ホーム>スリランカの部屋>このページ(updated September 11th, 2007)
独立後8(2000.10-01.11)、 独立後9(2001.12-04.3)、 独立後10(2004.4-05.11)、 独立後11(2005.11-06.7)、 独立後12(2006.7-07.2)、 独立後13(2007.2-07.10)、 独立後14(2007.11-)
西 暦 | 出 来 事 |
---|---|
インド平和維持軍の介入−インド・スリランカ和平協定− (1987年7月〜90年3月) スリランカ政府軍とタミル人武装組織との間のジャフナ半島をめぐる戦闘は1987年前半に本格化し、隣国のインド (とりわけタミル・ナドゥ州) が、スリランカのタミル人を支援するために様々な介入を施すことになった。 スリランカとインドの国家間関係は、そのために一時的に険悪なものになってしまうが、そのような状況を打破するための両国間対話により、インド・スリランカ和平協定が締結されることになる。 両国政府は、タミル人武装組織の支配地域 (北部・東部地域) を解放する任務をインド平和維持軍 (IPKF) に託し、スリランカの北部・東部地域にIPKFを駐留させることになった。 しかしIPKFの活動は、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) による執拗な妨害に遭い、結局は失敗に終わることになる。 ここでは、和平協定の締結からIPKFが撤退するまでの期間を扱う。 | |
1987年7月 | |
1987. 7.29 | ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene) 大統領とラジブ・ガンディー (Rajiv Gandhi) 首相が、「インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) 」に調印
スリランカ側の功労者は、ガミニ・ディサナーヤカ (Gamini
Dissanayake)。 プレマダーサ (Ranasinghe Premadasa) 首相は調印式を欠席 (日本に外遊中) この和平協定は、以下を規定するもの。 @北部州 (Northern Province) と東部州 (Eastern Province) を暫定的に統合し、1つの州評議会 (Provincial Council) と州政府 (Provincial Government) をおき、自治権を拡大する。 A両州を統合するか否かは、1988年末までに実施する東部州における住民投票によって決定する。 B全島で停戦を維持して武装組織の武装解除を行い、あわせて大統領が政治犯に対して恩赦を与える。 Cインド政府はこれらの解決策に協力する。 Dシンハラ語の他に、タミル語と英語を公用語に加える なお、Cにもとづいて、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) がスリランカに駐留し、Bの武装解除に任に当たることになった |
1987. 7.30 | ラジブ・ガンディー首相が、帰国直前の式典中に、殺意をもったシンハラ人の儀仗兵に銃床で打たれる 3000人のインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF: 主体はグルカ兵) が駐留 |
1987. 8. 1 | 北部地域からスリランカ政府軍が撤退 |
1987. 8. 2 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、ニュー・デリー (New Dehli) からジャフナ (Jaffna) に帰還 |
1987. 8. 3 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が兵員を6500人に増強し、戦車10台を含む軍用車両250台を導入 |
1987. 8. 4 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、ジャフナで5万人の民衆を前に演説 (「We Love India Speech」) プラバーカランは、「武装解除を受け入れること、インドを愛しており、インド人兵士とは戦いたくないこと、しかしタミル・イーラム国の樹立を諦めないこと」を表明。 しかし実際には、現状に極めて不服 |
1987. 8. 5 | ジャフナ (Jaffna) のパラリ (Palaly) 空軍基地で、タミル・イーラム解放のトラの武器引き渡しが行われる しかし、旧式の兵器ばかりが引き渡され、最新鋭のアメリカ製M16マシンガン等は引き渡されず |
1987. 8.10 | 東部州 (Eastern Province) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の武器引き渡しが行われる |
1987. 8.15 | タミル・イーラム解放のトラのジャフナ (Jaffna) 方面司令官が、タミル人の安全が保障されるまで武装解除を中断することを表明 |
1987. 8.18 | 国会で開催中の与党議員総会に、2発の手榴弾が投げ込まれる ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene) 大統領は無事。 2人が死亡、国家治安相のラリト・アトラトムダリ (Lalith Athulathmudali) が重傷 |
1987. 9. 9 | 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とタミル・イーラム人民解放機構 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE) の抗争。 32人の死者 |
1987. 9.13 | 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) で、タミル・イーラム解放のトラ、タミル・イーラム人民解放機構 (PLOTE) 、イーラム・人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF)、タミル・イーラム解放組織 (Tamil Eelam Liberation Organization, TELO) の抗争。 22人の死者 |
1987. 9.14 | 東部州のエラフール (Eravur) で、タミル・イーラム解放のトラとインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) との最初の武力衝突が発生 |
1987. 9.22 | 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) がタミル・イーラム人民解放機構 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE) のメンバー20人を殺害 |
1987. 9.23 | 北部州西岸のマンナル (Mannar) で、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) がタミル・イーラム解放のトラのデモ隊に発砲 |
1987. 9.30 | 「州政府設置法案」が閣議で決定される |
1987.10. 1 | インドから帰国途上のタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) のメンバー17人が、スリランカ政府海軍により逮捕される。 コロンボ (Colombo) 移送に抗議して、青酸カリで服毒自殺、12人が死亡 (5日) |
1987.10. 7 | 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) などで、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) によるシンハラ人の大量虐殺。 スリランカ政府が逮捕されたLTTEメンバーの釈放要求を受け入れなかったことに対する報復 |
1987.10. 8 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) 兵士を襲撃し、5人を殺害 |
1987.10. 9 | インド平和維持軍が、全てのタミル人武装組織を急襲し、133人を拘束 ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene) 大統領が、和平協定による特赦をタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) には適用しないことを表明 |
1987.10.10 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF)
が、武装闘争路線を放棄しようとしないタミル・イーラム解放のトラに対し、「風作戦 (Operation Pawan)」
による掃討を開始。 3日間で163人を殺害。 インド兵18人が死亡 親インド派のイーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) は、IPKFに協力 |
1987.10.14 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、インド平和維持軍の兵士30人を殺害 |
1987.10.15 | タミル・イーラム解放のトラが設置した地雷により、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) 兵士20人が死亡 |
1987.10.16 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の本拠地 (ウルンピライ) が陥落。 127人が死亡 |
1987.10.17 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) がジャフナ (Jaffna) 市を包囲し、タミル・イーラム解放のトラに全面降伏と武装解除を要求 |
1987.10.19 | 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) でバスが爆破され、乗客42名が死亡 |
1987.10.20 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、さらに6000人を増派、計2万人に |
1987.10.21 | ジャフナ病院における戦闘で、インド平和維持軍が、病院関係のタミル人民間人を虐殺 |
1987.10.24 | 市民団体が、ジャフナ (Jaffna) で市民700人が死傷したと発表 ジャフナで、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の船4隻が撃沈され、61人が死亡 |
1987.10.25 | 中部州 (Central Province) のキャンディ (Kandy) のインド総領事館で、手榴弾が爆発 |
1987.10.30 | ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene) 大統領が、インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) 調印後に、民族解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) によって統一国民党 (United National Party, UNP) の党員38人が殺害されたと発表 |
1987.11. 4 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、ヴェルヴェディトゥライ (Velvedditturai) を解放。 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に死者12人、捕虜700人。 LTTEは停戦を提案 |
1987.11. 5 | ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene) 大統領が、インドを訪問。 ラジブ・ガンディー首相と、北部州 (Northern Province) と東部州 (Eastern Province) の自治権拡大の問題について協議 ラジブ・ガンディー (Rajiv Gandhi) 首相が、タミル・イーラム解放のトラに降伏を要求 |
1987.11. 6 | ジャヤワルダナ大統領が、「州評議会法案 (Provincial Councils Bill) 」に関するタミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF) の修正案を拒否 |
1987.11. 9 | コロンボ (Colombo) のマラダナ (Maradana) で爆弾が爆発し、民間人50人以上が死亡、199人が負傷。 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) かタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による犯行とされる |
1987.11.12 | 「州評議会法案 (Provincial Councils Bill)」 と「第13次憲法修正案」が成立 (賛成138票、反対11票)。 いずれも、インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) をうけたもの 前者は、全国の9つの州 (Northern Province, Eastern Province, North Central Province, North-Western Province, Central Province, Western Province, Sabaragamuwa Province, Uwa Province, Southern Province) に8つの州評議会を創設するというもの (任期は5年) 後者は、憲法18条の規定に、タミル語が公用語であること、および、英語がリンク語であることを示す文言を付加するもの |
1987.11.13 | 統一国民党 (United National Party, UNP) の支部局長が、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) によって射殺される |
1987.11.20 | インドのシン国務相 (Dinesh Singh: スリランカ問題担当)
が、21日午前7時からの48時間の停戦を発表 10月10日以来、インド兵262人が死亡し、927人が負傷 |
1987.11.23 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam,
LTTE) が、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF)
を10月10日以前の位置まで後退させるための戦闘を開始 インドは停戦の延長を中止 |
1987.11.26 | 南部地域で、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) によって処刑されたと思われる死体が発見される |
1987.12. 2 | 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が交戦し、インド兵士9人が死亡、7人が負傷 |
1987.12. 6 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) が、インド平和維持軍の撤退を求めるパンフレットを配布 |
1987.12.11 | 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vauniya) で、タミル・イーラム解放組織 (Tamil Eelam Liberation Organization, TELO) の攻撃により、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士15人が死亡 |
1987.12.12 | タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF) が、タミル・イーラム解放のトラに対して武装解除を呼びかける |
1987.12.15 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) に協力したタミル人6人が、殺害される |
1987.12.18 | ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene)
大統領が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE)
が降伏するまでインド平和維持軍が駐留を続けるよう要請 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) は、この要請を強く批判 |
1987.12.23 | 統一国民党 (United National Party, UNP) 議長のH・ウィクラマシンハが、射殺される |
1987.12.24 | インドのタミル・ナドゥ (Tamil Nadu) 州首相のM・G・ラーマチャンドラン (M. G. Ramachandran) が死去 |
1988年 北部地域では武装解除を拒絶したタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とインド平和維持軍 (IPKF) との戦闘が激化し、南部地域では前年から続く人民解放戦線 (JVP) の武装蜂起が深刻化していく。 LTTEは、この混乱を利用して、タミル人武装組織内の主導権争いに昂じていく。 | |
1988. 1. 1 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam,
LTTE) とインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、ジャフナ (Jaffna)
県庁前で交戦 中部州 (Central Province) のキャンディ (Kandy) の市街地で爆弾が爆発し、5人が死亡 |
1988. 1.10 | タミル・イーラム解放のトラが、「インド平和維持軍およびスリランカ政府に協力する者を敵とみなす」と主張 |
1988. 1.13 | 南部州 (Southern Province) のハンバントータ (Hambantota) 県で、スリランカ政府軍と人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) との間で銃撃戦 |
1988. 1.21 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) の刑務所を襲い、55人を脱獄させる インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が4万8000人に増強される |
1988. 1.22 | 北部州 (Northern Province) と東部州 (Eastern Province) の「合同州議会選挙実施法案」が、議会で可決される。 インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) をうけたもの |
1988. 1.24 | 南部州 (Southern Province) のマータラ (Matara) 県ベリアッタ (Beliatta) にある人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の基地をスリランカ政府軍が急襲 |
1988. 1.30 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、ジャフナ (Jaffna) 半島掃討作戦を開始 |
1988. 2. 5 | 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) 県チェッディクラム (Cheddikulam) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とタミル・イーラム人民解放機構 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE) の抗争。 PLOTE側に9人の死者、LTTE側に4人の死者 |
1988. 2. 9 | インド外務省が、昨年10月の「風作戦 (Operation Pawan)」 以降のインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の被害について、死者316人、負傷者1169人、行方不明者12人と発表 |
1988. 2.12−18 | インド平和維持軍兵士2万人が、東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 周辺で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する掃討作戦を開始 |
1988. 2.16 | 人気俳優であり、1984年に結成されたスリランカ人民党 (Sri Lanka People's Party [Sri Lanka Mahajana Pakshaya, SLMP]) の党首でもあったウィジャヤ・クマーラトゥンガ (Vijaya Kumaratunga) が、暗殺される 1990年までSLMPにいたチャンドリカ・バンダーラナーヤカ・クマーラトゥンガ (Chandrika Bandaranaike Kumaratunga:S・W・R・D.バンダーラナーヤカとシリマウォ・R・D・バンダーラナーヤカの次女) の、夫であった |
1988. 3. 2 | 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県西部のモラ・ウェーワ (Mora Wewa) 入植地で、シンハラ人農民15人がタミル人武装組織に殺害される |
1988. 3. 5 | 東部州のトリンコマリー県南部で、シンハラ人を載せた自動車が爆破され、27人が死亡、10人が負傷 |
1988. 3.18 | 北中部州 (North Central Province) のアヌラーダプラ (Anuradapula) 県で、タミル人武装組織がバスを襲い、乗客19人を殺害 |
1988. 3.29 | 北中部州のアヌラーダプラ県で、バスに仕掛けられた爆弾が爆発し、9人が死亡、14人が負傷 |
1988. 3.31 | 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県カルムナイ (Kalumnai) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) がスリランカ・ムスリムの住宅約100戸やモスクに放火し、少なくとも17人を殺害 |
1988. 4. 2 | タミル・イーラム解放のトラが、北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Killinochchi) にあるイーラム民族民主解放戦線 (Ealam National Democratic Liberation Front, ENDLF) の拠点を攻撃 |
1988. 4. 7 | スリランカ政府軍が、北部州における活動を再開 |
1988. 4.21 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とイーラム革命学生組織 (Eelam Revolutionary Organizations of Students, EROS) の抗争が激化。 双方で数十名の死者 |
1988. 4.22 | 約50名の武装青年が、カトゥーナヤカ (Katunayaka) 空軍基地を襲撃し、武器弾薬を奪取 |
1988. 4.28 | 初の州評議会 (Provincial Council) 選挙が実施される
(投票率は58.9%) 実施されたのは、北西部州 (North Western Province)、北中部州 (North Central Province)、ウワ州 (Uva Province)、サバラガムワ州 (Sabaragamuwa Province) の4州 スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) が選挙をボイコットしたため、統一国民党 (United National Party, UNP) が全州で勝利し、155議席中89議席を獲得 |
1988. 5.13 | 「第14次憲法修正案」が成立 国会議員数を196名から225名に変更するもの |
1988. 5.20 | 国民統一党 (United National Party, UNP) の書記長N・フェルナンドが暗殺される |
1988. 5.24 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の拠点を攻撃。 LTTE側に36人の死者、インド軍側に10人の死者 |
1988. 5.26 | 中部州 (Central Province) のヌワラ・エリヤ (Nuwara Eliya) で、国民統一党 (United National Party, UNP) の演説会場にプレマダーサ (Ranasinghe Premadasa) 首相が到着する直前に、爆弾が爆発 |
1988. 6. 2 | 州評議会 (Provincial Council) 選挙が実施される。 西部州 (Western Province) と中央州 (Central Province) の2州で |
1988. 6. 4 | スリランカ政府とインド国防相との会談の結果、6月7日から、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の過剰な兵員を撤退させること、および重火器を削減することが決定 |
1988. 6. 8 | 州評議会 (Provincial Council) 選挙が南部州 (Southern
Province) で実施される。 これで7州目 残すは、北部州 (Northern Province) と東部州 (Eastern Province) のみ |
1988. 6.16 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、「北部州と東部州を併合させることを、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) との停戦条件にする」と伝える インド大使館が、9ヶ月間のインド平和維持軍の損害について、戦死者477人、負傷者1500人と発表 |
1988. 6.23 | タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF) の委員長・書記長・元国会議員などの指導者達が、5年にわたるインドへの亡命生活を切り上げてスリランカに帰国 |
1988. 7.28 | 「インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) 」の締結1周年 大規模な反政府運動が行われることが予想されるため、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の地盤である南部州 (Southern Province) のゴール (Galle) 、マータラ (Matala) 、ハンバントータ (Hambantota) の各県に外出禁止令 北部州 (Northern Province) と東部州 (Eastern Province) にも外出禁止令 |
1988. 8. 8 | タミル・ナドゥ (Tamil Nadu) 州警察が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の活動家154人 (キットゥを含む) を、武器の不法所有・旅券法違反等の容疑で逮捕 |
1988. 9. 3 | 南部州 (Southern Province) のハンバントータ (Hanbantota) 県のタンガッラ (Tangalla) 警察署で拘留されていた人権派の弁護士リヤナアーラッチが拷問により死亡 |
1988. 9. 5 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) が、統一国民党 (United National Party, UNP) の南部州評議会議員1人と党員6名を殺害したと警察が発表 |
1988. 9. 8 | ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene) 大統領が、「北部州 (Northern Province) と東部州 (Eastern Province) を一時的に単一の行政単位 (北東部州 [North Eastern Province]) にする」と宣言 (州評議会法38条大統領布告) インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) にもとづいたもの (1988年内に、東部州住民の国民投票によって東部州を北部州に合併するか否かを決する予定。ただし結局は実施されず) |
1988. 9.12 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP)が、リヤナアーラッチ弁護士の服喪のために、全ての事務所や商店の休業を求める |
1988. 9.13 | 南部州 (Southern Province) の諸都市で、交通機能が麻痺 学校も全て一時的に閉鎖 |
1988. 9.26 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の狙撃手が、復興・再建相 (Minister of Rehabilitation and Reconstruction) のリオネル・ジャヤティルケ (Lionel Jayatilleke) を暗殺 |
1988.10. 9 | インド軍が、マドラス (Madras) に拘留していたタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の活動家154人 (キットゥを含む) を、ジャフナ (Jaffna) に輸送 |
1988.10.10 | 北中部州 (North Central Province) のアヌラーダプラ (Anuradapura) 県にあるシンハラ人農村で、タミル・イーラム解放のトラが、シンハラ人47人を殺害 (子どもが18人、女性が13人) |
1988.10.12 | 全島の学校を10月25日まで全て閉鎖。 中部州 (Central Province) のキャンディ (Kandy) では外出禁止令
この時期、各地で政治的な暗殺が続発し、市民生活が攪乱される |
1988.10.25 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) が、インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) に反対するデモ行進への参加を求める。 政府は外出禁止令で対抗 コロンボ (Colombo) で、統一国民党 (United National Party, UNP) の集会で爆弾が爆発し、7人が死亡、70人が負傷 |
1988.11. 1 | 北西部州 (North Western Province) のクルネーガラ (Kurunegala) 県パンナラ (Pannala) にある陸軍訓練基地を武装青年が襲撃し、最新式の武器と弾薬が奪われる |
1988.11.10 | 大統領選挙への立候補者の締め切り
人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP)
が、インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord)
に反対するデモ行進 |
1988.11.13 | 南部州 (Southern Province) で、政治的な対立により13人が殺害される |
1988.11.14 | 東部州 (Eastern Province) でバスが襲われ、28人が死亡、3人が負傷 |
1988.11.15 | 中部州 (Central Province) のマータレー (Matale) 県で、政府に抗議するデモ行進に対してスリランカ政府軍が発砲し、5人が死亡、17人が負傷。 デモには3000人が参加 |
1988.11.19 | 北東部州 (North Eastern Province: 北部州と東部州の暫定的な行政連合体) で、州評議会選挙が実施される イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) とスリランカ人民党 (Sri Lanka People's Party [Sri Lanka Mahajana Pakshaya, SLMP]) が、それぞれ17議席を獲得 |
1988.11.23 | 鉄道やバスの運行が妨害され、公共交通機関が麻痺 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) が18人を殺害した、と警察が発表 |
1988.11.28 | 北東部州 (North Eastern Province) の首相に、アンナマライ・ペルマル (Annamalai Varadaraja Perumal) が選出される |
1988.11.30 | 10月15日から11月30日までに、政治的な対立によって約500人の死者が出た模様 |
1988.12. 3 | ジャヤワルダナ (Junius Richard Jayewardene) 大統領が、テレビを通じて、12月20日に国会を解散し、2月15日に総選挙を実施すると発表 |
1988.12.12 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) が、17日から19日にかけての外出禁止を通告 |
1988.12.13 | 人民解放戦線の武装青年集団が、コロンボ (Colombo) のウェリカダ (Welikada) 刑務所を襲撃し、政治犯221人の脱獄を幇助 |
1988.12.15 | 「第15次・第16次憲法修正案」が成立 第16次憲法修正にもとづき、憲法第22条が改正され、@シンハラ語とタミル語がスリランカ全土で用いられる行政語であること、Aシンハラ語が、タミル語が用いられる北部・東部州以外の全ての州の公共機関で用いられる行政語であること、が定められた (司法・立法についても同様) |
1988.12.19 | 第2回大統領選挙が実施される (投票率は55.3%) 統一国民党 (United National Party, UNP) のラナシンハ・プレマダーサ (Ranasinghe Premadasa) が256万票 (得票率50.43%) を獲得し、スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) のシリマウォ・バンダーラナーナカ (Sirimavo Ratwatte Dias Bandaranaike) (得票率45.0%) を制して勝利 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) は、有権者らを脅迫し、選挙のボイコットを呼びかけた |
1988.12.23 | 国会が解散。 第9回総選挙へ |
1989年 ジャヤワルダナ大統領の任期満了にともない、第2回大統領選挙が実施され、統一国民党 (UNP) のプレマダーサが第2代大統領に就任する。 プレマダーサは、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) との停戦と和平交渉を実現させる一方で、スリランカ政府軍を投入して人民解放戦線 (JVP) による反乱を鎮圧し、さらに、インド政府に対してインド平和維持軍 (IPKF) の撤退を要求していく。 | |
1989. 1. 2 | 統一国民党 (United National Party, UNP) のラナシンハ・プレマダーサ (Ranasinghe Premadasa) が、第2代大統領に就任 (〜1993.5.1) 中部州 (Central Province) のキャンディ (Kandy) の仏歯寺にて式典開催 UNPのウィジェートゥンガ (Dingiri Banda Wijetunga) が、第12代首相に就任 (〜1993.5.1) 在コロンボ・インド大使館が、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の2個大隊4000人を撤退させる予定であることを発表 |
1989. 1.11 | タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF) が、「インド・スリランカ和平協定 (Indo-Sri Lanka Paece Accord) が完全に実施されるまでインド平和維持軍が駐留することを望む」と表明 |
1989. 1.12 | 68ヶ月ぶりに非常事態宣言 (State of Emergency) を解除 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、2月15日の総選挙をボイコットするよう呼びかける |
1989. 1.17 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の武装集団が、モラトゥワで銀行を襲い、700万ルピーを強奪 |
1989. 2. 3 | 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、シンハラ人入植者11人を殺害 |
1989. 2.11 | コロンボ (Colombo) で、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の武装集団が34人を殺害 |
1989. 2.12 | 北中部州 (North Central Province) のアヌラーダプラ (Anuradapura) 県で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士がシンハラ人農村を襲撃し、34人を殺害 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県のムスリム農村においても、LTTEが6人を殺害 人民解放戦線が、政治家9人を殺害 |
1989. 2.15 | 第9回総選挙が実施される (投票率は63.3%)
(12年ぶりの総選挙) 選挙期間中に殺害された者1140人、選挙当日に殺害された者67人 全225議席中(括弧内は比例区選出議員数 [計29])、統一国民党 (United National Party, UNP) が125議席 (15)、スリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) が67議席 (9)、タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front,TULF) が10議席 (1)、スリランカ・ムスリム会議 (Sri Lanka Muslim Congress, SLMC) が4議席 (1)、人民統一戦線 (Mahajana Eksath Peramuna [People's United Front], MEP) が2議席 (0)、統一社会主義連合 (United Socialist Alliance, USA) が3議席 (1)、その他が14議席 (2) UNPが圧勝し、第1党に |
1989. 2.27 | 北中部州 (North Central Province) のポロンナルワ (Polonnaruva) 県で、タミル人武装組織によってシンハラ人38人が殺害される |
1989. 2.28 | インドの国防相が、1978年7月から89年1月までのインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の損害について、戦死者784人、負傷者2013人と発表 |
1989. 3. 4 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、インド政府との交渉を拒否し、タミル・イーラム国の独立を目指す戦闘を継続すると表明 |
1989. 3. 5 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、北部州 (Northern Province) のムライティブ (Mullaitivu) 県にあるタミル・イーラム解放のトラの基地を攻撃し、50人を殺害 |
1989. 3. 8 | コロンボ大学の前学長が、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の関係者と思われる者によって、執務室で射殺される |
1989. 3.12 | スリランカ政府軍が南部州 (Southern Province) を中心に展開し、人民解放戦線の党員1200人を検挙し、拘留 |
1989. 3.29 | ウワ州 (Uva Province) で、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) によってスリランカ自由党 (Sri Lanka Freedom Party, SLFP) の党員7人が殺害される |
1989. 4. 1 | プレマダーサ (Ranasinghe Premadasa) 大統領が、ラジオを通じて、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) と人民解放戦線 (JVP) に対する和平提案を行う その内容は、@政治犯の無条件恩赦、A国会における代表権の付与、Bテロリズム防止法の廃止、Cインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の撤退、D反政府活動家を殺害する武装自警組織の非合法化 |
1989. 4. 5 | 北部州 (Northern Province) のワンニ (Vanni) で、タミル・イーラム解放のトラ が仕掛けた地雷により、インド平和維持軍の将校を含む兵士15人が死亡 |
1989. 4. 7 | 南部州 (Southern Province) のハンバントータ (Hambantota) 県で、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) が仕掛けたと見られる地雷により、警官11人が死亡、3人が重傷 |
1989. 4.13 | スリランカ政府が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対して和平交渉を提案 東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 市の市場に仕掛けられた爆弾が爆発し、民間人45人、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) 兵士7人が死亡 |
1989. 4.15 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、スリランカ政府の提案した和平交渉を受諾 |
1989. 4.17 | タミル・イーラム解放のトラが、和平交渉の代表にアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) を選出 (26日にロンドンからコロンボに到着) |
1989. 5. 1 | 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) にあるインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の捕虜収容所が襲撃され、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士46人が脱走 ジャフナ県知事が、タミル・イーラム解放のトラによって暗殺される |
1989. 5.10 | 反政府活動の温床として閉鎖されていた大学が、15ヶ月ぶりに再開される |
1989. 5.11 | スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の間で、和平交渉が開始される (第1ラウンド) |
1989. 5.13 | 北部州 (Northern Province) 東岸のムライティブ (Mullaittivu) において、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) とタミル・イーラム解放のトラが交戦 |
1989. 5.14 | ジャフナ (Jaffna) において、インド平和維持軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が交戦 |
1989. 5.18 | 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県サマントゥライ (Sammanturai) で、スリランカ・ムスリムとタミル人の対立が激化 |
1989. 5.21 | 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) にあるタミル・イーラム人民解放機構 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE) の基地を、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が襲撃し、PLOTEに40人の死者、LTTEに11人の死者 |
1989. 5.26 | 州評議会 (Provoncial Council) の権限を強化するための、「州評議会法」の改正案が成立 (賛成146票、反対66票) |
1989. 5.29 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の和平交渉団が、方針を協議するために本拠地の北部州 (Northern Province) キリノッチ (Kilinochchi) に帰投 |
1989. 6. 1 | プレマダーサ (Ranasinghe Premadasa) 大統領が、「インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) に7月末に撤退してもらうよう要請する」と演説 |
1989. 6. 5 | スリランカのティラカラトナ外務次官とラジブ・ガンディー (Rajiv Gandhi) 首相が、インド平和維持軍の撤退問題に関して協議に入る。 インド政府は、7月末までの撤退は困難と回答 |
1989. 6.10 | 北東部州評議会 (North Eastern Provincial Council) において、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の撤退はスリランカ・タミル人の大量虐殺を招く恐れがあるとして、撤退に反対する決議を採択 |
1989. 6.14 | 北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Killinochchi) 県で、インド平和維持軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が交戦 |
1989. 6.16 | スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラの間で、和平交渉が開始される (第2ラウンド) |
1989. 6.20 | スリランカ政府が、非常事態宣言 (State of Emergency) を布告。 国内秩序を回復させるため |
1989. 6.27 | スリランカ政府が、7月3日に予定されていた北部州と東部州の合併の是非を問うための東部州における住民投票を、1990年に延期すると発表 |
1989. 6.28 | スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、停戦に合意 (敵対関係の停止に合意) |
1989. 6.29 | プレマダーサ (Ranasinghe Premadasa) 大統領が、ラジブ・ガンディー (Rajiv Gandhi) 首相に対し、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) によるタミル・イーラム解放のトラへの攻撃を止めさせるよう要請 ガンディー首相は、「LTTEの方針次第である」と翌日に回答 |
1989. 7. 1 | スリランカ政府軍が、非常事態宣言 (State of Emergency) にもとづき、南部州 (Southern Province) を中心に反政府勢力の取り締まりを強化。 3200人を検挙、拘留 インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する掃討作戦を実施 |
1989. 7. 5 | スリランカ政府が、全ての学校を無期限に閉鎖し、国内報道機関に対する検閲を実施 スリランカ政府が、外国報道機関に対する検閲を開始 集会を禁止し、さらに治安部隊 (security force) に対して法秩序を攪乱する現行犯を射殺するよう命令 |
1989. 7. 5 | |
1989. 7.13 | タミル統一解放戦線 (Tamil United Liberation Front, TULF) 書記長のアパピッライ・アミルタリンガム (Appapilli Amirthalingam) と、同幹部のヨーゲスワラン (V. Yogeswaran) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) によって暗殺される |
1989. 7.16 | タミル・イーラム人民解放機構 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE) のリーダーであるウマ・マヘシュワーラン (Uma Maheswaran) 書記長が、暗殺される。 内部抗争か |
1989. 7.24 | コロンボ (Colombo) で、仏教僧5000人による反政府デモ行進 |
1989. 7.26 | 北東部州 (North Eastern Province) において、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の攻勢により、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) 兵士40人近くが死亡 |
1989. 7.27 | 深夜から29日までの外出禁止令 |
1989. 7.29 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) から撤退 |
1989. 7.31 | インド外相とスリランカ外相が、ニュー・デリー (New Dehli) で、インド平和維持軍の撤退に関する協議を開始 (8月5日まで。合意に至らず) |
1989. 8.12 | ジャフナ (Jaffna) 県のヴェルヴェディトライ (Valvedditturai) におけるインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の戦闘行為により、51人の死者、70人の負傷者。 170の家屋や商店が被害 |
1989. 8.17 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) にあるインド平和維持軍 (IPKF) の基地を襲撃し、インド兵士24人が死亡し、11人が負傷 |
1989. 8.23 | コロンボ (Colombo) 近郊で、63人が射殺され、24体の死体が遺棄される |
1989. 9. 1 | コロンボ近郊で、焼けこげた遺体12体が放置される |
1989. 9.11 | モラトワ大学のパトワダヴィタナ学長が、執務室で射殺される |
1989. 9.13 | 全政党会議 (All Party Conference) が開催される |
1989. 9.18 | スリランカとインドの間で、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の撤退に関する協定が締結される。 1989年の年末までに撤退することに |
1989. 9.21 | ジャフナ大学医学部長で、人権擁護活動家でもあるタミル人女性、ラジャニ・ティラナガマ (Rajani Thiranagama) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) によって射殺される |
1989. 9.24 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) によるとみられる、紅茶やゴムのプランテーションへの攻撃が増加 |
1989. 9.28 | インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の司令官が、87年10月以降のインド平和維持軍の被害について、戦死者は将校49人を含む1109人、負傷者2834人。 LTTEについては、戦死者2592人、負傷者1159人と発表 |
1989.10. 2 | スリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の間で、和平交渉が開始される (第3ラウンド) |
1989.10. 5 | ペラデニヤ大学の構内に、18人の青年の死体が放置 |
1989.10. 8 | テロリズム防止法にもとづいて拘留中の、反政府活動の嫌疑をかけられている被疑者の数は、7200人 |
1989.10.11 | 西部州 (Western Province) のカルタラ (Kalutara) 県の道路沿いに、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の党員と思われる青年の死体80体が、黒こげの状態で発見 |
1989.10.23 | 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県に展開していたインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が、撤退を完了 |
1989.11. 5 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、東部州のアンパラ県にある、イーラム・人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) とタミル・イーラム解放組織 (Tamil Eelam Liberation Organization, TELO) の基地 (タミル国民軍 [Tamil National Army, TNA] の基地) を襲撃し、44人を殺害、90人を捕虜に TNAは、インド寄りのイーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) による東・北部州評議会の行政活動を支援するために、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) によって1989年に創設された軍隊。 兵力は、EPRLF、TELO、タミル・イーラム人民解放機構 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE)、イーラム民族民主解放戦線 (Ealam National Democratic Liberation Front, ENDLF) から |
1989.11. 6 | 南部や中央高地において、惨殺された100人以上の青年の死体が放置される |
1989.11.12 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県にある、イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) とタミル・イーラム解放組織 (Tamil Eelam Liberation Organization, TELO) の基地 (タミル国民軍 [Tamil National Army, TNA] の基地)を襲撃し、22人を殺害。 LTTE側にも16人の死者 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) のリーダであるロハナ・ウィジェーウィーラ(Rohana Wijeweera) 委員長が、治安部隊 (security force) によって、キャンディの茶園で逮捕される |
1989.11.13 | 人民解放戦線リーダーのウィジェーウィーラが、拘禁中に射殺される 「遺体はすぐに火葬され、埋葬された」と外相が説明 |
1989.11.14 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) 書記長のガマナーヤカ (Upatissa Gamanayake) が、治安部隊 (security force) により射殺される |
1989.11.23 | 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県で、1万4000人以上の避難民が発生 |
1989.12.11 | 南部で、人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) が71人を殺害 |
1989.12.13 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県の支配権をめぐり、イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) と激しい戦闘。 死者が数十名におよぶ |
1989.12.17 | タミル・イーラム解放のトラのアントン・バラシンガム (Anton Balasingham) がマドラスで記者会見し、「民族問題の恒久的な解決まで、武力を放棄することも独立国家の追求を放棄することもない」と表明 LTTEは、事実上、東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県とバッティカロア (Batticaloa) 県の制圧に成功している |
1989.12.21 | 南部州 (Southern Province) のハンバントータ (Hambantota) 県の路上に、射殺された青年の死体170体以上が放置 |
1989.12.26 | イーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) 兵士155人が、スリランカ政府軍に投降 |
1989.12.28 | 人民解放戦線 (Janatha Vimukthi Peramuna, JVP) の軍事部門の責任者であったフェルナンド (Upatissa Gamanayake) が、拘禁後に死亡 インド外相が、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の撤退を3月末に完了する予定であると発表 スリランカ政府は、2月4日 (独立記念日) までの撤退を要求 (1990年1月4日に) |
1989.12.29 | インド平和維持軍が撤退したあとの北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) 県で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とイーラム・人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) との激しい戦闘。 220人以上の死者 |
1990年 インド平和維持軍 (IPKF) は、3月下旬をもって完全にスリランカから撤退することになる。 そして、そのIPKFが撤退した後にそれらの地域に対する支配権を手に入れたのは、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) であった | |
1990. 1. 2 | ジャフナ (Jaffna) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とタミル国民軍 (Tamil National Army, TNA) が衝突。 TNA側に61人の死者 TNAは、インド寄りのイーラム・人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) による東・北部州評議会の行政活動を支援するために、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) によって1989年に創設された軍隊で、兵力は、EPRLF、TELO、タミル・イーラム人民解放機構 (People's Liberation Organization of Tamil Eelam, PLOTE)、イーラム民族民主解放戦線 (Ealam National Democratic Liberation Front, ENDLF) から |
1990. 1. 9 | ジャフナ (Jaffna) で、タミル・イーラム解放のトラとインド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) の間で戦闘 |
1990. 1.16 | スリランカ政府が、閉鎖していた6つの大学を3年ぶりに再開 |
1990. 1.22 | ジャフナ (Jaffna) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) 、インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) 、イーラム・人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) が衝突 |
1990. 2. 6 | 東部州 (Eastern Province) のアンパラ (Ampara) 県のジャングル地帯で、タミル・イーラム解放のトラとタミル国民軍 (Tamil National Army, TNA) が衝突。 双方で60人が死亡 |
1990. 2.14 | 全政党会議 (All Party Conference) が開催される |
1990. 2.19 | タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) が、「インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) が3月末までに撤退しなければ攻撃する」と表明 |
1990. 2.27 | タミル・イーラム解放のトラが、インド平和維持軍撤退後の東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 市を掌握 |
1990. 2.28 | タミル・ナドゥ (Tamil Nadu) 州首相の斡旋によるタミル人諸組織間の和平交渉が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とイーラム人民革命解放戦線 (Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) の対立により決裂 LTTEが、「北東部州 (North Eastern Province) の安全が確保されるまで武装解除を拒否する」と表明 |
1990. 3. 1 | 北東部州 (North Eastern Province) の首相アンナマライ・ペルマル
(Annamalai Varadaraja Perumal) が、イーラム民主共和国 (Eelam Democratic Republic)
の独立を一方的に宣言 インド政府は反対を表明。 LTTEは、単なるジョークだとして一蹴 ペルマル首相は、インド政府の用意した飛行機によって、10日にスリランカを脱出 |
1990. 3.13 | インド大使が、「インド平和維持軍 (Indian Peace Keeping Force, IPKF) を3月31日までに全軍撤退させる」と発表 |
1990. 3.24 | 最後のインド平和維持軍 (IPKF) 兵士2000人が、東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) から撤退 (インド国民会議派政権の退陣により、若干早まった) IPKFを支援してきたイーラム人民革命解放戦線(Eelam People's Revolutionary Liberation Front, EPRLF) の幹部も、国外へ脱出 |
独立後8(2000.10-01.11)、 独立後9(2001.12-04.3)、 独立後10(2004.4-05.11)、 独立後11(2005.11-06.7)、 独立後12(2006.7-07.2)、 独立後13(2007.2-07.10)、 独立後14(2007.11-) |