ウェールズの春の処女神。全身が花の芽である。その美しさに隠れて見えないが、彼女は、じつは、聖王の生き血を吸って肥沃になりたいと願っている血に飢えた土の化身なのである。彼女はまた「血の結婚式」を体現したものでもあった。その結婚式ではリュー・ラウ・ギヘスが彼女の運命の花婿となり、脇腹を槍で刺されて死んだ。こうした運命に陥った者に、バルデル、イエス、クリシュナ、その他多くの者がいる。
彼の霊魂はワシとなったが、彼は再び人間として再生し、彼を殺したグロノウに翌年もう一度勝負をと挑んだ。ガーウェインGawainと緑の騎士、あるいは北欧のフレイとニヨルドと同じように、この二人の「流血の神々」は季節がめぐってくると、交互に、相手を生贄として殺した[1]。再化身したリュー・ラウは穴のあいた聖なる石を槍代わりにしてグロノウの脇腹を刺して殺した。
ブローデュウェッドのトーテム獣はフクロウであった。フクロウは知恵の鳥であり、月の秘儀の鳥でもあって、アテーナーAthenaやリリトのような古代の女神に添ったり、またそうした女神を表す鳥でもあった。しかし、中世の民間伝承では、フクロウはきまって魔女を連想させる鳥であった。彼女はまた西方にある楽園の島々に住む9つの相を持つ女神でもあった。別名をモーガンとも言い、死の老婆Croneと乙女の相がとけあっていた。彼女は、「わたしの中には9つの力が統合され、草や木の芽が9つある。わたしの指は海の9番目の波のように長く白い」と言った[2]。
Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)