ホーム 医療 高齢者福祉 芸術,哲学 京都伏見・宇治
随想 シュワィツァ−・緒方洪庵 ギャラリ 検索リンク集


随想 

平成10年9月分 10月分 11月分 12月分 

平成11年1月分 2月分 3月分 4月分 
5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分

平成12年1月  2月分  3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 

平成13年1月 2月分  3月分 4月分 5月分 6月分 7月分  8月分 9月分10月分11月分 12月分 

平成14年1月分  
2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分  8月分 9月分 10月分 11月分 12月分

平成15年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分

平成16年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分  6月分  7月分  8月分 9月分 10月分11月分12月分

平成17年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分  10月分 11月分 12月分

平成18年1月分 2月分 3月分 4月分  5月分 6月分 7月分 8月分  9月分 10月分 11月分 12月分

平成19年1月分 2月分 3月分  4月分  5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分

平成20年1月分


 





師走になって





十二月は一年のうち,寒くて一番あわただしい季節である。地球温暖化とはいうものの,さすがに12月は寒い日が続く。

どうしても寒いと,家に閉じこもりがちで,外出する時間が少なくなってくる。

暖かく感ずる日を選んで出きるだけ外出することにしているが,行く場所は限られている。

寺院や神社を散歩することは少なく,大きな店舗の中をぐるーと廻って商品を眺めながら歩くのが普通になった。

京都国立博物館  京都市立美術館・宇治植物園などを巡ることもある。

京都国立博物館は一階は大体同じ展示品で展示代えが少なく,二階は展示物がよく替わるので興味をもって鑑賞している。

それに一階の奥の方には,ハイビジョンテレビによる展示物の解説がされていて大変勉強になつて面白い。

個人的に家族の歴史を調べたりもするが,あまりにはかどらない。昔の人を探し出すのは大変だ。

最近は個人保護法とかで個人的なことは何処もあまり教えて話してもらえなくなってきている。

父方の方は初代から大体に調べたが,母方の方は調べ始めたところである。新しい関係がわかってきだした。

昔は,親の因縁による縁組が大きい要素だが,最近は恋愛結婚が多くなって思わぬ人たちの出会いがあるようだ。

内政面では福田さんは穏かで,安部さんのような右派的で戦前回帰のような政策をされないので

その点では安心しておられる。

でも年金調査で公約が違犯しているかどうかの質問の答えは責任政党の党首として

どうかと思うこともある。

一人で全て把握して実行できないから,信頼できる閣僚を選任すべきだが,続き安部首相の選んだ閣僚を継続して任命している。

奇抜なことを発言・実行するような人には福田首相の性格には似わわないのではないだろうか。

自民党に二世 三世議員が多くいること自体が異常なことである。

アメリカのブッシュもそううだ。政治に適している人物がそんなに家系で代々つづくはずもないのだが。

政治が全ての社会現象のあらゆる部門で良し悪しを方向ずけている。政治が悪ければ世の中はよくならない。

政治が悪ければその分野は沈滞したままである。庶民は大きなメカニズムの中で暮らさなければならない。

要領よく立ち回る人と,そのようなことが出来ない人がいる。

どちらをとってみても,一生は一生である。でも自分としては要領よく立ち回る人に対し抵抗感を感ずる。

出来るだけ人に迷惑かけず,人の助けになればとは思っているが。

昔の義民のような自己犠牲を払ってまで天下国家のために働くようなことはできない。

そのところが凡人と偉人との,一番の違いなのかもしれない。

お隣の韓国での大統領選挙で大阪生まれの韓国人 現代社長をしていて ソウル市長野党ハンナラ党の李明博氏がなり,

福田首相は早速電話で会談、日韓関係の強化、北朝鮮の核問題解決に向けた連携強化で一致した。

また、首相は李氏の早期訪日を招請、同氏は「できるだけ早期に会いたい」といっている。

圧倒的な人気で゛李明博氏が他の二人の大統領候補を抑え当選している。だが投票率は今まででのうち最低ともいわれているが

60%以上はあった。日本で最近の選挙で特に都会では投票率は特に低い。

やはりフランスのような遠方の大統領選挙と違って,近くの韓国の政治変動には関心度が高まる。

当然といえば当然のことであるが。隣国とは仲良くしてゆきたいものである。

パキスタンではプット元首相の大統領候補が暗殺されている。狙撃され自爆テロによつて殺された。

此処にもアメリカの影響が及んでいる。

世界のあらゆる出来事にアメリカが関与しない事件はない。

パキスタンは核保有国である。そのような不穏な国に核が存在すること自体が世界の,地球の破滅につながりかねない。

世界中の核廃棄と国連での管理が徹底させるべきである。だが国連の活動はあまり目立たない。









日本航空の客室乗務員約200人が、
最大の労働組合と会社に
損害賠償を求める裁判を起こした







平成19年12月1日の天声人語よりの引用

全日空の機長だった作家の内田幹樹(もとき)さんが、客室乗務員を束ねるチーフパーサーの重要性を説いている。

「彼女がしっかりしていると、こちらは安心して操縦できる」。

逆だと、フライト全体の雰囲気がぎくしゃくするそうだ(『機長からアナウンス』新潮文庫)

▼客室と操縦席、整備と運航、後方と一線。

空陸の労働力が一つになって、雲上の旅はつつがなく完結できる。

嗚呼(ああ)それなのに、である。

日本航空の客室乗務員約200人が、最大の労働組合と会社に損害賠償を求める裁判を起こした。

原因は「監視ファイル」だ


▼この労組がこっそり集めた約1万人の個人情報にはたまげた。

男好き/合コン狂い/流産2回/生理休暇を毎月とる/おでぶ/酒好き/スタイル抜群……。

情報というより、下品な世間話の類(たぐい)だろう

▼思想調査まがいの記述、上司しか知り得ない査定や病歴も含まれていた。

会社は、労組に情報を流した管理職ら25人を処分したものの、組織ぐるみは否定する

▼日航に八つもある労組の中で、訴えられた組織は会社寄りという。

ファイルは組合員の相談や勧誘のためというが、会社に物言う他の労組を切り崩す、労使合作の作戦資料にも見える。

裏で密告が飛び交う職場は寒々しい

▼制服姿でビラを配る原告に、共感と若干の不安を覚えた。

彼女たちは、上司や同僚への不信を抱えたまま飛んでいるのだろうか。

乗客の命を預かる保安要員を、地上の雑念で「うわの空」に追いやってどうする。

1年前、天国へと離陸した内田さんも嘆くはずだ。





労使対立したような飛行機には乗りたくないと思うのは誰の気持ちも一緒だと思う。

だがそのような飛行機には乗らないのが一番だが,そのようにはいかない。

となると早く労使の絆を完全なものにして欲しいものである。








明治6年以来の日時と曜日はいまも続いて、
書店や文具店に新しい年のカレンダーがならぶ。
時を見た人はいないけれど、
それらは、来年という時間の「量」を
視覚的に実感させてくれる






平成19年12月2日の天声人語よりの引用


年齢を重ねるにつれて、光陰は、ますます矢の如(ごと)くに感じられる。

気がつけば今年も、はや師走である。

歳暮を贈り、賀状を書き、家のほこりも払わねばならない。

勤め先では、年内が期限の仕事あり、忘年会あり。

納めのあいさつに得意先をまわる人も多いだろう

▼猫の手も借りたい師走が、たった2日しかなかった年がある。

1872(明治5)年だ。旧暦から太陽暦に改暦され、あす12月3日が明治6年1月1日になった。

つまり、きょうが「大みそか」だったことになる


▼太政官布告で知らせたのは20日ほど前という。

突然の改暦に国中が混乱した。

唐突さの理由は、落とし話さながらだ。

旧暦の明治6年には「うるう月」があった。

役人の月給を13回払わなくてはならない。

財政が火の車だった明治政府のお偉方は頭を抱えた

▼そのとき、改暦すれば12回ですむと考えた知恵者がいたらしい。

12月の月給も2日しかないからと棚上げし、2カ月分の人件費を浮かせたというから、敵もさるものである。

政府に尽くし、民を惑わせる能吏の先駆けだったかもしれない

▼明治6年以来の日時と曜日はいまも続いて、書店や文具店に新しい年のカレンダーがならぶ。

時を見た人はいないけれど、それらは、来年という時間の「量」を視覚的に実感させてくれる

▼しかしながら「質」は見えない。


油断をしていると、手持ちの「時の財布」から、羽が生えたように、無為な時間が飛び去ってしまう。

暦や手帳を眺め、新しい年を流れる時に思いをいたす師走でもある。




明治五年というと祖父の生誕年で゛もある。旧暦から太陽暦に変り12月は二日しかなかった。

面白い年もあったものだ。 年月は途絶えることはなくとも,カレンダーの発売されての年月は途絶える可能性はある。

核戦争により地球が消滅するときである。








出勤途中に電車内の「咳(せき)エチケット」を観察してみた








平成19年12月3日の天声人語よりの引用


風邪のはやる東京で昨日、出勤途中に電車内の「咳(せき)エチケット」を観察してみた。

日曜だが、立っている人も多い。

若い男性がつり革を握ったままゴホゴホやっている。

口を手で覆わないから、前に座った人は頭の上から咳を浴びている

▼大きく咳(せ)き込んだのは、端に座る高齢の男性だ。

やはり口はノーガードだから、かなりの飛沫(ひまつ)があっただろう。

目に見えなくても数メートルは飛ぶそうだ。

咳のことを古く「しわぶき」と称したが、言い得て妙である。

電車の中は、野放図なしわぶきが随分目立つ

▼この冬、インフルエンザが異例に早く流行している。

国立感染症研究所の感染症情報センターによれば、

定点調査の患者は調査を始めた87年以降で最も多い。

年内に本格的な流行になると心配されている

▼かからない用心は無論だが、うつさない配慮も欠かせない。

「咳エチケット」は、そのために厚労省が呼びかけた。

咳の際はティッシュなどで鼻と口を押さえる。

ティッシュはふた付きのゴミ箱に捨てる。

症状があればマスクを着用する。


三つの心得で効果は上がるそうだ

▼インフルエンザの名を日本人が知ったのは、遠く明治の中ごろという。

庶民はもっぱら「お染風(そめかぜ)」と呼んだ。

『修禅寺物語』の作家岡本綺堂(きどう)は、

「猛烈な流行性を持つ恐るべき病に、愛らしい名を与えたのは江戸っ子らしい」と随筆で回想している

▼その綺堂も老父をインフルエンザで亡くした。

お年寄りや子どもには今も怖い病気だ。

うつさないのは、「配慮」というより「責任」だと心得たい。





インフルエンザは恐ろしい。タミフルという薬が発売されだしても出来るだけ予防に努めるべきである。

インフルエンザワクチンは接種しておくべきで,老人子供の場合は余計に必要だ。

体力のあるものは風邪ですませるが,体力ない者には症状が激しく死につながる場合もある。

「咳エチケット」とよりもまず休暇をとり外出しないことだ。

でもどうしても風邪では,熱があり咳が出ていても人が足りないので休めない人がいる。

そちらの方が大きな問題である。








米大統領選は、民主、共和両党の
候補者指名レースの号砲まで1カ月を切った。







平成19年12月4の天声人語よりの引用


アメリカといえば男女平等の鑑(かがみ)に思われがちだが、さほど単純ではない。

制度上の差はなくても、男性の心の中には屈託もある。

先日も、かの国のコラムニストが話題を紹介していた

▼「女性が有能で交際相手より収入が多いとき、相手に知られると反感を買う。

だから収入を隠すか、そんな問題が起きないように、かなり年上の男性と付き合う傾向がある」。

そして、ヒラリー・クリントン上院議員も有能さを隠すべきか?と読者に投げかけた(ニューヨーク・タイムズ)

▼米大統領選は、民主、共和両党の候補者指名レースの号砲まで1カ月を切った。

注目の大一番で、大統領に最も近いと目されるのがヒラリー氏である。

同じ民主党の候補も、敵する共和党も、彼女を負かそうと懸命だ

▼その本命を悩ますのが、「ヒラリー嫌い」の多さだという。

リベラルな政治姿勢は、右派には敵(かたき)のようなものだ。

野心的、節操がない、などとレッテルも多い。

加えて、女性上司に男が抱く類(たぐい)の屈託が、「嫌い」の温床になっているらしい

▼「聡明(そうめい)な女性は生まれながらに数百万の敵がある」という格言を思い出す。

言葉は、「それらはすべて愚かな男たちだ」と続く。

愚かかどうかは置いて、自由の女神の下でも、理想に心が追いつくには時間がかかる

▼民主党の候補者指名でヒラリー氏を追うのはオバマ上院議員。

こちらはアフリカ系(黒人)だ。

これまでの米大統領42人は白人男性が占めてきた。

2人の登場で次の選挙は、そうでない大統領の誕生にかつてなく近づいた。





世界の指導者をアメリカ国民だけで行われている。ブッシュはいなくなるだけでも世界は

明るくなるものと期待したいものである。







生活語とは耳慣れないが、土地土地の方言をはじめ、
俗語や職業語など、暮らしの中で使われる言葉をさすそうだ







平成19年12月5日の天声人語よりの引用

関西に住む知り合いの詩人から、「生活語」でつづった詩集を送ってもらった。

生活語とは耳慣れないが、土地土地の方言をはじめ、俗語や職業語など、暮らしの中で使われる言葉をさすそうだ。

北から南まで、121人の詩人の作品を載せている

▼〈此(こん)の家(ち)に嫁いで来んしたとき/まずは 玄関先で/一升ますの湯呑(のみ)の水を飲めんした/

此の家の水の飲み始めですんにゃ/一生飲みますという/花嫁の誓いでごぜんす……〉(「敷居またぎ」岡崎純)。

北陸は敦賀の言葉だという。

共通語に言い換えれば消える、彫りの深い言葉が連なっている

▼「(宮崎を)どげんかせんといかん」。

宮崎県の東国原知事が叫び続けたお国言葉も、共通語にない魅力を宿していたのだろう。

あれよあれよと人口に膾炙(かいしゃ)し、今年の「新語・流行語大賞」に選ばれた

▼24回目になるが、方言が選ばれるのは珍しい。

危機感にかられた窮余の言葉が、思いがけず羽ばたいた格好だ。

ともあれ、「選ばれたのは地方からの魂の叫びが届いたから」と知事はご満悦だ

▼だが悲しいかな、手持ちのパソコンで変換すると「度源河川(どげんかせん)と移管(いかん)」となる。

共通語なら「どうにかしないと行けない」と、ほぼ正しく表示される。

機械の中にも、中央と地方の“格差”があるらしい

▼国語学の金田一春彦氏によれば、新来者にも分かるように努めて陰影を消したのが東京語、つまり共通語なのだという。

それに収まらない豊かな一語一句を、冒頭の『続現代日本生活語詩集』でしみじみ味わわせてもらった。






「腐敗した(京都を)なんとかせんとあかん」がなんとなく似た感じである。京都では切実ではないが地方では切実なところもあることだろう。



ところが日本の15歳は、
科学への興味が
世界でも際立って低いらしい







平成19年12月6日の天声人語よりの引用


小学生のころ、木造校舎の理科室は、近づきたくない場所だった。

遮光した薄暗がりにホルマリン漬けの標本がひっそり並び、何より、あの人体模型が突っ立っていた。

オバケが出るという噂(うわさ)もあった

▼あのころの理科室の光景が、同世代の「科学する心」にどう作用したかは知らない。

今の理科室は明るく、設備も充実していると聞く。

ところが日本の15歳は、科学への興味が世界でも際立って低いらしい。

明るくない実態が浮かび上がっている

▼経済協力開発機構(OECD)の国際学力テストの結果、

日本は科学と数学の応用力、読解力のすべてで3年前より順位を下げた。

57の国と地域が参加したが、先頭集団からは差をつけられてしまった

▼学力にまして、興味や意欲はお寒い。

「科学についての読書が好き」は最下位に甘んじた。

科学に関してテレビや新聞、雑誌に接する率もビリである。

興味という土壌が豊かでなければ、学力という果実の収穫は望めない

▼日本の物理学は戦後、急速に伸びたという。

ノーベル賞の朝永振一郎は外国人にわけを聞かれ、「戦争中の知的な飢えを満たそうとしたから」と答えたそうだ。

いたれり尽くせりの情報で腹がいっぱいになると、好奇心は麻痺(まひ)するらしい

▼いまや情報はあふれ、「なぜ?」の問いに手早く解答を得られる時代である。

不思議への感性が乾いて、「なぜ?」そのものが減りつつあるともいう。

予見してのことだろうか、朝永は教師の役目を、生徒を知識で満腹にさせないことだと言い残している。




日本も万能細胞ES細胞に代わりIPS細胞の発見はまだまだ捨てたものでもない。






遺失物法がほぼ半世紀ぶりに改正され、
拾得物がインターネットで公表されるからだ






平成19年12月7日の天声人語よりの引用


お金を拾った話でよく知られるのは、落語の『三方一両損』だろう。

左官屋が三両を拾う。落とし主は大工と分かるが、「もう俺(おれ)の金ではない」と受け取らない。

届けた方も「いらない」と言って喧嘩(けんか)になり、大岡越前守(えちぜんのかみ)の妙案で丸く収まる。

そんな筋だ

▼正直者に手をたたくのは、せち辛い現実の裏返しでもあろう。先ごろも茨城県で、1000万円の当たり宝くじを置き忘れた人がいた。

報道されると、19人が名乗り出たそうだ。

越前守ならぬ警察が吟味して、本当の持ち主を特定した

▼こうした手間が、来週から増えるかもしれない。

遺失物法がほぼ半世紀ぶりに改正され、拾得物がインターネットで公表されるからだ。

落とした人は捜しやすくなる半面、偽者による「なりすまし」が心配されている

▼昨年届けられた拾得物は1222万点、現金は139億円にのぼった。

不心得を防ぐために、警察は「本人しか知らないこと」は公表を控えるそうだ。

財布なら、色や大まかな形は明かすが、ブランドは明かさない。

中身の額も伏せることになる


▼とはいえ、それもこれも前提がある。

まずは正直者に拾われなければ、ネットに載ることもない。

139億円に集計されず、不実な懐に消えた額はいかばかりだろう

▼大事なものをなくせば、だれでも不運を呪う。

だが無事に戻ったとき、不運を帳消しにする人の情に感じ入るのも、経験することだ。

軽い気持ちでも「なりすまし」は、届けた人の善意まで奪う企(たくら)みだろう。

そのほうが、むしろ罪深いのかもしれない。




遺失物のネットでの公開は大賛成であるが,どれだけの人が遺失物を届けるかどうかである。

でも昨年の遺失物1222点とは膨大な数である。






66年前のきょう、日本軍は真珠湾を攻撃した
それを受けた議会の対日宣戦決議に、
たったひとり反対票を投じた。









平成19年12月8日の天声人語よりの引用


ジャネット・ランキンの名を知る日本人は多くないかもしれない。

1880年に米国で生まれ、女性初の連邦議員になった。

女性の参政権運動を率いたから、日本なら市川房枝さんのような存在である

▼信念に満ちた平和主義者でもあった。

66年前のきょう、日本軍は真珠湾を攻撃した。

それを受けた議会の対日宣戦決議に、たったひとり反対票を投じた。

議会は日本への憎悪を燃やし、上院は満場一致で可決した。

下院は賛成が388、彼女だけがノーを唱えた

▼この反対票で、ランキンは全米を敵に回す。

非難が渦巻き、「売国奴」のレッテルを張られた。

頼みの故郷からも、「あなたの味方なし」と電報が届く。

その後、再選されることはなかった

▼散ったかに見えた花は、しかし後世に種子を残す。

数年前に故郷のモンタナ州を訪ねると、「信念の一票」を慕う女性たちが平和活動を続けていた。

あの「一票」に、命を産む者の決意がこもっていると誇らしげだった

▼〈徴兵は命かけても阻むべし母・祖母・おみな牢(ろう)に満つるとも〉。

故・石井百代さんの歌が「信念の一票」に重なる。

作者は多くの身内を戦争で亡くした人だ。

当時、あっさり息子を差し出す気になった。

その後悔を胸に、戦前回帰する風潮に決意をぶつけている

▼石井さんは生前、小紙に「(戦争は)女親らしい、めめしさを持っちゃいけないと、ただそればっかり」だったと語っていた

勇ましいものに歯止めをかける。

それはめめしさではなく勇気なのだと、2人の行動と言葉に思う。





日本での第二次大戦に対する議会の対応はどうであったのだろうか。大政翼賛会のごとき挙党一致だったのかどうか。







たわしの先駆「亀の子束子(たわし)」が世に出て1世紀だという






平成19年12月9日の天声人語よりの引用


すす払いは一年の厄を除き、正月に備える習わしだ。

〈煤掃(すすはき)に用なき身なる外出(そとで)かな〉松本たかし。

黒い顔が動き回る間、老人や病人、子供らは別室や戸外に待避した。

ずぼらなだけの「すす逃げ」もあったらしい

▼冬晴れの午後、開け放った戸障子から外気が流れ込み、汗を冷やす。

そんな肌の記憶で大掃除を思い出す人もいるだろう。

機械も洗剤もない時代は、雑巾(ぞうきん)にバケツ、ほうき、たわしなどの小物が戦力だった

▼たわしの先駆「亀の子束子(たわし)」が世に出て1世紀だという。

女性が扱いやすいようにと、こぢんまりU字形に丸めた形が考案されたのは1907(明治40)年。

東京の製造元は「発明100年」とする

▼スポンジに主役を譲るまで、無数の亀の子が昭和の台所をピカピカにした。

みかん色の包装には今も、天然素材、快適定番、品質本位と自信の4字が弾む。

山を愛する同僚は、冬山必携の品だと言う。

服や道具の雪払いに重宝するそうだ

▼純な雪には程遠く、豊かな生活からにじみ出る汚れは毒気さえ帯びてきた。

清める側も科学で武装した。

その一つ、ダスキンが募った「大掃除川柳」に〈大掃除あしたあしたで大晦日(おおみそか)〉。

どん詰まりでも、毎年するから意味がある。

積年の汚れはいずれ「地色」になりかねない

▼食品偽装、年金消滅、身内殺害、防衛利権……。

ことしも、これを限りに一掃したい4字があふれた。

社会の汚れ、政治のよどみは、人の手と亀の子ぐらいで足りるうちになんとかしたい。

国民に「すす逃げ」はないと覚悟を決めて。




「亀の子たわし」がスポンジに何時ごろかわったのか意識していない。「たわし」を見る機会は少なくなっているのだけは事実である






高級料亭「船場吉兆」の産地偽装や不正表示は、
実に41商品にのぼっていた







平成19年12月10日の天声人語よりの引用


漱石の『坊っちゃん』に「いか銀」という男が出てくる。

四国の中学へ赴任した坊っちゃんが下宿した家の亭主で、素性のあやしい書画骨董(こっとう)を売ろうとたくらむ、うさんくさい人物だ

▼珍妙なその名は、漱石が「いかさまの○○」を端折ってつけたのだろうと、いつか専門家に聞いた。

その習いでいけば、「いか兆」とでも呼ぶべきか。

高級料亭「船場吉兆」の産地偽装や不正表示は、実に41商品にのぼっていた。

全部で60商品ほどだから、7割に近いことになる


▼発覚後の経緯は、よくある筋書きをたどった。

第1幕では、問題は認めるが大したことのないふりをした。

2幕は、火消しのために嘘(うそ)と言い逃れを連発した。

3幕目に進退がきわまって、フィナーレは降参。

責任を全面的に認める報告書を、きのう農水省に出した

▼偽装にもまして、記憶に残るのは経営側の言い逃れである。

責任をパートの女性たちに押しつけようとした。

だが実際は、会社が「不正マニュアル」を作っていたそうだ

▼高価な穴子の佃煮(つくだに)は、ラベルに名産地の「高砂」を銘打っていた。

偽装では、と問われると、「おめでたい意味で『高砂』を使った」と釈明した。

思い出すのは、「消防署から」ではなく「消防署の方から来た」と言って消火器を売る詐欺まがいだ。

相通ずるさもしさが、老舗(しにせ)ゆえに物悲しい

▼〈偽装偽証偽善偽名に偽造あり偽偽、偽偽、偽偽と軋(きし)む日常〉と嘆く歌を、一昨日の朝日歌壇に見た。

おれなどまだ序の口だと、本の中なら「いか銀」が兜(かぶと)を脱ぐかもしれない。




「吉兆」という名前だけで信用させ人を騙すやり方は悪質である。同じようなことは騙す手口として使われているように思う。

信用した人を騙すことは簡単である。疑ってかかっている人は騙すのが難しい。

信用させる方法には色んな手口が使われている。先代の築いた信用をもってその子孫が騙して暴利をむさぼっている。

今年ほど世間が言われている「偽」のほかに,個人的にも偽があってはならないところで堂々と行われていることには驚く。








勝負師の表情を消した力士のたたずまいには、
春風駘蕩(たいとう)とした魅力がある








平成19年12月12日の天声人語よりの引用


蕪村門下の江戸期の俳人、高井几董(きとう)に〈やはらかに人分け行くや勝角力(かちずもう)〉の句がある。

土俵の上の気迫みなぎる勝負は、むろん相撲の醍醐味(だいごみ)だ。

だが勝負師の表情を消した力士のたたずまいには、春風駘蕩(たいとう)とした魅力がある

▼勝負のあと、懸賞金に手刀を切る。

その所作を広めたのは昭和初期の大関名寄岩だと、

33代の立行司、木村庄之助さんの『力士(ちからびと)の世界』(文春新書)に教わった。

「(手刀で)心という字を書いている。

ありがとうございますの気持ち」と、仲間の力士に話していたそうだ


▼横綱朝青龍の所作は、いささか違うように見える。

懸賞金をつかむ身ぶりは大仰だ。

勝ち誇り、戦利品でも分捕るような印象を残す。

勝負のあと、荒ぶる心を鎮めて「やはらか」な力持ちに戻っていく。

それが苦手なのだろう

▼その朝青龍が他の部屋から、「出げいこ」を門前払いされる事態が起きた。

先ごろの巡業で、胸を貸した若手にけがをさせた。

力を見せつけるような荒わざを繰り出したためだ。

そんな危うさが嫌われたらしい。横綱の出げいこを先方が拒むのは異例だという

▼太宰治の『新釈諸国噺(ばなし)』に、乱暴者の相撲取りが登場する。

相手を突き飛ばし張り倒し、けが人の山を築いて、「相撲は勝ちゃいい」とせせら笑う。

だがついに自分も荒わざで転がされ、あばら骨を折って落ちぶれて死ぬ

▼「勝ちゃいい」という悪童で終わってほしくないと、ファンは願っているはずだ。

今回の騒動で心技体の「心」は育ったのか。

一挙一動を多くの目が見つめている。



模造品にはどうしても不具合が出てくるのは仕方ないのではないか。

日本の伝統は日本人が守るのが当然で外国から来た人に求めるのは酷なことではないのか。




年金をめぐる福田内閣の開き直りだ







平成19年12月13日の天声人語よりの引用


今年の流行語大賞にはもう遅いが、暮れも迫った政界で「迷言」が頻発している。

年金をめぐる福田内閣の開き直りだ。

聞き捨てるにはもったいないので、小欄でも紹介しよう

▼宙に浮いた年金記録は、「来年3月までに照合を終え」て「最後の一人まで支払う」のが公約のはずだった。

それが出来なくなった。

責任もどこ吹く風、「解決すると言ったかなぁ」とうそぶくのは、福田首相である

▼「最後の一人まで。そういう気持ちで取り組んでいく」と誠意らしきものを見せた。

だが「気持ち。分かるだろう」と続いては、B級ドラマの口説きでも聞くようだ。

町村官房長官は「選挙中なので簡素化して言ってしまった」。

つまり、「良い格好」をしたということか

▼舛添厚労相が言うには、あれはスローガンで「意気込み」なのだそうだ。

「(選挙のとき)出来ないけれどやってみますとは言えない」と正直ではある。

聞けば聞くほどに、選挙用のカラ手形でしたと、馬脚が現れる

▼今年を象徴する漢字は「偽」だと、きのう日本漢字能力検定協会が発表した。

全国から公募して、まれに見る多数で選ばれたそうだ。

信じる心を裏切られ続けた。

やりきれぬ1年にダメを押すような、政治家の言い逃れの図である

▼「人」の「為(な)」すことは偽りが多いと、この字を読み解く説がある。

もとは、変化して他のものになる意味だと白川静さんの本で知った。

「公約」が、言った言わないの「口約(こうやく)」に変わり、

その場しのぎの「膏薬貼(こうやくば)り」に終わっては、国民はたまらない。






年金制度自体を見直さないと小手先てのつまあわせでは,政治とはいえない。

老人が増えてきて少子化で老後は年金だけが頼りの人たちが増えている。

年金の「名寄せ」だけに終始せずに抜本的な全国民に対する年金制度が確立されない限り

年金問題は解決したとは言えない。 

政治は言葉の遊びではない。国民のことを真剣に考えて取り組んでほしいものです。








年の瀬恒例、住友生命が募った「創作四字熟語」に、








平成19年12月14日の天声人語よりの引用


安倍前首相が政権を投げ出した「突然返位(とつぜんへんい)」から、はや3カ月たつ。

年の瀬恒例、住友生命が募った「創作四字熟語」に、今年は政治ネタがぐっと増えたそうだ

▼還元水、ばんそうこうと、農水相は鬼門になった。

短い間に4人が入れ替わる「四農降昇(しのうこうしょう)」が内閣の足を引っ張った。

案の定、自民党は参院選で歴史的な敗北を喫する。

与党は過半数を割って、国会は衆参で多数党が異なる「二党両壇(にとうりょうだん)」にねじれた

▼政治とカネでは、1円からの領収書公開を求める「一円固持(いちえんこじ)」の主張に、国民は拍手を送った

インド洋の補給活動は期限切れで「油給休暇(ゆーきゅうきゅうか)」に。

政府は越年の国会で、新法成立に突き進む構えだ。

一方で、暮れも迫って「年金彷徨(ねんきんほうこう)」の問題が再燃。

まじめに年季奉公を終えたのに、払った分を給付されない退職者もいる

▼暗さに傾く世相に、「産声多数(さんせいたすう)」は明るいニュースだ。

久々に出生率が上がった。

片や熊本では赤ちゃんポストの運用が始まる。

賛否うずまき「逸子騒然(いっしそうぜん)」となった。

急患たらい回しの「医師薄寂(いしはくじゃく)」もあって、経済大国の寒い光景は、相も変わらない

▼角界も何かと話題になった。

ファンも愛想を尽かしたのか、本場所では空席の目立つ「人離相撲(ひとりずもう)」を取るはめに。

野球の「我竜天制(がりょうてんせい)」は、落合監督のオレ流で53年ぶり日本一の中日。

ハニカミ王子こと石川遼君の登場で、ゴルフ界は「芝界遼好(しかいりょうこう)」だ

▼温暖化を忘れていた。「煮本烈湯(にっぽんれっとう)」は夏の暑さにうだった。

「熊氷裂壊(ゆうひょうれっかい)」が深刻な北極海に命をつなぐ、白熊たちの姿を、遠い空に思う。




よく考えた四文字熟語である。さて考えたが一句は浮かんでこない。









師走も半ば、年賀状の受け付けが今日から始まる







平成19年12月15日の天声人語よりの引用


悪筆を自認する者に、『徒然草』の兼好法師は心強い味方である。

〈手のわろき人の、はばからず文書き散らすはよし〉と作中に述べている。

自身は名筆で知られていた。

だが下手でも遠慮せず、大いに手紙を書けば結構、と心やさしい

▼〈見苦しとて人に書かするはうるさし〉とも言う。

みっともないからと代筆させるのを、かえって嫌った。

「うるさし」には、繰り返されることを厭(いと)う響きがある。

手もとに届く手紙に、きっと代筆が多かったのだろう

▼師走も半ば、年賀状の受け付けが今日から始まる。

この週末、賀状書きにいそしむ方もおられよう。

ここ数年は、あて名も印刷が増えた。

手もとを見ると、今年届いた6割はあて名が印刷だ。

うち半分は裏面にも肉筆がない

▼相手の面ざしを浮かべながら、名前を書いて、ひとこと添える。

そうした賀状書きは、古風になりつつあるようだ。

パソコンで頼むと印刷から投函(とうかん)まで代行してくれるサービスも人気らしい。

究極の「代筆」に、法師は何を思うだろう

▼写真などなかった昔、人は、その肉筆で人をしのんだ。

〈はかなき筆の跡こそ長き世の形見〉と『平家物語』にもある。

今でも変わりはない。

麗筆ばかりでなく、ミミズののたくりも金釘(かなくぎ)流も、懐かしい姿や声に重なっていく

▼「はばからず書き散らした」ひとりに作家の向田邦子さんがいる。

マス目も気にせず書いて、活字になると「嫉妬(しっと)」が「猿股」になっていたりしたそうだ。

愉快な逸話を生んだ手書き時代のたそがれは、心さびしくもある。




年賀状は習慣として毎年だしている。パソコンを使うようになり便利だが年賀葉書きがにはお年玉の番号がある。

当たればよいが当たらない方が遥かに多い。人によっては数字の番号を気にされる方もあるので

パソコンでの印刷には印画紙を使うようになった。

自筆がなくともどのようなデザインを使うかで相手の心が読めるような気もする。







きのう、東京・世田谷のボロ市を歩いた







平成19年12月16日の天声人語よりの引用


中古と新品、小物大物が入り乱れ、あらゆる生活雑貨が通りの両側に並んでいる。

山積みの古着は100円だった。

煮込んだ玉こんにゃくや甘酒もある。

各人のお目当て、急ぎぶりが違うので、押し合いへし合い、前に進めない

▼きのう、東京・世田谷のボロ市を歩いた。

16世紀に始まり、明治期には冬の名物になったという。

野良着やわらじを補強するボロ布が盛んに売られ、この名がついたと伝わる

▼100年前の風景を「東京中の煤(すす)掃きの塵(ごみ)箱を此処(ここ)へ打ち明けた様」と書いたのは、

世田谷を愛した作家、徳冨蘆花(ろか)だ。

露店の間を行き交う群衆は、のどを通るヒエ粒に例えた。

そして「ボロ市を観(み)て悟らねばならぬ、世に無用のものは無い」(『みみずのたはこと』岩波文庫)

▼無用を有用にするボロの売買は、今風にいえば「エコ」の先駆けだろう。

ただ、ボロには「隠している欠点、失敗」という意味もある。

身から出たさびで、あるいは内部告発によって、今年も多くのボロがさらされた

首相と大臣、次官、横綱、社会保険庁、食品会社に料亭。

人や組織だけではない。


佐世保の惨劇が重ねて示したように、30万丁の銃規制にはほころびが見える。

米国の低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」は無理がたたり、散ったホコリに金融市場がむせ返っている

▼ボロを引きずり舞台を降りた人がいた。

ボロを懐に押し込み、知らぬ顔で居座る者もいる。

出したボロ、そのさばき方で人が見え、わがボロの数々も反省できる。

世に無用のものは確かに無い。





公になっているボロは富士山の頂上だけのボロでそれより裾野には膨大な不正が横行しているのではないかと

ボロが次から次へと判明しだすと,そのように達観しない限りこの世では生きていけないのではないかと

思うようになってきた。





この玄人の世界に、東海大学の学生が挑むという






平成19年12月17日の天声人語よりの引用


薄紫のもやの中に、まずヘッドライトが現れる。

次いで腹に響く排気音、走り去る怪物マシン。

フランスの自動車レース「ルマン24時間」の印象は鮮烈だ

▼85年の歴史で、日本車の総合優勝は91年のマツダのみ。

その走りをスタンドで見届けた。

硬い客席に、ままならぬ仮眠。

夏至ながら、油断の薄着に夜風がこたえた。

丸1日の走行距離を競うルマンは、耐久力の公開実験に例えられる。

半数は煙火を噴いて力尽き、完走車は新幹線なみの速さで日本―豪州ほどの道程を行く

▼この玄人の世界に、東海大学の学生が挑むという。

走りはプロに託すが、エンジンや車体は内外の企業と共同で開発した。

出場申請が通れば、来年6月、伝統の一戦に大学チームが初めて乗り込む

▼監督を務める工学部教授、林義正さんは資金集めに奔走している。

日産でレースに携わり、ルマンも3度経験した。

「登る山は高いほどいい。

突破力を養うには最適の教材です。

あの空気の中に、一秒でも長く居させたい」

▼学生たちは、レース規則の和訳から始めたそうだ。

好きこそ物の上手なれで、夢中になりながら、知識と技術が身につく回路に入っているらしい。

各自の専門性を車に結晶させ、衆目の中で出来栄えを試す。

はるか先には表彰台もある。

ぜいたくな「授業」である

▼先頃の国際比較で、日本の生徒は科学的応用力の衰えを指摘された。

現実の喜びや楽しみに結びつくなら、授業や実験はもっと輝くはずだ。

ルマンへの挑戦には、「理科離れ」対策のヒントが詰まっている。





自動車レースには危険が伴うのではないかと心配である。








週末の共同通信と日本経済新聞の世論調査で、
内閣支持率は急落した
不支持の方が上回って、
楷書の筆は細りつつある








平成19年12月18日の天声人語よりの引用


福田内閣の発足の際、書体になぞらえて「楷書(かいしょ)の首相」と小欄で評した。

人臭さや迫力に乏しいが、端然としてまじめな印象があったからだ。

以来3カ月、その見立てが、あやしくなってきた

▼点や画をおろそかにしない書き方が楷書である。

だが年金問題への対応は、点画が崩れっぱなしだ。

あげくに「公約違反と言うほど大げさなものかどうか」ととぼけて、大方の失望と怒りを買うことになった

▼そのそっけなさと裏腹に、給油を再開する新法への入れ込みは、並ではない。

国会は再延長されて越年に。

年が明ければ、衆院での再議決という“伝家の宝刀”のさやを払い、参院の反対を一刀両断に封じる構えである

▼新法は「対米公約」の位置づけだそうだ。

年金と違って、こちらの約束には政治家の面目がかかるとみえる。

軽く見られた国民の憤りでもあろう、週末の共同通信と日本経済新聞の世論調査で、内閣支持率は急落した。

不支持の方が上回って、楷書の筆は細りつつある

▼中国、唐代の顔真卿(がんしんけい)は、独特の楷書をあみ出した名書家で知られる。

その書は「点は墜石の如(ごと)く、画は夏雲の如く」と評されたと、作家の井上靖さんが書いていた。

点は、天から落ちてきた石のように安定して揺るがず、一画一画が悠々と、美しい

▼大胆に点画を略す草書体は、首相の持ち味ではあるまい。


国民が望むのは、政権のキーワード「自立と共生」「希望と安心」を実現していく、ていねいな筆遣いだろう。

名書家のように悠々と美しくなくても、構いませんから。





内閣支持率は急落しても安部 小泉内閣に比較して戦中派の人で戦争の悲惨さを体験しているであろう人だけに

戦争だけに組しないだろうとの安心感はある。勇ましい安部内閣だけはヒヤヒヤものであった。

これ以上望むのは今の自民党では限界なのか。







119番の対応に、全国的な基準はないという








平成19年12月19日の天声人語よりの引用


火事に鳴らす半鐘は、危険の度合いで鳴らし方が違った。

火が遠ければジャーン、ジャーンと間遠にたたく。

近づくほどに早鐘となり、いよいよ迫ると、たたく物を半鐘の内側に入れて、かき回すように鳴らしたという

▼119番を受けた消防職員は、火がどれぐらい迫っていると判断したのだろう。

3年前、さいたま市の「ドン・キホーテ浦和花月店」で放火事件があった。

その際の通報対応に落ち度があったと、焼死した従業員らの遺族が市を訴えた

▼通報は契約社員の女性がした。

テープに残る消防の受け答えは、たしかに冗長な印象を受ける。

「火が出てんの?」「お宅さんの名前は?」……。

筆者には火事を通報した経験はないが、意外にぞんざいな物言いでもある

▼避難を勧める言葉もない。

女性は身の危険を感じたのだろう。

1分49秒後、「すいません。私出ます」と電話を切った。

それが最後の言葉になった。


録音を聞くと、助かる可能性を刻一刻と消していく秒針の音が、頭の中に響く思いがする

▼米国の9・11テロで出動した消防士から、「我々はハートが二つある」と聞いたことがある。

早鐘のように自らを鼓舞する心臓と、冷静に平脈を保つそれだ。

問題のやり取りは、プロらしい平静を保った対応なのか、それとも緊張を欠いていたのか

▼119番の対応に、全国的な基準はないという。

折から火事の多い季節である。

万一の通報のときは、わが身第一と心得たい。

通報を受ける側も、「危急の半鐘」を聞き分けるプロの耳を澄ましてほしい。




あの電話の会話をテレビで見ていて腹が立ってきた。なんと悠長に応対しているものかとあきれた。

場所の確認なんかはGPSが利用できないものだろうか。








2年ぶりに地球に接近している火星である






平成19年12月20日の天声人語よりの引用


冴(さ)えざえとした冬の大気のなか、星が輝きを増してきた。

東京で夜9時ごろに東の空を仰ぐと、ひときわ明るく輝く、赤い星が見える。

2年ぶりに地球に接近している火星である

▼その色合いが炎や血を想像させ、東洋では「火の星」と呼ばれ、西洋では「戦いの星」になったという。

火星人の物語も生まれた。

英国のSF作家ウェルズは、19世紀末に『宇宙戦争』を書いた。

それに描かれたタコのような火星人は、そののち長く、人類が思い描く宇宙人の原型になった

▼「地球外から飛来したUFOの存在を確認していない」。

そんな答弁書を、政府が閣議で決めた。

飛来したときの対応や、他国との情報交換などを、民主党議員に聞かれていた。

UFOは、昔ふうに言えば「空飛ぶ円盤」のことだ

▼国内多難なおりに、と渋面の向きもあろうが、久々に頬(ほお)のゆるむ話題である。

町村官房長官は、記者会見で「私は絶対いると思っている」と力説した。

“閣内不一致”をとがめられず、笑いを誘うのも、宇宙の不可思議のなせるわざだろう

▼〈人類は小さな球の上で 眠り起きそして働き ときどき火星に仲間を欲しがったりする……〉と、

詩人谷川俊太郎さんは『二十億光年の孤独』に書いた。

〈万有引力とは ひき合う孤独の力である〉と詩は続いている

▼夜空を仰ぐのは、むしろ、星々から見られている地球を意識する営みかもしれない。

温暖化する「火の星」、いがみ合う「戦いの星」はむしろ地球ではありませんか。

火星人の声を聞くような、冬の宵である。





科学の進歩と共に人間のロマンが少しずつ少なくなっていくように思う。月にウサギが杵をついている。

火星には火星人が存在する。人類の空想は現実に科学的解明されてがっかりである。

必ず来るであろう地球の温暖化は人類の智恵て解決して欲しいものである。







韓国の大統領は、
「選ばれた皇帝」と呼ばれるほど
権力が集中する。






平成19年12月21日の天声人語よりの引用


韓国の次の大統領に決まった李明博(イ・ミョンバク)氏には、「コンピューターつきブルドーザー」の愛称があるそうだ。

日本人なら、その名に田中角栄元首相を重ねる人が多いだろう。

貧家に生まれ、頂点にのぼり詰めた立志伝にも、相似たところがある

▼建設業界から身を立てた。

清濁併せのむ度量がある。

そして、カネにからむ疑惑がついてまわるのも角栄氏に通じる。

韓国経済が閉塞(へいそく)感に沈むなか、豊かさを求める国民の期待を帆に受けて、勝ちを得た


▼韓国でいま、何か問題が起きると「盧武鉉(ノ・ムヒョン)(大統領)のせいだ」と言う冗談がはやっているそうだ。

舵(かじ)取りの失敗で貧富の差が広がり、若者は就職難にあえぐ。

不満の海に、李氏は「最高権力者ではなくCEO(最高経営責任者)になる」と言葉を投げ込んだ

▼韓国の大統領は、「選ばれた皇帝」と呼ばれるほど権力が集中する。


皇帝にならず社長になる決意は、庶民の琴線をかき鳴らした。

李氏の歩むコリアン・ドリームに、夢を重ねた人も少なくない

▼こちらの期待は、日本への未来志向の姿勢だ。

韓国のことわざに「往(ゆ)く言葉が美しければ来る言葉も美しい」とある。

「売り言葉に買い言葉」の裏返しである。


後ろ向きな言葉の応酬は置いて、襟を正しつつ前を向きたい

▼期待はしかし、いつも失望と道連れだ。

今太閤と人気を誇った角栄氏も、狂乱物価や金脈問題で急速に支持を失っていった。

李氏の疑惑は、再捜査が始まるという。

行く末まで角栄氏に似ないよう祈りながら、来年2月からの滑り出しに注目する。




保守とか革新とかは指導者の人柄によって変わってくる。韓国もそうだが余計にアメリカの大統領の方が

気になる存在である。沢山な企業献金を受けてリベラルな政治が行われるのかと何処の国の政治に対しても

疑問を持つ。

韓国の李王朝は崩れて久しい。新しい皇帝が出来るも選挙で一代限りである。

日本では自民王朝がいまだに続いている。






先ごろ農林水産省の発表した
「農山漁村の郷土料理百選」に並んだ








平成19年12月22日の天声人語よりの引用


日本料理をきわめた懐石「辻留」の2代目辻嘉一さんは、各地を旅して、土の違いが生み出す野菜の違いを知った。

たとえば火山灰の層に育つ関東のネギは、上に伸びるにまかせると歯触りが強くて食べづらい

▼だから農家は、土を盛って白根を長く育てる。

片や、関西のネギは細くて白根が少ない。

青葉は柔らかく、霜の降りる頃のうまみはすばらしい。

だれしも故郷を離れると、ふるさとの土が恋しくなるものだと、著書『味覚三昧(ざんまい)』につづっている

▼しみじみと郷愁を誘う料理が、先ごろ農林水産省の発表した「農山漁村の郷土料理百選」に並んだ。

土地土地の暮らしから生まれた「食べてみたい、食べさせたい」料理を、一般の投票を交えて選んだ。


一覧表を眺めていると、ついつい目が“迷い箸(ばし)”をする

▼わんこそば(岩手)や石狩鍋(北海道)などは、舌が覚えている。

しかし、おっきりこみ(群馬)、しもつかれ(栃木)、いきなりだご(熊本)などは、どんな料理なのか見当もつかない。

郷土の誇りの多士済々ぶりを、あらためて思う

▼百選のひとつ、大分の「手延べだんご汁」について、作家の松下竜一さんが書いていた。

母親は、カボチャを煮崩した汁に団子を入れた。

ふつうは多くの野菜を具にするが、母親の育った村の調理法は違っていたのだという

▼その味が忘れられないと、松下さんは回想している。

風土がはぐくむ料理だが、行きつくところは一人ひとりの母の味ということか。

思い出を隠し味に、ふるさとを舌に載せるのもいい。




味覚音痴のものにとっては京野菜か外国から輸入された野菜なのかの区別がつかない。

子供のころから親しんできたものに伏見とうがらし 淀大根 寺田サツマイモ 久保柿 九条ネギ 水菜などがあったが

寺田サツマイモの栗のように甘くコリコリした美味しい味が忘れられない。 

寺田サツマイモの苗をもって他で植えても育たなかった。

苗とその土地の土質の関係でもって美味しい味の野菜が育つことが出来るものと考える。








3連休は、時間という資源の割り振りを
自ら決める良い機会だ。






平成19年12月23日の天声人語よりの引用


早めの冬休みで東伊豆の温泉に泊まった。

伊豆の師走は、雨が多い6月と9月に次ぐ閑散期、まして平日である。

往復の特急も宿の部屋も、半分は空いていた。

観光地の見どころやサービスの分け前が増えた気分だ

▼森の露天風呂から月を拝み、軒を渡るリスに声を上げ、誰もいない松葉の散歩道を行く。

行列もせず、旬のキンメダイを煮つけと刺し身で堪能した。

うまい地ビールも知った。

1泊の旅でも、それなりに生き返る

▼四つの祝日を月曜に移した「ハッピーマンデー」制によって、土日が休める人は3連休が増えた。

黄金週間の4連休を含めると、今年はこの週末で10回目だ。

3日を寝て過ごすわけにもいかず、誰でも予定の一つや二つは立てる

▼休暇大国のフランスは、バカンスをこう定める。

《仕事や治療以外の理由で、続けて4日以上を居住地でない場所で過ごす》。


かの地なら3連休は「半人前」だが、日本では貴重な固まりだ。

旅行業者は、上海やソウルは2泊でも楽しめますと宣伝している

▼無論、旅に出るだけが休みではない。

趣味もいいが、財布に優しい散歩をお勧めしたい。

連休なら、近所の店先や花木の移ろいを楽しむゆとりが出る。

途中、初めてのそば屋をのぞくのも面白い。

雨なら、煮込み料理の世話をしながら読書という手がある

▼3連休は、時間という資源の割り振りを自ら決める良い機会だ。

中高年のご同輩には老後の予習にもなろう。

若い親がごろ寝では、子どもは「3連泣」になりかねない。

前向きに、まじめに休みたい。





休みが多くてもそれだけの収入のゆとりがなければゆったりした休暇はとれない。ゆったりした休暇を人口の

どれだけの人たちが取れるのだろう。思い出すが戦後の貧しい時期に休暇といえば大勢の観客の中で

映画を鑑賞し繁華街をブラついて食事をして帰るのが楽しみだった。

全体に世の中整備されて神社 仏閣 公的な美術館 博物館なども整いスーパーで映画を上映しているところもある。 

子供の頃習った二宮金次郎のの精神はなかなかに抜けきれない。







日本のクリスマスも、大衆文化としては
キリスト教を超えた国民行事だ。






平成19年12月24日の天声人語よりの引用


12月が光り始めたのはいつ頃からだろう。

昼が短く、明かりには縁の深い季節である。

飾るための灯がそこに重なり、街では並木が光を放つ。

今夕、その輝きは絶頂を迎える

▼クリスマスを彩る楽曲には、「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」などの聖歌と、

「ホワイトクリスマス」「赤鼻のトナカイ」といった非宗教歌がある。

後者を代表する「ジングルベル」が世に出て、150年になるそうだ

▼1857年、米国のJ・ピアポントが感謝祭のために作り、ほどなく翌月の、もっと大きな祭りの曲に「昇格」したという。

1965年には、ジェミニ6号の飛行士により「宇宙で演奏された最初の曲」となる。

歌詞は馬ぞりで走る楽しさに尽きており、宗教色はない

▼日本のクリスマスも、大衆文化としてはキリスト教を超えた国民行事だ。

祈りとは無関係に酒宴が催され、愛が語られ、贈り物が渡る。

2000年後の東洋で、自分の誕生日がこれほど「祝」されるとは、イエスでも見通せなかったろう

▼洋の東西を問わず、祭りは家族の「小さな幸せ」を確かめる時でもある。

ジングルベルが流れ込む部屋で、丸いケーキを切り分ける。

昭和への懐古を禁じ得ない。

〈選(え)り迷ふ菓子銀皿に聖夜くる〉小川濤美子

▼いま、年頃の息子や娘は光る街に誘い出され、イブの食卓にそろう家族がどれほどあろうか。

年金が宙に浮き、格差が広がり、値上げの嵐が吹き荒れる年の瀬、人のつながりが最後のよりどころにさえ見える。

ケーキを分け合える幸せは、そう小さくはない。





クリスマスの聖夜は日本に定着している。いたるところにクリスマスツリーを見かける。それも夜ともなるとイルミネーションで

飾られたクリスマスツリーが美しい。聖しこの夜も寒々しい一年であった。







同じほめ言葉、けなし言葉を使っても、
言う順序で印象は変わる







平成19年12月25日の天声人語よりの引用


ものごとや人を評するのはむずかしい。

同じほめ言葉、けなし言葉を使っても、言う順序で印象は変わる。

たとえば「誠実だが、仕事が遅い」と「仕事は遅いが、誠実だ」では、だいぶ違う

▼薬害C型肝炎訴訟を巡る福田首相の判断は、どう評せばいいだろう。

原告側も言うように、「解決へ向けての大きな一歩」ではある。

だが、遅すぎたのは否めないし、何より内閣支持率の急落が背景にある。

人心がさらに離れては政権はもつまい。

「英断だが計算ずく」と言うべきか、「計算ずくではあるが英断」だと見るべきか

▼そう斜に構えなくても、という向きもあろう。

だが、ことは政治家の、命への向き合い方にかかわる話だ。

国民の命を守る強い意志が、政治にあるのだろうか。

それとも、その時々の空気次第という、頼りないものなのか

▼首相の判断を見守るかのように、民主党の山本孝史参院議員が逝った。

がんを公表し、余命と向き合いながら活動を続けてきた。

がん対策基本法や自殺対策基本法の成立に尽くした。


氏をよく知る同僚は、「いのちの政治家」と呼んで死を惜しむ

▼山本さんは首相の判断を「英断」と評したくはないだろう。

命は、日々の、当たり前の政治の中で守られていくべきだ。

そんな信念を抱き続けたと聞く。

特別な英断に頼るのは、氏にとって、政治の冷酷の裏返しに他なるまい

▼本当に一律救済になるのか。

国の責任をどこまで明確にするのか。

行きつく先はなお不透明だ。

「遅かったが、誠実だった」と評される結末に期待する。




国民命を守るべき最前線の医療界に改革とかの妖怪で混乱をおこしているように思う。

経済界の方はだんまりしていていたって静かである。こんな政治でよいのだろうか。






古くからコーヒーは、体に良いと重宝され、
毒だと嫌われ、その“可否”が論争の的だった






平成19年12月26日の天声人語よりの引用


コーヒーの当て字といえば「珈琲」がふつうだが、ときに「可否」と書くこともある。

明治時代に東京に登場した喫茶店のなかに、「可否茶館」という名もあった

▼作家の獅子文六は戦後、『可否道』という新聞小説を書いた。

勉強のためにコーヒー店をはしごして、胃を悪くしたそうだ。

好きでもほどほどが肝要、と回想を記している。

古くからコーヒーは、体に良いと重宝され、毒だと嫌われ、その“可否”が論争の的だった

▼近年はしかし、だいぶ旗色を良くしている。

厚生労働省研究班は、せんだって、肝臓がんにかかりにくくなる効果が「ほぼ確実」と判定した。

毎日飲む人の発症率は、飲まない人の約半分になる。単一の飲食物への公的なお墨付きは初めてという

▼糖尿病の予防効果もあり、自律神経に作用して血行もよくなるそうだ。

コーヒーは、古くは欧州で「煤(すす)のシロップ」「古靴のエキス」などと呼ばれ、嫌われた歴史がある。

めげずに愛飲した人々は、相次ぐ「可」の朗報に、わが意を得たりだろう

▼片や「否」の烙印(らくいん)が日々巨大になるのは、もう一方の嗜好(しこう)品の雄、たばこである。

先日も、同じ研究班が、夫が喫煙者だと妻の肺腺がんリスクが2倍になると公表した。

たばこの健康被害にかかる医療費は、今や年に1兆円を超えている


▼味わい深い組み合わせを誇ったコーヒーとたばこも、可と否の分かれ目が、縁の切れ目か。

禁煙してコーヒーだけを楽しむ人が、まわりに増えた。

煙がなくてもコーヒーはうまい。

そんな声をもっぱら聞く。





コーヒーが肝臓に良いとはあまり聞かない。濃いブラックのコーヒーはむしろ胃を悪くする可能性があり沢山飲用すれば

血管系に悪影響を与えると思うが。アルコールも適量だと身体にプラスの効果があるが,コーヒーについても同じようなことがいえるだろう。

タバコは百害あって一利なしで発売禁止しても医療費の節減になる。あらゆる癌 脳梗塞 心筋梗塞の原因と言われて久しい。








現場に残されたDNAに“人格”を与え、
身代わりとして氏名不詳のまま起訴する







平成19年12月27日の天声人語よりの引用


日本で言う「名無しの権兵衛」を、米国では「ジョン・ドウ」と呼ぶ。

氏名不詳者の代名詞で、女性なら「ジェーン・ドウ」となる。

権兵衛さんと違い、公文書にもよく使われる表現だ

▼「ジョン・ドウ起訴事業」なる試みが、数年前、性犯罪の多いニューヨークで始まった。

容疑者が捕まらなくても、現場に残されたDNAに“人格”を与え、身代わりとして氏名不詳のまま起訴する。

起訴によって時効の成立を防ぐのが、捜査側の狙いである


▼容疑者の遺留物でも、足跡や凶器を裁判にかけることは出来まい。

そこへいくと、遺伝をつかさどるDNAは生命の設計図ともいわれ、ある意味で当人そのものだ。

「4兆7千億人に1人」の精度で個人を識別できると聞けば、身代わりにも説得力がある

▼14年前、大阪のホテルで女性が殺された。

現場に残されたDNAが、最近の事件の容疑者のものと一致した。

日本にはDNAを身代わり起訴する制度はない。

もう1年で時効が成立という、きわどい再逮捕となった]

▼「天網恢々(かいかい)疎にして漏らさず」の故事を思う。

中国の老子が、自然や正義の厳正をさした言葉だ。

「DNA鑑定の登場で時効は時代遅れになった。

犯人は何十年たっても枕を高くして眠れない」とニューヨーク市長も言っている

▼14年前の被害者は、名無しのDNAに名前がつくのを、あの世で待ち望んでいただろう。

被害者遺族の心にも、時効はないという。

最先端の生命科学が、目のつんだ「天の網」となって、人間世界の罪をにらんでいる。




名無しのDNAに人格権を認め,犯罪の防止につながればよい。容疑者の遺留物でも、足跡や凶器は類似品が多くどうしょうもない。

医学の力がそこまで及ぶとは想像がきない世界である。





違法派遣を繰り返した日雇い派遣大手グッドウィルが、
国から事業停止命令を受けることになった




平成19年12月27日の天声人語よりの引用 


夏ごろの小欄で、作家として立つ前の吉川英治が川柳に親しんでいたと書いた。

雉子郎(きじろう)というその号は、新聞に載った〈桂庵(けいあん)に踏倒さるる頬(ほお)の痩(こ)け〉の一句で

川柳界に知られるようになった(『川柳の群像』集英社)

▼桂庵とは、職業仲介所の俗称である。

ピンハネでもされたのか、恨みつらみが十七文字にこもる。

吉川は家計を助けるために年齢をごまかし、20を超す仕事を転々とした。

のちの国民的作家も当時は貧しく、弁当を持って行けない日があった

▼現代の桂庵も、そう変わらないらしい。

違法派遣を繰り返した日雇い派遣大手グッドウィルが、国から事業停止命令を受けることになった。

全事業所が年明けから数カ月の停止になる見通しだ。

1日3万人という派遣スタッフに収入途絶の不安が広がっている


▼おととい、低収入に悩む若者向けの「年越し電話相談会」が東京であった。

NPOなどが主催し、85件が寄せられた。

日雇いに関するものも多く、内容は悲鳴に近かったという

▼日々雇われ、日々失業しているような疎外感は、心をなえさせる。

雇い主からの突然のキャンセルも頻発している。

「都合しだいで引っ張り出したり、留め置いたり」と、NPOの代表は、倉庫の在庫のような扱いを憤る。

合法的でも、日雇い派遣そのものに反対する声が高まっている

▼「桂庵口」という古い言葉がある。

仲人口に似て、仲介者の言は信用ならないという意味だ。

仕事と人との、確かな縁結びを任せられる桂庵なしには、若者の希望は痩(こ)けていくばかりだ。







お立ち台で踊って稼ぐような業者に介護事業の認可を下ろした役所自体が間違っている。やはり儲かればよいだけの事業ではない。

福祉の精神が徹底した業者にだけ認可するようにすべきだ。

何でも効率 利益至上主義の思想が福祉医療の世界にも悪影響を与えているのが゛現実である。





古来、おびただしい「突然の死」が暗殺者によってもたらされてきた







平成19年12月29日の天声人語よりの引用

謎めいた「山の老人」は、マルコ・ポーロの『東方見聞録』に登場する人物の中で、とりわけ印象深い。

ペルシャ(イラン)の険しい峡谷に壮大な宮殿をつくり、武勇を見込んだ若者を集めた

▼若者らは美女に囲まれ、ハシシ(大麻)にふける。

快楽におぼれ、老人の言うままに「一人一殺」の刺客となって、近隣の権力者らを震え上がらせたという。

脚色はあるようだが、老人はイスラム教の一分派の指導者として実在した。

若者を操ったハシシは、英語のアサシン(暗殺者)の語源になったとも言われている


▼パキスタンのブット元首相を暗殺した者は、どんな“ハシシ”に操られたのか。

イスラム過激派の大義なのか、それとも政府や軍などの、ブット氏への敵意も糸を引いているのだろうか。

背景はともかく、世界に走った衝撃は大きい

▼ブット氏は8年におよぶ事実上の亡命生活から、10月に帰国した。

狙われるのは承知だから、火中の栗を拾う決意だったろう。

だれもが案じたなかでの凶弾によって、祖国民主化への志は、「遺志」となって凍りついた

▼古代ローマの将軍、シーザーの故事を思い出す。

暗殺される前日に友人らを招いた晩餐(ばんさん)で、「どんな死に方が最良か」と話がはずんだ。

シーザーはそれに「突然の死」と答えたと伝えられる

▼古来、おびただしい「突然の死」が暗殺者によってもたらされてきた。

最良どころか、志半ばの、無念きわまる最期であろう。

その列に加わったブット氏を悼む。

そして、遺志の新たな担い手の現れることを願う。




イスラム圏即ち中東地域は今や混乱のきわみにある。イスラム的道徳観念を持つ人の世界に違った思想でもって

介入すること自体が間違っている。地球破滅の火薬源地域にならないことだけを祈る。







12月の言葉から
年金の不手際では「公約違反というほど
大げさなものかどうかね」と世論を逆なで






平成19年12月30日の天声人語よりの引用


SF作家の星新一が亡くなって10年になる。

短い行数で読者を別世界に引き込み、最後にすとんと落としてくれる技はなお新鮮だ。

新聞紙上でも、短い文字列が日々現実を切り取る。

12月の言葉から

▼佐世保市の乱射事件で殺害された倉本舞衣さん(26)の父潤一さん。

葬儀で「舞衣は大好きな子どもたちを守って亡くなりました。

だから無念だとは思わないで下さい」。

気丈さが不条理を際立たせる

▼北の店頭に戻った「白い恋人」は売り切れ相次ぐ人気に。

国際大学研究員の鈴木謙介さんは「消費者の反応はメディアが大きく取り上げた時に偏る。

偽装を問題視するのも、販売再開で購買に走るのも一時的な現象ではないか」

▼政界に降ってわいた未確認飛行物体(UFO)論議で、福田首相は「私はまだ確認していません」と素っ気なし。

年金の不手際では「公約違反というほど大げさなものかどうかね」と世論を逆なで。

有事に冷め、平時には熱く説くべき指導者の、妙な「ぬるさ」が支持率を押し下げた

▼ジャズピアニストの巨星オスカー・ピーターソン(82)逝く。

「うまいピアニストは多いが、彼は聴く人を無条件で幸せにしてくれた」と同業の小曽根真さん

▼『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)で大佛次郎賞などを受けた最相葉月さんが、取材を振り返る。

「遺品にふれていると、子供が読むものと決めつけられた苦しみ、文壇で認められない怒りが伝わってきた」。

自分の力が及ばない現実を含め、良いこと悪いこと、山積みにして年がゆく。





自民党は今までの選挙の際には良いことばかり並べ選挙後180度無視しての経緯があることだから

福田さんのおっしゃることはそれほど大したことではないと誰もは感じているのではなかろうか。







ゴア氏の「不都合な真実」が
人類への警告なら、こちらは地球賛歌だ







平成19年12月31日の天声人語よりの引用


狩猟の場である氷を温暖化で失い、一頭の北極グマが海に流される。

泳ぎ疲れ、飢えてたどり着いた陸地で最後の力を振り絞り、セイウチの大群に突撃する姿は胸を打つ。

1月に公開される記録映画「アース」(英独合作)だ

▼厳しい環境下で生きる動物を最新技術で追った。

モンゴルからインドへと、ヒマラヤ上空を渡るツルの群れがいる。

乱気流に逆らいながら、命がけで挑む8000メートルの壁。

砂嵐の中を何週間も歩いたアフリカゾウたちは、ようやく見つけた湿地と戯れる

▼ゴア氏の「不都合な真実」が人類への警告なら、こちらは地球賛歌だ。

この惑星はまだ生きている、いま行動を起こせば間に合うという気にさせる。

強いが押しつけない、間接話法の妙である

▼46億歳の地球が養う動植物の中のただ一種が、ここ100年ほどの好き勝手で招いた自然破壊、温暖化。

このまま気温が上がれば、野生の北極グマは2030年までに絶滅の恐れがあるという。

死をもって急を告げる炭坑のカナリアを思う


▼地球の住み心地は、ガラス細工のような生態系の均衡の上に保たれている。

他生物を思いやることが我が身を守ることにもなるのだが、人の世の災厄に追われて心はそこまで広がりにくい

▼ゆく年も暴力と不正に満ちていた。

「悪」への処方として品格や国柄を説くのもいいが、残り1日ぐらいは別のスケールで考えたい。

乾杯とごちそうをしばし我慢し、発想の起点を「私」から地球にかえてみる。

この上ない星に生まれた幸運と、その星の不運が見えてくる。




地球温暖化は人類のせいである。地球上の全生物に影響を及ぼすことになる。

国連のごとき全世界的な規模で活動しない限りには防ぐことは出来ない。

風力 太陽 水の流れのエネルギーをもっと利用される環境作りが必要である。








藤森神社と春原氏





藤森神社は生まれ育った土地の氏神である。稲荷神社にも正月中には一日何度も通い参拝した記憶がある。

歩いて15分から20分くらいで゛行ける。藤森神社はそれより近く10分から15分ぐらいの場所にある。

五月五日の節句の日が藤森神社の祭り日で゜1日から5日までが境内に店が出ており,ここも毎日のように通った。

五日の祭日の前日の夜が宵山で,遅くまで神社の境内を店を眺めてうろついていたものである。

子供の遊ぶようなゲーム店や駄菓子を売る屋台などの店が並んでいた。サーカスをしている場所も有った。

正月と祭りの頃は子供にとって年中で一番うれしい時期である。

両神社共に筋違橋通りに面しているが,藤森神社は筋違橋通りから,墨染め辺りで東に向かう道があって

その道が大名行列が通る時には神社前で槍を下げ通ったと言い伝えがある。

丁度その通りの北側に藤森神社があって,少し東に進んだ南側に:現在の伏見医師会館がある。

もう少し進むと北側には京都教育大学の裏門である。その突き当たったところに最近JR墨染駅が新設された。

大名行列はそこで北向きに道路を進み,大亀谷を経て谷口町の手前に出てくる。そして東へ向かう道を谷口町へそこから大岩街道(観修寺越え)で

南大日の中茶屋を通って観修寺をぬって大津追分にいたる道を通るようになっている。

徳川幕府が皇室と大名とが接触するのを避けさせるために,京都に大名が入ることを禁じていた。

幕府が倒れたのは結局薩摩と長州が朝廷側と手を結んだから起きている。

この観修寺越えの道は古代から続く古道である。途中に西方面には嘉祥寺(平安時代) 貞観寺(平安時代) 東には仁明天皇陵 旧桓武天皇陵

おうせんど廃寺(法禅院→檜尾寺) (奈良時代) か゛んせんどう廃寺(平安時代) 大日寺(平安時代) と続いて観修寺(平安時代)に至る。

この辺りにはいくつかの古墳群もある。その一つが旧桓武天皇陵である。

話は藤森神社に戻り, 藤森神社の宮司さんとお会いし話することがあった。

偶々先祖の話になって,藤森神社には家系図があって藤森氏は,それには天智天皇から始まっているとのことであった。

藤森神社の宮司さんが,藤森氏とは偶然であるのかどうか。

インターネットで検索してみると藤森氏は春原氏から出ている。

以前に何かの本で藤森神社から出ての宮司春原氏が北面の武士になっている記事をば読んだことがある。

その他深草の郷士には藪氏 寺内氏 寺本氏があげられているが,寺内氏 藪氏は藤森氏からの別れのようである。

だが藤森神社に聞いてみたが系図には記載はされていないと教えていただいた。

でも春原氏の系図には藤森氏 寺内氏が載っている。

何故こだわるかというと祖父の父の姉妹が寺内家に嫁いでいた事実を知っていたからである。

寺内家の六代目 七代目の方に嫁いでいるらしい話である。寺内家には何グループかがあるようだ。

どうして知ったかというと,家に残っている古い証文を見ていると

寺内の名前が出て来たことと,以前からわずかに縁続きだという話を知っていたからである。

20-30年前に父方の先祖を調べていことがあり,寺内家に訪れ聞いたことがある。

お面白いことに寺内の親戚のなかに我が家と同じ姓を称しておられる方に電話で会ったことがある。

その方はおばあさんの里の姓を取ってのことだと聞いているとの話をしておられた。

戦前は徴兵を逃れるため,長男になるために,そのようにされていたようだ。

当時長男は兵役の義務が免除されていたようだったのかどうか。

最近寺内氏の菩提寺である常泰寺にも行き現住職 前住職からもお話を聞いた。

一時わが家の菩提寺 常安寺の住職が亡くなった時に寺院を兼務し,家にも月参りしてもらっていたことがある。

又お隣の政枝さん?が常泰寺に,先々代の住職に嫁いでおられることがあるから,親しく聞かしていただいた。

寺内家の墓を見せていただいたが,20-30年以前に寺内家でお会いして聞いた方が建てたとする墓が建っていた。

父方の先祖に関しては大体に調べたつもりだが,初代以前になると確かな見当ががつかない。




戻る                              11月分      12月分    1月分