虫草日誌 2003 年(4)


「花粉の飛ぶ日」パネルにテンペラ、油彩 199x年 334x212mm

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気生のクモ虫草(左)ツブノガヤドリタケ(右)

6月17日(火)

K川へ。合流点の辺りを調べる。木や草の葉裏に白い菌糸に包まれた小型のクモがたくさん見つかった。コエダクモタケと思われるミカン色のものもいくつかあった。もちろんまだ未熟。子嚢果ができているものは一体だけ見つかった。非常に小さい。クモを調べているうちに、またも地上に落ちたシャクトリムシハリセンボンを見つけた。まだ未熟だが子嚢果ができ始めている。場所を変えてダム湖の上流を調べた。ハイイヌガヤの木があったのでカイガラムシキイロツブタケがついているかどうか調べようとしたら、ボロボロになったガの屍体が見つかった。よく見ると菌糸につつまれており、黄色い子嚢果が見える。ツブノガヤドリタケだ。そういえば前にも同じ種類の木についていたが、この木はよくつく木なのだろうか?カイガラムシキイロツブタケも見つかった。



アリのトルビエラ

6月12日(木)

K寺へ。今年初めてのクモタケが出ていた。コガネムシハナヤスリタケはだいぶ大きくなってきた。コメツキムシタケも少しふくらんできたがまだ子嚢果はついていない。今日の目的はイトヒキミジンアリタケアリのトルビエラ(アリノミジンツブタケというらしい)がどうなっているか調べることだ。イトヒキミジンアリタケはワイン色の新しいストローマを出し始めたものがいくつか見つかった。同じ木に胞子を出し終えて白っぽいものに包まれた個体があった。どうやら世代交代の時期らしい。その近くに白いツブをつけ始めたばかりのアリのトルビエラがあった。冬に見つけた黒いツブのものは古くなったものだったのだろう。



クモ生不明種

6月2日(月)

暑くもなくいい天気なので久しぶりにJ谷に出かける。途中の竹林わきにキヌガサタケが出ていた。台風で雨が降ったせいだろう。細流沿いの道脇の斜面を見ながら進む。枯れた花のような物がころがっていたので拾い上げてルーペで見ると、なんとクモ生の虫草だった。寄主は1cm程のクモだが、菌糸膜に被われておらず、淡黄褐色の子嚢果が直接体表や体節から出ている。もちろん今までに見たことはない。



シャクトリムシハリセンボン(左)ハチタケ(右)

カイガラムシキイロツブタケ

5月27日(火)

K川へ。S岳に向かう川筋を行く。いきなり今年最初のシャクトリムシハリセンボンを見つける。地上に落ちた状態のものを見るのは初めてだ。もちろん未熟。次いで今年2体目のオオセミタケを見つける。これも大型。さらにハチタケが見つかった。この日はその他にサナギタケハガクレシロツブタケヒメクチキタンポタケカイガラムシキイロツブタケなど多くの種類がみつかった。雨が多いせいか、順調に出てきているようだ。



オサムシタケ

5月19日(月)

所用で東京に行ったついでにオサムシタケを見てみようと思い、渋谷区の神社に行く。小雨が降る中を傘をさして見て廻る。なかなか見つからなかったが、白い虫ピン状のものが2mm程地上に出ているのを見つけ、掘ってみると幼虫生の>オサムシタケが出てきた。その後、数体見つけたが、いずれも幼虫生だった。昨年、一昨年はもっと遅い時期に行ったが、全て成虫生だった。数体を持ち帰って追培することにする。

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