虫草日誌 2003 年(5)


「花粉の飛ぶ日」パネルにテンペラ、油彩 199x年 334x212mm

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(左)トルビエラクモタケ(右)不明種

(左)コゴメクモタケ?(右)不明種

7月4日(金)

K川へ。大雨で増水している。6月17日に未熟だったクモ生虫草のうちトルビエラクモタケは完熟状態になっている。4、5体あったが一体持ち帰る。鉄橋の向こう側の三つの川筋を順に調べる。いつも行かない二つの川筋はやはりクモ生虫草が少ない。増水してして歩く場所がないので、川の中に入って調べる。アオキの葉裏にアブラムシの仲間から出ている不明虫草がたくさんついていた。6月23日に見つけたものと同種と思われる。5月13日に見つけて6月30日に無くなっていたものも同種だろう。今度は持ち帰って追培することにする。 さらに調べて、ツバキの葉裏についた寄主不明の虫草を見つけた。寄主がクモだとすればコゴメクモタケだろう。また、これもツバキの葉裏に非常に小さなクモ生虫草を見つけた。よくわからないが、ツツナガクモタケあたりか?



不明種

7月2日(水)

K寺へ。コメツキムシタケを見に行ったが子嚢果が少しできている。奥の朽木群を調べると毎年見かける淡黄褐色のコメツキムシ生ツブタケが今年もいくつか出ていた。一体を持ち帰って調べると、オイラセクチキムシタケ?に重複寄生していることがわかった。この日はアカヤマドリやヤマドリタケモドキがたくさん見つかったので持ち帰った。



不明クモ虫草

6月30日(月)

K川へ。S岳に向かう川筋を調べる。大雨が続いたのであちこちで崖崩れが起きており、根こそぎ倒れている木も多い。5月13日に見つけて継続観察していた気生の不明虫草を見に行ったが枝が折れて葉が落ちてしまっていた。虫草は見つからなかった。よくあることだが、変わった種類だったので残念。近くで見慣れないクモ生虫草を見つけた。始めは単なる未熟個体かと思ったが、ルーペで見ると一面微細な子嚢果で覆われていた。やや未熟だが、持ち帰る。ハガクレシロツブタケを調べたが、寄種のさなぎはたくさん見つかるものの虫草は付いていない。たまに付いていても子嚢果はできていない。さなぎと同種と思われる幼虫もたくさん見かけたので、まださなぎになったばかりなのだろう。 さらに進んで倒木群を調べた。昨年12月30日に見つけたものと同様の不完全世代の虫草を一体見つけたが他にはアリタケマユダマタケヒメクチキタンポタケぐらいだった。



コエダクモタケ

6月23日(月)

K川へ。昨年クモ生虫草が多かった川筋を調べる。今年も多い。コエダクモタケ(ミカンイロクモタケ)が10体ぐらい。うち数体が結実していた。他に白い菌糸に覆われたクモが数十体。未熟なクモノエツキツブタケやいろんなタイプのギベルラがあった。アオキの葉裏についたアブラムシから一本長いストローマが伸びているものが見つかった。もし完全世代だとすれば、なかなかの発見になるはずだ。採らずに継続観察にする。今日も二ケ所でカイガラムシキイロツブタケがみつかった。この辺りでは普通種と考えてよさそうだ。



オサムシタケ

6月20日(金)

不明のクモ生虫草を見つけたJ谷に行ってみる。かなり念入りに探したが変わったものは見つからない。一本だけカメムシタケが出ていた。今年初めてだ。あとはヒメクチキタンポタケ多数、ハチタケ3本ぐらいのところだ。

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