随想 平成10年9月分 10月分 11月分 12月分 平成11年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成12年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成13年1月 分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分10月分11月分 12月分 平成14年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成15年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成16年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分11月分12月分 平成17年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成18年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成19年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成20年1月分 2月分 3月分 4月分 5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分 平成21年1月分 2月分 3月分 二月になって 2月はまだまだ寒い日が続く。外出する機会が少なく,家の中に閉じこもることが多い。ゴルフ練習もあまりしなくなって来ている。 日本の経済の落ち込みは深刻で,これは世界的な傾向である。こんな時期,日本の中川財務金融担当大臣のローマでの行跡は日本の恥ともいえる行動が見られた。 イタリア首都ローマで開かれた主要7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7=ジーセブン)後に、 もうろうとした状態で記者会見した中川昭一財務・金融大臣は17日午後、2009年度予算案と、その関連法案が衆議院を通過した時点で 大臣をやめる考えを明らかにした。 G7の会見で中川大臣は、ろれつが回らなかったり、ねむたそうに目を閉じたりする場面が見られた。 中川大臣はかぜ薬の影響と説明しましたが、国内外から「お酒に酔っていたのでは」と指摘され、そのふるまいを批判された。 ーインタ-ネットよりの引用ー これが経済危機にある日本の経済の舵取りをしている人かと情けなくなってくる。 一方民主党でも小沢氏の政治献金事件が発覚し自民党 民主党共に此れが我々の生活を支えている人たちかと考えると情けない話だ。 民主党小沢氏は自民党時代から批判され続けてきた人だから,清潔感はなく,自民党的なドロドロとしたものは身についている感はぬぐえない。 タイミングも政権交代するであろうと予想される麻生首相の支持率は低下し,末期状態の時に検察庁が小沢党首の秘書逮捕では 自民党からしかけたと思われても仕方がないことである。 日本では行政 立法 司法の三権分立が完全にはなされていない。 実力者即ちいろいろなボスによる政治力でもって,日本全体の政治から,末端における地方政治にいたるまで幅広くゆきわたっているのが現状である。 後進国並の政治状勢である。 此れまでに本格的なこの方面における改革は全く着手されていない。 戦後自民党政治が長く持続できたのもこのためによるものと考えるる。 社会は政治家に都合の良いような出来上がってしまい,ただ政治家同士の争いで,民主党小沢党首に見られるような現象が起きている。 だから政治家同士が権力に魅了されての争いが続いている。これは戦国時代からずーと全く変っていない。 国民は置き忘れられているのが現状である。 これは何処の社会においても言えることかも知れない。でも人間の宿命としてだけで諦めたくはない。 一番経済が大切な時期に,麻生首相はたった一人与謝野薫氏に財務・金融・経済財政相の経済の全てを任せきりにしている。 三つの経済関係の大臣を兼任させることが,このような日本の経済的危機の時に全てをただ一人に任せてしまうのは 如何なものかと感じている人たちか゛多くいることだろう。 首相として全く失格の人物が「自分だけが衆議院解散し総選挙が出来る」として解散総選挙は避け続けている。 国民の世論を直接にきこうとしない。ただ自分の支持率の上昇を伺ってから解散しようとしているとしか思えない なんとかして民主党の支持率を下げたいとしたのが,民主党小沢党首の政治献金スキャンダルである。 民主党は国策捜査だと騒いでいるのにも一国民として一理ある。 戦時下の時代だとあらゆる権力を行使し,政府に逆らう者は逮捕してまでして政治を行われていた。 小沢氏は自民党時代から自民党的な汚い部分を持ちあわせた人物であることの印象が強い。 此処で,全ての政治家個人への政治献金は政権をとれば,全て中止すると発言すれば見上げたものである。 政治家は経済的に何も困ってはいないから景気が悪かろうが,一人だけの経済閣僚に任せきりにしておいて, 外交の麻生を強調しソマリア海域へ自衛隊を強引に閣議決定のみで決め決行してしまっている。 このようなことを断行する以前に,やはり国民に意見を聞くべくまず解散総選挙すべきだった。 自民党の支持率が悪いから,国民全部へのバラマキを強行してから解散総選挙を目緑でいる。 「定額給付金」が直ぐ頭に思いつかず,インターネットで「バラマキ」を入力し検索すると次のような事項がみつかった。 沢山検索結果が出てくる。 「定額給付金」は即ち選挙前のバラマキとして国民の間に広く浸透している証拠だ。 麻生太郎首相が景気対策の目玉として打ち出した「定額給付金」の支払い方法が決まった。 所得制限を設けるかどうかは自治体の裁量に任せるという。 困ったのは事務作業が煩雑になる自治体側だ。 所得制限をつけるかどうか、地域によって対応が異なるとなれば訴訟沙汰も起きかねない。 1人1万2000円、老人と子供は8000円増しというのも、いったいどういう根拠があるのか、分かるようで分からない。 「麻生さんももらえるのか」といった批判をかわそうと、あれこれこねくり回した結果がこれだ。 そういっては何だが、これもまた、大衆迎合(ポピュリズム)の悪弊である。 どう知恵を出そうとも、現金を配るのだから「ばらまき」には違いない。 ならば、麻生首相も「オレがもらって何が悪い。 これで高級ホテルのバーに行く」と開き直ればよかった。 総額2兆円を国民に平等に配れば、1人当たり1万6000円程度か。 一律同額給付にすれば何ということはなかった。 自治体は住民基本台帳に従って、各世帯に家族の人数分の小切手を書留ででも送ればいい。 こういうことはスピーディーにやらないと効果が出ない。 事務手続きに費用と時間と手間をかけていては、せっかくの「善政」も影の薄いものとなってしまう。 −インタネットよりの引用ー 何とかして戦後続いて来た自民党政治による権力を放すまいとしての政権維持への執念が感じとられる。 国民の生活についてことには全く関係がない。 ただ政権を維持したいがために一万円札をバラマイて,なんとかて今までどうりのように国民からの票が取りたいがためだけのようにしか見えない。 これで゜は一種の全国民への票の買収である。 「定額給付金」の国民への支払いは「景気が悪化しているから」の理由は後からつけられたヘ理屈である。 そこまで国民は馬鹿とは思わないが, 自公政権は小泉改革の時のような大量の票が自民党に流れる可能性もあるのではないかと目論んでいる。 税金から「定額給付金」が出ていることを国民は頭の中にしっかりと持っておこう。決して麻生財閥からの全国民への無料配布ではない。 「定額給付金」は国民の税金の還付金のようなもので,手間ひまをかけてつまらんことをしていると思う。 これも政治のうちだ。 政治とお金儲けとは大いに関連している。 時代の政権担当者と商人達が結び,私腹を肥やしてきた歴史は遥か昔から続いていたのは事実である。 世界情勢としてオバマ政権が始動して間がないが,クリントン長官が日本を外国への第一の訪問国としやってきた。 半植民地国家である日本を一番最初の訪問国としているが,日本で訪れた最初の場所が「明治神宮」と「皇居」だとすれば 日本への認識のズレがかなりあるのを感じる。 東京都内で大敷地をば占有している皇室関係にまず第一に訪問することはアメリカ人の日本への認識がずれていることの証である。 沖縄旅行で見たアメリカ軍基地入り口正門に大きな鳥居が建てられているのと同じ違和感がある。 天皇が神だとして信じていた戦前・戦中派は少なくなり,その時代の終わりは近ずいてきている。 新しい世代に移り変り,戦後アメリカ式教育による万人平等の思想が行き渡っている時に天皇系関係の施設訪問に大変な違和感を感じた。 クリントン氏の神社での礼拝の仕方もギコチナクなく,日本人をアメリカの半植民地国家の国民としか思っていないのではないかと思えてくる。 クリントン氏は事情を知らずに用意したセレモリ-を実行しただけだと思うが。 このようなことで日本人がアメリカに対して親近感を持つだろうと言うような考え方は止めて欲しいものである。 本格的なアメリカ大統領オバマ氏の活躍はこれからで大いに期待したいものである。 日本に多い苦労知らずの政治家二世 三世による指導者達が続く中で,アメリカでは全く新しいタイプの政治家がどのような政治をすすめるか 全世界から大変期待が持たれている。 尾車部屋の十両力士、若麒麟(わかきりん)が大麻所持容疑で捕まった 平成21年2月1日の天声人語よりの引用 朝青龍の師匠の高砂親方は、現役の朝潮(あさしお)時代、横綱北の湖にめっぽう強かった。 関脇で迎えた83年の初場所では、北の湖に加え若乃花、千代の富士の全横綱を撃破し、14勝1敗の成績をあげた ▼これで優勝できなかったのは、14勝で並んだ大関琴風との決定戦に敗れたためだ。 朝潮もすぐ大関に昇進、両者は人気者として土俵を盛り上げた。 朝青龍がやんちゃをするたび、高砂親方のおわび姿がある。 しかし、琴風=尾車親方の渋面をこんな形で見るとは思わなかった ▼尾車部屋の十両力士、若麒麟(わかきりん)が大麻所持容疑で捕まった。 一連の大麻汚染で角界を追われた3人と違い、今度は日本人だ。 師匠の責任は自明として、相撲協会も「一部外国人の非行」では済まなくなった ▼若麒麟は、協会の抜き打ち検査ですんなりシロと出なかった。 疑いの目もあろうに、立場をわきまえぬ軽挙に絶句する。 現役時代から誠実、知的な受け答えで知られる尾車親方にして「ぶん殴ってやりたい」である ▼折しも朝青龍のガッツポーズ問題で、高砂親方が武蔵川理事長に注意された翌日の醜態。 北の湖理事長の辞任に続き、往時の名大関が反省を「競う」図に、大相撲の病巣を見る ▼琴風は関脇まで昇進後、ひざの故障で幕下に落ち、ひたむきな土俵態度ではい上がった。 美声の大関としてはやらせた演歌「まわり道」を地で行く相撲人生だった。 親方としては優しさが仇(あだ)になったのだろうが、いま角界に求められるのはこのマジメさ、自分への厳しさだ。 綱の品格を言う前に、やるべきことは多い。 相撲の国技としておくのは恥ずかしいような出来事が多発している。外国人の上位関取の占有で 昔ながらの封建的な練習が現在の日本の若者達に嫌われている。 結果が大麻を吸うような悪事が行われてきているように感ずる。 福井県丸岡町(現坂井市)が93年に始めた 「一筆啓上賞」への投稿が、 通算で100万通を超えたそうだ。 平成21年2月2日の天声人語よりの引用 福井県丸岡町(現坂井市)が93年に始めた「一筆啓上賞」への投稿が、通算で100万通を超えたそうだ。 毎年、あて先やテーマを決めて「日本一短い手紙」を募る。 これまでの作品を読み返してみた ▼肉親あては涙あり、笑いあり。 初回の「母へ」で、32歳の男性は〈若い日あなたに死ねと言った、あの日のわたしを殺したい〉と書いた。 〈ぼくが大きくなっても、ずっとあそんであげるからね、お父さん〉は96年、5歳の傑作だ ▼「愛」をお題とした95年は、震災に見舞われた神戸からの応募が多かった。 〈地震は神様のふるいでしょうか。 野心も欲も整理され、今、あなただけがそばに居る〉。 それも叶(かな)わぬ御霊(みたま)を思いつつ、生きてさえいればの実感に勇気をもらう ▼98年の「ふるさと」では〈トラックの排ガスのにおいが好き/島へのフェリーを思い出すから〉に心動く。 〈お母さん、宅急便の野菜が包まれていた新聞、しわを拡(ひろ)げて読んでいるよ〉とうれしい一文も ▼00年は「私へ」。 〈朝一番に、鏡を見て、言うわ、今日もあなたに出会えてよかった〉。 01年の「いのち」にも、自分を愛(いと)おしむ〈死にたいと思います。 でも、今までの私と、これからの私が許してくれません〉がある ▼〈「いのち」の終(おわ)りに三日下さい。 母とひなかざり。 貴男(あなた)と観覧車に。 子供達に茶碗(ちゃわん)蒸しを〉。 娘、妻、母である50代の、平凡だが平穏な半生のハイライトだろうか。 そして、8歳の感性は〈ぼくがわらうといのちもにっこり。 ぼくといのちが、いい気もち〉。 簡潔ゆえに、思いは深い。 我々の生活の幸せ感は権力者達とは違った所にあるようだ。裸で生まれて裸で死んでゆく束の間の人生は 生きている限り幸せ感をもちつづけてゆきたいものだ。 権力には負けずに生きてゆきたいものだ。誰もがそのように過ごせば変な権力者は生まれてこない。 埋蔵金に手をつけるのは泥棒だけではない 去年から盛んに口の端に上る「霞が関の埋蔵金」だ 平成21年2月3日の天声人語よりの引用 テレビ番組「笑点」の大喜利(おおぎり)で、座布団が10枚たまった時のご褒美に「徳川の御埋蔵金」が出たことがある。 もちろん大判小判のはずもなく、確か、徳川の字を入れたぞうきんが5枚で「ごまいぞうきん」という洒落(しゃれ)だった。 ことほど左様に、とかく埋蔵金の話はうそっぽい ▼たまに本物がある。 佐賀県伊万里市の80代の会社役員宅から、庭に埋めていた3億6千万円が盗まれた。 40年コツコツためたお金で、十数年前、低金利を理由に銀行から土中に移したそうだ ▼埋めたあたりを毎日確認していた持ち主。 昨秋のある早朝、掘り返されているのを見つけて通報した。 この男性は体調を崩し、12月に亡くなっている。 「将来の蓄え」だったというが、お気の毒に、蓄えも将来も消えてしまった ▼埋蔵金に手をつけるのは泥棒だけではない。 埋めた本人が何かの都合で掘り出すこともある。 例えば、去年から盛んに口の端に上る「霞が関の埋蔵金」だ。 これが、例の定額給付金に使われようとしている ▼この埋蔵金、つまり財政投融資特別会計の余裕分は、国債の償還に回すべきだ。 給付金に流用すれば、2兆円分の国債を発行するのも同じこと。 借金大国の台所は「将来の蓄え」どころか、足元のやりくりにも四苦八苦なのをお忘れか ▼埋めたのは政治家や官僚でも、もとは国民のお金。 多くの有権者が反対している給付金でばらまかれてはたまらない。 景気への効果は「ぞうきん5枚」程度だろう。 総選挙で座布団を取られたくなかったら、麻生さん、いまこそブレるときである 「霞が関埋蔵金」の意味が判らないのでインターネットで検索してみると以下のようなことが書かれてあった。 ーインターネットよりの引用ー 一説に数十兆円もあるのではとささやかれている「霞が関埋蔵金」だが、 民主党の細野豪志氏が衆院予算委員会で28日、“埋蔵金”の総額が約96兆円に上るという試算を公表し、ネットで話題だ。 霞ヶ関埋蔵金とは、霞が関の各省庁が管理している特別会計のこと。 細野氏は、特別会計や独立行政法人などの資産から負債を引いた額が“埋蔵金”に相当すると主張。 特別会計の余剰金は68兆円、独立行政法人の余剰金は16兆7000億円、 独立行政法人の関連会社と公益法人の余剰金は11兆1000億円との試算結果を公表し、有益な活用を求めた。 これに対し、ネットでは「96兆円というのは、国家予算以上ですね」「ホントにこんなに余剰金があるのなら、 年金問題やガソリン高騰問題などなど早いとこ解決して欲しいですよね」「大体、何で埋蔵金なんてものがあるんでしょうねえ。 もともと国民の税金でしょう?」など、様々な声が寄せられていた。 恐ろしい金額の政治の世界である。政権党だけが自由に使用できる。 権力の魅力はこの辺りに有るのだろうか。 主権在民なんて埋蔵金ならば公表されないのでどうすることも出来ない。 人が植えたソメイの花粉で、 近くの野生桜が交雑する「遺伝子汚染」が 報告されている 平成21年2月4日の天声人語よりの引用 近所の桜並木で開かれた花芽観察会に出た。 北風の中、春の壮観を願って青空に目を凝らすと、枝により花芽のつき具合が違う。 ガイド役の樹木医さんは「太い枝でも元気がなければ落とす。 そばから、木の将来を支える若枝が出ます」と教えてくれた ▼約50本のソメイヨシノに交じり、なぜか1本だけオオシマザクラがある。 植樹の前、苗の段階で紛れ込んだらしい。 互いに異種の花粉を受けることで、この木と近くの何本かは6月に実を結ぶ ▼しかし手放しでは喜べない。 人が植えたソメイの花粉で、近くの野生桜が交雑する「遺伝子汚染」が報告されている。 環境省の研究班がヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガンなどの種子を調べたら、13%からソメイの遺伝子が見つかったという ▼生物は地域ごとに進化し、それぞれの環境に適した最良の遺伝子を受け継ぐ。 遺伝子が混じると、病気や気候への適応力が弱まりかねない。 花見のとばっちりだ ▼ソメイヨシノ自体、オオシマザクラとエドヒガンの交配で生まれた。 双方の長所をもらい、葉が出る前に大きな花が満開となる花見向き、人好みの雑種となった。 植物も動物も、人間を味方につけた種は強い ▼人は自然をいじり、摂理を曲げ、自分たちの都合を通してきた。 やりすぎた結果が都市災害に温暖化。 そろそろ気になるスギ花粉も小さな警告だ。 きょうの立春に合わせたように寒が緩んだ。 私たちの無理を受け入れ、黙々と季節を回す地球はありがたいが、我慢も限界に近いだろう。 えりを正して、満開を待ちたい。 三月の下旬頃より桜の季節である。春が待ちどおしい。だが自然界にも異変が起きている。 公務員の天下り、わたりの根絶を与野党が競っている 再就職を一手にさばくという官民人材交流センターを、 民主党は「天下りあっせん機関」と攻撃する 平成21年2月5日の天声人語よりの引用 「ミスター環境」と呼ぶにふさわしい官僚がいた。 春に一周忌を迎える橋本道夫さんだ。 全国で公害が噴き出した60年代、旧厚生省の初代公害課長として産業界や当時の通産省と渡り合った ▼環境庁の大気保全局長時代には、公害病患者の反発を買いつつ、あえて環境基準を緩めたこともある。 これを機に退官、天下りも断り、筑波大で環境政策を教えた。 国家公務員のもろもろの特権を、さぼる根拠ではなく、仕事をする道具に使った人だった ▼公務員の天下り、わたりの根絶を与野党が競っている。 再就職を一手にさばくという官民人材交流センターを、民主党は「天下りあっせん機関」と攻撃する。 政府は、人事行政を内閣にまとめる工程表も決めた ▼領分を侵される人事院は「人事の中立、公正が保てない」と抵抗する。 思い詰めたような谷公士(まさひと)総裁は、名前の通り「公務員の烈士」然としている。 では、高級官僚だけが数珠つなぎでポストを巡るのは「中立、公正」といえようか ▼屋上から飛ばす紙飛行機のように、高い地位からの遍歴ほど「滞空時間」が長くなる。 ほかならぬ谷さん、01年に旧郵政省の事務次官から下り、郵政関連団体や通信衛星会社を経て現職に渡り着いた。 この人は違うにしても、諸国漫遊のような退官人生もある ▼公務員は身分や給料を保障され、責任や権限を与えられる。 冒頭の橋本さんは、その背景を「やれば何か批判攻撃を受けるようないやなことでも、やるべきときにはやるため」と自著に書いている。 爪(つめ)の垢(あか)が残っていないのが惜しい。 官僚の中の天下りで巨額の退職金を手に入れて笑いが止まらない現象を止めねばならない。 三日やれば官僚と政治屋は辞められないのが日本の現状のようだ。 是正するのにどうすれば良いのか。? 政権交代を繰り返し政党同士が国民に向かい如何に善政ができるかを競って欲しいものだ。 万円札で票を買い,便宜を与えられば票が集まるような世界からの脱却、国民自身も自戒する必要がある。 「偽物はあってもいい」が持論だ だから本物が輝く。 平成21年2月6日の天声人語よりの引用 「なんでも鑑定団」の古美術鑑定家、中島誠之助さんは「偽物はあってもいい」が持論だ。 だから本物が輝く。 「とろみのようなものがないと、人間社会は活性化していかない……許せるニセモノは小気味いいスパイスです」 (『骨董(こっとう)掘り出し人生』朝日新書) ▼プロの骨董商は、偽物をつかんだらぐっと腹に納め、己の不勉強を悔いる。 中島さんは「許せる品」に対し、名画の複製に偽サインを入れたような手をゲテモノと呼ぶ。 はなから素人をだますために仕込まれた、悪意の塊だ ▼さしずめ「円天」は国宝級のゲテモノだろう。 組織的詐欺の疑いで逮捕された波和二(なみ・かずつぎ)容疑者らは、超高利で出資を誘い、怪しい疑似通貨で出資者をつないでいた。 集金額は約5万人から2千億円以上ともいう ▼人間は持ち物に出る。 社名入りのボール、純金張りのクラブでゴルフに興じる容疑者。 大粒の宝石をいくつも光らせ、喜々として「減らない金」を使うご婦人。 お金は円だけですと諭すのもむなしい ▼さりとて日銀券のみが通貨ではないらしい。 「政府紙幣」をまいて景気をよくする構想が自民党内にあるという。 刷ればわき出る「減らない金」も、内でインフレ、外でYEN暴落を招きかねない。 その紙が円を自称しても、下に「天」を足したくなる ▼「100兆円規模で配ればいい」と聞いて、これまた中島さんの至言「偽物はある程度高く言わないと売れない」を思い出した。 「値段の緊迫感」が客の欲心をそそるそうだ。 何でもありの景気、いや集票対策。 もはや鑑定不能である。 骨董でも偽者でも素晴らしいと感ずることがある。そもそも誰が国宝とか重要美術品と決めるシステムかが判らない。 時代の価値観でもって,、骨董の値打ちが決まるのではないかと思う。絶対的なものではない。 欲しい人にとっては値打ちがあるが,要らない人には何の値打ちもないことになる。絶対的なものはない。 インターネットでの中傷被害が絶えない 匿名に乗じて、小心者が振り回す言葉の暴力だ 平成21年2月7日の天声人語よりの引用 パリの裏通りを歩くと、たまにクラクションの合奏に出くわす。 渋滞の源である配送車に、後続の車が遠慮がちに鳴らした一発。 それがたちまち長い長い一斉射撃に転じ、荷下ろしの配達員をせかすのだ。 「奏者」不詳の匿名性が、気と音を大きくする ▼インターネットでの中傷被害が絶えない。 匿名に乗じて、小心者が振り回す言葉の暴力だ。 巨大掲示板での雑言は、例えれば公園で怒鳴り散らすのたぐい、ブログへの悪態は民家に土足で乗り込む挙だろう ▼男性芸人が殺人事件に関与したというデタラメな情報をもとに、芸人のブログに「殺す」などと書き連ねた女が、脅迫の疑いで書類送検された。 同じブログで中傷を重ねた17〜45歳の男女18人も、名誉棄損の疑いで立件される ▼住所は北海道から九州まで。 互いに面識はなかろう。 同じ民家で暴れた縁とはいえ、「覆面に黒装束」では男女の別すら分からない。 だが書き込みの記録から発信元は割れる。 警察がその気になれば、覆面は造作なくはがされる ▼顔が見える集団討論でさえ、意見が次第にとんがり、結論が極端に振れることがある。 匿名ゆえに責任感が薄まる場では、安易に同調し、論より情にまかせて過激さを競うような群集心理が働くという (岡崎博之『インターネット怖い話』) ▼自由に発信できるネットにより、善意の輪が広がることもあれば、権力やメディアの所業が問われもする。 「情」と「報」の海に紛れる悪意をどう摘むか。 もはや言論の裏通りとはいえない存在だけに、交通整理の知恵がいる。 インタ-ネットは使い方により価値が変る時代になってきている。膨大な情報が国境を越え氾濫している。 使い方により犯罪に巻き込まれることもある。上手なネットの使い方が必要である。 恐ろしいブログが有るようだが,まだお目にかかった事がない。知らぬが仏で全て使い方による。 40億年にわたる壮大な進化を経て、 この星にちりばめられた多様な生命の数々である その進化論を唱えたダーウィンが生まれて、 この12日で200年になる 平成21年2月8日の天声人語よりの引用 詩人の堀口大学は、どこから眺めても正面のように見える富士山が好きだった。 冬の富士を〈あの玲瓏(れいろう) あの清楚(せいそ) あの孤高〉と言葉を尽くしてほめている ▼夏の富士も、〈雲居の高きに在りながら 老若の足に踏ませて 自らも楽しむものの如くだから 僕 この山が好きなんだ〉と愛(め)でた。 とはいえ昨夏は、山梨側から過去最高の24万人が登ったというから、さすがの富士も重たい思いをしたことだろう ▼さてスケールを大きく構えて、67億人が踏む地球はどうか。 かなり重かろうと想像はつく。 人間だけではない。 分かっているだけで175万種もの生き物が、球体の上に命をつないでいる。 40億年にわたる壮大な進化を経て、この星にちりばめられた多様な生命の数々である ▼その進化論を唱えたダーウィンが生まれて、この12日で200年になる。 革命的な論は、神が生き物を今の姿に創造したという古い世界観を覆した。 そして自分たちも進化の大河に浮かぶ一存在にすぎないと、人類は目を開かされたはずだった ▼だが皮肉と言うべきか。 進化論以降の営みは、地球を分かち合っている他の生き物を急速に追いつめてきた。 万(よろず)の生命を載せた地球自身も、汚染され、発熱し、もはや〈自らも楽しむものの如く〉おおらかではいられない ▼1億年を1メートルとして、地球の歴史を46メートルの巻物にすると、原人の登場は最後の2センチにすぎないそうだ。 「ミリ」にも満たない近代が地球に及ぼした禍を思えば、万物の霊長を自称することについ赤面してしまう、生誕200年である。 人間は進化しているのか退化しているのかわからないほどにくだらない事を繰り返している。 全ての生き物は必ずに死ぬことは厳然とした事実だ。進化論とは大変難しく,簡単には理解できない。 その考えに立脚し物事を判断行動すれば簡単なことである。だが叉思い悩むのも人間である。 日本郵政の保養施設「かんぽの宿」や社宅の売却計画が白紙に戻るらしい 79施設に投じた計2400億円に対し、オリックス不動産への売却額は109億円 平成21年2月10日の天声人語よりの引用 江戸時代の農民が副業で作った「金剛草履(こんごうぞうり)」は、丈夫なのに激安だった。 投げ売りを例える「二束(足)三文」の語源とされる。 安いにも程があるという鳩山総務相のひと声で、日本郵政の保養施設「かんぽの宿」や社宅の売却計画が白紙に戻るらしい ▼79施設に投じた計2400億円に対し、オリックス不動産への売却額は109億円。 赤字の源だから、二束三文でも一括処分できるならという感覚なのだろう。 とはいえ、明快な競争入札とは違う手続きのあちこちで疑問が生じている ▼これでケチがついたか、郵政改革への逆風が急だ。 麻生首相その人が、民営化の根幹、4分社化を見直すべき時だと述べた。 しかも、実は民営化には反対だったと強調しながら ▼「濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着せられるとオレも甚だ面白くない」と言ってはみたが、 当時の麻生総務相は「行政府としてはベストの法案」と語っている。 当然、きのうの国会では釈明に追われた。 安物のコメント屋ではあるまいし、総理がその場の空気に反応してはいけない ▼郵政ワンテーマの総選挙で与党は衆院を支配し、「反対だった」麻生氏まで既に4人の首相を選んできた。 反民営化の議員も堂々と復党、閣僚に納まった顔もある。 政権が「3分の2」を頼る衆院は、上から下まで有効期限切れだ ▼14%まで落ちた内閣支持率は、ボロ草履のような政治への退場要求だろう。 口を開くたびに国民をあきれさせ、政治家の言葉を二束三文におとしめた責任は重い。 それも濡れ衣とおっしゃるなら、投票箱に聞いてみるのが早い。 小泉改革の一環として郵政民営化があり解散総選挙で民意を問い民営化された結果がカンポの宿の売却問題が延長戦にある。 改革の旗頭である小泉純一郎氏 竹中平蔵氏は全く分けのわからない事を日本にもたらした。今や二人共に静かだ。 その後遺症か, 業績によって現在の日本に混乱をもたらしている。変人首相よりも凡人首相の方が遥かに日本にとって害がない。 日本漢字能力検定協会が、文部科学省の立ち入り調査を受けた 納税で優遇される公益法人なのに、 毎年何億円もの利益を上げてきたのが「もうけすぎ」とされた 平成21年2月11日の天声人語よりの引用 小欄で漢字を「固形スープのもと」に例えたことがある。 一粒一粒の中に、ひとしきり語れるだけの深い味が潜むと。 漢字にはまた、ものごとの味わいや世相を一粒で語る力がある。 その面白さを世に広め、調子よく転がってきた組織が、四角い「困」に乗り上げた ▼漢字検定や「今年の漢字」で知られる日本漢字能力検定協会が、文部科学省の立ち入り調査を受けた。 納税で優遇される公益法人なのに、毎年何億円もの利益を上げてきたのが「もうけすぎ」とされた ▼受験や就職の味方にと、漢検への挑戦者は増え続け、07年度は272万人を数えた。 バイト代をつぎ込んで、上級を目ざす若者もいよう。 検定が生む利益は文科省につつかれるまでもなく、検定料の値下げで返すのが筋だ ▼大久保昇理事長が任意団体で始めた75年当時は、個人商店の感覚だったと思われる。 年収60億円の検定ビジネスに育った今も、理事長と息子の副理事長が仕切り、 業務委託料として親子の会社に3年で66億円もが流れた ▼大久保氏の商才は大したもので、文字文化にも貢献した。 氏が演出した漢検ブームは携帯ゲームにまで広がった。 清水寺で披露される「今年の漢字」は年末の風物詩となり、小欄も何度か紹介している ▼しかし、事業規模に見合った品というものがある。 せこい利益移転でファミリー企業を肥やすなど論外。 公益の陰に隠そうにも、太りすぎた私益が丸見えである。 ここは、協会理事でもある清水寺の森清範貫主に一筆お願いし、特大の「省」を理事長室に掲げるしかない。 えらいところでお金を稼ぐ人がいるものかと感心する。漢字検定はパソコンを使うようになり確かに漢字力は落ちてきている。 甘党談議を続ける タイ焼きの起源には諸説あるが、 商いの先駆けとされる東京の甘味処(どころ)、 浪花家総本店が創業100年になる 平成21年2月12日の天声人語よりの引用 酒を控えよとの天命か、50歳を過ぎて甘い方もいけるようになった。 行列に並んでタイ焼きを買う。 紙袋からゴソゴソと出した頭をほおばれば、ふんわり漂う湯気とあんこの香り。 このあつあつ、ふうふうこそ冬の楽しみだ。 〈鯛焼(たいやき)を割つて五臓を吹きにけり〉中原道夫 ▼タイ焼きの起源には諸説あるが、商いの先駆けとされる東京の甘味処(どころ)、浪花家総本店が創業100年になる。 今川焼きを発展させ、縁起のいい高級魚を型に選んだのがよかった。 70年代のヒット曲「およげ!たいやきくん」の舞台とも聞く ▼製法には、浪花家系など老舗(しにせ)を中心に残る一丁焼きと、大きな型でまとめて作る連式焼きがある。 本物になぞらえて、それぞれ天然物、養殖物と呼ぶそうだ ▼甘党談議を続ける。 タイ焼き元年の1909(明治42)年は、森永商店、いまの森永製菓が国産初の板チョコを売り出した年でもある。 原料のビターチョコレートを米国から輸入しての加工だった ▼明治から大正期、マシュマロ、キャラメル、ビスケットと、見慣れない西洋菓子が好奇の目を集めた。 以来1世紀、菓子の市場で和洋の形勢は逆転し、タイの「五臓」にまでチョコやクリームが詰まる昨今である。 あさってのバレンタインデーやクリスマスなど、洋菓子勢が繰り出した仕掛けも大きい ▼森永製菓が女性400人に「本命チョコ」の値段を聞いたところ、平均は去年より900円も安い1700円だった。 このご時世、予算で妥協するのなら、いっそ目先を変えて「2匹で300円」を分ける手もある。 戦中,戦後と甘みに国民は飢えていた。時代とともに甘いものが増加してきてメタボの原因の一つとも 言われるようになってきている。現在は甘いものが店先に氾濫している。 人間は、「火を使う動物」とも言うが, 燃やし続けやすく扱いやすい火の大きさに、 ぴたりのサイズに生まれついたのだそうだ 平成21年2月13日の天声人語よりの引用 人間の定義は様々だが、「火を使う動物」とも言う。 太古から火の扱いに長じてきた。 その理由について作家の池澤夏樹さんが、 「人の身体サイズは火を使うのにちょうど良い大きさだった」という説を引いている(『母なる自然のおっぱい』新潮社) ▼人がもしネズミのようなサイズだったら、身の丈に合うのは極小の焚(た)き火だ。 消えないようにするのは至難の業だったろう。 逆にゾウのように大きければ、山火事の心配のない焚き火場を見つけるのは難しかったに違いない ▼つまり人間は、燃やし続けやすく扱いやすい火の大きさに、ぴたりのサイズに生まれついたのだそうだ。 とはいえ、火はときに、人の身の丈をはるかに超えて猛(たけ)る。 オーストラリアの山野をなめる炎の犠牲者は、200人に近づいている ▼「燎原(りょうげん)の火」を地でいく勢いで広がったようだ。 樹林を包むように燃える「樹冠火(じゅかんか)」と呼ばれる火災で、専門家によれば、炎の丈は20から30メートルにも達するという。 風次第では時速50キロぐらいで広がる。 被災者は巨大な怪物に追われる心地だったろう ▼いまが夏の現地は猛暑が続き、メルボルンでは46.4度を記録した。湿度は一桁(ひとけた)台だったという。 異常な天候に、情報伝達の遅れという人的要因も重なっての惨事のようである。 大阪府の2倍に近い焼失面積にも驚くばかりだ ▼ひと雨来れば、焼け跡からは新しい芽が萌(も)え出すだろう。 太古からの自然の営みだが、山野は色をかえしても失われた命は戻らない。 火を発明することにより人間は飛躍的に文明人になったともいえる。 小泉元首相が、郵政改革をめぐる 麻生首相の迷走発言を痛烈に批判した 平成21年2月14日の天声人語よりの引用 昭和の歌姫、美空ひばりさんが没して20年になる。 語り継がれるのは、病に倒れて1年後の88年春、完成間もない東京ドームでの復帰公演だ。 腰の痛みに耐えての「不死鳥の熱唱」は深い感動を残した ▼ひばりプロ制作部長だった森啓(あきら)さんは「音楽の精が、ひばりさんに乗り移っているかのようだ」、 元ニッポン放送の池田憲一さんは「奇跡の復活とは到底信じられない迫力に、鳥肌の立つ想(おも)いでした」と著書に記した。 久々の晴れ舞台に、やはりこの人しかいないと誰もが思った ▼さて、この人の復活はどうだろう。 小泉元首相が、郵政改革をめぐる麻生首相の迷走発言を痛烈に批判した。 「怒るというより笑っちゃうくらい、ただただあきれている」と。 与党の議員には色んな鳥肌が立ったことだろう ▼ぶつ切りの断定で国民を幻惑した小泉節。 久しぶりに聞くせいだろうか、よどみない節回しは、歌詞の間違えや音程のぶれに慣らされた耳に新鮮だ。 定額給付金にも疑問を投げかけ、永田町では「麻生おろしか」と騒ぎになっている ▼与党には、ワンフレーズに世論が踊った小泉劇場を懐かしむ向きがある。 だが、格差の拡大、地方の衰弱、軽くなった首相の言葉など、劇場の残響も忘れ去るわけにはいかない。 同じ歌に酔うほど、有権者は甘くはなかろう ▼へらへら、くねくねの麻生節も情けないが、説明不足の再来も困る。 そもそも、引退して息子に譲るという人が政局の主役になるようでは、そこにある危機は乗り切れないだろう。 「懐メロ」頼みの政治はごめんである。 「与党には、ワンフレーズに世論が踊った小泉劇場を懐かしむ向きがある」が,国民は小泉改革でもって身にしみるような 痛みを味わっている。何も成果なく今までの秩序をこわして貧富の格差社会をもたらしてしまっただけである。 世界的不況の片棒をもかついでいるのではなかろうか。自民党の偉大な功労者だけに党是にさからってもお咎めなしにすんでいる。 2月の異名を「梅つ月」とも「梅見月」ともいう 平成21年2月15日の天声人語よりの引用 ついこのあいだ年をまたいだと思ったら、はや2月も折り返しを過ぎた。 「一月往(い)ぬる、二月逃げる、三月去る」と時の過ぎゆく早さを言い表す。 流れる日々は季節を巡らし、きのうは各地で春らんまんの陽気になった ▼2月の異名を「梅つ月」とも「梅見月」ともいう。 梅は寒さの極まる季節に、百花にさきがけて花をつける。 寒さにへこたれずにつぼみを膨らませていく強さに、作家の藤沢周平は「どこか人を励ますところがある」と見てとった ▼陽気に誘われるのではなく、寒さに向かってきりりと花を開く。 満開も見事だが、むしろ「一輪ほどのあたたかさ」にこそ梅の真価は感じられる。 とはいえ凜然(りんぜん)とした咲き姿に、作家の獅子文六は若いころ「道徳的な圧迫を感じた」と言うから、人の感性はさまざまである ▼今が盛りの受験との縁も、切っても切れない。 学問の神様といえば菅原道真。 その天神様の、梅はシンボルでもある。 寒さに負けぬりりしさは受験生を励ますが、「梅の木学問」なる戒めもあるから心構えが肝心だ ▼梅の木は成長は速いが大木にはならない。 転じて、小器用に身につけた大成しない学問のことを言う。 江戸の昔からある言葉だが、受験勉強を暗示しているようなのは皮肉である ▼その逆を「楠(くすのき)学問」という。 去年の朗報だったノーベル賞諸氏はこちらだろう。 梅の花に願をかけ、合格したら「桜咲く」では梅に申し訳ない気もするが、若い世代に将来の楠の多からんことを願う。 明日からまた、梅の似合う冴(さ)え返(かえ)りに列島はつつまれるそうだ。 梅便りが春の来るのを一番最初に告げる。春が待ちどしい。 吸うことを前提に禁煙席を置くのではなく、 吸わないのを当たり前として喫煙席を設ける。 全面禁煙は難しくても、せめて意識の反転が 店の側にほしいものだ 平成21年2月16日の天声人語よりの引用 「目のやり場に困る」と言うけれど、下手な役者は「手のやり場」にも困るらしい。 手を持て余してサマにならない。 そんな大根役者にはたばこを吸わせるのが手っ取り早いと、いつか演出家に聞いた覚えがある ▼日常生活でも手が無聊(ぶりょう)をかこつことがある。 そんなとき、喫煙者の手はたばこに伸びるようだ。 食事のときも、箸(はし)を置いたとたんに手持ち無沙汰(ぶさた)になると見える。 近くの席の「大根役者」にモクモクやられ、こちらの食事が台無しになった経験は一度や二度ではない ▼いまや飲食店は受動喫煙の最大の舞台になった感がある。 製薬会社のファイザーが調査したら、煙で不快な経験をした人は非喫煙者の約9割にのぼっていた。 喫煙者も、半数近くが他人の煙でいやな思いをしたことがあるという ▼それが「他山の石」となればいいのだが、モラル頼みは限界がある。 吸うことを前提に禁煙席を置くのではなく、吸わないのを当たり前として喫煙席を設ける。 全面禁煙は難しくても、せめて意識の反転が店の側にほしいものだ ▼酒好きだった作家の山口瞳が、下戸を気の毒がって「人生を半分しか生きていない感じがする」と書いていた。 たばこ好きにも言いたいことはあろうが、受動喫煙の害は隠れもない。 他人の人生を縮めるようでは、紫煙の趣を説いてもむなしいばかりだ ▼日本禁煙学会によれば、わが国の受動喫煙防止への取り組みは先進国中最低レベルという。 近くに「大根役者」が座らぬように祈るしかないとなれば、楽しい食事もギャンブルさながらである。 悼みつつ、手なずけたつもりでいる火の怖さを改めて思う。 どうして禁煙学会いた゛けでなく,タバコの害を被っている疾患を扱う学会が何故に本腰入れ反対しないのかが不思議である。 全面禁煙にもってゆくのが人の命を預かるような職業に携わっている者として当然のことである。 国を先頭にたって,全員が喫煙反対に参加すべきことである。タバコを吸わない一人として毎日の生活での見聞で痛切に感ずる。 「心の休養」に熱心と聞けば、中川財務相の仏頂面にも親しみがわく だが、ローマから届いた映像にはのけぞった 平成21年2月17日の天声人語よりの引用 酒飲みは都合のいい金言に詳しくなる。 例えば〈ワインを飲んでいる時間を無駄と思うな。 その時間、あなたの心は休養している〉。 おかわりの言い訳に重宝しつつ、安息の液体は一滴たりとも仕事机に垂らすまいと思う。 オンとオフが共倒れだ ▼「心の休養」に熱心と聞けば、中川財務相の仏頂面にも親しみがわく。 だが、ローマから届いた映像にはのけぞった。 主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議の記者会見である ▼まぶたは重く、受け答えはしどろもどろ、あくびも出た。 酒が過ぎたとは思いたくないが、画面の外にまで熟柿(じゅくし)がにおう、ふやけた絵だった。 水を飲もうと、中川氏が隣の日銀総裁のコップに手を伸ばす様子をカメラがとらえている ▼ご本人は国会で「風邪薬を多めに飲んだことが原因と考える」「ワインはお昼の乾杯でちょっと口に含んだだけ」と釈明した。 薬と酒が未知の化学反応でも起こしたのか ▼要人なら、何であれ「副作用」を計算して口に含んでいただきたい。 世界経済の救済を話し合う地で、理由はともかくあの姿はなかろう。 せっかくの情報発信が台無しだ。 米ABCテレビのサイトは「15時間のフライトはきついものだが、お国のトヨタや日産が何万人も削減している時に居眠りしている場合か」と容赦ない ▼08年10月〜12月は年率で13%近いマイナス成長となった。 経済の神様も意地が悪い。 戦後最悪という危機に立ち向かうのは、口ばかり滑る首相と、ろれつが回らない財務相である。 醜態は地球を巡り、国民の赤面は大臣の比ではない。 中川財務相は確信犯ではなかったかと思われる。麻生首相に愛想が尽き止めたくても親友であるので止められず 醜態を映像の前にさらし止めさせられるようにしむけていったのではないかと思うが,多分に深読みだと思うが。 本人は経済危機の時に重い責任からのがれ辞めほっとしているのではなかろうか。それでは国民はたまらないことだ。 その後の閣僚は決めていない。併任では与謝野馨氏の責任はあまりにも重過ぎる。 冬空に映える青の装いで、クリントン米国務長官が東京を駆け巡った 平成21年2月18日の天声人語よりの引用 冬空に映える青の装いで、クリントン米国務長官が東京を駆け巡った。 初の外遊とはいえ、迎える側には役者が違うという思いがある。 日程は分秒で刻まれたが、行く先々で存在感を漂わせた ▼やり手弁護士、州知事夫人、大統領夫人、上院議員、大統領候補……。 これほど濃密な政治経験を重ねた女性はいない。 そして、どんな肩書が付いても「ヒラリー」である。 地金の強さをいくつもの重責が磨き上げ、今の彼女がある ▼横田早紀江さんら、北朝鮮による拉致被害者家族との面会には30分を割いた。 「一人の妻、母、娘、姉としても会いたい」と語っていた長官。 拉致問題は外交カードではなく、絶対的な人権侵害だと心に刻んでくれただろうか。 これから訪れる中国でも「人権」は避けて通れない ▼思うのは、東大大学院を休学中の留学生、トフティー・トゥニヤズさん(49)のことだ。 98年、一時帰国した中国・新疆ウイグル自治区で、公文書館の史料目録をコピーしたことを国家分裂扇動罪などに問われ、11年も服役した ▼少数民族問題に「深入り」する者への見せしめか。 このほど釈放されたが、監視下にある。 さいたま市に住む妻子は、会いに行けば拘束されかねず、ただ帰りを待つ日々。 11歳の娘さんには父親の記憶がない ▼中国当局の人権感覚は、五輪の後も変わっていないようだ。 機会あるたび、有力者が訴えるほかない。 相手が米国債のお得意様だからといって、人権で遠慮は要らない。 新たな肩書を得たヒラリーさんには、その強さが本物だと示してほしい。 クリントン氏の来日で一番印象にあるのは明治神宮参拝と皇居訪問での美智子皇后との再会のシーンであった。 その一節を、イスラエルの文学賞、エルサレム賞を受賞した 村上春樹さんの記念講演で思い出した。 村上さんは人間を「壊れやすい卵」にたとえた。 平成21年2月19日の天声人語よりの引用 ドイツの作家で医師でもあったカロッサは、第1次大戦に従軍して『ルーマニア日記』を書いた。 軍医として人と戦争を冷静に見つめた日記を読んで、ある一節に傍線を引いたことがある ▼それは一人の兵が、「無意味な榴弾(りゅうだん)の爆発のためにたちまち破裂してしまうようなものが、 どんな精神的統一体だというのだ?」と、人間のはかなさを嘆く言葉である(高橋健二訳)。 尊厳にみちた精神と肉体が、わずかな火薬で粉々に消える――。 深い嘆きは、戦争という虚無への呪いでもあっただろう ▼その一節を、イスラエルの文学賞、エルサレム賞を受賞した村上春樹さんの記念講演で思い出した。 村上さんは人間を「壊れやすい卵」にたとえた。 パレスチナ自治区ガザへの攻撃などで失われた命に、「割れた卵」を重ね合わせたようである ▼透き通るような殻に、人を人たらしめるものが詰まっている。 それが比喩(ひゆ)のイメージだろう。卵を砕く体制のことは「壁」になぞらえた。 「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調したそうだ。 そう、割れた卵は二度と元に戻らない▼イスラエルによるガザ攻撃では1300人が死亡した。 受賞辞退を求める声も出たが、「沈黙より、メッセージを伝えることを選んだ」という。 表現者としての重い決断だったに違いない ▼殻より薄い皮膚に包まれた命を思えば、人が武器を向け合うむごさに想像の至らぬはずはない。 村上さんの言葉が、憎悪の連鎖を断ち切れない大地に深く染みていってほしいと願う。 人類の争い,国家間の争いは深刻である。すべてが争いの犠牲者で弱いものに降りかかっている。 強い立場の政治家達がそれを政治利用して権力を振るい政権を維持しようとしている。 弱い立場の国民は二重苦に苦しまされている。互いに仲良くなれば自然解決することばかりだと思うのだが。 「もうろう会見」で財務相を降りた盟友について、 首相は「健康管理が不十分で」と説明した。 平成21年2月20日の天声人語よりの引用 麻生首相の言葉を聞くにつけ英国の詩人、ウィリアム・ブレイクの名言が浮かぶ。 〈キツネはわが身をとがめず、わなを責める〉。 失敗のたび、不運や状況のせいにしては進歩なし、という戒めだ ▼きのうの衆院。 「もうろう会見」で財務相を降りた盟友について、首相は「健康管理が不十分で」と説明した。 とがめるべきは「お酒ごっくん」で失敗を重ねる人物を重用したわが身の甘さだ。 首相が任命責任に触れたのは、野党に突っ込まれてのことだった ▼未曽有の経済危機、ねじれ国会など、「わな」を責めることが多い人である。 底なしの支持率も「世論の無理解」と翻訳しかねない。 キツネ首相に「国を挙げて危機を乗り切ろう」と言われて、奮い立つ国民がどれほどいよう ▼それにしても、自民党内でうごめき始めた「麻生おろし」のキツネぶりにもあきれる。 5人の中から党国会議員の56%が支持して麻生氏を選んだのは、つい5カ月前ではないか。 選挙の顔を間違えましたと、国民の審判を経ずにドタバタと次を探すなど、厚顔無恥にもほどがある ▼今の政治のもどかしさは、選んだ覚えのない首相や内閣が勝手にこけ続けていることにある。 そこをわきまえず、懲りずに若手や女性を担いだところで、有権者は踊るまい。 なめてはいけない ▼何度でも書くが、早い解散しかない。 どの党が軸になるにせよ、せめて「選んだ感」のある政権とともに危機にぶち当たりたい。 選挙をしている状況ではないというが、踏ん切りをつけるための数週間なら、ちっとも長くない。 早く総辞職解散総選挙しないことが一番の原因で,解散することが一番の解決方法だ。 国民は麻生首相支持するのかもしれないのにだが。 キヤノンの工場建設をめぐる脱税事件で捕まった会社社長、 大賀規久(のりひさ)容疑者の隠し所得は、 鹿島からの口利き料などで30億円超という。 平成21年2月21日の天声人語よりの引用 嵐山光三郎さんの短編集『同窓会奇談』(講談社文庫)のあとがきにある。 「人々が同窓会へ出かけて、交錯した時間の糸をたぐり寄せあうのは、昔の自分に出会おうという無為の作業である」 ▼同窓、同郷というだけで打ち解ける。 共通の時代や景色の中に「昔の自分」をしばし重ねられるからだろう。 育ててくれた土のにおいを確かめ、まっさらの希望を懐かしむ。 実業界でも、大小の成功者を「土の絆(きずな)」が結びつけることがある ▼キヤノンの工場建設をめぐる脱税事件で捕まった会社社長、大賀規久(のりひさ)容疑者の隠し所得は、鹿島からの口利き料などで30億円超という。 キヤノン会長にして日本経団連会長、御手洗(みたらい)冨士夫(ふじお)氏とは大分の同郷、同じ高校、家族ぐるみの仲だった ▼虎の威を借る狐(きつね)のたぐいにしても、私設秘書ばりの言動、建設業界の「大賀詣で」を知れば、カラ威張りとは思えない。 ゼネコンの裏金攻勢にあきれつつ、御手洗氏の郷土愛にも興味をそそられる ▼氏は米国に勤務した23年間、帰国すれば必ず実家を訪れ、母親と同じ部屋で寝たという。 「私の人生の原点。 おふくろの地であり、ゆりかごの地。 東京生まれの人には悪いが、こんな田舎を持っているのは本当に幸せだ」と語っている ▼財界総理が「長年の友人だったが弁護する気もない」とした容疑者は、ゆりかごの足元でうごめいた黒い影であろう。 実像がかすんだにせよ、ゆがんだにせよ、「レンズの曇り」は世界ブランドらしくない。 故郷、旧友。 優しきものとの交わりは、心地よいゆえに、難しい。 大企業はやることがなにもかもでかいことをするものだ。 陰暦2月の異称は「如月(きさらぎ)」が知られている。 花待月に通じるものがある 平成21年2月22日の天声人語よりの引用 しばらく前の小欄で2月の異名に「梅つ月」や「梅見月」があると書いたら、「花待月というのも聞いたことがあります」と便りをいただいた。 手近な辞書や歳時記を開いてみたが、見つからない。 とはいえ、心ひかれる呼び名である ▼陰暦2月の異称は「如月(きさらぎ)」が知られている。 広辞苑によれば「草木が更生すること」というから、花待月に通じるものがある。 「着物をさらに重ね着る意味」は誤りらしい。 寒さの底から春が兆す。 よみがえりの日々が、いまの時期なのだろう ▼〈地上は今/ひどく形而上学(けいじじょうがく)的な季節……くらい土の中では/やがて来る華麗な祝祭のために/ 数かぎりないものたちが生きているのです〉。 詩人、牟礼慶子さんの「見えない季節」の一節だ。 地中でひっそり芽吹きを待つ花々が、まぶたに浮かぶ ▼詩は、〈できるなら/日々のくらさを 土の中のくらさに/似せてはいけないでしょうか〉と書き出される。 豊饒(ほうじょう)をはらむ土中の暗さに希望を重ねる言葉でもあろう。 100年に一度という危機も、そうした暗さに思えるなら、少しは勇気づけられる ▼二十四節気の「雨水」を過ぎ、さらに分けた七十二候では、いまは「土脈潤起(どみゃくうるおいおこる)」にあたる。 寒々と硬かった大地が潤ってゆるむ。 その様は「華麗な祝祭」への序曲を聞くようでもある ▼そして待たれる3月は、「花咲月」とも「花見月」とも呼ばれる。 人の世はおぼつかなく、景気回復への序曲はまだ聞けそうもないが、季節は冴(さ)え返(かえ)りつつ百花を育む。 悠々たる貫禄(かんろく)、とでも言うべき天地の巡りである。 春を呼ぶ花待月は優雅な感じの呼称である。「梅つ月」や「梅見月」よりも桜の春を待つにふさわしい二月の呼び名だと思う。 朦朧(もうろう)会見で辞任した中川前財務相が、 バチカン博物館でも問題行動をしていたことが分かった いろいろと考えさせてくれる政府与党の悲喜劇である 平成21年2月23日の天声人語よりの引用 「持つべきものは友」というが、「敵」がいることもそれに劣らず大切らしい。 大劇作家シェークスピアはさすがに人間通らしく、喜劇『十二夜』の道化役に「持つべきは敵」だと語らせている ▼〈だってさ、友だちはおれをほめあげてばかにするが、敵は正直にばかだと言ってくれるんでね〉(小田島雄志訳)。続くせりふが、またいい。 〈つまり敵によっておのれを知り、友だちによっておのれを欺くってわけだ〉。 実社会の折々の場面に、すっぽり当てはまりそうな名句である ▼朦朧(もうろう)会見で辞任した中川前財務相が、バチカン博物館でも問題行動をしていたことが分かった。 柵(さく)を越えたり、展示品にさわったりしたため警報が鳴ったという。 一介の旅人ではない。一国の大臣ともなれば、分厚い恥の上塗りである ▼チャーター機を仕立てての渡欧だった。 官僚その他、随員は大勢いたはずだ。 身内とはいえ愚かさを教える人物はいなかったのか。 会見といい博物館といい、「ほめあげて内心ばかにする」官と政の関係が、寒々と見え隠れする ▼その一方で、ありがたいはずの直言は時に痛棒になる。 小泉元首相が麻生首相に向けた「笑っちゃうくらい、あきれている」はそのくちだろう。 辛口批評には慣れっこの首相も、煮えくりかえったに違いない ▼これは誰が言ったのだったか、「友を許すのは、敵を許すより難しい」という。 首相の胸中と自民党内の恨みは今後の政局に無縁ではあるまい。 友たること、敵たること。 いろいろと考えさせてくれる政府与党の悲喜劇である。 海外で開放気分でもって乱行をするといわれている日本人ツアーが思い出される。国の代表で゛官費即ち税金を使ってのことだと 思うと大変に腹が立つ話である。 映画「おくりびと」を見て、「死に対する畏敬(いけい)の念を通して 生をたたえる感動作」と米国の映画業界紙が評したそうだ。 きのう、アカデミー賞の外国語映画賞を、 日本映画として初めて受賞した 平成21年2月24日の天声人語よりの引用 人の遺体を扱った詩歌は多くないだろうが、甲州に暮らした俳人、飯田蛇笏(だこつ)に〈なきがらや秋風かよふ鼻の穴〉がある。 山あいの村の弔いだろうか。死者の湛(たた)える静けさが、透きとおった風とともに、読む者の脳裏に浮かび上がる ▼映画「おくりびと」を見て、似た思いを抱いた人もいることだろう。 「死に対する畏敬(いけい)の念を通して生をたたえる感動作」と米国の映画業界紙が評したそうだ。 きのう、アカデミー賞の外国語映画賞を、日本映画として初めて受賞した ▼遺体を清めて棺に納める「納棺師」という職業を描いている。 装束を着せ、化粧も施す。 いつくしむような所作を通して「人の尊厳」がにじみ出る。 難しい役を、主演の本木雅弘さんが好演した ▼映画作りにあたり、本物の納棺師、青木新門さんの著書『納棺夫日記』を読み込んだそうだ。 「毎日死者ばかり見ていると死者は静かで美しく見えてくる」と青木さんは書いている。 「生か死か」ではなく、生と死を一つとして見ることが大切だと、心のありようも説く ▼英語版の題名「デパーチャーズ」は「旅立ち」の意味である。 生者が「おくりびと」なら死者は「おくられびと」。 送り、送られて歳月は流れる。 テーマの普遍性が、前評判の高かったライバル作をしのいでの栄冠を呼び込んだようだ ▼もう一つの朗報となった短編アニメーション賞「つみきのいえ」も、ひとりの老人の、過ぎていった人や時への愛惜を描いている。 二つの日本映画に、人が生きて紡ぐかけがえのないものへの、深いまなざしを見る。 生は良きこと死は悪しきことと思うのが人間の本能である。 世界には6千前後の言語があるそうだ 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が大がかりな調査をしたら、 うち約2500語が消滅の危機にさらされていた 平成21年2月25日の天声人語よりの引用 ドイツ文学が専門のエッセイスト池内紀さんがかつて、「イタリア語は学びがいのある言葉だ」と書いていた。 理由が面白い。 イタリアの人は、こちらが多少の単語を話せるだけで「自分たちに向けられたすてきな表敬」と思ってくれるからだという ▼その逆は、たぶん英語だろう。 少しばかり話せてもほめられず、下手だと哀れに思われる。 いまや世界語さながらに、わが世の春を謳歌(おうか)して強気だ。 その陰で多くのマイナーな言語が消えつつあると、先日の小紙が報じていた ▼世界には6千前後の言語があるそうだ。 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が大がかりな調査をしたら、うち約2500語が消滅の危機にさらされていた。 199語にいたっては話し手が10人以下に減っていた。 まさに風前の灯である ▼219もの言語が、20世紀の半ば以降に消えている。 去年は米アラスカ州でイヤック語が、最後の話者が死んで途絶えた。 その女性は生前「ひとりぼっちは怖い」と言っていた。 イヤック語で話せる相手が誰もいなかったからである ▼一つの言語が生き延びていくには10万人以上の話し手が必要だという。 ある一線を割れば坂道を転がるのは、生き物の場合と同じらしい。 生物多様性ばかりでなく言語の多様性も、この地球上で細りつつある ▼かつて、印刷術の発明は文字のない語を置き去りにし、ラジオ・テレビの隆盛がさらに、 少数派の言語を追いやってきた。 そしていま、インターネットである。 英語も大切だが、弱肉強食にまかせていては多彩な文化は守れない。 何故に世界にこんなに多くの言葉が存在しだしたのかが不思議である。世界中が同一言葉でコミニケーションをとれるようになれば どんなに平和になるかと感ずるのだが゜。 麻生首相も当初、有権者の「ジャケ買い」を期待された。 いまや「麻生おろし」の風が吹き、 自民党は新たなジャケットを探して蠢(うごめ)く 平成21年2月26日の天声人語よりの引用 本を手に取るきっかけは様々だが、近頃は「ジャケ買い」が多いらしい。 中身を吟味するよりジャケット、つまり表紙で選ぶことだ。 当て込んでか、文庫本の売り場には、俳優の写真など派手な表紙がずらりと平積みされている ▼麻生首相も当初、有権者の「ジャケ買い」を期待された。 いまや「麻生おろし」の風が吹き、自民党は新たなジャケットを探して蠢(うごめ)く。 20年前、「本の中身を変えず、表紙だけ変えてもだめ」と総裁就任を断った元外相、伊東正義の実直は、もはや遠い感がある ▼締まらぬ政局を後に麻生氏が渡米し、米国の新しいジャケット、オバマ大統領と会見した。 主要メディアの世論調査の支持率は、片や1割台、片や6割台。 比べたくはないけれど、冬場と夏の太陽を並べて眺める思いがする ▼米国とて、表紙が変われば現実が変わるわけではない。 むしろ新奇なジャケットほど、評判倒れの危うさは大きい。 そんなオバマ氏を支えるのは、選挙で選ばれたという自負と自信だ。 米国民は今後の4年を彼に託した。 その洗礼が麻生氏にはない ▼本に話を戻せば、両人は奇(く)しくも、日本の出版界の頼もしい助っ人だ。 オバマ氏の雄弁と、麻生氏の漢字の読み違い。 教師となり、反面教師となって、演説集や読み方の本をベストセラーに押し上げた ▼「悪書にまさる泥棒はない」と西洋の諺(ことわざ)に言う。 つまらぬ本を読まされれば、金も時間も失うことになるからだ。 きたる衆院選での「ジャケ買い」を自戒しつつ、オバマ氏の4年が悪書の執筆に終わらないことを願う。 「中身を吟味するよりジャケット、つまり表紙で選ぶことだ」 政治は表紙だけでは出来ない。 ジャケットよりも中身の方がもっと大切なことである。 空の安全が、リストラで脅かされているのだという 経営難に経済危機が追い打ちをかけ、 ベテランが次々に航空会社を去っているそうだ。 平成21年2月27日の天声人語よりの引用 冒険は華々しい行為に思われがちだが、南極に人生を捧(ささ)げた元越冬隊長、村山雅美さんの考えは違った。 生前、雑誌に「我々の踏むプロセスはきわめて常識的です。 その結果が前人未到の大冒険などと言われるにすぎない」と語っている ▼奇跡もまた、着実な積み重ねから起きるらしい。 先月、「ハドソン川の奇跡」と呼ばれた不時着を成功させた米国の機長は「訓練通りに仕事をしたまで」と淡々と語っていた。 一躍英雄になったその機長が先日、米議会で気になる証言をした ▼空の安全が、リストラで脅かされているのだという。 経営難に経済危機が追い打ちをかけ、ベテランが次々に航空会社を去っているそうだ。 熟練した乗員の大切さを訴える言葉は、奇跡のあとだけに説得力がある ▼旅客機のハイテク化はめざましい。 だが飛ばすのは人間だ。 人と機械の調和なしには安全はおぼつかない。 互いの「協力関係」が人間の側から崩れかけてはいないか。 機長の心配は、そのあたりを突いているようだ ▼空ばかりではない。 鉄道や原発をはじめ至る所に、地道なプロセスを踏み外せばたちまち落ち込む深い穴が、口を開けている。 培ってきた現場の人間力が不況で細り、安全を脅かしてはいないだろうか。 海の向こうの話と決め込んではいられない ▼本当は、日々を無事故でつなぎ、英雄など生まれないことこそ誇るべき栄誉なのだ。 奇跡のあと、米国やオランダで旅客機の痛ましい事故が起きている。 合理化のあまり必要な筋肉まで削(そ)いでいなかったかどうかが、気にかかる。 経営難でベテランが職場から離れさせられる事は会社にとっても大変危機なことだが, 国民にとってはさらなる危険なことである。 春を待つ2月の言葉から 平成21年2月28日の天声人語よりの引用 きょうは56年前、吉田茂首相が国会で「バカヤロー」とやった日。 それがもとで衆院は解散する。 解散もままならぬ迷走政治の下、春を待つ2月の言葉から ▼東京の佐藤壮広(たけひろ)さん(41)は大学など10校を掛け持つ安月給講師の悲哀を「非常勤ブルース」という歌にした。 教壇でギターを弾き熱唱する。 ♪先生いつも どこにいるんですか?/聞かれるたびに おれは答えるよ/おれはいつも お前らの目の前だ……。 「パートタイムでも教育者の誇りをもってやっているぞ、というところを見せたい」 ▼歌手を夢見て北海道・網走から上京した走(はしり)裕介さん(35)が、苦節10年でデビューを果たす。 「芸名のように心で歌う歌手として走っていきます。 人生の応援歌を歌い続けたい」。 北の寒さも緩む4月に「流氷の駅」を発表する ▼京都の廣畑涙嘉(るか)さん(39)は男から女になった牧師。 性同一性障害に苦しんだ過去を背に人を励ます。 「とっくにつぶれてもおかしくなかったのに、私は生きてきたのよ。 あなたはどう? 死にものぐるいで生きてごらんよ」 ▼企業スポーツが冷え込む中、群馬県の食品会社が女子ソフトボールチームを作る。 ヘルメットには自社のソース焼きそばの頭文字の「ペ」1文字。 監督の田上(たのうえ)美和さん(33)は「強いだけでなく、焼きそばのように愛されるチームを作りたい」 ▼アカデミー賞の短編アニメ賞に輝いた加藤久仁生さん(31)が喜びを語った。 「ありがとう、私の鉛筆」。 手書きの感じを大切にしてきたそうだ。 春の色鉛筆が野山を美しく描く日も近い。 浄土宗の総本山知恩院 何年か以前に知恩院へ良く参ったものである。清涼寺へ訪れた時に,この寺院も知恩院の末寺だと言われて少し驚いた。 清涼寺は大変に大きな寺院である。黒谷の金戒光明寺も同じ系統のお寺ようである。江戸時代に徳川家が浄土宗で 増上寺が江戸幕府の庇護のもとにおかれていた。 増上寺は徳川家康の帰依(きえ)を受け、大伽藍(がらん)が造営された。以後徳川家の菩提寺として繁栄していた。 総本山 知恩院 ■大本山 増上寺 金戒光明寺 知恩寺 清浄華院 善導寺 光明寺 善光寺大本願 ■本山・特別寺院 ■法然上人二十五霊場 ■五十音別寺院紹介 ■地域別寺院紹介 ■開教寺院紹介 インタネット-よりの引用 割合に京都には浄土宗関係の寺院が多い。法然上人の教えに始まる。 東本願寺 西本願寺系統は法然上人の弟子親鸞が開いた宗教でよく似ているが少し異なる所もある。 その表現方法が違うだけで浄土宗同志だからあまり異ならないようにも思う。 ある人からもらった教えの一節が面白いので紹介する。 お手つぎ運動の講演時にもらわれたもののようである。 心の隅のちょっと気になる五十音 あ・ 当たり前やと喜ばず い・ いつもの事やと感謝せず う・ 受けしお陰にきもつかず え・ 縁大事と喜ばず お・ 恩も忘れて我が事ばかり か・ 堪忍袋をすぐ破り き・ 気まま我がままし放題 く・ 口を開けば人の悪口 け・ けちるばかりで出し惜しみ こ・ 高慢自慢で気位高い さ・ 才覚あるを鼻にかけ し・ 失敗すると他人のせい す・ 好き放題で迷惑かまわず せ・ 責任逃れの言い訳ばかり そ・ 損得だけで世を渡る た・ 頼まれごとに耳かさず ち・ 知恵もないのにくちはさみ つ・ 付き合い悪く無愛想 て・ 体裁ばかりで中味乏しく と・ ところかまわず言いふらす な・ 泣きご゛と愚痴りで何もせず に・ 逃げるばかりで責任とらず ぬ・ 抜け道、裏道ゴマするばかり ね・ ねた゛るばかりで義務果たさず の・ 能書き並べて口先ばかり は・ 腹を立てては一人でおこり ひ・ 人の立場も考えず ふ・ ふたこと目には不平と不満 へ・ へんこ ガンコで人の和乱す ほ・ 施し忘れて、取り込む一方 ま・ 曲がった根性直しもせず み・ 身の程知らずわきまえず む・ 無理を通して道理押し込め め・ めったやたらと他人にあたり も・ もめごと作って知らん顔 や・ 約束破って謝りもせず い・ 意地を張っては屁理屈並べ ゆ・ ゆずり合わずに自己本位 え・ エンマになって他人を裁き よ・ よその家が気にかかる ら・ 楽のみ求め努力せず り・ 立派な理屈は一人前 る・ ルール無視してわがまま勝手 れ・ 礼儀行儀はそっちのけ ろ・ ろくでもないのは皆他人 わ・ わが身ばかりを可愛がり い・ イヤ味ばかりで褒めるの忘れ う・ うわさ 陰口 人の悪口 え・ えらそ振っては頭も下げず えこじかたいじひねくれもの お・ 横着 ずぼら ええ加減 大風呂敷に昔自慢 ん・ 運が悪いと不満ばかり 以上で全部たが,わが身に当たるものがいくつかあって反省しきりだが実行はなかなか大変にむつかしいものもある。 戻る 1月分 2月分 3月分
二月になって 2月はまだまだ寒い日が続く。外出する機会が少なく,家の中に閉じこもることが多い。ゴルフ練習もあまりしなくなって来ている。 日本の経済の落ち込みは深刻で,これは世界的な傾向である。こんな時期,日本の中川財務金融担当大臣のローマでの行跡は日本の恥ともいえる行動が見られた。
イタリア首都ローマで開かれた主要7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7=ジーセブン)後に、 もうろうとした状態で記者会見した中川昭一財務・金融大臣は17日午後、2009年度予算案と、その関連法案が衆議院を通過した時点で 大臣をやめる考えを明らかにした。
G7の会見で中川大臣は、ろれつが回らなかったり、ねむたそうに目を閉じたりする場面が見られた。 中川大臣はかぜ薬の影響と説明しましたが、国内外から「お酒に酔っていたのでは」と指摘され、そのふるまいを批判された。 ーインタ-ネットよりの引用ー これが経済危機にある日本の経済の舵取りをしている人かと情けなくなってくる。 一方民主党でも小沢氏の政治献金事件が発覚し自民党 民主党共に此れが我々の生活を支えている人たちかと考えると情けない話だ。 民主党小沢氏は自民党時代から批判され続けてきた人だから,清潔感はなく,自民党的なドロドロとしたものは身についている感はぬぐえない。 タイミングも政権交代するであろうと予想される麻生首相の支持率は低下し,末期状態の時に検察庁が小沢党首の秘書逮捕では 自民党からしかけたと思われても仕方がないことである。 日本では行政 立法 司法の三権分立が完全にはなされていない。 実力者即ちいろいろなボスによる政治力でもって,日本全体の政治から,末端における地方政治にいたるまで幅広くゆきわたっているのが現状である。 後進国並の政治状勢である。 此れまでに本格的なこの方面における改革は全く着手されていない。 戦後自民党政治が長く持続できたのもこのためによるものと考えるる。 社会は政治家に都合の良いような出来上がってしまい,ただ政治家同士の争いで,民主党小沢党首に見られるような現象が起きている。 だから政治家同士が権力に魅了されての争いが続いている。これは戦国時代からずーと全く変っていない。 国民は置き忘れられているのが現状である。 これは何処の社会においても言えることかも知れない。でも人間の宿命としてだけで諦めたくはない。 一番経済が大切な時期に,麻生首相はたった一人与謝野薫氏に財務・金融・経済財政相の経済の全てを任せきりにしている。 三つの経済関係の大臣を兼任させることが,このような日本の経済的危機の時に全てをただ一人に任せてしまうのは 如何なものかと感じている人たちか゛多くいることだろう。 首相として全く失格の人物が「自分だけが衆議院解散し総選挙が出来る」として解散総選挙は避け続けている。 国民の世論を直接にきこうとしない。ただ自分の支持率の上昇を伺ってから解散しようとしているとしか思えない なんとかして民主党の支持率を下げたいとしたのが,民主党小沢党首の政治献金スキャンダルである。 民主党は国策捜査だと騒いでいるのにも一国民として一理ある。 戦時下の時代だとあらゆる権力を行使し,政府に逆らう者は逮捕してまでして政治を行われていた。 小沢氏は自民党時代から自民党的な汚い部分を持ちあわせた人物であることの印象が強い。 此処で,全ての政治家個人への政治献金は政権をとれば,全て中止すると発言すれば見上げたものである。 政治家は経済的に何も困ってはいないから景気が悪かろうが,一人だけの経済閣僚に任せきりにしておいて, 外交の麻生を強調しソマリア海域へ自衛隊を強引に閣議決定のみで決め決行してしまっている。 このようなことを断行する以前に,やはり国民に意見を聞くべくまず解散総選挙すべきだった。 自民党の支持率が悪いから,国民全部へのバラマキを強行してから解散総選挙を目緑でいる。 「定額給付金」が直ぐ頭に思いつかず,インターネットで「バラマキ」を入力し検索すると次のような事項がみつかった。 沢山検索結果が出てくる。 「定額給付金」は即ち選挙前のバラマキとして国民の間に広く浸透している証拠だ。
麻生太郎首相が景気対策の目玉として打ち出した「定額給付金」の支払い方法が決まった。 所得制限を設けるかどうかは自治体の裁量に任せるという。
困ったのは事務作業が煩雑になる自治体側だ。 所得制限をつけるかどうか、地域によって対応が異なるとなれば訴訟沙汰も起きかねない。
1人1万2000円、老人と子供は8000円増しというのも、いったいどういう根拠があるのか、分かるようで分からない。
「麻生さんももらえるのか」といった批判をかわそうと、あれこれこねくり回した結果がこれだ。 そういっては何だが、これもまた、大衆迎合(ポピュリズム)の悪弊である。
どう知恵を出そうとも、現金を配るのだから「ばらまき」には違いない。 ならば、麻生首相も「オレがもらって何が悪い。 これで高級ホテルのバーに行く」と開き直ればよかった。
総額2兆円を国民に平等に配れば、1人当たり1万6000円程度か。 一律同額給付にすれば何ということはなかった。 自治体は住民基本台帳に従って、各世帯に家族の人数分の小切手を書留ででも送ればいい。 こういうことはスピーディーにやらないと効果が出ない。 事務手続きに費用と時間と手間をかけていては、せっかくの「善政」も影の薄いものとなってしまう。 −インタネットよりの引用ー
尾車部屋の十両力士、若麒麟(わかきりん)が大麻所持容疑で捕まった 平成21年2月1日の天声人語よりの引用 朝青龍の師匠の高砂親方は、現役の朝潮(あさしお)時代、横綱北の湖にめっぽう強かった。 関脇で迎えた83年の初場所では、北の湖に加え若乃花、千代の富士の全横綱を撃破し、14勝1敗の成績をあげた ▼これで優勝できなかったのは、14勝で並んだ大関琴風との決定戦に敗れたためだ。 朝潮もすぐ大関に昇進、両者は人気者として土俵を盛り上げた。 朝青龍がやんちゃをするたび、高砂親方のおわび姿がある。 しかし、琴風=尾車親方の渋面をこんな形で見るとは思わなかった ▼尾車部屋の十両力士、若麒麟(わかきりん)が大麻所持容疑で捕まった。 一連の大麻汚染で角界を追われた3人と違い、今度は日本人だ。 師匠の責任は自明として、相撲協会も「一部外国人の非行」では済まなくなった ▼若麒麟は、協会の抜き打ち検査ですんなりシロと出なかった。 疑いの目もあろうに、立場をわきまえぬ軽挙に絶句する。 現役時代から誠実、知的な受け答えで知られる尾車親方にして「ぶん殴ってやりたい」である ▼折しも朝青龍のガッツポーズ問題で、高砂親方が武蔵川理事長に注意された翌日の醜態。 北の湖理事長の辞任に続き、往時の名大関が反省を「競う」図に、大相撲の病巣を見る ▼琴風は関脇まで昇進後、ひざの故障で幕下に落ち、ひたむきな土俵態度ではい上がった。 美声の大関としてはやらせた演歌「まわり道」を地で行く相撲人生だった。 親方としては優しさが仇(あだ)になったのだろうが、いま角界に求められるのはこのマジメさ、自分への厳しさだ。 綱の品格を言う前に、やるべきことは多い。 相撲の国技としておくのは恥ずかしいような出来事が多発している。外国人の上位関取の占有で 昔ながらの封建的な練習が現在の日本の若者達に嫌われている。 結果が大麻を吸うような悪事が行われてきているように感ずる。 福井県丸岡町(現坂井市)が93年に始めた 「一筆啓上賞」への投稿が、 通算で100万通を超えたそうだ。 平成21年2月2日の天声人語よりの引用 福井県丸岡町(現坂井市)が93年に始めた「一筆啓上賞」への投稿が、通算で100万通を超えたそうだ。 毎年、あて先やテーマを決めて「日本一短い手紙」を募る。 これまでの作品を読み返してみた ▼肉親あては涙あり、笑いあり。 初回の「母へ」で、32歳の男性は〈若い日あなたに死ねと言った、あの日のわたしを殺したい〉と書いた。 〈ぼくが大きくなっても、ずっとあそんであげるからね、お父さん〉は96年、5歳の傑作だ ▼「愛」をお題とした95年は、震災に見舞われた神戸からの応募が多かった。 〈地震は神様のふるいでしょうか。 野心も欲も整理され、今、あなただけがそばに居る〉。 それも叶(かな)わぬ御霊(みたま)を思いつつ、生きてさえいればの実感に勇気をもらう ▼98年の「ふるさと」では〈トラックの排ガスのにおいが好き/島へのフェリーを思い出すから〉に心動く。 〈お母さん、宅急便の野菜が包まれていた新聞、しわを拡(ひろ)げて読んでいるよ〉とうれしい一文も ▼00年は「私へ」。 〈朝一番に、鏡を見て、言うわ、今日もあなたに出会えてよかった〉。 01年の「いのち」にも、自分を愛(いと)おしむ〈死にたいと思います。 でも、今までの私と、これからの私が許してくれません〉がある ▼〈「いのち」の終(おわ)りに三日下さい。 母とひなかざり。 貴男(あなた)と観覧車に。 子供達に茶碗(ちゃわん)蒸しを〉。 娘、妻、母である50代の、平凡だが平穏な半生のハイライトだろうか。 そして、8歳の感性は〈ぼくがわらうといのちもにっこり。 ぼくといのちが、いい気もち〉。 簡潔ゆえに、思いは深い。
我々の生活の幸せ感は権力者達とは違った所にあるようだ。裸で生まれて裸で死んでゆく束の間の人生は 生きている限り幸せ感をもちつづけてゆきたいものだ。 権力には負けずに生きてゆきたいものだ。誰もがそのように過ごせば変な権力者は生まれてこない。 埋蔵金に手をつけるのは泥棒だけではない 去年から盛んに口の端に上る「霞が関の埋蔵金」だ 平成21年2月3日の天声人語よりの引用 テレビ番組「笑点」の大喜利(おおぎり)で、座布団が10枚たまった時のご褒美に「徳川の御埋蔵金」が出たことがある。 もちろん大判小判のはずもなく、確か、徳川の字を入れたぞうきんが5枚で「ごまいぞうきん」という洒落(しゃれ)だった。 ことほど左様に、とかく埋蔵金の話はうそっぽい ▼たまに本物がある。 佐賀県伊万里市の80代の会社役員宅から、庭に埋めていた3億6千万円が盗まれた。 40年コツコツためたお金で、十数年前、低金利を理由に銀行から土中に移したそうだ ▼埋めたあたりを毎日確認していた持ち主。 昨秋のある早朝、掘り返されているのを見つけて通報した。 この男性は体調を崩し、12月に亡くなっている。 「将来の蓄え」だったというが、お気の毒に、蓄えも将来も消えてしまった ▼埋蔵金に手をつけるのは泥棒だけではない。 埋めた本人が何かの都合で掘り出すこともある。 例えば、去年から盛んに口の端に上る「霞が関の埋蔵金」だ。 これが、例の定額給付金に使われようとしている ▼この埋蔵金、つまり財政投融資特別会計の余裕分は、国債の償還に回すべきだ。 給付金に流用すれば、2兆円分の国債を発行するのも同じこと。 借金大国の台所は「将来の蓄え」どころか、足元のやりくりにも四苦八苦なのをお忘れか ▼埋めたのは政治家や官僚でも、もとは国民のお金。 多くの有権者が反対している給付金でばらまかれてはたまらない。 景気への効果は「ぞうきん5枚」程度だろう。 総選挙で座布団を取られたくなかったら、麻生さん、いまこそブレるときである 「霞が関埋蔵金」の意味が判らないのでインターネットで検索してみると以下のようなことが書かれてあった。 ーインターネットよりの引用ー 一説に数十兆円もあるのではとささやかれている「霞が関埋蔵金」だが、 民主党の細野豪志氏が衆院予算委員会で28日、“埋蔵金”の総額が約96兆円に上るという試算を公表し、ネットで話題だ。 霞ヶ関埋蔵金とは、霞が関の各省庁が管理している特別会計のこと。 細野氏は、特別会計や独立行政法人などの資産から負債を引いた額が“埋蔵金”に相当すると主張。 特別会計の余剰金は68兆円、独立行政法人の余剰金は16兆7000億円、 独立行政法人の関連会社と公益法人の余剰金は11兆1000億円との試算結果を公表し、有益な活用を求めた。 これに対し、ネットでは「96兆円というのは、国家予算以上ですね」「ホントにこんなに余剰金があるのなら、 年金問題やガソリン高騰問題などなど早いとこ解決して欲しいですよね」「大体、何で埋蔵金なんてものがあるんでしょうねえ。 もともと国民の税金でしょう?」など、様々な声が寄せられていた。 恐ろしい金額の政治の世界である。政権党だけが自由に使用できる。 権力の魅力はこの辺りに有るのだろうか。 主権在民なんて埋蔵金ならば公表されないのでどうすることも出来ない。 人が植えたソメイの花粉で、 近くの野生桜が交雑する「遺伝子汚染」が 報告されている 平成21年2月4日の天声人語よりの引用 近所の桜並木で開かれた花芽観察会に出た。 北風の中、春の壮観を願って青空に目を凝らすと、枝により花芽のつき具合が違う。 ガイド役の樹木医さんは「太い枝でも元気がなければ落とす。 そばから、木の将来を支える若枝が出ます」と教えてくれた ▼約50本のソメイヨシノに交じり、なぜか1本だけオオシマザクラがある。 植樹の前、苗の段階で紛れ込んだらしい。 互いに異種の花粉を受けることで、この木と近くの何本かは6月に実を結ぶ ▼しかし手放しでは喜べない。 人が植えたソメイの花粉で、近くの野生桜が交雑する「遺伝子汚染」が報告されている。 環境省の研究班がヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガンなどの種子を調べたら、13%からソメイの遺伝子が見つかったという ▼生物は地域ごとに進化し、それぞれの環境に適した最良の遺伝子を受け継ぐ。 遺伝子が混じると、病気や気候への適応力が弱まりかねない。 花見のとばっちりだ ▼ソメイヨシノ自体、オオシマザクラとエドヒガンの交配で生まれた。 双方の長所をもらい、葉が出る前に大きな花が満開となる花見向き、人好みの雑種となった。 植物も動物も、人間を味方につけた種は強い ▼人は自然をいじり、摂理を曲げ、自分たちの都合を通してきた。 やりすぎた結果が都市災害に温暖化。 そろそろ気になるスギ花粉も小さな警告だ。 きょうの立春に合わせたように寒が緩んだ。 私たちの無理を受け入れ、黙々と季節を回す地球はありがたいが、我慢も限界に近いだろう。 えりを正して、満開を待ちたい。
三月の下旬頃より桜の季節である。春が待ちどおしい。だが自然界にも異変が起きている。 公務員の天下り、わたりの根絶を与野党が競っている 再就職を一手にさばくという官民人材交流センターを、 民主党は「天下りあっせん機関」と攻撃する 平成21年2月5日の天声人語よりの引用 「ミスター環境」と呼ぶにふさわしい官僚がいた。 春に一周忌を迎える橋本道夫さんだ。 全国で公害が噴き出した60年代、旧厚生省の初代公害課長として産業界や当時の通産省と渡り合った ▼環境庁の大気保全局長時代には、公害病患者の反発を買いつつ、あえて環境基準を緩めたこともある。 これを機に退官、天下りも断り、筑波大で環境政策を教えた。 国家公務員のもろもろの特権を、さぼる根拠ではなく、仕事をする道具に使った人だった ▼公務員の天下り、わたりの根絶を与野党が競っている。 再就職を一手にさばくという官民人材交流センターを、民主党は「天下りあっせん機関」と攻撃する。 政府は、人事行政を内閣にまとめる工程表も決めた ▼領分を侵される人事院は「人事の中立、公正が保てない」と抵抗する。 思い詰めたような谷公士(まさひと)総裁は、名前の通り「公務員の烈士」然としている。 では、高級官僚だけが数珠つなぎでポストを巡るのは「中立、公正」といえようか ▼屋上から飛ばす紙飛行機のように、高い地位からの遍歴ほど「滞空時間」が長くなる。 ほかならぬ谷さん、01年に旧郵政省の事務次官から下り、郵政関連団体や通信衛星会社を経て現職に渡り着いた。 この人は違うにしても、諸国漫遊のような退官人生もある ▼公務員は身分や給料を保障され、責任や権限を与えられる。 冒頭の橋本さんは、その背景を「やれば何か批判攻撃を受けるようないやなことでも、やるべきときにはやるため」と自著に書いている。 爪(つめ)の垢(あか)が残っていないのが惜しい。 官僚の中の天下りで巨額の退職金を手に入れて笑いが止まらない現象を止めねばならない。 三日やれば官僚と政治屋は辞められないのが日本の現状のようだ。 是正するのにどうすれば良いのか。? 政権交代を繰り返し政党同士が国民に向かい如何に善政ができるかを競って欲しいものだ。 万円札で票を買い,便宜を与えられば票が集まるような世界からの脱却、国民自身も自戒する必要がある。 「偽物はあってもいい」が持論だ だから本物が輝く。 平成21年2月6日の天声人語よりの引用 「なんでも鑑定団」の古美術鑑定家、中島誠之助さんは「偽物はあってもいい」が持論だ。 だから本物が輝く。 「とろみのようなものがないと、人間社会は活性化していかない……許せるニセモノは小気味いいスパイスです」 (『骨董(こっとう)掘り出し人生』朝日新書) ▼プロの骨董商は、偽物をつかんだらぐっと腹に納め、己の不勉強を悔いる。 中島さんは「許せる品」に対し、名画の複製に偽サインを入れたような手をゲテモノと呼ぶ。 はなから素人をだますために仕込まれた、悪意の塊だ ▼さしずめ「円天」は国宝級のゲテモノだろう。 組織的詐欺の疑いで逮捕された波和二(なみ・かずつぎ)容疑者らは、超高利で出資を誘い、怪しい疑似通貨で出資者をつないでいた。 集金額は約5万人から2千億円以上ともいう ▼人間は持ち物に出る。 社名入りのボール、純金張りのクラブでゴルフに興じる容疑者。 大粒の宝石をいくつも光らせ、喜々として「減らない金」を使うご婦人。 お金は円だけですと諭すのもむなしい ▼さりとて日銀券のみが通貨ではないらしい。 「政府紙幣」をまいて景気をよくする構想が自民党内にあるという。 刷ればわき出る「減らない金」も、内でインフレ、外でYEN暴落を招きかねない。 その紙が円を自称しても、下に「天」を足したくなる ▼「100兆円規模で配ればいい」と聞いて、これまた中島さんの至言「偽物はある程度高く言わないと売れない」を思い出した。 「値段の緊迫感」が客の欲心をそそるそうだ。 何でもありの景気、いや集票対策。 もはや鑑定不能である。 骨董でも偽者でも素晴らしいと感ずることがある。そもそも誰が国宝とか重要美術品と決めるシステムかが判らない。 時代の価値観でもって,、骨董の値打ちが決まるのではないかと思う。絶対的なものではない。 欲しい人にとっては値打ちがあるが,要らない人には何の値打ちもないことになる。絶対的なものはない。 インターネットでの中傷被害が絶えない 匿名に乗じて、小心者が振り回す言葉の暴力だ 平成21年2月7日の天声人語よりの引用 パリの裏通りを歩くと、たまにクラクションの合奏に出くわす。 渋滞の源である配送車に、後続の車が遠慮がちに鳴らした一発。 それがたちまち長い長い一斉射撃に転じ、荷下ろしの配達員をせかすのだ。 「奏者」不詳の匿名性が、気と音を大きくする ▼インターネットでの中傷被害が絶えない。 匿名に乗じて、小心者が振り回す言葉の暴力だ。 巨大掲示板での雑言は、例えれば公園で怒鳴り散らすのたぐい、ブログへの悪態は民家に土足で乗り込む挙だろう ▼男性芸人が殺人事件に関与したというデタラメな情報をもとに、芸人のブログに「殺す」などと書き連ねた女が、脅迫の疑いで書類送検された。 同じブログで中傷を重ねた17〜45歳の男女18人も、名誉棄損の疑いで立件される ▼住所は北海道から九州まで。 互いに面識はなかろう。 同じ民家で暴れた縁とはいえ、「覆面に黒装束」では男女の別すら分からない。 だが書き込みの記録から発信元は割れる。 警察がその気になれば、覆面は造作なくはがされる ▼顔が見える集団討論でさえ、意見が次第にとんがり、結論が極端に振れることがある。 匿名ゆえに責任感が薄まる場では、安易に同調し、論より情にまかせて過激さを競うような群集心理が働くという (岡崎博之『インターネット怖い話』) ▼自由に発信できるネットにより、善意の輪が広がることもあれば、権力やメディアの所業が問われもする。 「情」と「報」の海に紛れる悪意をどう摘むか。 もはや言論の裏通りとはいえない存在だけに、交通整理の知恵がいる。 インタ-ネットは使い方により価値が変る時代になってきている。膨大な情報が国境を越え氾濫している。 使い方により犯罪に巻き込まれることもある。上手なネットの使い方が必要である。 恐ろしいブログが有るようだが,まだお目にかかった事がない。知らぬが仏で全て使い方による。 40億年にわたる壮大な進化を経て、 この星にちりばめられた多様な生命の数々である その進化論を唱えたダーウィンが生まれて、 この12日で200年になる 平成21年2月8日の天声人語よりの引用 詩人の堀口大学は、どこから眺めても正面のように見える富士山が好きだった。 冬の富士を〈あの玲瓏(れいろう) あの清楚(せいそ) あの孤高〉と言葉を尽くしてほめている ▼夏の富士も、〈雲居の高きに在りながら 老若の足に踏ませて 自らも楽しむものの如くだから 僕 この山が好きなんだ〉と愛(め)でた。 とはいえ昨夏は、山梨側から過去最高の24万人が登ったというから、さすがの富士も重たい思いをしたことだろう ▼さてスケールを大きく構えて、67億人が踏む地球はどうか。 かなり重かろうと想像はつく。 人間だけではない。 分かっているだけで175万種もの生き物が、球体の上に命をつないでいる。 40億年にわたる壮大な進化を経て、この星にちりばめられた多様な生命の数々である ▼その進化論を唱えたダーウィンが生まれて、この12日で200年になる。 革命的な論は、神が生き物を今の姿に創造したという古い世界観を覆した。 そして自分たちも進化の大河に浮かぶ一存在にすぎないと、人類は目を開かされたはずだった ▼だが皮肉と言うべきか。 進化論以降の営みは、地球を分かち合っている他の生き物を急速に追いつめてきた。 万(よろず)の生命を載せた地球自身も、汚染され、発熱し、もはや〈自らも楽しむものの如く〉おおらかではいられない ▼1億年を1メートルとして、地球の歴史を46メートルの巻物にすると、原人の登場は最後の2センチにすぎないそうだ。 「ミリ」にも満たない近代が地球に及ぼした禍を思えば、万物の霊長を自称することについ赤面してしまう、生誕200年である。 人間は進化しているのか退化しているのかわからないほどにくだらない事を繰り返している。 全ての生き物は必ずに死ぬことは厳然とした事実だ。進化論とは大変難しく,簡単には理解できない。 その考えに立脚し物事を判断行動すれば簡単なことである。だが叉思い悩むのも人間である。 日本郵政の保養施設「かんぽの宿」や社宅の売却計画が白紙に戻るらしい 79施設に投じた計2400億円に対し、オリックス不動産への売却額は109億円 平成21年2月10日の天声人語よりの引用 江戸時代の農民が副業で作った「金剛草履(こんごうぞうり)」は、丈夫なのに激安だった。 投げ売りを例える「二束(足)三文」の語源とされる。 安いにも程があるという鳩山総務相のひと声で、日本郵政の保養施設「かんぽの宿」や社宅の売却計画が白紙に戻るらしい ▼79施設に投じた計2400億円に対し、オリックス不動産への売却額は109億円。 赤字の源だから、二束三文でも一括処分できるならという感覚なのだろう。 とはいえ、明快な競争入札とは違う手続きのあちこちで疑問が生じている ▼これでケチがついたか、郵政改革への逆風が急だ。 麻生首相その人が、民営化の根幹、4分社化を見直すべき時だと述べた。 しかも、実は民営化には反対だったと強調しながら ▼「濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着せられるとオレも甚だ面白くない」と言ってはみたが、 当時の麻生総務相は「行政府としてはベストの法案」と語っている。 当然、きのうの国会では釈明に追われた。 安物のコメント屋ではあるまいし、総理がその場の空気に反応してはいけない ▼郵政ワンテーマの総選挙で与党は衆院を支配し、「反対だった」麻生氏まで既に4人の首相を選んできた。 反民営化の議員も堂々と復党、閣僚に納まった顔もある。 政権が「3分の2」を頼る衆院は、上から下まで有効期限切れだ ▼14%まで落ちた内閣支持率は、ボロ草履のような政治への退場要求だろう。 口を開くたびに国民をあきれさせ、政治家の言葉を二束三文におとしめた責任は重い。 それも濡れ衣とおっしゃるなら、投票箱に聞いてみるのが早い。 小泉改革の一環として郵政民営化があり解散総選挙で民意を問い民営化された結果がカンポの宿の売却問題が延長戦にある。 改革の旗頭である小泉純一郎氏 竹中平蔵氏は全く分けのわからない事を日本にもたらした。今や二人共に静かだ。 その後遺症か, 業績によって現在の日本に混乱をもたらしている。変人首相よりも凡人首相の方が遥かに日本にとって害がない。 日本漢字能力検定協会が、文部科学省の立ち入り調査を受けた 納税で優遇される公益法人なのに、 毎年何億円もの利益を上げてきたのが「もうけすぎ」とされた 平成21年2月11日の天声人語よりの引用 小欄で漢字を「固形スープのもと」に例えたことがある。 一粒一粒の中に、ひとしきり語れるだけの深い味が潜むと。 漢字にはまた、ものごとの味わいや世相を一粒で語る力がある。 その面白さを世に広め、調子よく転がってきた組織が、四角い「困」に乗り上げた ▼漢字検定や「今年の漢字」で知られる日本漢字能力検定協会が、文部科学省の立ち入り調査を受けた。 納税で優遇される公益法人なのに、毎年何億円もの利益を上げてきたのが「もうけすぎ」とされた ▼受験や就職の味方にと、漢検への挑戦者は増え続け、07年度は272万人を数えた。 バイト代をつぎ込んで、上級を目ざす若者もいよう。 検定が生む利益は文科省につつかれるまでもなく、検定料の値下げで返すのが筋だ ▼大久保昇理事長が任意団体で始めた75年当時は、個人商店の感覚だったと思われる。 年収60億円の検定ビジネスに育った今も、理事長と息子の副理事長が仕切り、 業務委託料として親子の会社に3年で66億円もが流れた ▼大久保氏の商才は大したもので、文字文化にも貢献した。 氏が演出した漢検ブームは携帯ゲームにまで広がった。 清水寺で披露される「今年の漢字」は年末の風物詩となり、小欄も何度か紹介している ▼しかし、事業規模に見合った品というものがある。 せこい利益移転でファミリー企業を肥やすなど論外。 公益の陰に隠そうにも、太りすぎた私益が丸見えである。 ここは、協会理事でもある清水寺の森清範貫主に一筆お願いし、特大の「省」を理事長室に掲げるしかない。
えらいところでお金を稼ぐ人がいるものかと感心する。漢字検定はパソコンを使うようになり確かに漢字力は落ちてきている。 甘党談議を続ける タイ焼きの起源には諸説あるが、 商いの先駆けとされる東京の甘味処(どころ)、 浪花家総本店が創業100年になる 平成21年2月12日の天声人語よりの引用 酒を控えよとの天命か、50歳を過ぎて甘い方もいけるようになった。 行列に並んでタイ焼きを買う。 紙袋からゴソゴソと出した頭をほおばれば、ふんわり漂う湯気とあんこの香り。 このあつあつ、ふうふうこそ冬の楽しみだ。 〈鯛焼(たいやき)を割つて五臓を吹きにけり〉中原道夫 ▼タイ焼きの起源には諸説あるが、商いの先駆けとされる東京の甘味処(どころ)、浪花家総本店が創業100年になる。 今川焼きを発展させ、縁起のいい高級魚を型に選んだのがよかった。 70年代のヒット曲「およげ!たいやきくん」の舞台とも聞く ▼製法には、浪花家系など老舗(しにせ)を中心に残る一丁焼きと、大きな型でまとめて作る連式焼きがある。 本物になぞらえて、それぞれ天然物、養殖物と呼ぶそうだ ▼甘党談議を続ける。 タイ焼き元年の1909(明治42)年は、森永商店、いまの森永製菓が国産初の板チョコを売り出した年でもある。 原料のビターチョコレートを米国から輸入しての加工だった ▼明治から大正期、マシュマロ、キャラメル、ビスケットと、見慣れない西洋菓子が好奇の目を集めた。 以来1世紀、菓子の市場で和洋の形勢は逆転し、タイの「五臓」にまでチョコやクリームが詰まる昨今である。 あさってのバレンタインデーやクリスマスなど、洋菓子勢が繰り出した仕掛けも大きい ▼森永製菓が女性400人に「本命チョコ」の値段を聞いたところ、平均は去年より900円も安い1700円だった。 このご時世、予算で妥協するのなら、いっそ目先を変えて「2匹で300円」を分ける手もある。 戦中,戦後と甘みに国民は飢えていた。時代とともに甘いものが増加してきてメタボの原因の一つとも 言われるようになってきている。現在は甘いものが店先に氾濫している。 人間は、「火を使う動物」とも言うが, 燃やし続けやすく扱いやすい火の大きさに、 ぴたりのサイズに生まれついたのだそうだ 平成21年2月13日の天声人語よりの引用 人間の定義は様々だが、「火を使う動物」とも言う。 太古から火の扱いに長じてきた。 その理由について作家の池澤夏樹さんが、 「人の身体サイズは火を使うのにちょうど良い大きさだった」という説を引いている(『母なる自然のおっぱい』新潮社) ▼人がもしネズミのようなサイズだったら、身の丈に合うのは極小の焚(た)き火だ。 消えないようにするのは至難の業だったろう。 逆にゾウのように大きければ、山火事の心配のない焚き火場を見つけるのは難しかったに違いない ▼つまり人間は、燃やし続けやすく扱いやすい火の大きさに、ぴたりのサイズに生まれついたのだそうだ。 とはいえ、火はときに、人の身の丈をはるかに超えて猛(たけ)る。 オーストラリアの山野をなめる炎の犠牲者は、200人に近づいている ▼「燎原(りょうげん)の火」を地でいく勢いで広がったようだ。 樹林を包むように燃える「樹冠火(じゅかんか)」と呼ばれる火災で、専門家によれば、炎の丈は20から30メートルにも達するという。 風次第では時速50キロぐらいで広がる。 被災者は巨大な怪物に追われる心地だったろう ▼いまが夏の現地は猛暑が続き、メルボルンでは46.4度を記録した。湿度は一桁(ひとけた)台だったという。 異常な天候に、情報伝達の遅れという人的要因も重なっての惨事のようである。 大阪府の2倍に近い焼失面積にも驚くばかりだ ▼ひと雨来れば、焼け跡からは新しい芽が萌(も)え出すだろう。 太古からの自然の営みだが、山野は色をかえしても失われた命は戻らない。 火を発明することにより人間は飛躍的に文明人になったともいえる。 小泉元首相が、郵政改革をめぐる 麻生首相の迷走発言を痛烈に批判した 平成21年2月14日の天声人語よりの引用 昭和の歌姫、美空ひばりさんが没して20年になる。 語り継がれるのは、病に倒れて1年後の88年春、完成間もない東京ドームでの復帰公演だ。 腰の痛みに耐えての「不死鳥の熱唱」は深い感動を残した ▼ひばりプロ制作部長だった森啓(あきら)さんは「音楽の精が、ひばりさんに乗り移っているかのようだ」、 元ニッポン放送の池田憲一さんは「奇跡の復活とは到底信じられない迫力に、鳥肌の立つ想(おも)いでした」と著書に記した。 久々の晴れ舞台に、やはりこの人しかいないと誰もが思った ▼さて、この人の復活はどうだろう。 小泉元首相が、郵政改革をめぐる麻生首相の迷走発言を痛烈に批判した。 「怒るというより笑っちゃうくらい、ただただあきれている」と。 与党の議員には色んな鳥肌が立ったことだろう ▼ぶつ切りの断定で国民を幻惑した小泉節。 久しぶりに聞くせいだろうか、よどみない節回しは、歌詞の間違えや音程のぶれに慣らされた耳に新鮮だ。 定額給付金にも疑問を投げかけ、永田町では「麻生おろしか」と騒ぎになっている ▼与党には、ワンフレーズに世論が踊った小泉劇場を懐かしむ向きがある。 だが、格差の拡大、地方の衰弱、軽くなった首相の言葉など、劇場の残響も忘れ去るわけにはいかない。 同じ歌に酔うほど、有権者は甘くはなかろう ▼へらへら、くねくねの麻生節も情けないが、説明不足の再来も困る。 そもそも、引退して息子に譲るという人が政局の主役になるようでは、そこにある危機は乗り切れないだろう。 「懐メロ」頼みの政治はごめんである。 「与党には、ワンフレーズに世論が踊った小泉劇場を懐かしむ向きがある」が,国民は小泉改革でもって身にしみるような 痛みを味わっている。何も成果なく今までの秩序をこわして貧富の格差社会をもたらしてしまっただけである。 世界的不況の片棒をもかついでいるのではなかろうか。自民党の偉大な功労者だけに党是にさからってもお咎めなしにすんでいる。 2月の異名を「梅つ月」とも「梅見月」ともいう 平成21年2月15日の天声人語よりの引用 ついこのあいだ年をまたいだと思ったら、はや2月も折り返しを過ぎた。 「一月往(い)ぬる、二月逃げる、三月去る」と時の過ぎゆく早さを言い表す。 流れる日々は季節を巡らし、きのうは各地で春らんまんの陽気になった ▼2月の異名を「梅つ月」とも「梅見月」ともいう。 梅は寒さの極まる季節に、百花にさきがけて花をつける。 寒さにへこたれずにつぼみを膨らませていく強さに、作家の藤沢周平は「どこか人を励ますところがある」と見てとった ▼陽気に誘われるのではなく、寒さに向かってきりりと花を開く。 満開も見事だが、むしろ「一輪ほどのあたたかさ」にこそ梅の真価は感じられる。 とはいえ凜然(りんぜん)とした咲き姿に、作家の獅子文六は若いころ「道徳的な圧迫を感じた」と言うから、人の感性はさまざまである ▼今が盛りの受験との縁も、切っても切れない。 学問の神様といえば菅原道真。 その天神様の、梅はシンボルでもある。 寒さに負けぬりりしさは受験生を励ますが、「梅の木学問」なる戒めもあるから心構えが肝心だ ▼梅の木は成長は速いが大木にはならない。 転じて、小器用に身につけた大成しない学問のことを言う。 江戸の昔からある言葉だが、受験勉強を暗示しているようなのは皮肉である ▼その逆を「楠(くすのき)学問」という。 去年の朗報だったノーベル賞諸氏はこちらだろう。 梅の花に願をかけ、合格したら「桜咲く」では梅に申し訳ない気もするが、若い世代に将来の楠の多からんことを願う。 明日からまた、梅の似合う冴(さ)え返(かえ)りに列島はつつまれるそうだ。 梅便りが春の来るのを一番最初に告げる。春が待ちどしい。 吸うことを前提に禁煙席を置くのではなく、 吸わないのを当たり前として喫煙席を設ける。 全面禁煙は難しくても、せめて意識の反転が 店の側にほしいものだ 平成21年2月16日の天声人語よりの引用 「目のやり場に困る」と言うけれど、下手な役者は「手のやり場」にも困るらしい。 手を持て余してサマにならない。 そんな大根役者にはたばこを吸わせるのが手っ取り早いと、いつか演出家に聞いた覚えがある ▼日常生活でも手が無聊(ぶりょう)をかこつことがある。 そんなとき、喫煙者の手はたばこに伸びるようだ。 食事のときも、箸(はし)を置いたとたんに手持ち無沙汰(ぶさた)になると見える。 近くの席の「大根役者」にモクモクやられ、こちらの食事が台無しになった経験は一度や二度ではない ▼いまや飲食店は受動喫煙の最大の舞台になった感がある。 製薬会社のファイザーが調査したら、煙で不快な経験をした人は非喫煙者の約9割にのぼっていた。 喫煙者も、半数近くが他人の煙でいやな思いをしたことがあるという ▼それが「他山の石」となればいいのだが、モラル頼みは限界がある。 吸うことを前提に禁煙席を置くのではなく、吸わないのを当たり前として喫煙席を設ける。 全面禁煙は難しくても、せめて意識の反転が店の側にほしいものだ ▼酒好きだった作家の山口瞳が、下戸を気の毒がって「人生を半分しか生きていない感じがする」と書いていた。 たばこ好きにも言いたいことはあろうが、受動喫煙の害は隠れもない。 他人の人生を縮めるようでは、紫煙の趣を説いてもむなしいばかりだ ▼日本禁煙学会によれば、わが国の受動喫煙防止への取り組みは先進国中最低レベルという。 近くに「大根役者」が座らぬように祈るしかないとなれば、楽しい食事もギャンブルさながらである。 悼みつつ、手なずけたつもりでいる火の怖さを改めて思う。 どうして禁煙学会いた゛けでなく,タバコの害を被っている疾患を扱う学会が何故に本腰入れ反対しないのかが不思議である。 全面禁煙にもってゆくのが人の命を預かるような職業に携わっている者として当然のことである。 国を先頭にたって,全員が喫煙反対に参加すべきことである。タバコを吸わない一人として毎日の生活での見聞で痛切に感ずる。 「心の休養」に熱心と聞けば、中川財務相の仏頂面にも親しみがわく だが、ローマから届いた映像にはのけぞった 平成21年2月17日の天声人語よりの引用 酒飲みは都合のいい金言に詳しくなる。 例えば〈ワインを飲んでいる時間を無駄と思うな。 その時間、あなたの心は休養している〉。 おかわりの言い訳に重宝しつつ、安息の液体は一滴たりとも仕事机に垂らすまいと思う。 オンとオフが共倒れだ ▼「心の休養」に熱心と聞けば、中川財務相の仏頂面にも親しみがわく。 だが、ローマから届いた映像にはのけぞった。 主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議の記者会見である ▼まぶたは重く、受け答えはしどろもどろ、あくびも出た。 酒が過ぎたとは思いたくないが、画面の外にまで熟柿(じゅくし)がにおう、ふやけた絵だった。 水を飲もうと、中川氏が隣の日銀総裁のコップに手を伸ばす様子をカメラがとらえている ▼ご本人は国会で「風邪薬を多めに飲んだことが原因と考える」「ワインはお昼の乾杯でちょっと口に含んだだけ」と釈明した。 薬と酒が未知の化学反応でも起こしたのか ▼要人なら、何であれ「副作用」を計算して口に含んでいただきたい。 世界経済の救済を話し合う地で、理由はともかくあの姿はなかろう。 せっかくの情報発信が台無しだ。 米ABCテレビのサイトは「15時間のフライトはきついものだが、お国のトヨタや日産が何万人も削減している時に居眠りしている場合か」と容赦ない ▼08年10月〜12月は年率で13%近いマイナス成長となった。 経済の神様も意地が悪い。 戦後最悪という危機に立ち向かうのは、口ばかり滑る首相と、ろれつが回らない財務相である。 醜態は地球を巡り、国民の赤面は大臣の比ではない。 中川財務相は確信犯ではなかったかと思われる。麻生首相に愛想が尽き止めたくても親友であるので止められず 醜態を映像の前にさらし止めさせられるようにしむけていったのではないかと思うが,多分に深読みだと思うが。 本人は経済危機の時に重い責任からのがれ辞めほっとしているのではなかろうか。それでは国民はたまらないことだ。 その後の閣僚は決めていない。併任では与謝野馨氏の責任はあまりにも重過ぎる。 冬空に映える青の装いで、クリントン米国務長官が東京を駆け巡った 平成21年2月18日の天声人語よりの引用 冬空に映える青の装いで、クリントン米国務長官が東京を駆け巡った。 初の外遊とはいえ、迎える側には役者が違うという思いがある。 日程は分秒で刻まれたが、行く先々で存在感を漂わせた ▼やり手弁護士、州知事夫人、大統領夫人、上院議員、大統領候補……。 これほど濃密な政治経験を重ねた女性はいない。 そして、どんな肩書が付いても「ヒラリー」である。 地金の強さをいくつもの重責が磨き上げ、今の彼女がある ▼横田早紀江さんら、北朝鮮による拉致被害者家族との面会には30分を割いた。 「一人の妻、母、娘、姉としても会いたい」と語っていた長官。 拉致問題は外交カードではなく、絶対的な人権侵害だと心に刻んでくれただろうか。 これから訪れる中国でも「人権」は避けて通れない ▼思うのは、東大大学院を休学中の留学生、トフティー・トゥニヤズさん(49)のことだ。 98年、一時帰国した中国・新疆ウイグル自治区で、公文書館の史料目録をコピーしたことを国家分裂扇動罪などに問われ、11年も服役した ▼少数民族問題に「深入り」する者への見せしめか。 このほど釈放されたが、監視下にある。 さいたま市に住む妻子は、会いに行けば拘束されかねず、ただ帰りを待つ日々。 11歳の娘さんには父親の記憶がない ▼中国当局の人権感覚は、五輪の後も変わっていないようだ。 機会あるたび、有力者が訴えるほかない。 相手が米国債のお得意様だからといって、人権で遠慮は要らない。 新たな肩書を得たヒラリーさんには、その強さが本物だと示してほしい。 クリントン氏の来日で一番印象にあるのは明治神宮参拝と皇居訪問での美智子皇后との再会のシーンであった。 その一節を、イスラエルの文学賞、エルサレム賞を受賞した 村上春樹さんの記念講演で思い出した。 村上さんは人間を「壊れやすい卵」にたとえた。 平成21年2月19日の天声人語よりの引用
ドイツの作家で医師でもあったカロッサは、第1次大戦に従軍して『ルーマニア日記』を書いた。 軍医として人と戦争を冷静に見つめた日記を読んで、ある一節に傍線を引いたことがある ▼それは一人の兵が、「無意味な榴弾(りゅうだん)の爆発のためにたちまち破裂してしまうようなものが、 どんな精神的統一体だというのだ?」と、人間のはかなさを嘆く言葉である(高橋健二訳)。 尊厳にみちた精神と肉体が、わずかな火薬で粉々に消える――。 深い嘆きは、戦争という虚無への呪いでもあっただろう ▼その一節を、イスラエルの文学賞、エルサレム賞を受賞した村上春樹さんの記念講演で思い出した。 村上さんは人間を「壊れやすい卵」にたとえた。 パレスチナ自治区ガザへの攻撃などで失われた命に、「割れた卵」を重ね合わせたようである ▼透き通るような殻に、人を人たらしめるものが詰まっている。 それが比喩(ひゆ)のイメージだろう。卵を砕く体制のことは「壁」になぞらえた。 「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調したそうだ。 そう、割れた卵は二度と元に戻らない▼イスラエルによるガザ攻撃では1300人が死亡した。 受賞辞退を求める声も出たが、「沈黙より、メッセージを伝えることを選んだ」という。 表現者としての重い決断だったに違いない ▼殻より薄い皮膚に包まれた命を思えば、人が武器を向け合うむごさに想像の至らぬはずはない。 村上さんの言葉が、憎悪の連鎖を断ち切れない大地に深く染みていってほしいと願う。 人類の争い,国家間の争いは深刻である。すべてが争いの犠牲者で弱いものに降りかかっている。 強い立場の政治家達がそれを政治利用して権力を振るい政権を維持しようとしている。 弱い立場の国民は二重苦に苦しまされている。互いに仲良くなれば自然解決することばかりだと思うのだが。 「もうろう会見」で財務相を降りた盟友について、 首相は「健康管理が不十分で」と説明した。 平成21年2月20日の天声人語よりの引用 麻生首相の言葉を聞くにつけ英国の詩人、ウィリアム・ブレイクの名言が浮かぶ。 〈キツネはわが身をとがめず、わなを責める〉。 失敗のたび、不運や状況のせいにしては進歩なし、という戒めだ ▼きのうの衆院。 「もうろう会見」で財務相を降りた盟友について、首相は「健康管理が不十分で」と説明した。 とがめるべきは「お酒ごっくん」で失敗を重ねる人物を重用したわが身の甘さだ。 首相が任命責任に触れたのは、野党に突っ込まれてのことだった ▼未曽有の経済危機、ねじれ国会など、「わな」を責めることが多い人である。 底なしの支持率も「世論の無理解」と翻訳しかねない。 キツネ首相に「国を挙げて危機を乗り切ろう」と言われて、奮い立つ国民がどれほどいよう ▼それにしても、自民党内でうごめき始めた「麻生おろし」のキツネぶりにもあきれる。 5人の中から党国会議員の56%が支持して麻生氏を選んだのは、つい5カ月前ではないか。 選挙の顔を間違えましたと、国民の審判を経ずにドタバタと次を探すなど、厚顔無恥にもほどがある ▼今の政治のもどかしさは、選んだ覚えのない首相や内閣が勝手にこけ続けていることにある。 そこをわきまえず、懲りずに若手や女性を担いだところで、有権者は踊るまい。 なめてはいけない ▼何度でも書くが、早い解散しかない。 どの党が軸になるにせよ、せめて「選んだ感」のある政権とともに危機にぶち当たりたい。 選挙をしている状況ではないというが、踏ん切りをつけるための数週間なら、ちっとも長くない。 早く総辞職解散総選挙しないことが一番の原因で,解散することが一番の解決方法だ。 国民は麻生首相支持するのかもしれないのにだが。 キヤノンの工場建設をめぐる脱税事件で捕まった会社社長、 大賀規久(のりひさ)容疑者の隠し所得は、 鹿島からの口利き料などで30億円超という。 平成21年2月21日の天声人語よりの引用
嵐山光三郎さんの短編集『同窓会奇談』(講談社文庫)のあとがきにある。 「人々が同窓会へ出かけて、交錯した時間の糸をたぐり寄せあうのは、昔の自分に出会おうという無為の作業である」 ▼同窓、同郷というだけで打ち解ける。 共通の時代や景色の中に「昔の自分」をしばし重ねられるからだろう。 育ててくれた土のにおいを確かめ、まっさらの希望を懐かしむ。 実業界でも、大小の成功者を「土の絆(きずな)」が結びつけることがある ▼キヤノンの工場建設をめぐる脱税事件で捕まった会社社長、大賀規久(のりひさ)容疑者の隠し所得は、鹿島からの口利き料などで30億円超という。 キヤノン会長にして日本経団連会長、御手洗(みたらい)冨士夫(ふじお)氏とは大分の同郷、同じ高校、家族ぐるみの仲だった ▼虎の威を借る狐(きつね)のたぐいにしても、私設秘書ばりの言動、建設業界の「大賀詣で」を知れば、カラ威張りとは思えない。 ゼネコンの裏金攻勢にあきれつつ、御手洗氏の郷土愛にも興味をそそられる ▼氏は米国に勤務した23年間、帰国すれば必ず実家を訪れ、母親と同じ部屋で寝たという。 「私の人生の原点。 おふくろの地であり、ゆりかごの地。 東京生まれの人には悪いが、こんな田舎を持っているのは本当に幸せだ」と語っている ▼財界総理が「長年の友人だったが弁護する気もない」とした容疑者は、ゆりかごの足元でうごめいた黒い影であろう。 実像がかすんだにせよ、ゆがんだにせよ、「レンズの曇り」は世界ブランドらしくない。 故郷、旧友。 優しきものとの交わりは、心地よいゆえに、難しい。
大企業はやることがなにもかもでかいことをするものだ。 陰暦2月の異称は「如月(きさらぎ)」が知られている。 花待月に通じるものがある 平成21年2月22日の天声人語よりの引用 しばらく前の小欄で2月の異名に「梅つ月」や「梅見月」があると書いたら、「花待月というのも聞いたことがあります」と便りをいただいた。 手近な辞書や歳時記を開いてみたが、見つからない。 とはいえ、心ひかれる呼び名である ▼陰暦2月の異称は「如月(きさらぎ)」が知られている。 広辞苑によれば「草木が更生すること」というから、花待月に通じるものがある。 「着物をさらに重ね着る意味」は誤りらしい。 寒さの底から春が兆す。 よみがえりの日々が、いまの時期なのだろう ▼〈地上は今/ひどく形而上学(けいじじょうがく)的な季節……くらい土の中では/やがて来る華麗な祝祭のために/ 数かぎりないものたちが生きているのです〉。 詩人、牟礼慶子さんの「見えない季節」の一節だ。 地中でひっそり芽吹きを待つ花々が、まぶたに浮かぶ ▼詩は、〈できるなら/日々のくらさを 土の中のくらさに/似せてはいけないでしょうか〉と書き出される。 豊饒(ほうじょう)をはらむ土中の暗さに希望を重ねる言葉でもあろう。 100年に一度という危機も、そうした暗さに思えるなら、少しは勇気づけられる ▼二十四節気の「雨水」を過ぎ、さらに分けた七十二候では、いまは「土脈潤起(どみゃくうるおいおこる)」にあたる。 寒々と硬かった大地が潤ってゆるむ。 その様は「華麗な祝祭」への序曲を聞くようでもある ▼そして待たれる3月は、「花咲月」とも「花見月」とも呼ばれる。 人の世はおぼつかなく、景気回復への序曲はまだ聞けそうもないが、季節は冴(さ)え返(かえ)りつつ百花を育む。 悠々たる貫禄(かんろく)、とでも言うべき天地の巡りである。
春を呼ぶ花待月は優雅な感じの呼称である。「梅つ月」や「梅見月」よりも桜の春を待つにふさわしい二月の呼び名だと思う。 朦朧(もうろう)会見で辞任した中川前財務相が、 バチカン博物館でも問題行動をしていたことが分かった いろいろと考えさせてくれる政府与党の悲喜劇である 平成21年2月23日の天声人語よりの引用 「持つべきものは友」というが、「敵」がいることもそれに劣らず大切らしい。 大劇作家シェークスピアはさすがに人間通らしく、喜劇『十二夜』の道化役に「持つべきは敵」だと語らせている ▼〈だってさ、友だちはおれをほめあげてばかにするが、敵は正直にばかだと言ってくれるんでね〉(小田島雄志訳)。続くせりふが、またいい。 〈つまり敵によっておのれを知り、友だちによっておのれを欺くってわけだ〉。 実社会の折々の場面に、すっぽり当てはまりそうな名句である ▼朦朧(もうろう)会見で辞任した中川前財務相が、バチカン博物館でも問題行動をしていたことが分かった。 柵(さく)を越えたり、展示品にさわったりしたため警報が鳴ったという。 一介の旅人ではない。一国の大臣ともなれば、分厚い恥の上塗りである ▼チャーター機を仕立てての渡欧だった。 官僚その他、随員は大勢いたはずだ。 身内とはいえ愚かさを教える人物はいなかったのか。 会見といい博物館といい、「ほめあげて内心ばかにする」官と政の関係が、寒々と見え隠れする ▼その一方で、ありがたいはずの直言は時に痛棒になる。 小泉元首相が麻生首相に向けた「笑っちゃうくらい、あきれている」はそのくちだろう。 辛口批評には慣れっこの首相も、煮えくりかえったに違いない ▼これは誰が言ったのだったか、「友を許すのは、敵を許すより難しい」という。 首相の胸中と自民党内の恨みは今後の政局に無縁ではあるまい。 友たること、敵たること。 いろいろと考えさせてくれる政府与党の悲喜劇である。
海外で開放気分でもって乱行をするといわれている日本人ツアーが思い出される。国の代表で゛官費即ち税金を使ってのことだと 思うと大変に腹が立つ話である。
映画「おくりびと」を見て、「死に対する畏敬(いけい)の念を通して 生をたたえる感動作」と米国の映画業界紙が評したそうだ。 きのう、アカデミー賞の外国語映画賞を、 日本映画として初めて受賞した
平成21年2月24日の天声人語よりの引用
人の遺体を扱った詩歌は多くないだろうが、甲州に暮らした俳人、飯田蛇笏(だこつ)に〈なきがらや秋風かよふ鼻の穴〉がある。 山あいの村の弔いだろうか。死者の湛(たた)える静けさが、透きとおった風とともに、読む者の脳裏に浮かび上がる ▼映画「おくりびと」を見て、似た思いを抱いた人もいることだろう。 「死に対する畏敬(いけい)の念を通して生をたたえる感動作」と米国の映画業界紙が評したそうだ。 きのう、アカデミー賞の外国語映画賞を、日本映画として初めて受賞した ▼遺体を清めて棺に納める「納棺師」という職業を描いている。 装束を着せ、化粧も施す。 いつくしむような所作を通して「人の尊厳」がにじみ出る。 難しい役を、主演の本木雅弘さんが好演した ▼映画作りにあたり、本物の納棺師、青木新門さんの著書『納棺夫日記』を読み込んだそうだ。 「毎日死者ばかり見ていると死者は静かで美しく見えてくる」と青木さんは書いている。 「生か死か」ではなく、生と死を一つとして見ることが大切だと、心のありようも説く ▼英語版の題名「デパーチャーズ」は「旅立ち」の意味である。 生者が「おくりびと」なら死者は「おくられびと」。 送り、送られて歳月は流れる。 テーマの普遍性が、前評判の高かったライバル作をしのいでの栄冠を呼び込んだようだ ▼もう一つの朗報となった短編アニメーション賞「つみきのいえ」も、ひとりの老人の、過ぎていった人や時への愛惜を描いている。 二つの日本映画に、人が生きて紡ぐかけがえのないものへの、深いまなざしを見る。 生は良きこと死は悪しきことと思うのが人間の本能である。 世界には6千前後の言語があるそうだ 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が大がかりな調査をしたら、 うち約2500語が消滅の危機にさらされていた 平成21年2月25日の天声人語よりの引用 ドイツ文学が専門のエッセイスト池内紀さんがかつて、「イタリア語は学びがいのある言葉だ」と書いていた。 理由が面白い。 イタリアの人は、こちらが多少の単語を話せるだけで「自分たちに向けられたすてきな表敬」と思ってくれるからだという ▼その逆は、たぶん英語だろう。 少しばかり話せてもほめられず、下手だと哀れに思われる。 いまや世界語さながらに、わが世の春を謳歌(おうか)して強気だ。 その陰で多くのマイナーな言語が消えつつあると、先日の小紙が報じていた ▼世界には6千前後の言語があるそうだ。 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が大がかりな調査をしたら、うち約2500語が消滅の危機にさらされていた。 199語にいたっては話し手が10人以下に減っていた。 まさに風前の灯である ▼219もの言語が、20世紀の半ば以降に消えている。 去年は米アラスカ州でイヤック語が、最後の話者が死んで途絶えた。 その女性は生前「ひとりぼっちは怖い」と言っていた。 イヤック語で話せる相手が誰もいなかったからである ▼一つの言語が生き延びていくには10万人以上の話し手が必要だという。 ある一線を割れば坂道を転がるのは、生き物の場合と同じらしい。 生物多様性ばかりでなく言語の多様性も、この地球上で細りつつある ▼かつて、印刷術の発明は文字のない語を置き去りにし、ラジオ・テレビの隆盛がさらに、 少数派の言語を追いやってきた。 そしていま、インターネットである。 英語も大切だが、弱肉強食にまかせていては多彩な文化は守れない。 何故に世界にこんなに多くの言葉が存在しだしたのかが不思議である。世界中が同一言葉でコミニケーションをとれるようになれば どんなに平和になるかと感ずるのだが゜。
麻生首相も当初、有権者の「ジャケ買い」を期待された。 いまや「麻生おろし」の風が吹き、 自民党は新たなジャケットを探して蠢(うごめ)く 平成21年2月26日の天声人語よりの引用 本を手に取るきっかけは様々だが、近頃は「ジャケ買い」が多いらしい。 中身を吟味するよりジャケット、つまり表紙で選ぶことだ。 当て込んでか、文庫本の売り場には、俳優の写真など派手な表紙がずらりと平積みされている ▼麻生首相も当初、有権者の「ジャケ買い」を期待された。 いまや「麻生おろし」の風が吹き、自民党は新たなジャケットを探して蠢(うごめ)く。 20年前、「本の中身を変えず、表紙だけ変えてもだめ」と総裁就任を断った元外相、伊東正義の実直は、もはや遠い感がある ▼締まらぬ政局を後に麻生氏が渡米し、米国の新しいジャケット、オバマ大統領と会見した。 主要メディアの世論調査の支持率は、片や1割台、片や6割台。 比べたくはないけれど、冬場と夏の太陽を並べて眺める思いがする ▼米国とて、表紙が変われば現実が変わるわけではない。 むしろ新奇なジャケットほど、評判倒れの危うさは大きい。 そんなオバマ氏を支えるのは、選挙で選ばれたという自負と自信だ。 米国民は今後の4年を彼に託した。 その洗礼が麻生氏にはない ▼本に話を戻せば、両人は奇(く)しくも、日本の出版界の頼もしい助っ人だ。 オバマ氏の雄弁と、麻生氏の漢字の読み違い。 教師となり、反面教師となって、演説集や読み方の本をベストセラーに押し上げた ▼「悪書にまさる泥棒はない」と西洋の諺(ことわざ)に言う。 つまらぬ本を読まされれば、金も時間も失うことになるからだ。 きたる衆院選での「ジャケ買い」を自戒しつつ、オバマ氏の4年が悪書の執筆に終わらないことを願う。 「中身を吟味するよりジャケット、つまり表紙で選ぶことだ」 政治は表紙だけでは出来ない。 ジャケットよりも中身の方がもっと大切なことである。 空の安全が、リストラで脅かされているのだという 経営難に経済危機が追い打ちをかけ、 ベテランが次々に航空会社を去っているそうだ。 平成21年2月27日の天声人語よりの引用 冒険は華々しい行為に思われがちだが、南極に人生を捧(ささ)げた元越冬隊長、村山雅美さんの考えは違った。 生前、雑誌に「我々の踏むプロセスはきわめて常識的です。 その結果が前人未到の大冒険などと言われるにすぎない」と語っている ▼奇跡もまた、着実な積み重ねから起きるらしい。 先月、「ハドソン川の奇跡」と呼ばれた不時着を成功させた米国の機長は「訓練通りに仕事をしたまで」と淡々と語っていた。 一躍英雄になったその機長が先日、米議会で気になる証言をした ▼空の安全が、リストラで脅かされているのだという。 経営難に経済危機が追い打ちをかけ、ベテランが次々に航空会社を去っているそうだ。 熟練した乗員の大切さを訴える言葉は、奇跡のあとだけに説得力がある ▼旅客機のハイテク化はめざましい。 だが飛ばすのは人間だ。 人と機械の調和なしには安全はおぼつかない。 互いの「協力関係」が人間の側から崩れかけてはいないか。 機長の心配は、そのあたりを突いているようだ ▼空ばかりではない。 鉄道や原発をはじめ至る所に、地道なプロセスを踏み外せばたちまち落ち込む深い穴が、口を開けている。 培ってきた現場の人間力が不況で細り、安全を脅かしてはいないだろうか。 海の向こうの話と決め込んではいられない ▼本当は、日々を無事故でつなぎ、英雄など生まれないことこそ誇るべき栄誉なのだ。 奇跡のあと、米国やオランダで旅客機の痛ましい事故が起きている。 合理化のあまり必要な筋肉まで削(そ)いでいなかったかどうかが、気にかかる。 経営難でベテランが職場から離れさせられる事は会社にとっても大変危機なことだが, 国民にとってはさらなる危険なことである。 春を待つ2月の言葉から 平成21年2月28日の天声人語よりの引用 きょうは56年前、吉田茂首相が国会で「バカヤロー」とやった日。 それがもとで衆院は解散する。 解散もままならぬ迷走政治の下、春を待つ2月の言葉から ▼東京の佐藤壮広(たけひろ)さん(41)は大学など10校を掛け持つ安月給講師の悲哀を「非常勤ブルース」という歌にした。 教壇でギターを弾き熱唱する。 ♪先生いつも どこにいるんですか?/聞かれるたびに おれは答えるよ/おれはいつも お前らの目の前だ……。 「パートタイムでも教育者の誇りをもってやっているぞ、というところを見せたい」 ▼歌手を夢見て北海道・網走から上京した走(はしり)裕介さん(35)が、苦節10年でデビューを果たす。 「芸名のように心で歌う歌手として走っていきます。 人生の応援歌を歌い続けたい」。 北の寒さも緩む4月に「流氷の駅」を発表する ▼京都の廣畑涙嘉(るか)さん(39)は男から女になった牧師。 性同一性障害に苦しんだ過去を背に人を励ます。 「とっくにつぶれてもおかしくなかったのに、私は生きてきたのよ。 あなたはどう? 死にものぐるいで生きてごらんよ」 ▼企業スポーツが冷え込む中、群馬県の食品会社が女子ソフトボールチームを作る。 ヘルメットには自社のソース焼きそばの頭文字の「ペ」1文字。 監督の田上(たのうえ)美和さん(33)は「強いだけでなく、焼きそばのように愛されるチームを作りたい」 ▼アカデミー賞の短編アニメ賞に輝いた加藤久仁生さん(31)が喜びを語った。 「ありがとう、私の鉛筆」。 手書きの感じを大切にしてきたそうだ。 春の色鉛筆が野山を美しく描く日も近い。 浄土宗の総本山知恩院 何年か以前に知恩院へ良く参ったものである。清涼寺へ訪れた時に,この寺院も知恩院の末寺だと言われて少し驚いた。 清涼寺は大変に大きな寺院である。黒谷の金戒光明寺も同じ系統のお寺ようである。江戸時代に徳川家が浄土宗で 増上寺が江戸幕府の庇護のもとにおかれていた。 増上寺は徳川家康の帰依(きえ)を受け、大伽藍(がらん)が造営された。以後徳川家の菩提寺として繁栄していた。 総本山 知恩院 ■大本山 増上寺 金戒光明寺 知恩寺 清浄華院 善導寺 光明寺 善光寺大本願 ■本山・特別寺院 ■法然上人二十五霊場 ■五十音別寺院紹介 ■地域別寺院紹介 ■開教寺院紹介 インタネット-よりの引用 割合に京都には浄土宗関係の寺院が多い。法然上人の教えに始まる。 東本願寺 西本願寺系統は法然上人の弟子親鸞が開いた宗教でよく似ているが少し異なる所もある。 その表現方法が違うだけで浄土宗同志だからあまり異ならないようにも思う。 ある人からもらった教えの一節が面白いので紹介する。 お手つぎ運動の講演時にもらわれたもののようである。 心の隅のちょっと気になる五十音 あ・ 当たり前やと喜ばず い・ いつもの事やと感謝せず う・ 受けしお陰にきもつかず え・ 縁大事と喜ばず お・ 恩も忘れて我が事ばかり か・ 堪忍袋をすぐ破り き・ 気まま我がままし放題 く・ 口を開けば人の悪口 け・ けちるばかりで出し惜しみ こ・ 高慢自慢で気位高い さ・ 才覚あるを鼻にかけ し・ 失敗すると他人のせい す・ 好き放題で迷惑かまわず せ・ 責任逃れの言い訳ばかり そ・ 損得だけで世を渡る た・ 頼まれごとに耳かさず ち・ 知恵もないのにくちはさみ つ・ 付き合い悪く無愛想 て・ 体裁ばかりで中味乏しく と・ ところかまわず言いふらす な・ 泣きご゛と愚痴りで何もせず に・ 逃げるばかりで責任とらず ぬ・ 抜け道、裏道ゴマするばかり ね・ ねた゛るばかりで義務果たさず の・ 能書き並べて口先ばかり は・ 腹を立てては一人でおこり ひ・ 人の立場も考えず ふ・ ふたこと目には不平と不満 へ・ へんこ ガンコで人の和乱す ほ・ 施し忘れて、取り込む一方 ま・ 曲がった根性直しもせず み・ 身の程知らずわきまえず む・ 無理を通して道理押し込め め・ めったやたらと他人にあたり も・ もめごと作って知らん顔 や・ 約束破って謝りもせず い・ 意地を張っては屁理屈並べ ゆ・ ゆずり合わずに自己本位 え・ エンマになって他人を裁き よ・ よその家が気にかかる ら・ 楽のみ求め努力せず り・ 立派な理屈は一人前 る・ ルール無視してわがまま勝手 れ・ 礼儀行儀はそっちのけ ろ・ ろくでもないのは皆他人
わ・ わが身ばかりを可愛がり い・ イヤ味ばかりで褒めるの忘れ う・ うわさ 陰口 人の悪口 え・ えらそ振っては頭も下げず えこじかたいじひねくれもの お・ 横着 ずぼら ええ加減 大風呂敷に昔自慢 ん・ 運が悪いと不満ばかり 以上で全部たが,わが身に当たるものがいくつかあって反省しきりだが実行はなかなか大変にむつかしいものもある。 戻る 1月分 2月分 3月分