スリランカの歴史−2007年11月〜(独立後14)−

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独立前(483BC-1948.2)独立後1(1948.2-82.12)独立後2(1983.1-87.7)独立後3(1987.7-90.3)独立後4(1990.3-94.7)独立後5(1994.7-97.12)独立後6(1998.1-99.12)

独立後7(1999.12-2000.10)独立後8(2000.10-01.11)独立後9(2001.12-04.3)独立後10(2004.4-05.11)独立後11(2005.11-06.7)独立後12(2006.7-07.2)独立後13(2007.2-07.10)





− 時 代 区 分 −

2007年11月2008年1月

 西 暦  出 来 事 
タミルシェルバム爆殺後(2007年11月〜)
スリランカ政府軍は、2007年11月2日にキリノッチを空爆し、タミルシェルバムの殺害に成功する。 タミルシェルバムは、昨年末に死去したバラシンハムの跡を継ぐ重要人物であり、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 側の和平交渉の責任者であった。 スリランカ政府のみならず、和平交渉仲介役のノルウェーにとっての窓口でもあった。 政治的解決の目処が全く立たないままに、北部州におけるスリランカ政府軍とLTTEとの戦闘が激化していくなかで、ついに2008年には、スリランカ政府が停戦協定の一方的破棄を行う。 
2007年11月
2007.11. 1 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の衝突。 LTTE兵士22人が死亡。 スリランカ政府軍兵士2人が死亡、10人が負傷。 ただしLTTEの発表によれば、LTTE兵士7人が死亡、スリランカ政府軍兵士25人が死亡、60人以上が負傷
2007.11. 2 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の政治部門リーダーであり、事実上のナンバー2であったタミルシェルバム (S. P. Thamilchelvan) が、LTTEリーダーの会合場所であったキリノッチ (Kilinochchi) の3キロメートル南方にあるティルワイアル (Thiruvaiaru) に対するスリランカ政府空軍の空爆により、死亡。 他に5人のLTTEリーダーが死亡。 LTTEは、タミルシェルバムを准将 (Brigadier) に特進させ、3日間の喪に服することを発表

LTTE報道官であるイランティラヤン (Irasiah Ilanthirayan) が、「LTTEリーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、タミル・イーラム警察 (Tamil Eelam Police) の責任者であるナデサン (P. Nadesan) を新しい政治部門リーダーに任命し、ナデサンを2部門のリーダに任命した」と発表

国防大臣 (Defence Secretary) のゴタバヤ・ラジャパクサ (Gotabhaya Rajapakse) が、ロイター (Reuter) に対して、「スリランカ政府軍は、LTTEのリーダー達を攻撃目標にする」と発言。 「これはメッセージである。 我々は、LTTEのリーダーがどこにいるかを知っている。 あらゆるリーダーの居場所を知っている。 我々がその気になれば、ひとりずつ殺害することができる。 潜伏場所を変えるべきだ」と発言。 さらに、「時期が来れば、ひとりずつ殺害するつもりだ」とも

スリランカ政府軍の発表によると、ジャフナ (Jaffna) 県のムハマライ (Muhamalai) にある前方防衛ライン (Forward Defence Line, FDL) を突破しようとしたLTTE兵士と治安部隊 (security force) が交戦。 LTTE兵士14人が死亡

Tamileela Makkal Viduthalai Puligal (TMVP) のリーダーであるカルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が、イギリスの内務省 (Home Office) と警察の合同捜査により、ロンドンで逮捕される。 偽造パスポートによる入国の科で
2007.11. 4 ウィクラマナヤケ (Ratnasiri Wickramanayaka) 首相が、「スリランカ政府空軍は、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) リーダーの潜伏地を突き止め、そこに対する空爆を実施し続ける」、「治安部隊は、テロリストのリーダーの潜伏地を攻撃目標としている。 LTTEに対する致命的な打撃を与えるためだ」と発言

LTTEリーダーのプラバーカランが、タミルシェルバムの死に際して、「独立国家の建設という最終目的への思いを新たにした」とする声明を発表。 「タミルシェルバムは、新たな形式で我々の解放の闘争に参加する。 タミルシェルバムは、我々の思いを強くした。 我々は、新たなる決意 (renewed determination) をもって、最終目的に向かう我々の道を進み続ける」
2007.11. 7 ジャフナ (Jaffna) 県のムハマライ (Muhamalai) で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) と治安部隊 (security force) の激しい戦闘。 LTTE兵士約58人、治安部隊兵士11人が死亡

Tamileela Makkal Viduthalai Puligal (TMVP) のリーダーであるカルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) を、スリランカ政府が偽造された外交官用旅券を用いてイギリスに密入国させた (11月2日) ことが判明
2007.11.10 北部州 (Northern Province) のワンニ (Wanni) 地域で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) と治安部隊の激しい戦闘。 兵士13人が死亡
2007.11.12 東部州 (Eastern Province) トリンコマリー (Trincomalee) におけるタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 情報部門組織の副官であるクムダン (Kumudan) 他2名が、トリンコマリー南方で、治安部隊 (security force) との交戦中に死亡

ジャフナ (Jaffna) 県のムハマライ (Muhamalai) における政府軍兵士との交戦中に、LTTEの高官ニーラワン (Kadiralan Neelawan) が死亡
2007.11.21 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) 県地域のカンダペルンクラム (Kandaperumkulam) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の激しい戦闘。 LTTE兵士4人が死亡
2007.11.22 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) の覆面組織とされるタミル復興機構 (Tamil Rehabilitation Organisation, TRO) の銀行口座の凍結を命じていたスリランカ政府が、組織そのものの非合法化を決定
2007.11.23 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県のペサライ (Pesalai) にある警察署への攻撃を企図していたタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の船団を、スリランカ政府海軍が阻止。 LTTE兵士17人が死亡

北部州西岸のマンナル県で、LTTEとスリランカ政府軍との交戦。 LTTE兵士約12人が死亡、6人が負傷。 政府軍兵士3人が負傷

ユニセフが、外国人スタッフと地元スタッフの一部を事業から撤退させることを決定。 スリランカ政府による「ユニセフは組織の任務を無視し、権限を越えた業務をしている」という批判を受けてのもの。
スリランカ政府は、LTTEの覆面組織とされるタミル復興機構 (TRO) に対してユニセフが資金提供をしていたとの疑惑を調査するよう命令
2007.11.24 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、民族紛争によって死亡した2万人近くの兵士を追悼する式典を準備
LTTEの発表した文書によると、1982年11月に最初の死者が出て以来、19,887人の兵士が死亡したとのこと。 そのうち343人 (93人が女性) が自爆部隊所属、950人が2007年の死者
2007.11.26 国防大臣 (Defense Secretary) のゴタバヤ・ラジャパクサ (Gotabhaya Rajapaksa) が、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) リーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) の53回目の誕生日 (11月26日) に際して、「今日がプラバーカランの最後の誕生日になろう」と発言
2007.11.27 スリランカ政府空軍が、北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) 県のティルウィヤル (Thiruviyar) にあるタミル・イーラム解放のトラ (LTTE) のラジオ局である「トラの声」 (Voice of Tigers, VOT) 放送局を空爆し、完全に破壊。 プラバーカランの演説の前

LTTEリーダーのプラバーカランが、毎年恒例の「英雄の日」 (Hero’s Day) の演説を実施
「シンハラ人国家 (Sinhala nation) はタミル人国家 (Tamil nation) を破壊しようとしている」としたうえで、スリランカ政府を「大量虐殺政府 (genocidal government) 」と呼び、「本質的に熱狂的愛国主義者 (chauvinistic) でアンチ・タミル (anti-Tamil) であるシンハラ人政党に、政治的な解決策の提示を期待することは不可能」と断言。 「タミル人国家を破壊しようと企む者は、自らが破壊されることに直面することを余儀なくされるであろう」と宣言。 さらに、国際社会に対してスリランカ政府に対する関与の仕方を変えるよう要請し、「今日の世界は、かつてインドがコロンボに対して行った過ちを犯しつつある」と指摘

本年10月までの10ヶ月間にスリランカを訪れた観光客数が、前年の同時期に比べて20%減少したとの発表。 それにともなう観光収入の減少は16%。 スリランカにとって観光業は、衣料品輸出、出稼ぎ労働者からの送金、紅茶輸出に次ぐ4番目の外貨収入源
2007.11.28 イーラム人民民主党 (Eelam People's Democratic Party, EPDP) のリーダーであり、社会福祉省大臣 (Minister for Social Welfare) でもあるデワナンダ (Douglas Devananda) が、コロンボ (Colombo) のオフィス付近で発生した、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による自爆テロの難を辛うじて逃れる

コロンボ近郊のヌゲゴダ (Nugegoda) にある服飾店の前で、小包に入った爆弾が爆発 (夕方6時頃)。 民間人19人が死亡、35人が負傷。 LTTEによる犯行と思われる
2007.11.30 スリランカ政府が、コロンボにおける自爆テロと爆弾事件を念頭におきつつも、タミル・イーラム解放のトラを非合法化するつもりはないことを表明

国防省報道官のランブクウェッラ (Keheliya Rambukwella) は、「非合法化を考えていない。我々は、和平への門戸を開いておきたい」と語る
2007.12. 1 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県アダンパン (Adampan) 南方で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍が激しい戦闘。 LTTE兵士約23人が死亡、57人が負傷。 政府軍兵士3人が死亡、20人が負傷

北部州のワウニヤ (Vavuniya) 県のペリヤパンティチュリッチャン (Periyapantichurichchan) 地域で、LTTEとスリランカ政府軍が交戦。 LTTE兵士20人が死亡、25人が負傷。 スリランカ政府軍兵士9人が負傷
2007.12. 2 コロンボ (Colombo) とその近郊において、12月1日と2日に、非常事態の取り締まりによって2000人以上のタミル人が逮捕される
2007.12. 3 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県アダンパン (Adampan) 南方で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍が激しい戦闘。 LTTE兵士約35人が死亡、同数が負傷。 政府軍兵士6人が死亡、20人が負傷
2007.12. 4 ジャフナ (Jaffna) 県のキラリ (Kilali) の前方防衛ライン (Forward Defence Line) で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍の激しい戦闘。 LTTE兵士 10人が死亡、多数が負傷。 政府軍兵士2人が死亡、3人が負傷

北部州のワウニヤ (Vavuniya) 県のムッリクラム (Mullikulam) 地域で、LTTEとスリランカ政府軍の激しい戦闘。 LTTE兵士 11人が死亡

北部州のワウニヤ県パラッパカンダル (Parappakandal) でLTTEとスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士10人が死亡

爆弾事件以降の週末にかけて、2184人が治安部隊 (security force) によって逮捕され、そのうち1800人は尋問後に釈放され、360人が現在も拘留中との国会報告
2007.12. 5 北中部州 (North Central Province) のアヌラーダプラ (Anuradhapura) 県パダウィヤ (Padaviya) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による、旅客バスを狙った地雷攻撃。 民間人15人が死亡、23人が負傷
2007.12. 6 スリランカ国会が、非常事態令 (state of emergency) の1ヶ月の延長を決定。 スリランカは、2005年8月のカディルガマル外相暗殺事件以来、非常事態宣言下におかれている
2007.12. 7 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県ナッリックラム (Narrikkulam) 地域で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。  LTTE兵士17人が死亡、18人が負傷
2007.12.11 北部州西岸のマンナル県アダンパン (Adampan) 南方で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍の激しい戦闘。 LTTE兵士20人が死亡、30人以上が負傷。 スリランカ政府軍兵士3人が死亡

ボゴラガマ (Rohitha Bogollagama) 外相が、「スリランカ政府は、LTTEとの和平交渉に先んじて停戦協定を遵守するつもりはない」と発言
2007.12.12 ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、「スリランカ政府軍の攻撃によるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) に対する攻撃は、LTTEを和平交渉の座に引き出すことを目的としたものである。 東部地域と北部地域におけるここ数ヶ月の作戦は、LTTEに対する圧力をかけると同時に、LTTEのテロの掌中から民間人を解放するためのものでもある」と発言
2007.12.13 北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) 県のパラヤナクラム (Parayanakulam) 北方で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士11人が死亡
2007.12.14 2008年度の予算案が、47票差で国会を通過。 国防費は、前年度に比べて約20%増

北部州西岸のマンナル (Mannar) 県アダンパン (Adampan)南方で、 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士10人が死亡、スリランカ政府軍兵士1人が負傷
2007.12.16 Nation紙が、「タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) のリーダーであるプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が、スリランカ政府空軍の空爆により負傷、現在では完全に回復している」と報道
2007.12.18 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士と思われる者が、東部州 (Eastern Province) のトリンコマリー (Trincomalee) 県カンタレ (Kantale) において、300人の乗客が乗った列車を狙い、地雷攻撃。 エンジン部が損傷したものの、死傷者はゼロ
2007.12.19 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県ナッリックラム (Narrikkulam) 地域で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士11人が死亡

スリランカ政府が、LTTEリーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) がスリランカ政府空軍の空爆 (11月26日) により負傷したことを公式に認める見解を発表
2007.12.20 11月2日に偽造旅券所持の疑いでイギリスで逮捕されたTamileela Makkal Viduthalai Puligal (TMVP) のリーダーであるカルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が、戦争犯罪の容疑で調査を受ける予定。 また、カルーナ大佐は政治的亡命を希望しているとも
2007.12.22 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県で、 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士22人が死亡、12人が負傷。 政府軍兵士1人が死亡、6人が負傷

北部州のワウニヤ (Vavuniya) 県ペリヤパンチャンクラム (Periyapanchankulam) にあるLTTEの基地 (通称ベトナム基地 [Vietnam Base]) を、スリランカ政府軍が確保
2007.12.23 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) が、 スリランカ政府空軍の空爆 (11月26日) によってLTTEリーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) が負傷したとする報道を否定
2007.12.24 治安部隊 (security force) が、北部州 (Northern Province) のワウニヤ (Vavuniya) 県から北部州西岸のマンナル (Mannar) 県にかけて、マドゥ (Madhu) 道路沿いのタンパナイ (Thampanai) 市を確保しつつ、前進。 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の兵士は撤退
2007.12.26 スリランカ政府海軍と政府空軍が共同で、北部州西岸のマンナル県北方のウェディタルティフ (Vedithalthivu) からデルフト (Delft) 諸島に向かう16隻からなるシー・タイガー (Sea Tiger) を攻撃し、6隻を破壊。 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 兵士40人が死亡。 政府軍兵士12人が行方不明

北部州西岸のマンナル県アダンパン (Adampan) 南方で、 LTTEとスリランカ政府軍の激しい戦闘。 LTTE兵士15人が死亡、19人が負傷。  政府軍兵士2人が死亡、12人が負傷

ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領が、「LTTEに政治的解決策を模索させるようにし向けることなしに、北部東部の問題についての政治的解決策を一方的に議論してみても無意味である」と改めて表明
2007.12.27 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県ペルヤクリッタクラム (Periyakurittakulam) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士10人が死亡

労働省大臣 (Minister of Labour) のシルワ (Mervyn Silva) が、放映されたニュース映像にシルワ自分があまり映っていなかったことに苦情を言うために国営テレビ局に「乱入」し、取り巻いたメディア関係者によって撃退される。 シルワは、タミル人に対する差別的な言動と、メディアに対する批判的な言動で知られる人物
2007.12.28 ウィクラマナヤケ (Ratnasiri Wickremanayake) 首相が、「我が国は、2008年を、テロリストが徹底的に打ち負かされ (comprehensively defeated) 、完全に除去された (totally eliminated) 年として祝うことができるであろう」と発言.

国防大臣 (Defense Secretary) のゴタバヤ・ラジャパクサ (Gotabhaya Rajapaksa) が、「タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) を公式に非合法化し、LTTEとの停戦協定 (Ceasefire Agreement) を破棄しさえすれば、スリランカ政府は、タミル人の不満を解決するための新たなスタートを切ることができる」と発言。 また、「プラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) は11月26日の空爆によって死亡しているかも知れない」とも発言
2007.12.29 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県パラッパカンダル (Parappakandal) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士33人が死亡、38人が負傷。  政府軍兵士6人が負傷

スリランカ政府軍司令官 (Army Chief General) のフォンセカ (Sarath Fonseka) が、「治安部隊 (security force) がLTTEの前方防衛ライン (Forward Defence Line, FDL) を制圧し、ワンニ (Vanni) のLTTE基地を全方向から包囲している」と発表。 あわせて、「スリランカ政府空軍があらゆるLTTEの基地を空爆する予定である以上、プラバーカランが6ヶ月後に生き残っている保障はない」、さらに「政府軍の目標は、1日に少なくとも10人以上のLTTE兵士を殺害することである」と発言
2008年
2008. 1. 1 統一国民党 (United National Party, UNP)の国会議員であるマヘスワラン (T. Maheshwaran) が、コロンボ (Colombo) のコタヘナにあるヒンドゥー寺院 (Sivam Kovil [Temple of Lord Shiva]) にお参り中に、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) と思われる者によって暗殺される

国防大臣 (Defense Secretary) のゴタバヤ・ラジャパクサ (Gotabhaya Rajapaksa) が、「LTTEは、兵士のリクルート数の急激な減少と、武器弾薬の深刻な不足によって行き詰まっている」と発言
2008. 1. 2 スリランカ政府が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) との停戦協定 (Ceasefire Agreement) を破棄することを決定

ウィクラマナヤケ (Ratnasiri Wickremanayake) 首相が、閣議において、停戦協定を破棄することを提案

政府報道官のランブクウェッラ (Keheliya Rambukwella) は、その理由について、「LTTEが和平交渉の座に戻ってくるという確証がないままに停戦協定を維持し続けることは無益である」と発言

この停戦協定は、2002年2月22日に、当時の国民統一戦線政府 (United National Front government) とLTTEとの間で結ばれたもの

ジャフナ (Jaffna) 県のキラリ (Kilaly) で、LTTEとスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士10人が死亡、30人が負傷。 政府軍兵士2人が死亡、6人が負傷
2008. 1. 3 内閣報道官のヤパ (Anura Priyadarshana Yapa) が、「スリランカ政府による停戦協定破棄の決定は、政策的な判断にもとづいたものであり、平和的な交渉にもとづく政治的な解決への扉は開かれたままである」と発言

スリランカ政府が、停戦協定を破棄する旨をノルウェイ政府に対して公式に通達。 ボゴラガマ (Rohitha Bogollagama) 外相が、在スリランカ・ノルウェイ大使のハットレム (Tore Hattrem) に書簡を手渡す
2008. 1. 5 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県パッラマドゥ (Pallamadu) で、スリランカ政府軍の Deep Penetration Unit の設置した地雷により、LTTE情報部門 (Liberation Tigers Military Intelligence) リーダーである通称チャールズ大佐 (本名は Shanmuganathan Ravishankar) が死亡

北部州西岸のマンナル県パラッパカンダル (Parappakandal) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士20人が死亡、多数が負傷
2008. 1. 8 コロンボ (Colombo) 近郊で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 兵士と思われる者による地雷攻撃により、国家建設省の閣外大臣 (the non-Cabinet Minister for Nation Building) であるディサナーヤカ (D.M. Dissanayake) が暗殺される
2008. 1. 9 東部州 (Eastern Province) のバッティカロア (Batticaloa) 県のシャウカデ (Shaukade) 近郊で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の東部地域リーダーであるシャンカー (Shanker) が、特殊部隊 (Special Task Force) 兵士によって射殺される

北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県パラッパカンダル (Parappakandal) 地域で、LTTEとスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士19人が死亡、30人以上が負傷

北部州西岸のマンナル県ムッリクラム (Mullikulam) 地域で、LTTEとスリランカ政府軍の戦闘。 LTTEの高官カラナダン (Kalanadan) を含むLTTE兵士10人が死亡。 スリランカ政府軍兵士1人が負傷

インドのシン首相 (Manmohan Singh) が、2月4日に開かれるスリランカ独立60周年の式典に参加しないことを公式に表明
2008. 1.10 米連邦捜査局 (FBI) が、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) を「世界で最も危険かつ極度の過激派組織のひとつ」と規定し、アル・カイーダと同様の国際的なネットワークを持っている組織として注意が払われるべきであるとするの旨の報告書 (Taming the Tigers) を発表

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、スリランカ政府による停戦協定 (Ceasefire Agreement) の破棄を受けて、1月16日に任務を完了して帰国することを発表
2008. 1.11 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県パラッパカンダル (Parappakandal) 地域で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士13人が死亡

北部州のワウニヤ (Vavuniya) 県ウィッラッティクラム (Villattikulam) 地域北方で、LTTEとスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士13人が死亡、10人が負傷

メディア省大臣のアベイワルダナ (Lakshman Yapa Abeywardana) が、「停戦協定の破棄は、外国からの援助の流入に影響しないであろう。 スリランカ政府は停戦協定を遵守すべく努力してきたのにもかかわらず、LTTE がテロ活動に従事し続けてきたからだ」と発言
2008. 1.12 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県パッリクリ (Pallikuli) で、.タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍が交戦。 LTTE兵士15人が死亡。  スリランカ政府軍兵士1人が死亡、5人が負傷
2008. 1.13 日本政府和平特使の明石康が、コロンボ (Colombo) に到着。 スリランカ政府と、停戦協定の破棄について協議するための来島

スリランカを支援するために開催された東京支援国会議 (Tokyo Donor's Conference) の共同議長国 (日、アメリカ、EU、ノルウェイ) が、公的な和平交渉仲介役をノルウェイが務めること、北部州 (Northern Province) のキリノッチ (Kilinochchi) にあるタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) 本部へのアクセスを共同議長国に保障すること、をスリランカ政府に要請

スリランカ政府軍司令官 (Army Chief General) のフォンセカ (Sarath Fonseka) が、「私の任期は今年で切れるが、この戦争を次の司令官に引き継ぐ気はない」と発言。 フォンセカが司令官に就任したのは2005年12月、ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領の就任後
2008. 1.15 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) 政治部門リーダーであるナデサン (P. Nadesan) が、「スリランカ政府は数ヶ月のうちに我々を一掃すると誓ったが、我々は決して負けることはない」とBBCのインタビューに答えて発言。 「我々は、30年におよぶスリランカ政府との闘争の間に、同様の声明を幾度も聞いてきた」とも
2008. 1.16 ウワ州 (Uwa Province) のモネラガラ (Moneragala) 県ブッターラ (Buttala) で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による旅客バスを狙った地雷攻撃。 さらに、爆発後に逃げ惑う人々に対する銃撃。 子ども・女性を含む民間人27人が死亡、66人が負傷

LTTEの東部州 (Eastern Province) トリンコマリー (Trincomalee) 南方方面のリーダーであるアリチェルワム (Arichelvam) が、パッチャノール (Pachchanoor) においてスリランカ政府軍兵士によって射殺される

スリランカ政府が、「LTTEリーダーのプラバーカラン (Velupillai Prabhakaran) を、平和をもたらすために殺害することを決定した」と発表。 ただし、「LTTEとの和平交渉の扉は閉ざさない」とも
国防省報道官のランブクウェッラ (Keheliya Rambukwella) は、「プラバーカランが白旗を振る用意ができていれば、我々はその提案を考慮するための窓を開けておいてやるが、もしもそうでなければ、スリランカに平和をもたらすためにプラバーカランを殺すことを決定した」と発言

停戦監視団 (Sri Lanka Monitoring Mission, SLMM) が、19:00をもって任務を終了し、スリランカから撤退。 プレス・リリースの最後の文章は、「To the people of Sri Lanka; Thank you and farewell」
2008. 1.18 北部州 (Northern Province) ワウニヤ (Vavuniya) 県のプッリッパンキヤルクラム (Pullippankiyarkulam)、ウィラッティクラム (Villattikulam)、ジャナカプラ (Janakapur)地域で、 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。  LTTE兵士10人が死亡

スリランカ政府軍が、北部州西岸のマンナル (Mannar) 県パッリクリ (Pallikuli) 地域にある、LTTEの3つの拠点を制圧。 LTTE兵士9人が死亡
2008. 1.21 ジャフナ (Jaffna) 県のナガルコウィル (Nagarkovil) とムハマライ (Muhamalai) 地域で、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) とスリランカ政府軍の戦闘。 LTTE兵士15人が死亡、30人が負傷
2008. 1.22 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県パッリクリ (Pallikuli) で、.タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍が交戦。 LTTE兵士10人が死亡
2008. 1.23   全政党代表者会議 (All Party Representaive Committee, APRC)が、民族紛争を解決するための地方分権案の中間報告を、ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領に提出
第13次憲法改正条項を完全かつ真摯に実施すること、すなわち、東部州 (Eastern Province) において州評議会選挙を実施すること、および、北部州において暫定的な州評議会を設置することが提案される
2008. 1.24   スリランカ警察が、北中部州 (North Central Province) のアヌラーダプラ (Anuradhapura) 県キリケトゥウェワ (Kiriketuwewa) の湿地で、若者の死体16体を発見。 タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の犯行と思われる
2008. 1.25   Tamileela Makkal Viduthalai Puligal (TMVP) のリーダーであるカルーナ大佐 (通称はColonel Karuna) (本名は、ムラリタラン [Vinayagamoorthy Muralitharan]) が、英国裁判所から9ヶ月の懲役刑を宣告される。カルーナは、昨年11月2日にロンドンで、偽造パスポートによる入国の科で逮捕されていた
2008. 1.27 北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県パントリチュリチャン (Pantrichurichan) で、タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) とスリランカ政府軍が交戦。 LTTE兵士10人が死亡、同数が負傷
2008. 1.29 北部州西岸のマンナ県マドゥ (Madhu) 近郊で、バスを狙った地雷攻撃により、タミル人の子ども11人を含む17人が死亡、14人が負傷。 LTTE寄りのウェブサイトであるTamilNetは、スリランカ政府軍による犯行と報道
2008. 1.30

タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の政治部門リーダーのナデサン (B. Nadesan) が、内戦を終結させるためにタミル人の主権を認めるよう要請する書簡を、国連事務総長に送付。 ラジャパクサ (Mahinda Rajapakse) 大統領とスリランカ政府軍とを非難する内容

北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県アダンパン (Adampan) 地域で、LTTEと治安部隊 (security forces) が交戦。 LTTE兵士10人が死亡

ジャフナ (Jaffna) 県のムハマライ (Muhamalai)、ナガルコウィル (Nagarkovil)、キラリ (Kilali) の前方防衛ライン (Forward Defence Line, FDL)  を、治安部隊が奪還。 LTTE兵士30人が死亡、負傷者多数。 治安部隊兵士7人が負傷

2008. 1.31  

日本政府の和平特使である明石康が、「このまま軍事的活動がエスカレートするようであれば、日本政府は援助政策を見直すことを余儀なくされるであろう」と発言。 日本は、スリランカに対する世界最大の援助国

ジャフナ (Jaffna) 県のティンナウェリ (Thinnaveli) で、タミル・イーラム解放のトラの犯行と思われる自爆テロ。 民間人3人が死亡、17人が負傷.

2008. 2. 1  

ジャフナ県ムハマライ (Muhamalai) の前方防衛ライン (Forward Defence Line, FDL) で、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) の戦闘。 LTTE兵士10人が死亡。 政府軍兵士2人が死亡、6人が負傷

2008. 2. 2   中部州 (Central Province) のマータレー (Matale) 県ダンブッラ (Dambulla) のバス停で、キャンディ (Kandy) からアヌラーダプラ (Anuradhapura) に向かうバスに対する地雷攻撃。 乗客20人が死亡、50人が負傷。 アヌラーダプラに巡礼に行く仏教徒が多数乗車。 タミル・イーラム解放のトラ (LTTE) によるものと思われる

北部州 (Northern Province) 西岸のマンナル (Mannar) 県のパラッパカンダル (Parappakandal) とワンナクラム (Vannakulam) 地域で、LTTEとスリランカ政府軍が交戦。 LTTE兵士10人が死亡.

2008. 2. 3 コロンボ (Colombo) のフォート駅 (Fort Railway Station) で、タミル・イーラム解放のトラの女性自爆兵士による自爆テロ。 12人が死亡、100人以上が負傷

コロンボ郊外のデヒワラ (Dehiwala) にある動物園で、手榴弾が爆発。 2人の子どもを含む民間人7人が負傷

2008. 2. 4   スリランカの独立記念日。 60周年にあたる

ウェリオヤ (Welioya) で、民間バスに対する、タミル・イーラム解放のトラ (Liberation Tigers of Tamil Eelam, LTTE) による地雷攻撃。 政府軍兵士5人を含む13人が死亡、17人が負傷
2008. 2.  
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 参考: TamilNet、 BBC News Southasia、 本ホームページのリンク集に掲げたニュース・ソース



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