Tilak Karunaratne) が、「クマーラトゥンガ大統領に対して停戦協定を破棄するように圧力をかける」と表明
2002. 2.27 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、和平交渉の進展を支援すると表明
2002. 3. 1 クマーラトゥンガ大統領が、停戦文書 (the Memorandum of Understanding, MOU) の調印を非難する書簡を、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相に送付
大統領曰く、「現在の合意は、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が交渉のテーブルに着くこと、重要事項について協議することを保障するようなものではない」
2002. 3. 2 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領を非難
lLTTEの和平交渉責任者であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) 曰く、「大統領の批判は、無責任、無礼、無分別なものである。 現大統領と前外務大臣のラクシュマン・カディガルマル (Lakshman Kadirgamar) は、停戦協定を妨害するために陰謀を企てようとしているのだ」

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) の団長を務める、ノルウェイ陸軍総司令官を退役したトロンド・フルホーデ (Trond Furuhovde) が、他の4名の監視要員とともにコロンボ (Colombo) に到着
2002. 3. 4 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、停戦協定は内戦を政治的に解決するための合理的かつ実践的な土台であり、停戦協定の締結それ自体を目的とみなすべきではない、と発言
2002. 3. 6 北部州 (Northern Procinve) のキリノッチ (Kilinochci) において、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velpillai Prabhakaran) が、停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) 代表のフルホーデ (Trond Furuhovde) と対談
2002. 3. 7 タミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) のリーダーが、 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相に対して、タミル・イーラム解放のトラに対する非合法化措置を解除すること、ならびに、テロリズム防止法 (Prevention of Terrorism Act) にもとづいて拘禁されている人々を釈放することを要求
2002. 3. 8 タミル人武装組織であった民主人民解放戦線 (Democratic People's Liberation Front, DPLF) が、スリランカ政府軍に武器を手渡して武装解除を実施

コロンボ (Colombo) 近郊で開催された統一国民党 (United National Party, UNP) の集会に、手榴弾が投げ込まれる。 民間人5人が死亡し、20人が負傷
2002. 3.15 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、ジャフナ (Jaffna) を親善訪問 (goodwill visit)。 同時に、ムハマライ (Muhamalai) の前方防衛ライン (forward defence line) を視察
2002. 3.17 中部州 (Central Procinve) のヌワラ・エリヤ (Nuwara Eliya) において、統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府の閣僚でありセイロン労働者会議 (Ceylon Workers Congreee, CWC) のリーダーでもあるアルムガム・トンダマン (Arumugam Thondaman) が、大規模な集会を組織
インド・タミル人に対して、UNF政権の和平交渉努力と停戦協定に対する全面的な支援を要請
2002. 3.18 コロンボ (Colombo) で、シンハラ人仏教僧多数を含む1万人以上の人々が、停戦協定の調印に抗議して人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) のデモに参加
2002. 3.20 地方議会 (Local Government) 選挙が実施される
全222議席のうち218議席を統一国民戦線 (United National Front, UNF) が制して、人民連合 (People's Alliance, PA) を圧倒
和平交渉の進展を評価する、有権者の意向が現れたものとされる
2002. 3.22 統一国民戦線政府が、あらゆる物品に課せられた6.95%の国家安全保障税 (National Security Levy) を6月1日から廃止すると発表
2002. 3.26 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉責任者であるバラシンガム (Anton Balasingham) と在スリランカ・ノルウェイ大使のウエストボルグ (Jon Westborg) が出席した会合に、LTTEリーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) がスリランカ政府との和平交渉に応じる旨を伝達。 ただし、LTTEに対する非合法化措置を和平交渉を開始する前に解除することを要求
2002. 4. 3 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) のバラシンガムが、LTTEが1990年にジャフナ (Jaffna) 半島から強制的にムスリムを追放したことについて、誤りを犯したと発言
2002. 4. 4 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、国内路線の飛行禁止措置を解除
2002. 4. 5 西部州 (Western Province) のカルタラ (Kalutara) 県ベルワラ (Beruwala) で、シンハラ人とスリランカ・ムスリムが衝突。 暴動を鎮圧するためにスリランカ警察が発砲し、ムスリム人2人が死亡。 夜間外出禁止令

スリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) のリーダーであるラウフ・ハキーム (Rauf Hakeem) が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の謝罪 (4月3日)をムスリムが受け入れた以上、ムスリムはLTTEと会談をもつべきである」と発言

2002. 4. 7 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、「タミル・イーラム解放のトラに対する非合法化措置を5月1日に解除する予定である」と発表
2002. 4. 8 北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) とジャフナ (Jaffna) を結ぶ道路 (A9) が開通。 2月15日に開通した分を合わせて、これで全線が開通
2002. 4.10 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakran) が、共同記者会見の場に初めて姿を現し、和平プロセスを評価していると発言。 600人の報道関係者が参加
2002. 4.13
2002. 4.13 ノルウェイ政府副外務大臣であるヴィダル・ヘルゲッセン (Vidar Helgesen) が、コロンボ (Colombo) に到着。 タミル・イーラム解放のトラと会談するため

タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) が、和平協定に調印
LTTEは、ジャフナ (Jaffna) 半島からスリランカ・ムスリム10万人近くを追放してきた経緯があり、それゆえに両者の間に交渉が行われることは長らくなかった。 LTTEは追放行為を謝罪し、ジャフナ半島へのスリランカ・ムスリムの帰還を認めた
スリランカ・ムスリムの多くはイスラム教を信仰するタミル人であり、政治的にはタミル人ではなくシンハラ人に与してきた
2002. 4.17 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、タミル・イーラム解放のトラに対する非合法化措置の撤廃に反対する姿勢を緩和。 国際的な圧力に屈したものと見られる
2002. 4.19 ノルウェイ政府副外務大臣のヴィダル・ヘルゲッセン (Vidar Helgesen) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置の撤廃に関して、クマーラトゥンガ大統領と協議
2002. 4.21 アメリカの指導のもと、ジャフナ (Jaffna) 半島で地雷の撤去作業が開始される

ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、平和集会において和平交渉について説明し、「私は、国家を分裂させることはしない。 あくまで権力を分割するだけである」と発言

2002. 4.22 コロンボ (Colombo) で、数百人のシンハラ人仏教僧が、和平交渉に抗議するデモを実施
2002. 4.23 コロンボで、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) が、和平交渉に抗議するデモを実施
2002. 5. 3 スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) が、「和平交渉は恣意的に進められており、大統領は無視され、国会には相談もない」と発言
2002. 5. 5 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、5月2日にスリランカ政府海軍がタミル人の漁船2隻を沈めたことを停戦協定違反だとして非難。 スリランカ政府海軍は、「1隻はLTTEのシー・タイガーの船だった」と主張
2002. 5. 9 スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) のリーダーであるマヒンダ・ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) が、国会において、「停戦協定は片務的なものであり、タミル・イーラム解放のトラに有利なものである」と発言し、今後、停戦協定に反対するキャンペーンを強めることを宣言
2002. 5.11 コロンボ (Colombo) で、千人近くのシンハラ人仏教僧が和平交渉に抗議するデモを実施
2002. 5.14 シンハラ人国会議員多数が、アヌラーダプラ (Anuradapura) のドゥッタガーマニー ( Duttugemunu, BC161-137) 王の像の前で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉に抵抗することを誓う

ドゥッタガーマニー王は、タミル軍の侵略からシンハラ王国を守った古代の英雄
2002. 5.16 スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) のラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) が、コロンボ (Colombo) で、5000人近くのシンハラ人を率いてタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉に抗議するデモを実施
2002. 5.21 スリランカ政府の和平交渉担当書記官バーナード・グナティルケ (Bernard Goonatilake) が、タミル・イーラム解放のトラの政治局長であるタミルチェルヴァム (S. P. Thamilchelvam) と初の会談
2002. 5.24 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、「第19次憲法修正案」を公表
大統領の議会解散権 (総選挙から1年たてば議会を解散できるという権限) をなくすことが盛り込まれたもの

タミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) 所属の国会議員が、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相に対して、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置の解除、停戦協定に記された事項の完全実施などの6項目におよぶ覚書を提出

2002. 6. 3 平等社会党 (Lanka Sama Samaja Party [Equal Society Party], LSSP) が、「クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領と人民連合 (People's Alliance, PA) は、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) と一緒になって和平交渉を妨害している」と非難

「テロリズム防止法 (Prevention of Terrorism Act, PTA) 」にもとづいて、統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が北東部地域における漁業活動を制限する措置を発表
停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) は、この措置を非難 (6日)
2002. 6. 5 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置を、和平交渉が開始される10日前に解除する」と発表。 タミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) との会談において
2002. 6. 6 ジャフナ (Jaffna) で、ジャフナ地方の漁業従事者数百人が漁業制限措置の撤廃を求めてデモ。 以後も頻発
2002. 6.12 北部州 (Northern Province) のジャフナ (Jaffna) と東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) において、漁業制限措置に抗議するストライキが実施される
2002. 6.19 コロンボ (Colombo) で、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置の解除とタミル人に対する自決権の付与に反対するデモを実施
2002. 6.27 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県ワライチェナイ (Valaichchenai) で、ムスリムの過激派と思われる集団がタミル人民間人を襲撃。 双方で7人が死亡、50人が負傷。 外出禁止令 (7月2日解除)
2002. 6.30 アムネスティ・インターナショナルが、2週間に及ぶスリランカ訪問を終え帰国。 途中、スリランカ政府、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の双方と会談。 停戦協定を高く評価
2002. 7. 9
コロンボ (Colombo) で、人民連合 (People's Alliance, PA)、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP)、シンハラ人仏教僧らを含むシンハラ人右翼団体5000人近くが、和平交渉に反対するデモ行進を実施し、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との停戦協定を破棄するよう呼びかける
2002. 7.15 東部州 (Eastern Province) のエラフール (Eravur) 近郊のチェンカラディ (Chenkaladi) とマハ・オヤ (Maha Oya) を結ぶ道路5号線 (A5) が開通。 7年ぶりのこと

ロンドンで、ノルウェイ政府副外務大臣のヴィダル・ヘルゲッセン (Vidar Helgesen) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉責任者であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) と和平交渉の議題について会談
特別アドヴァイザーのエリック・ソルハイム (Erik Solheim) と外務省事務局長のリサ・ゴールド (Lisa Gold) も同席
2002. 7.17 EU代表団が、タミル・イーラム解放のトラと会談
2002. 7.24 アメリカ訪問中のウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、ブッシュ大統領と会談
ブッシュ大統領は、和平交渉を進展させることを強く要請
2002. 7.25 ジャフナ (Jaffna) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の支配地域に突入したスリランカ政府軍兵士1人がLTTE兵士に狙撃され、死亡。 LTTE兵士2人が負傷。 双方ともに静観の構え
2002. 7.27 ロンドンで、スリランカ政府の閣僚であるミリンダ・モラゴダ (Milinda Moragoda) が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の和平交渉責任者であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) と会談。 スリランカ政府とLTTEとの、初の閣僚級レベルの直接会談
議題は、無期限停戦協定 (permanent cease-fire agreement)、直接対話の準備、和平交渉の議題、北部東部地域における暫定的な行政 (interim administration in the North East)について
2002. 8. 6 在スリランカ日本大使の大塚清一郎が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の政治局長であるタミルチェルヴァム (S. P. Thamilchelvam) と会談
2002. 8.12 スリランカ政府が、東部地域の海路をタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が利用することを、条件付きで認める (これも、和平交渉再開の条件の1つ)
LTTEは、8月18日に実際に利用
2002. 8.14 ノルウェイのオスロで、スリランカ政府代表のミリンダ・モラゴダ(Milinda Moragoda)とバーナード・グナティルケ (Bernard Gunatilake) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉責任者であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) と会談
和平交渉を9月12〜17日にタイで開催することに合意
2002. 8.21 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 政権に対する信任投票を29日に実施することを決定
2002. 8.23 統一国民戦線政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、和平交渉の日程を9月16〜18日に確定することに合意
2002. 8.25 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、9月6日から1ヶ月間、タミル・イーラム解放のトラに対する非合法化措置を解除すると発表
ただし、和平交渉が決裂した場合には再び非合法化することに
2002. 8.29 野党の人民連合 (People's Alliance, PA) が、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 政権に対する信任投票の実施の是非を巡り、分裂
実施延期を申し入れたPAに対して、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) が強く抗議
2002. 8.30 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、「第19次憲法修正案」を9月11日に議会に上程することを決定
修正の狙いは、大統領の議会解散権 (総選挙から1年たてば議会を解散できるという権限) を抑制すること
2002. 9. 1 スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) の集会で、クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、統一国民戦線政府を「ヴィジョンをもっていない」として批判
仏教僧の一団に対して大統領曰く、「私は、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置を和平交渉が始まる前に解除することには反対である。 また、内戦の核心的な問題についての合意がなされる前に北部東部地域に暫定行政機構 (interim administration) を設置することにも反対である」
2002. 9. 3 コロンボ (Colombo) で、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) に率いられたシンハラ人仏教僧らを含む数千人のシンハラ人ナショナリストが、タミル・イーラム解放のトラに対する非合法化措置の解除に反対するデモを実施

ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相とクマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、会談
クマーラトゥンガ大統領は、「統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が多数派である限り国会を解散しないこと」を確約
ウィクラマシンハ首相は、「第19次憲法修正案」の上程を週末まで延期することを約束

人民連合 (People's Alliance, PA) が、「第19次憲法修正案」に対して反対を表明
2002. 9. 4 統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する非合法化措置を解除
2002. 9. 6 人民連合 (People's Alliance, PA) と人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) が、タミル・イーラム解放のトラに対する非合法化措置の解除に抵抗することを表明
2002. 9. 9 コロンボ (Colombo) で、数千人の人々が、スリランカ政府の進める和平交渉を支持する平和行進を実施
和平交渉推進派の存在を国際社会に知らしめるために、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が提唱したもの
2002. 9.12 「第19次憲法修正案」が公示される (19日に議会に上程)
2002. 9.16 タイのサタヒップ (Sattahip) 海軍基地で、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉が開始される (第1ラウンド、18日までの3日間)
2002. 9.18 タミル・イーラム解放のトラの和平交渉責任者であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) が、「タミル人の自治権確保の要求が聞き入れられず、タミル人への抑圧が続く場合には、最終的な手段として独立国家の樹立を目指す」と発言し、タミル・イーラム国の樹立が優先的な目的ではないことを表明
2002. 9.24 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ政府海軍がジャフナ (Jaffna) 沖のデルフト (Delft) 島に新しい軍事キャンプを建設していることを停戦協定違反として非難
2002. 9.28 スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、戦争捕虜の交換を実施。 政府軍兵士6人、LTTE兵士11人の交換
2002.10. 9 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampra) 県ティルコヴィル (Tirukkovil) で、特殊部隊 (Special Task Force, STF) と1000人の暴徒 (少数のLTTE兵士を含む) が衝突し、8人が死亡、16人が負傷
この日の早朝にLTTE兵士をSTFが襲撃したことに対する報復行為と見られる
2002.10.10 スリランカ政府の和平交渉責任者であるガミニ・ペイリス (Gamini L. Peiris) が、「『テロリズム防止法 (Prevention of Terrorism Act, PTA) 』を廃止しない」と述べた模様
2002.10.11 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) で、10月9日の事件に抗議するデモに際し、3人が死亡、40人以上が負傷
2002.10.16 北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) で、EU代表団らがタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉責任者のバラシンガム (Anton Balasingham) と会談。 和平交渉に対する支援を確約
2002.10.21 ノルウェイ政府副外務大臣のヴィダル・ヘルゲッセン (Vidar Helgesen) に率いられたノルウェイ代表団が、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相、スリランカ政府和平交渉責任者ガミニ・ペイリス (Gamini L. Peiris)、スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) リーダーのマヒンダ・ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) と対談
10月31日に開始されるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉第2ラウンドを前にして
2002.10.22 「第18次憲法修正案」および「第19次憲法修正案」について、最高裁が以下のように決定

「第18次憲法修正案」については、国会において3分の2以上の賛成をもって可決された後に、全土で実施される国民投票によって承認されることが必要である (第18次修正案は、第17次憲法修正案によって設置が決められた Constitutional Council に授権するためのもの)

「第19次憲法修正案」については、conscience voting に関する第6項は憲法規定に抵触する恐れがあるため、削除すべきである (第19次修正案は、大統領の有する国会解散権を制限するためのもの)
2002.10.30 コロンボ (Colombo) で、シンハラ人とスリランカ・ムスリムの間で衝突が発生し、スリランカ・ムスリム1人が死亡、12名以上が負傷
2002.10.31 タイのナコンパトムにおいて、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉が開始される (第2ラウンド)
2002.11.10 「軍備の段階的縮小および事態の正常化に関する合同委員会 (Sub-Committee on De-Escalation and Normalization, SDN)」において、スリランカ政府が漁業に対する制限を緩和することに合意
2002.11.13 スリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) の国会議員が、45日間の国会審議のボイコットを終了。 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、東部地域におけるスリランカ・ムスリムの安全確保の問題についての言質を獲得したため

人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) が、1971年と1989年の武装蜂起において殺害されたリーダーと兵士に対する追悼を実施
この日は、JVPのリーダーであったロハナ・ウィジェウェーラー (Rohana Wijeweera) が拘束されて殺害された日

2002.11.24 ノルウェイのオスロで、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉責任者であるバラシンガム (Anton Balasingham) が会談。 スリランカ支援国会議の開催を前にして
2002.11.25 スリランカ支援国会議が開催される
アメリカ、イギリス、EU、その他の国が、スリランカの復興活動に対する資金的援助を約束
実際の金額については、2003年3月に開催される東京会議で公表されることに
2002.11.27 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、 恒例の「英雄の日 (Heroes Day)」の演説を実施
プラバーカランは、「LTTEは合理的な解決策を望んでいるが、万が一、内的な自決権 (the right to internal self-determination) にもとづく地域自治 (regional self-rule) の要求が拒絶されたならば、分離して独立国家を建設する以外に道はない」と発言

「LTTEの当面の目標を、独立国家の建設ではなく地域自治の確保におくことを表明したもの」として理解される
2002.12.2−5 ノルウェイのオスロにおいて、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉 (第3ラウンド)
両者は、「ひとつのスリランカの中で連邦制度を構築すること (a federal structure within a united Sri Lanka)」を追求することに合意
2002.12.15   北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) で、「北部東部地域の復興と再建に関わる合同委員会 (the Sub-Committee for Rehabilitation and Reconstruction of the Northeast)」が設立される
2002.12.24 民族仏教戦線 (Jathika Sanga Sammelanaya [National Bhikkhu Front], JSS) が、「ノルウェイはタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に有利に立ち回っている」と抗議
2002.12.31 ミリンダ・マラゴダ (Milinda Maragoda) 率いるスリランカ政府団が、高度警戒地帯 (High Security Zones, HSZ) への難民の帰還について協議するためにジャフナ (Jaffna)入り

難民の帰還とHSZの絡みとの問題が、これ以降、大きな問題となっていく
2003年
スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) との和平交渉が中断される一方で、政治的ライヴァル同士である首相と大統領との確執が表面化する。 全てが悪循環に陥っていく、幻滅の年。
2003. 1. 2 スリランカ陸軍中将ライオネル・バラガッレ (Lionel Balagalle) が、「国内避難民 (Internally Displaced Person, IDP) の高度警戒地域 (High Security Zones,HSZs) への帰還は、LTTEが武装解除を行ってからでなければ認められない」と発言
2003. 1. 3 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE)が、「武装解除については、和平交渉が最終的な決着を見せるまで交渉の余地はない (non-negotiable)」と発言
2003. 1.6−9 タイのナコンパトムにおいて、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉が開始される (第4ラウンド)
2003. 1. 7 タミル・イーラム解放のトラとスリランカ政府が、 国内避難民 (Internally Displaced Person, IDP) の高度警戒地域 (High Security Zones,HSZs) への帰還を認めることで合意。 ただし、最初はHSZの外部に帰還することに
スリランカ政府の和平交渉責任者であるガミニ・ペイリス (Gamini L. Peiris) は、難民の帰還は国家安全保障を損なわないように進めなければならない、と発言
2003. 1. 8 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) の集会で、2万5000人以上の人々がタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉に抗議。  「西欧帝国主義国家によるスリランカ分裂を企む謀議である」と批判
2003. 1.14 コロンボ (Colombo) 郊外のヌゲゴダ (Nugegoda) で、「我が祖国を救うための仏教僧同盟 (Federation of Bikkhus to Rescue the Motherland ) 」に率いられた2000人の仏教僧が、タミル・イーラム解放のトラとの和平交渉に抗議
2003. 1.22 Jaffna District Committee for Resettling IDPs outside HSZs が活動を開始
2003. 2. 8 ジャフナ (Jaffna)半島西方のデルフト (Delft) 島沖で、兵器と弾薬を運んでいたタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の船艇が、停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) により発見され、査察の後に自爆。 LTTE兵士3人が死亡。 重大な停戦協定違反

スリランカ政府とLTTEの共同声明は、「LTTE兵士とスリランカ軍兵士の間のコミュニケーション・ギャップにより生じた事件」というもの

ドイツのベルリンにおいて、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉 (第5ラウンド)
両者は、海上における事件に対する予防策を講じることで合意
2003. 2.20 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP) が、進展中の和平交渉に反対するための大規模な抗議行進を組織
2003. 2.27 ラウフ・ハキーム (Rauf Hakeem) 大臣が、スリランカ・ムスリムの代表を率いて、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相に対し、和平交渉に独立した団体として参加できるように計らうことを要請。 ハキームは、スリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) リーダー
2003. 3.5−6 北部州 (Northern Province) のキリノッチ(Kilinochchi) で、the Sub-Committee for the Welfare and Rehabilitation of War Affected Women and Children の第1回会合
2003. 3. 7 スリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) とタミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) が、和平交渉を前進させるため、および、タミル人とスリランカ・ムスリムの関係を強化するために協力し合うことに合意
2003. 3.10 東部州 (Eastern Province) のムライティブ (Mulathivu) 沖で、スリランカ海軍が、兵器を輸送していたと見られるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の船艇を撃沈。 LTTE兵士11人が死亡

コロンボ (Colombo) で、スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP)、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna [People's Liberation Front], JVP)、統一民族戦線 (Mahajana Eksath Peramuna [United People's Front], MEP)、民族統一同盟 (National Unity Alliancem NUA) 、仏教僧が、和平交渉に抗議する大規模な行進を実施

2003. 3.18 日本の箱根において、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉 (第6ラウンド)
2003. 3.27 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、ムスリムの代表団に対して、 LTTE支配地域にある自己の所有地で自由に耕作すること、および、財産を没収されないことを保障
2003. 3.30 20名からなるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の視察団が、 北欧諸国に出発。 現地で採用されている連邦制度、憲法枠組み、行政構造について研究するため
2003. 4. 3 スリランカ政府の和平交渉責任者であるガミニ・ペイリス (Gamini L. Peiris) が、「スリランカ政府は、多方面からの意見に応えて和平交渉の将来についての国民投票を実施することを考えている」と発言
2003. 4.18 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 対岸のムトゥール (Mutur) で、スリランカ・ムスリムとタミル人の衝突が発生し、スリランカ・ムスリム3人が死亡
2003. 4.30 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉責任者であるバラシンガム (Anton Balasingham) からの、一時的に和平交渉のテーブルからLTTEは退くとの書簡 (4月21日付) に応答。 LTTEに対して、「現在の状況を再検討すること」、および、「和平交渉に参加し続けること」を呼びかける
2003. 5. 4 ノルウェイの副外務大臣ヴィダル・ヘルゲッセン (Vidar Helgesen) が、コロンボ (Colombo) に到着
タミル・イーラム解放のトラの和平交渉責任者であるバラシンガムと、中断された和平交渉の再開の目処について協議する予定
2003. 5.10 日本政府の和平特使である明石康が、スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の双方に対し、6月9・10日に東京で開催される「スリランカ支援国会議」への態度を5月14日までに明確にするよう要請
2003. 5.15 タミル・イーラム解放のトラが、東京で開催される「スリランカ支援国会議」に参加するための前提条件として、「北部東部地域の復興再建のための基金を管理する公的な組織の設立が必要」との声明を出す
2003. 5.19 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ支援国会議に参加するため、およびLTTEの要求に対するスリランカ政府の反応を検討するために、さらなる時間的猶予を求める
2003. 5.21 タミル・イーラム解放のトラが、和平交渉を活性化させることを念頭に、スリランカ政府に対して「迅速な人道・復興ニーズに関する合同委員会 (Sub-committee on Immediate Humanitarian and Rehabilitation Needs, SIHRN) に代えて、新たに「暫定行政機構 (an interim administrative structure)」を設立することを要求
2003. 5.23 人民連合 (People's Alliance, PA) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の「暫定行政機構」に関する提案に反対
2003. 5.27 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) に対して、LTTEの「暫定行政機構 (an interim administrative structure)」案に前向きに対応したスリランカ政府案を送付
「東部・北部の開発に関する最高機関 (Apex Body [Council] on North-East Development)」の設立を提案
2003. 5.30 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ政府による代案を拒否。 「LTTEの果たすべき参加的な役割が不明確である」との理由で
2003. 6. 1 ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、「暫定的行政機構 (an interim administrative structure)に関する政府案は、当該地域に居住する全てのコミュニティの利益を擁護し、かつ、タミル・イーラム解放のトラが法に抵触することなく重要な役割を果たすことができるものである」と発言
2003. 6. 2 ウィクラマシンハ首相が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による超法規的・超憲法的な暫定行政機構の設立要求を拒否
2003. 6. 4 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の和平交渉責任者であるアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) が、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相の提案する「最高機関 (Apex Body [Council]) を拒否し、あくまでもLTTEが提案した案にもとづいて和平交渉を再開することを求める
2003. 6. 6 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉責任者であるバラシンガムが、「北部州と東部州における暫定行政機構 (an interim administrative structure)に関する交渉は、スリランカ政府が自らの提案をより精緻化・具体化した後に開始する」と再び表明
2003. 6.14 北部州 (Northern Province) 東岸のムライティブ (Mullaitivu) 沖で、スリランカ海軍が、兵器を輸送していると思われるタミル・イーラム解放のトラの船艇を公海上で爆破。 12人のシー・タイガー兵士が死亡

ジャフナ (Jaffna) で、LTTE兵士と思われる狙撃兵が、イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) のリーダーを射殺。 同様の事件が頻発

2003. 6.19 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ政府による「暫定行政評議会 (interim administrative council) 」に関する協議の開催を拒否
LTTEは、あくまでも、より具体的な枠組みが明らかになってからでなければ協議には応じられないと表明
2003. 6.21 スリランカ自由党 ( Sri Lanka Freedom Party, SLFP) の第14回全国党大会
クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領は、6月14日に発生したスリランカ海軍によるタミル・イーラム解放のトラ艦船の爆破事件について、「大統領本人が命じたこと」と発言
2003. 6.25 クマーラトゥンガ大統領が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) は戦争の準備をしている、しかし治安部隊 (security force) はそれに対する十分な準備ができていない」との警告を発する
2003. 6.28 コロンボ (Colombo) およびその近郊で、タミル・イーラム解放のトラとの関係を疑われて306人が逮捕される

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、スリランカ海軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の双方に対し、艦船の詳細な移動記録の提出を求める。 両者の活動を十分に監視するために

2003. 7.20
ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、「暫定行政機構 (an interim administrative structure)は憲法の枠組内のものである」と再度主張
2003. 9.14 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士と思われる者が、イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) の活動家を殺害
2003.10. 4 アメリカ政府が、タミル・イーラム解放のトラをテロ組織に再指定
2003.10. 8 プレスに公表された書簡によると、クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相を非難。
大統領曰く、「ウィクラマシンハ首相は、国家の安全保障に失敗し、トリンコマリー港への脅威に気付かなかった。 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に停戦期間を通じて軍事力を強化する余裕を与えてしまった」
2003.10.31 タミル・イーラム解放のトラが、和平交渉の仲介者であるノルウェイを通じて、スリランカ政府に対してLTTEの「暫定行政機構案 (Interim Administration proposals)」 を提出

これは、当該地域の行政に対する完全な統制権限 (complete control) を備えた「 Interim Self-Governing Authority for the NorthEast (ISGA)」の創設を求めるもの

LTTEが要求する権限には、スリランカ政府が北部・東部地域に対して有している全ての権限 (徴税、治安維持、資源管理など)、国外および国内からの借款に対する財政的な統制権限などが含まれる
2003.11. 4 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、マラパナ (Tilak Marapana) 防衛大臣、アマラトゥンガ (John Amaratunga) 内務大臣、マーカー (Imthiaz Bakeer Markar) マス・コミュニケーション大臣を免職し、さらに国会を11月19日まで停会に
ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相は、外遊中
2003.11. 5 クマーラトゥンガ大統領が、 短期の非常事態 (a state of ‘short-term’ emergency) を宣言。 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との停戦協定は有効と述べる
2003.11. 6 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、国営ラジオ、国営テレビ、国営新聞を管理下に置く
2003.11. 7 クマーラトゥンガ大統領が、非常事態宣言を撤回
2003.11.10 スリランカ政府が、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉が無期限に延期された」と発表
2003.11.12 コロンボ (Colombo) で、クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領とウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、現在の危機的な状況について協議
2003.11.13 北部州 (Northern Province) のキリノッチ(Kilinochchi) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、ノルウェイの副外務大臣であるヴィダル・ヘルゲッセン (Vidar Helgesen) および和平特使エリック・ソルハイム (Erik Solheim) と会談
プラバーカランは、停戦協定を維持して和平交渉を継続させることを確約。 しかし和平交渉が再開されるための条件として、「スリランカ政府の政治的不安定さを解消することが必要」と発言
2003.11.14 ノルウェイ政府の副外務大臣であるヘルゲッセンが、「スリランカ政府側の和平交渉の責任者が明確になりさえすれば和平交渉の仲介役を続ける」と言明。 ただし、「その責任者が明らかになるまでは、仲介役として活動する余地はない」とも
2003.11.18 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領とウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が、両者が共同して対処しうる重要議題について協議
「国家的重要事項に両者が共同して対処できるようにするための将来的な枠組み」を検討するための委員会が設置されることになる
2003.11.21 クマーラトゥンガ大統領が、 現在進行中のウィクラマシンハ首相との政治的な乖離状態を解決して和解し、政府の再建を完了させる期限を12月15日に定める
2003.11.26 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) とキニヤ (Kinniya) で、手榴弾による攻撃。 スリランカ・ムスリム3人が死亡、6人が負傷
2003.11.27 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、 恒例の「英雄の日 (Heroes Day)」の演説
プラバーカランは、LTTEが再武装しているという批判に応えてこれを否定し、「LTTEの暫定行政機構案 (Interim Administration proposals) は分離独立への布石ではない」と主張
2003.11.28 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、和平交渉の行き詰まりを打開するために、大統領とウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が共同議長を務める「合同和平評議会 (Joint Peace Council, JPC) 」を設立する提案を行う
2003.12. 5 クマーラトゥンガ大統領とウィクラマシンハ首相の協議が物別れに終わる
12月15日の期限に向けてさらに詰めを重ねることになったが、結局は収拾は付かず
2003.12.28 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、ラジオの討論番組で、「ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相は、大統領が3閣僚を更迭 (11月4日) したことを利用して想像上の憲法的危機を騒ぎ立てた」と述べる
2004年
首相と大統領の確執がさらに悪化するなか、ついにタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の側にも内部分裂 (北部 [ジャフナ] 派閥 対 東部 [バッティカロア、トリンコマリー] 派閥) が発生してしまう。 ジャフナのプラバーカランに反旗を翻したのは、スリランカ政府軍からのジャフナ奪還作戦を率いたカルーナ大佐であった。 混迷の度合いがさらに増していく年
2004. 1. 1 スリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) が、異なる利害関係者の多様な見解にコンセンサスを生み出す方法として、暫定的な憲法を作成することを提案
2004. 1.12 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の政治局長であるタミルチェルヴァム (S. P. Thamilselvam) が、「LTTEの交渉の相手は、平和を生み出す権能を持っている人である限り誰であってもよい」と発言
2004. 1.16 トロンド・フルホーデ (Trond Furuhovde) が新しい停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) 団長に任命される予定
現団長のトリッゲ・テレフセン (Tryggve Tellefsen) は、クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領によってスリランカの国家安全保障を危機に陥れたと批判されて以来、ノルウェイのオスロにいる
2004. 1.23 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、コロンボ (Colombo) で開催される「支援国会議」に欠席することを決定。 スリランカ政府が不安定であることがその理由
この会議は、2003年5月に東京で開催された「スリランカ支援国会議」をフォロー・アップするためのもの
2004. 1.23 コロンボ (Colombo) で開催された「支援国会議」に出席した支援国の代表が、現在の政治的な危機状況が内戦の政治的な解決を妨げることになっている点に触れながらも、財政的な援助を継続することを言明
2004. 2. 7 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領が、国会を解散。 第13回総選挙へ (4月2日投票)

任期をほぼ4年残しての解散であり、ウィクラマシンハ (Ranil Wickramasinghe) 首相が率いる国会を、大統領の行政権限 (executive power) を用いて解散したもの
統一国民戦線 (United National Front, UNF) 政府は、この行政権限を制限するための憲法改正を画策していたのであった (第19次憲法修正案)
2004. 2.10 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 西方のカラディヤナル (Karadiyanaru) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の東部方面司令官であるカルーナ大佐 (通称は、Colonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が、「明確な権威と権限を有する政府が選挙の結果として誕生すれば、それがいかなる政府であったとしても交渉する用意がある」と発言
2004. 2.26 クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga) 大統領 が、「人民連合 (People's Alliance, PA) 政府が政権に返り咲いた場合、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) との和平交渉を再開する」と発言
2004. 2.26 北部州 (Northern Province) ワウニヤ (Vavuniya) におけるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の政治局リーダーであるエリラン (S. Elilan) が、「LTTEはタミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) が総選挙で勝利するためのキャンペーンを実施することを決定した」と発言
2004. 3. 1 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県における統一国民党 (United National Party, UNP) の選挙立候補者であるスンデラムピライ (S. Sunderampillai) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士と思われる者によって射殺される
2004. 3. 1 東部州バッティカロアのワラチェナイ (Valachchenai) で、イーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP) の活動家が、タミル・イーラム解放のトラの兵士と思われる者によって射殺される
2004. 3. 3 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の東部方面司令官であるカルーナ大佐 (通称は、Colonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が、LTTEリーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) との意見の対立から辞任。 「1000人の兵士を北部に送るように」とのプラバーカランの命令を拒否
2004. 3. 5−6 カルーナ大佐が、バッティカロア (Batticaloa) 県とアンパラ (Ampara) 県におけるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の組織を引き継ぐ。 カルーナ大佐の副官であるラメシュ (Ramesh) は、ラバト (Rabat) に交代

キリノッチ (Kilinochchi) における記者会見で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の政治局長であるタミルチェルヴァム (S. P. Thamilselvam) が、東部方面司令官であるカルーナ大佐 (通称は、Colonel Karuna。本名は、ムラリタラン [Muralitharan]) が職務を解かれたと発表。 LTTEは、新たにラメシュ (T. Ramesh) をバッティカロア・アンパラ地域の特別司令官に任命  

2004. 3.10 スリランカ政府の和平交渉責任者であるガミニ・ペイリス (Gamini L. Peiris) が、「スリランカ政府には現在東部で発生してる出来事を政治的優位を追求するために利用する気はない」と発言。 さらに、「タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の内部の問題であるカルーナ問題に介入する気はない」ことを表明
2004. 3.11 カルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーシップを批判し、「彼らはもはやタミル人の唯一の代表ではない」と発言
2004. 3.13 カルーナ大佐が、インドの雑誌ヒンドゥ (The Hindu) のインタビューにおいて、国際的な支援に欠いているためにタミル人の独立国家を建設することは不可能と発言
さらに、タミル・イーラム解放のトラがラジーブ・ガンディー (Rajiv Gandhi) 首相を暗殺したことを、「極めて大きな誤り (gravest mistake) であった」 と言明
2004. 3.17 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のラジオ放送 Voice of Tigers (VOT) が、「恩赦の期間が本日終了し、「カルーナ大佐 (通称は、Colonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) には死罪があるのみ」と宣告
2004. 3.24 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 東部で、大学講師ティルシェルヴァム (Thevanayagam Thiruchelvam) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士と思われる者によって撃たれ、負傷。 カルーナ大佐に同情的であるとされていた
2004. 3.25 インドの雑誌ヒンドゥ (The Hindu) によると、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、カルーナ大佐 (通称は、Colonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) を「我々の土地から除去する (to get rid of Karuna from our soil) 」ことを決定した模様

LTTEの政治局は、「カルーナ大佐は自らがなした犯罪行為を隠蔽するために、地域的な差異と兄弟殺しの戦争とを引き起こそうとしている」と主張
2004. 3.30 タミル民族同盟 (Tamil National Alliance, TNA) のバッティカロア (Batticaloa) における国会議員選挙立候補者であるラジャン・サティヤムルシイ (Rajan Sathiyamoorthy)が、自宅で殺害される。 カルーナ大佐の腹心とされていた

独立前(483BC-1948.2)独立後1(1948.2-82.12)独立後2(1983.1-87.7)独立後3(1987.7-90.3)独立後4(1990.3-94.7)独立後5(1994.8-97.12)独立後6(1998.1-99.12)

独立後7(1999.12-2000.10)独立後8(2000.10-01.11)独立後10(2004.4-05.11)独立後11(2005.11-06.7)独立後12(2006.7-07.2)独立後13(2007.2-07.10)独立後14(2007.11-)



  参考: TamilNet および BBC News Southasia



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