古瓦にさまざまな想い

古瓦 大佛瓦師

古瓦 先日、店の入口の雰囲気を変えようとあれこれ考えておりましたところ「古瓦」を使うことを思いつきました。早速、瓦屋さんの住所をメモして瓦探しに出かけましたら、途中で葺き替え中のお寺さんが目に留まり、たまたま昼の休憩中でしたので、檀家ではないためらいを感じつつも何か瓦を知る話が聞けないものかとお伺いさせて頂きました。 そんなきっかけで出会ったのが写真の瓦ですが・・・


この瓦はおよそ150年前のものです。単純に遡ればペリー来航の時代です。屋根の上で時代を重ね、多くの出来事に遭遇してきたのでしょう。同じものは二条城永観堂 そして佛光寺にしかなく、瓦に刻印されております大佛瓦師 福田甚太夫という職人さんは、収めている寺からも推測できますように、名の通った瓦職人であったそうです。大きな寺に収める瓦ですから、職人の腕の見せ所でもありますし、かといって私的な表現は挿むことのできないもの。後世に伝える使命感のようなものがあったと思われます。


現代の技術と違って窯の火の回り具合も違い、5段並べた中の焼具合の良い2段のみを使ったそうですが、今の瓦事情を知る人からすれば見当もつかない程、根気のいる仕事だったでしょう。

愛・地球博にて

愛・地球博
こちらは愛知万博で見た瓦の扱われ方のいろいろです。


ガラス・置石・苔・水などを採り入れ、屋根の上とは一味異なった造形で、見事に周囲と調和しておりました。





よみがえる瓦

瓦再活工法&京瓦道 株式会社國陽 京都にあるこの会社の技術は、粘土瓦を多くのメリットと共に再生しています。古瓦から再生される製品は、瓦墨茶碗布製品舗装材など、多岐に亘っています。


話はそれますが、以前に祇園祭の巡行後、解体されている山の真木を外国の方が分けて欲しいと懇願されました。どういったことに使われるのか問いますと、「この木でステンドグラスを焼いてみたい」との事。関係者はその熱意に応えておられましたが、そのアーティストの方は長年の思いが叶ったらしく、「きっと素晴らしい作品ができるわ!」と興奮気味でした。


ふとこんな事を思い出したのも、古瓦から再生される瓦墨と和紙で書をかけばどうなるだろうと想像したり、 愛・地球博のように、瓦そのものが織り成す曲線や直線美の瓦道が出来ればどんな気持ちかな・・・とちょっぴり興奮気味?になったからです。


瓦再活工法&京瓦道 株式会社國陽