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11月になって



11月ともなると寒さが身に沁みる日が増えてきている。上旬頃はまだそれほどの寒さでもなかったのが

下旬頃になると一段と寒い日が増えてきた。

寒さへの過渡期は,特に身体に充分注意する必要がある。

この時期、心蔵や 脳などへの循環器の病気が一年の内で一番多発すると言われており,12月 1月も充分の注意が必要。

統計上午前中の発症が多いようで,此の時期が年中で特に身体には充分な注意が必要となってくる。

叉11月は紅葉の一番良い季節でもあって,今年は特に寒暖の差が激しかった事もあり綺麗な紅葉が見ることが出来た。

京都では 神護寺 永観堂 東福寺が それに清水寺 粟生野光明寺など紅葉で有名である。

最近ライトアップされ夜間にも紅葉が見られて違った趣のある風景を醸し出しているようだ。


京都の紅葉2010(動画)


中国関連のニュ-スが何かと話題になることが多い中,.スポーツの祭典として広州アジア大会が45ヶ国と地域が参加し広州で11月12日から27日まで開催され
,
16日間にわたる各競技での熱戦がくりひろげられた。。

たまたまアジア大会をテレビで見る機会があり観戦したが,マラソンを走っている道路が高速道路かと思うほどに立派で広州の町は近代化している。

開会式では日本選手が日の丸の旗を持たずに行進していたのは現在の日中の政治情勢に配慮している様子がうかがえる。

ノ-ベル平和賞に中国の民主活動家、劉暁波氏に授与された。劉暁波氏は現在獄中にあり授賞式に出席できないでいる。

中国に言論の自由はないのだろうか気になる所だ。

一方日本での政局は国会での討論を見ていると,相手への中傷非難合戦の様相を呈し,与野党が相手を誹謗するだけで建設的討論することが少なかった。

少し驚いたのは仙石官房長官の「自衛隊は暴力装置」だと言う発言で,昔左翼で使われていた言葉のようである。

単純に考えれば軍隊も 自衛隊もそのようなものだが,確かに敵 相手を倒すのが任務とする所から,暴力装置と言われても納得できる。

でも何か違和感を感ずる。

人間の集団を装置と言う言葉で表現されると,現在自衛隊が災害時に被災者を救助したり働いておられるのだから言い過ぎの感はある。

鳩山前首相の時の官房長官よりも,それよりも今までの官房長官の中で良し悪しは別として仙石氏には存在感がある。

菅首相よりも迫力を感ずる。,野党側からは馬渕国交相と一緒に参議院で問責決議されている。

自民党が戦後長年政権をとってきて,やっとの本格的政権交代なので,自民党時代の出来事が風化するまで積極的に政権交代を自民党に託そうとする

国民に気配は出そうもなさそうである。しかし自民党支持率が少し上昇してきている。

菅首相は支持率が1%になろうとも任期は続けると発言されている。

これまで短期政権が続いて来た中で,国際的な信用度からしてもそれ位の迫力・発言があってもよい。

自民党がやってきた悪い面をば止め,それに加え自民党がやらなかったことをすれば国民の支持は上がると考える。

小沢氏に古い自民党的体質を持ち続けている人のようで,政治とお金の問題での政治家とし典型的な人のように思われる。

政権争奪戦には何かと権力とか・お金が絡んでくるから険しくなるだけのように思われる。

世の中のために,国民の為にと, 清貧を甘んじ 只だ,ただ国民の為だけを考え努力してくれる人達が早く選挙で選ばれる時代が待たれる。

アメリカが中国 北朝鮮に対し米韓 米日の合同演習するのも戦争がないので武器弾薬が消費できず在庫が増えてきて

幾らかでも軍事演習でもって消費したいが為なのかと思ったりしている。

日本の近くでなく,何故に米国の近くで演習が行わないのか?。

,中近東 南米 アフリカでも政局はゆれているがアメリカは無視し続けているように思える。

アフガニスタン イラク イスラエル パレスチナ問題はどのようになっているのか一向にニュースが伝わることが少ないので良くわからない。

テレビのNHKスペイシャルで日米安全保障の話を見ていると日米安全保障(日米安保)から日米同盟に変わってきているようで

現在,アメリカ側から見て日本はアメリカの保護国のようであり, それに対しアーミテージ国務副長官がアメリカは日本の為に血を流すから,

日本もアメリカの為に血を流す関係にすべきだと話していることには驚いた。

討論参加者達は多面的な外交でもって平和国家になることが日本のこれからの取る道だとしている。大いに期待し納得する話である。

:現在核兵器が世界中に氾濫している時代,これからの戦争は人類破滅の戦争になることは必至である。

軍事演習するならば,太平洋の真ん中の無人島やその近海でもって行って欲しいものである。

現在の状況では,日中が過去に戦った戦争(支那事変)の発端である,盧溝橋事件のようなことが起きかねない恐れがある。


実録 沖縄玉砕(動画)


千の風になつて(動画)











中国でのチベット族のデモの記事があった
中国語(漢語)による教育の強制に青海省の高校生が反発し、
北京のチベット族学生にも飛び火したという








平成22年11月1日の天声人語よりの引用


反日デモの陰に隠れるようにして、先の国際面に小さく、中国でのチベット族のデモの記事があった。

中国語(漢語)による教育の強制に青海省の高校生が反発し、北京のチベット族学生にも飛び火したという

▼青海省では最近、チベット語と英語を除く全教科を漢語で行うと決めた。

高校生が何千人も集まって、「民族や文化の平等を」と抗議したそうだ。

中国メディアは報じなかったとみえ、記事はロンドンの国際団体などの情報に拠(よ)っていた

▼「国語とは陸海軍を備えた方言である」という。

言い得て妙だ。


支配する者の言葉が国家語として君臨してきたのは、世界の歴史が示している。

中国は1951年に軍をラサに進駐させた。


以来、抵抗と鎮圧が繰り返されてきた

▼今も独立の動きがくすぶるチベット族には、漢語はまさに「軍を備えた方言」かも知れない。

チベットだけではない。

その隣には「シルクロードの火薬庫」と呼ばれる新疆ウイグル自治区がある。

昨夏の騒乱はまだ記憶に新しい

▼無理を通した末の火種の、とかく多い国である。

その国が、内陸から転じるように海をにらむ。

海洋権益をめぐって今後どう出るのか。

日本だけでなく周辺国に共通の懸念なのは、報じられる通りだ

▼「明日はわが身」の心配もあってか東南アジアのある外相は、今の日中関係を「中国による銃口を突きつけた外交」と評したそうだ。

「互恵」という決まり文句の奥に、大国主義や対日強硬の鎧(よろい)がちらつく。

一衣帯水ゆえの緊張をはらみながら、菅内閣には正念場の外交が続く。





急速な発展を続けている中国として多くの多民族を抱え維持し続けることは困難でいずれ自治を進め

多くの国民の声を聞くような国家にならない限り安定した国家になることは難しいと思う。

人間として自由と平和は誰もが望む所である。









初めて死刑が求刑された裁判員裁判は、
きびしい道中だったに違いない
そして無期懲役が言い渡された
私たちの代表が下した判断を厳粛に受け止めたい









平成22年11月2日の天声人語よりの引用


人権派の弁護士だった正木ひろしが、裁判というものは言葉に始まって言葉に終わるものだと書いていた。

最初の言葉は法律であり、最後の言葉は判決であると。

「裁判とは、法律の言葉から、判決の言葉に至るまでの道中をいうのです」

▼その判決の言葉に至るまでに、5日の審理と、5日の評議があった。

初公判から2週間。

初めて死刑が求刑された裁判員裁判は、きびしい道中だったに違いない。

そして無期懲役が言い渡された。感想は様々として、私たちの代表が下した判断を厳粛に受け止めたい


▼被告の男(42)は「耳かき店」の従業員だった女性宅に侵入し、女性と祖母の2人を殺害した。

犯行は認めていて、事実に争いはなかった。

改悛(かいしゅん)などの情状をどう酌むかが、判決の分かれ目と見られていた

▼裁判員6人の関心も反省の浅深に集まった。

「時間を戻せるなら、どこまで戻したいと思うか」といった質問も出たそうだ。


議論を重ね、自問も繰り返したことだろう。

そして重い球を投げ返した。

生きて罪を償うように、と

▼被害者の無念、遺族の悲痛、世間の怒り、社会正義。

それらを一身に受け止めて判断を下す。

被告が否認の場合もあろう。

先の小紙で、米国で死刑評決を出した陪審員が「あの日の決断とともにこれからも生きていくのだと思う」と語っていた。

今や遠い国の話ではない

▼死刑求刑事件は外すべきだとの意見もある。

だが死刑制度がある以上、国民も向き合うのが筋だろう。

十字架を背負う可能性があってこそ、存廃論議も現実味を増して広がる。





死刑制廃止が世界の趨勢ならば 冤罪も問題にされている時,死刑制度は廃止すべきである。

死刑は中国が一番多くて次にイスラム圏らしい。死刑執行になれば絶対的に取り返しが出来ない。

日本は死刑になるような人が出ないような社会を整えると同時に,人が人を裁くことには必ず冤罪がある。










時は流れて、子どもと本をつなぐ草の根活動を支援する
「国際児童図書評議会・朝日国際児童図書普及賞」が
今年で20回目を迎えた









平成22年11月3日の天声人語よりの引用


立ち読みにまつわる最も美しい話――というのをエッセイストの鶴ケ谷真一さんが書いている。

19世紀欧州のある街で、貧しい本好きの少年が毎日、書店のウインドーに飾られた一冊の本を眺めていた。

読みたいけれどお金がない

▼ある日のこと、本のページが1枚めくられていた。


翌日も1枚めくられていて、少年は続きを読んだ。

そうして毎日めくられていく本を、少年は何カ月もかかって読み終えることができたそうだ(『月光に書を読む』)。

おとぎ話のような、書店の主(あるじ)の計らいである

▼時は流れて、子どもと本をつなぐ草の根活動を支援する「国際児童図書評議会・朝日国際児童図書普及賞」が、今年で20回目を迎えた。

節目の受賞をしたガーナの子供図書館基金の記事を読んだ。

コンテナを活用した図書館で、子どもたちが所狭しと気に入った本を広げている

▼小さい頃に図書館に通ったという青年は、「人生の基盤を作ってくれた」と振り返っていた。

読むものすべてを吸収して膨らむ年頃。

地味ながら、人の心に希望をともす尊い活動だと思った

▼そして日本では秋の読書週間である。

活字離れが言われる中、朝の読書を行っている小中高校が2万6千校あるという。

全国の7割を超すそうだ。

1日あたりは短いが、欧州の少年のように、何カ月もかけて一冊に食らいつけば素晴らしい

▼〈書冊 秋に読む可(べ)く/詩句 秋に捜(さが)す可し〉の一節が宋の詩人楊万里にある。

あとに〈永夜〈えいや〉 痛飲に宜(よろ)しく……〉と続く。

灯下に一冊か一献か。

大人は思案の、秋の夜となる。





紙の本が無くなり「iPAD」のようなソフトで読むことの出来..誰もが容易に本を発信することが出来る時代になってきている。









2年前に当選したオバマ大統領は、若き指導者のイメージがケネディにたとえられた。
仕事への評価ともされる中間選挙での、案の定の手痛い敗北である
オバマ氏の存在感は世界で大きい








平成22年11月4日の天声人語よりの引用


セオドア・ソレンセン氏の名は知らなくても、ケネディ大統領の就任演説にあった

「松明(たいまつ)は新しい世代に引き継がれた」の名文句をご記憶の方はおられよう。

大統領の名スピーチライターとして知られた氏の訃報(ふほう)に、この秋がケネディ当選から50年になるのを思い出した

▼米国では、11月は選挙の月だ。

2年前に当選したオバマ大統領は、若き指導者のイメージがケネディにたとえられた。

だが昨今、「チェンジ」の松明はかげりが目立っていた。

仕事への評価ともされる中間選挙での、案の定の手痛い敗北である

▼「茶会選挙」として将来に記憶されよう。

怒れる白人中間層らによる「茶会」という草の根保守が風を起こした。

いわゆる「小さな政府」を求め、オバマ政権が取り組む医療保険の改革さえ「社会主義」と嫌う人たちだ

▼富豪になるのも、野垂れ死ぬのも自分次第。

政府はかまってくれるな。

そう考える人々には、納めた税金が、弱者や企業の救済に使われるのは納得できない。

米国の伝統的な自由は、ときに日本人の理解を超えて激しい

▼「真に偉大な大統領になりたい。

情けない大統領ならいくらでもいるから」とオバマ氏は語っていた。

だが最近はケネディから一転、フーバー大統領に重ねる声も聞こえてくる。

大恐慌に無策で、路上生活者のかぶる新聞が「フーバー毛布」と言われるなどした人だ。

後世の評価は散々である

▼オバマ氏の存在感は世界で大きい。

だが内政でつまずけば、核廃絶の松明も消えてしまいかねない。

憂えつつ、任期の後半を注視する。





米国の中間選挙があったのが11月とは思えない。もっと以前に感じた。

共和党の強い土地柄 民主党の強い土地柄と地域により支持政党が異なるのは不健全で,日本も同様だが。

今回の選挙では共和党の草の根運動の「ティ パーティ」が活躍したようだ。

世界に君臨するような国は何処の世界の国にとっても迷惑である。

戦争に依存しないアメリカ国家となり貧富の差をもっと解消してほしいものだ。










近年、外来種のアライグマが急増して狼藉(ろうぜき)が著しい
だがアライグマにも言い分はあろう
頼みもしないのに故郷の北米から連れてこられ、
あげくに捨てられた。








平成22年11月5日の天声人語よりの引用


「微苦笑」というのは作家の久米正雄の造語だという。

その微苦笑を、きのうの社会面の記事に誘われた人もいたのではないか。

京都の大徳寺の塔頭(たっちゅう)、真珠庵(しんじゅあん)にある一休さんの肖像画に、アライグマの仕業らしき穴が見つかった

▼絵の中の一休さんは、その穴を困り顔で眺めているようにも見える。

絵は日本画家高橋玄輝の大作で、縁側に立ててあった。

動かすと、幅の広い額縁の上から柿が一つ転がり落ちたそうだ。

下手人が残していったらしい。

どこか禅味があって、憎めない話である

▼だが微苦笑してすむ話ではない。

近年、外来種のアライグマが急増して狼藉(ろうぜき)が著しい。

世界遺産の二条城、国宝の平等院鳳凰堂の壁や柱を爪(つめ)でひっかき、傷をつけた。

清水寺も東大寺も被害に遭い、重文の仏像がやられた寺もある。

他にもあって、古都の社寺は戦々恐々という

▼農産物の被害も全国で増えている。

だがアライグマにも言い分はあろう。

頼みもしないのに故郷の北米から連れてこられ、あげくに捨てられた。

罪作りは人間様でしょう――

▼日本は世界でも指折りの動物輸入大国だという。

そして捨てられる。

たとえば首都圏の多摩川では200種を超す外来魚が見つかっているそうだ。

アマゾン川ならぬ「タマゾン川」とも呼ばれている

▼頓知(とんち)話で、一休さんは屏風(びょうぶ)絵の虎を退治せよと難題を言われる。

「捕まえますから虎を屏風から追い出してください」は知られた妙答だ。

今度は自分が絵になって外来の獣にやられかけた。

人為による生態の混乱を、泉下で憂えていよう。





叉身勝手な人間に翻弄されるアライグマも可愛そうなものである。









国家組織の耳目と口も、油断ならず近いらしい
警察の公安情報とみられる文書に続いて、
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオが
インターネットに流れ出た







平成22年11月6日の天声人語よりの引用


とかく人は、耳にしたことをすぐ口にしたがる。

性悪説で知られる中国の荀子は「口と耳の間はわずかに四寸」と戒めている。

かくて「ご内密に」「ここだけの話……」といった紳士淑女の「協定」は、まず守られぬのが相場となる

▼国家組織の耳目と口も、油断ならず近いらしい。

警察の公安情報とみられる文書に続いて、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオがインターネットに流れ出た。

それぞれに背景も意味合いも違うけれど、政府、当局の失態という点では変わるところがない

▼尖閣のビデオは公開か否かで揺れていた。

流した者は不明だが、海保や検察に疑いが向いている。

国民の知る権利に応えた「義賊」なのか、それとも国家への「謀反人」なのか。

ネットに集まるコメントは「よくやった」が大半という

▼いずれにしても政府には痛い。

穴のあいた樽(たる)よろしく重要情報が漏れる国は、世界から信用されまい。

さらにビデオは、中国に対する数少ない持ち駒でもあった。

だが使うことも手の内に残すこともできず、もはや木ぎれである

▼流出という「現実」が、政府の逡巡(しゅんじゅん)の先を行ってしまった。

ロシア大統領の北方領土入りにせよ、この政権はどうも、もたつく間にやすやすと現実に先んじられる。

下手な外野手の頭上を飛球が越えていく印象だ

▼政治の厳しさを「予期せぬことが起きると、いつも予期していなければならない」と言ったのはサッチャー英元首相だった。

民主政権は同好会的なぬるさを克服できようか。

下手も絵になるのは、草野球だけである。





為政者が国民に何時見られても良いような政治をやって欲しいものである。

「ウイキ リークス」のようなものが健全な形で育ってほしいものだ。

悪いことすれば必ずにバレる世の中になる方が健全な社会なのだが。







歌手の本田美奈子さんをしのぶ人もいるだろう。
38歳の早世から5年、きのうが命日だった。
急性骨髄性白血病との闘いは10カ月で終止符を打たれたが








平成22年11月7日の天声人語よりの引用


この時期、歌手の本田美奈子さんをしのぶ人もいるだろう。

38歳の早世から5年、きのうが命日だった。


3オクターブを行き来したという澄んだ歌声は、外気がりんとする季候が似合う

▼本田さんは晩年、姓名の画数を一つ増やすべく末尾に「・」をつけた。

何事にも最善を尽くす、一途で前向きな人だったと聞く。

初のミュージカルに挑んだ時は、のどを痛めまいと家族とは筆談で通したそうだ

▼急性骨髄性白血病との闘いは10カ月で終止符を打たれたが、復帰を信じて治療に耐える姿は共感を呼んだ。

薄紅の衣装の本田さんが胸に残る。

右手でマイクを握り、左の拳を突き出したその写真は、骨髄バンク支援の公共広告に使われた

▼日本骨髄バンクのドナー登録者は約37万人。

5年で15万人増えたものの、彼女がキャンペーンに登場した4年前をピークに、増勢は鈍りつつある。

ドナー登録は55歳で抹消され、片や骨髄移植を待つ人は毎月200人ほど増えるので万全とはいえない

▼6割の患者が移植に至るも、登録から5カ月近くかかることが多い。

綱渡りで命をつなぐ日々はつらいけれど、治りにくいタイプの白血病にも、よく効く薬が開発されているという。

きょうを生き抜くことで、あすのチャンスが広がる

▼〈水晶のごとく冷たく透きとほる心となりて冬に入るかな〉茅野雅子。

歌姫が逝った年のように、明けて立冬である。

病に伏し、迫り来る試練に身構える人がいる。

その先に待つ、光の時を見すえる人もいよう。

透き通る季節に、人の善意や希望もひときわ輝く。


本田美奈子Amazing Grace(動画)









フランス在住の画家、高橋久雄さん(74)も覚悟の人とお見受けした。
かれこれ40年、50ほどの教会で壁画を修復してきたが、
昔人の業をたどるうちに自作の欲が膨らんだ









平成22年11月8日の天声人語よりの引用


野に咲く一輪を花器に挿す。

根を切られ、植物から「飾物」になっても花はきれいだが、世には持ち運べない美がある。

景勝地、建築物、一瞬の夕焼け。

どれもそこにいないと拝めない

▼壁にかけた絵と、壁にかいた絵。

一字の違いながら、切り花と野花以上の差異がある。

前者は軽やかに部屋を渡り、乱世をくぐる。

後者は建物の一部として大地に根づき、戦火に消えることも多い。

壁画に携わる者には、歴史と運命を共にする覚悟が要る

▼フランス在住の画家、高橋久雄さん(74)も覚悟の人とお見受けした。

かれこれ40年、50ほどの教会で壁画を修復してきたが、昔人の業をたどるうちに自作の欲が膨らんだ。

ブルゴーニュ地方で12世紀の古城跡を買い入れ、この夏、石造りの塔の内壁に宿願の筆を入れた

▼「歴史遺産を異邦人にいじらせるところがあの国の雅量でしょうか。

私が修復した無名画家たちのように、21世紀に何か残したい」。

仏政府公認の修復家にして、地元オータンの名誉市民ゆえに認められた創作である

▼生乾きの漆喰(しっくい)に絵の具を塗り込むフレスコの技法で、どこの壁にもないブルゴーニュ公の物語を5年で描くという。

フランス人が京都で宮大工をするようなものだろう。

当たり前を超える仕事が求められる

▼古城の基礎は2千年前の物という。

ローマ人がまいた種が中世に枝葉を伸ばし、今に生きる日本人が花を咲かす。

花は一人の画家が異郷に生きた証しにとどまらない。

あるがまま保存するのではなく、積み重ねて熟す文化財があると知る一輪になる。



高橋久雄画像)









軍事政権の独裁が続くミャンマー(ビルマ)で20年ぶりの総選挙があった
定数の4分の1がそもそも「軍人枠」なのだという







平成22年11月9日の天声人語よりの引用


「ペンは剣よりも強し」は英国の戯曲の名せりふだが、これには「偉大な指導者のもとでは」と前置きが入る。

「バロット(投票用紙)はブレット(弾丸)より強し」とは米国の16代大統領リンカーンが言った。

これにもやはり「自由で公正な選挙のもとでは」と前置きが必要だろう

▼その自由と公正からほど遠い選挙である。

軍事政権の独裁が続くミャンマー(ビルマ)で20年ぶりの総選挙があった。

その実態は、国際社会に胸を張れるとはとても言えない。

言うなれば茶番である

▼定数の4分の1がそもそも「軍人枠」なのだという。

さらに、軍服を脱いだ候補が多数出馬する一方、供託金をつり上げて野党の立候補を難しくした。

軍政に抵抗する少数民族の地域では選挙は中止になった。


民主化運動の指導者スー・チーさんも排除されている

▼あの手この手で勝利をし、「民主化」と「正統性」を宣伝する筋書きらしい。

だが外国の選挙監視団を拒否していて、開票の公正も覚束(おぼつか)ない。

これでは投票用紙が紙くずになりかねない

▼20世紀は民主主義の世紀と言われる。

だが21世紀になってなお、剣がペンを圧し、民衆が投票を「力」にできない国は残る。

資源やインド洋への展開を視野に、ミャンマー政権を支える中国もそうだ。

言論の自由は限られ、国政選挙はそもそもな

▼似たもの同士の蜜月だろうか。

いまや中国はミャンマー民主化の大きな壁とも言われている。

またぞろの感ばかりが強い。

「民衆は疲弊し、国が壊れ始めている」。

本紙特派員の報告に胸がふさぐ。





ミャンマ-はどうしてもビルマと言う国である。子供の頃よりビルマは親しい国だった。ミャンマ-は最近である。

この一党独裁の軍事政権の強い国に対してアメリカはあまり関心が薄いようだ。核開発の疑惑もあるとも言われている。

何故に北朝鮮の軍事色強い国に対してだけ関心を持ちすぎ,ビルマに対しあまり関与しないのか。何故?










自殺した小6の少女は、仲良し同士が集まる給食の時間に独りで食べていたそうだ
「同調圧力」という心理学の言葉を、最近よく耳にする
集団の中で多数派に合わせるのを強いる空気のことだという








平成22年11月10日の天声人語よりの引用


「LOVE(ラブ)」と「LIKE(ライク)」はどう違うのか。

何で読んだか思い出せないのだが、ある説明に感心して書き留めたことがある。

LOVEは異質なものを求め、LIKEは同質なものを求める心の作用なのだそうだ

▼辞書的に正しいかどうかはおいて、なるほどと思わせる。

言われてみれば「愛」には不安定な揺らぎがあり、「好き」にはどこか安定がある。

その安定感は、自分と同じものを相手に見いだした心地良さかもしれない――。

そんなあれこれを、群馬のいじめのニュースに思い巡らせた

▼自殺した小6の少女は、仲良し同士が集まる給食の時間に独りで食べていたそうだ。

報道を機に、東京の声欄に「好きな子グループ」への意見がいくつか載った。

都内の主婦は「好きな子同士で固まっていないとみじめなんだ」という娘の胸中を記していた

▼「同調圧力」という心理学の言葉を、最近よく耳にする。

集団の中で多数派に合わせるのを強いる空気のことだという。

この「力」が、子どもや若者の間で強まる傾向らしい


▼子らは仲間外れを恐れて、用心深くグループに合わせる。

ベネッセの調査によれば小学男女の半数は「話を合わせている」そうだ。

自分を安全地帯に置く言動と、異質な者の排除は、意図はなくとも表と裏の危うい間柄にある

▼同調圧力の強まりは、はじかれた者への想像力を殺(そ)ごう。

冒頭の定義に従うなら、ひいては「愛」を失うことにもなる。

LIKEを悪者にする気はないが、用心はいる。

子どもだけではない。

大人はなおのことと胸に留めたい。



同調圧力は子供の世界だけではなさそうだ。大人の世界にもある。

いじめも同じ事で大人の世界にも見られる。集団生活した時は身を持って知った。

だが長いものには巻かれろとの知恵があったが,この子は自殺に追い込まれている。

子どもだけではない。

大人はなおのことと胸に留めて置きたい。









尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオが流出した件で、
海上保安官が名乗り出た。ニュースを知ってこの台詞(せりふ)を思い出した
知る権利に応えた「英雄」なのか、それとも国家公務員法に背いた「罪人」なのか








平成22年11月11日の天声人語よりの引用


異端裁判の弾圧に負けて地動説を撤回したガリレオに、落胆した弟子が、聞こえよがしに叫ぶ。

「英雄のいない国は不幸だ!」。

すべてを引きとってガリレオは答える。

「違うぞ、英雄を必要とする国が不幸なんだ」。

ドイツの劇作家ブレヒトの「ガリレイの生涯」の名場面である(岩淵達治訳)

▼尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオが流出した件で、海上保安官が名乗り出た。ニュースを知ってこの台詞(せりふ)を思い出した。

知る権利に応えた「英雄」なのか、それとも国家公務員法に背いた「罪人」なのか

▼いずれにせよ日本の国民は、映像を見て事実を知るのに、この人物を必要とした。

ガリレオ流に言えば「不幸な国」ということになろうか。

外交的戦術と、知る権利の微妙なバランスの上で、政府は無為にすぎた印象が強い

▼ビデオの公開は賛否が割れていた。

するならする。

しないならしないで、情報管理を徹底するのが政府の仕事というものだろう。

煮え切らぬ甘い脇のまま、美挙にせよ愚行にせよ、やすやすと許すことになった

▼今のところはまだ、「自分が流した」という本人の申し出しかない。

沖縄で撮影編集された映像を、神戸勤務の一職員がどう入手したのか。

動機は何か。

大事なこと一切はまだ霧の向こうにある

▼〈たったひとりの人が立ち上がって「否」といっただけで、これだけのことが成しとげられたのだ〉。

冒頭の劇で、天動説の否定がもたらした世の変革を、弟子がこう誇る。

この海上保安官も同じ思いでいようか。

ネット社会の威力と恐怖である。






映像を見ていて何故にそんなに騒ぐのかが不思議だ。

小さな小競り合いが大戦につながっていくのを見て来ている。

戦争はよくない。国際的な司法裁判制度でどちらが悪いか判断する機関が必要なのだが。

国民に知らせることがないような政治が良いのだが。

後世に必ず判ってもよい政治をしてほしい。








政府の事業仕分けで「廃止」や「見直し」となったはずなのに、
来年度予算の概算要求に鎮座している事業が多々ある。
こっそりと、あるいは何食わぬ顔で、不死鳥さながらに甦(よみがえ)っている








平成22年11月12日の天声人語よりの引用


フェニックス(不死鳥)といえば古代エジプトの伝説の霊鳥で、永遠の命のシンボルとされる。

最近では、その名をつけたカプセルが南米チリの地底深くから鉱山作業員を救い出し、世界から喝采を浴びた

▼ニッポンの霞が関に巣くうフェニックスも、なかなかの不撓不屈(ふとうふくつ)ぶりである。

政府の事業仕分けで「廃止」や「見直し」となったはずなのに、来年度予算の概算要求に鎮座している事業が多々ある。

こっそりと、あるいは何食わぬ顔で、不死鳥さながらに甦(よみがえ)っている

▼その諸相を、おとといの本紙記事が各種の魚介に例えていた。

たとえばブリ型は、名前を変えて目を欺く。

国交省の「観光圏整備事業」は「観光地域づくりプラットフォーム支援事業」と改名し、今年と同じ5億5千万円を求めてすまし顔だ

▼凶暴なサメ型は奇策など弄(ろう)しない。

仕分け結果にはお構いなしに予算に食らいつく。

ほかにも、廃止とされた複数の事業を統合し、膨らませて居直るフグ型など、あれやこれやの生物多様性に富む

▼画家の辻まことの愉快な画文集「虫類図譜」を思い出す。

色々な事物を虫に見立てて皮肉っていて、政府の「政策」にも寸鉄を刺している。

〈一応いつでも筋だけは通っている。

(だが体中穴だらけで)臨機応変に身をくねらせては庶民の期待を穴から落(おと)しちまう。

いやその上手なこと、芸だネ〉

芸達者の目立つ政府与党だが、「仕分け」への期待はなお大きい。

「不死鳥」をめぐる官僚との再試合に蓮舫さんは勝てようか。


骨抜きクラゲの大発生は、勘弁を願いたい。




宮内庁 防衛省がどうして仕分けの対象にならないのか。

一番無駄の多い所だと思う省 庁が聖域化されている。

宮内庁のお達しは誰が言っているかをはっきり個人名をば出すべきだ。

これでは戦中 戦前と同じで神聖のベールに益々包み込まれ

ただただ国民は有り難く思うようになっている。









平和な世界に平和賞は必要がない
獄につながれた今年の受賞者、中国の人権活動家劉暁波(リウ・シアオポー)さんも
出られそうにない
本人どころか、中国政府は各国に式への欠席を求めている









平成22年11月13日の天声人語よりの引用


ノーベル平和賞は栄誉ではあろうが、悲しみをはらんでもいる。

戦乱が激しく、脅威が大きく、虐げられた民衆が多いほど賞は注目され、輝きを増す。平和な世界に平和賞は必要がない

▼受賞が民衆の苦難を象徴した例に、黒人の公民権運動を率いた米国のキング牧師らがあろう。

きょうが自宅軟禁の期限とされるミャンマーのスー・チーさんもその一人だ。

1991年に受賞。

しかし授賞式への出席を軍事政権に妨げられた

▼獄につながれた今年の受賞者、中国の人権活動家劉暁波(リウ・シアオポー)さんも出られそうにない。

本人どころか、中国政府は各国に式への欠席を求めている。

日本にも外交ルートで言ってきた。「踏み絵」のつもりだろうか。


不快感を覚える国は少なくないだろう

▼受賞者本人が式に出られなかったのは、先の小欄で触れたオシエツキーが最初らしい。

ナチスに抗したドイツの言論人は獄中にあった。

台頭するファシズムにノーベル賞委員会は逡巡(しゅんじゅん)し、いったんは授与を見送る。

だが曲折の末に腹を決める

▼ヒトラーを激怒させ、のちに委員は全員ナチスに逮捕された。

その気骨と反ファシズムの先見は戦後、「ノーベル財団の永久的な功績である」と激賞されることになる

(加藤善夫著『カール・フォン・オシエツキーの生涯』晃洋書房)

▼反対に、歴史の審判に色あせる受賞もあろう。

去年のオバマ大統領はどうなろうか。

きのうから広島で平和賞受賞者の集うサミットが開かれている。

紛争、抑圧、核兵器――残念ながら、まだ多くの平和賞を世界は必要としている。

                                                 -以下産経ニュースよりの引用-

中国の民主活動氏のノーベル平和賞受賞の劉暁波は待ちに待った朗報だ。

欧米の識者やNGOの間では、中華人民共和国建国60周年チベット蜂起50周年、

流血の天安門事件20周年という象徴的な2009年に劉氏が平和賞を受賞するだろうとの期待が高かった。

北欧では、中国が選考委員会を恫喝(どうかつ)しているという兆候やうわさがあり、

昨年はそうした圧力に屈したことをカムフラージュするためにオバマ米大統領の唐突な平和賞受賞となったという見方すら出た。

胡錦濤は言論情報統制を一貫して強化しており、国際人権団体によれば中国国内には5600人の良心のがいるとされる。

劉氏夫人のように自宅軟禁されている犠牲者は数限りない。

当局の不当な土地接収への抗議や法輪功で弾圧された人々の弁護を引き受けた人権派弁護士・高智晟氏は4年前に逮捕され、

激しい拷問の後、いまだに消息を絶ったままだ。彼の妻子は北朝鮮脱北者ルートで命がけの中国脱出をした。










錦秋(きんしゅう)の国に集う大国首脳たちは、こちらが言うべき事のある相手ばかり。
一日のうちに米国、中国、ロシアのトップと話せる場など、そうそうない。









平成22年11月14日の天声人語よりの引用


菅首相が東工大で取り組んだ卒業研究は、「燃焼伝播(でんぱ)における粉体の影響」だという。

在学中に考案した麻雀(マージャン)の点数計算機に比べ分かりにくいが、目下の急務は明々白々だ。

外交の「延焼」を止める粉骨砕身である

▼北と南で国境がくすぶる時の国際会議は、試練だが幸運でもあった。

錦秋(きんしゅう)の国に集う大国首脳たちは、こちらが言うべき事のある相手ばかり。

一日のうちに米国、中国、ロシアのトップと話せる場など、そうそうない。

麻雀の役満貫、大三元を思わせる会談相手こそ、ホスト国の特権だろう

▼その首尾やいかに。

関係修復を期した米大統領とは共に中国を牽制(けんせい)したが、目新しい進展はなかった。

中国の国家主席やロシア大統領には、どれほどの覚悟で反論や抗議の言葉を投じたのか、少し心もとない

▼採点はつい辛くなる。

民主党政権は沖縄でつまずき、尖閣で転げ、北方領土で頭を打った。

よほど島に嫌われたらしい。


政権交代は新たな外交に打って出る好機でもあったのに、場当たり的にヘマを重ねている。

せめて横浜の「大三元」で出直してほしい

▼麻雀ついでに記せば、プロ雀士の小島武夫さんが「自分の手にほれ込む前に、3人を相手にしていることを忘れるな」と戒めている。

政治主導を言うなら、この現実主義と駆け引きの技、すなわち外交のイロハを勉強し直すべきだろう

▼国際政治では首脳の個性も切り札になりうるが、日本はそれ以前の段階である。

問われているのは政治家の外交力だ。


「票にならない」で済んだ時代は、とっくに終わっている。




外交は「票にならない」では済まされない。長年の自民党外交はアメリカ従属だったが

民主党に変われば違った外交が求められても良い。特に中国との外交関係は重視すべきだ。

近隣と仲良くしてゆけば戦争には巻き込まれることは少ない。










いまや伝説の「大事件」から71年
双葉山の69連勝にあと六つと迫っていた横綱白鵬が
きのう稀勢の里に敗れた
11連勝中だった相手に、まさかの完敗だった








平成22年11月16日の天声人語よりの引用


その夕方、東京の歌舞伎座では「京鹿子(きょうがのこ)娘道成寺」が幕を開けていた。

この出し物は冒頭に若い僧が騒々しく登場する。

舞台に並んで世間話をし、時の話題を一つ二つ入れるのが定番という。

この日、一人が突然「双葉山が落ちました(負けました)」と言った。

満員の場内は凍り付いたようになったという

▼そんな逸話を、阿部達二さん著『歳時記くずし』に教わった。

1939(昭和14)年1月15日のことだ。

いまや伝説の「大事件」から71年、双葉山の69連勝にあと六つと迫っていた横綱白鵬が、きのう稀勢の里に敗れた

▼11連勝中だった相手に、まさかの完敗だった。


寄り切られて客席に落ち、照れ笑いするように首をひねった。

思えば双葉山を外掛けに倒した安芸ノ海も「相手ではない」と見られていた。

負けるときは大横綱でもあっけない

▼両者の記録を単純に比べるには時代が違う。

年2場所だった双葉山は3年かけて白星を積み、「負けを忘れた」と言われた。

「それを1年足らずで超えるところまできていいのか」。白鵬自身、自問したそうだ


▼だが、勝ち続けることの孤独を、敬愛する双葉山と2人だけで分かり合ったのではないか。

周囲が熱狂するほどに尖(とが)る孤高。

落城の胸に宿るのは、無念と悔いと、かすかな安堵(あんど)であろうかと推測する

▼双葉山は連勝が途切れて気落ちしたか、翌日、翌々日と連敗した。

白鵬はどうだろう。

失意泰然の白星を重ねるなら、ある意味、雲の上の先人を超えることになろう。

振り出しに立つ横綱の、きょうの一番に注目する。





やはり双葉山は強かった。昔は芝居相撲見物が大きな娯楽だった。

地方での相撲が盛んでその地の神社境内でも行われていた。










亡くなった作詞家、星野哲郎さんの音楽事務所の名は「紙の舟」という
「アンコ椿(つばき)は恋の花」「函館の女(ひと)」
「三百六十五歩のマーチ」「男はつらいよ」「昔の名前で出ています」……。
訃報(ふほう)に接して口が勝手に歌い出した人も、きっとおられよう








平成22年11月17日の天声人語よりの引用


亡くなった作詞家、星野哲郎さんの音楽事務所の名は「紙の舟」という。

流行(はや)り歌のはかなさを、水に浮かべると溶けて沈んでゆく紙の舟に重ねたのだそうだ。

それを知りつつ、紙の舟に慕情と夢をのせて、くる日もくる日も川に流す。

「生涯一船頭」だと自著につづっている

▼流した「舟」は4千を超える。

はかないどころか昭和を彩る名歌たちである。

「アンコ椿(つばき)は恋の花」「函館の女(ひと)」「三百六十五歩のマーチ」「男はつらいよ」「昔の名前で出ています」……。

訃報(ふほう)に接して口が勝手に歌い出した人も、きっとおられよう

▼作詞のヒントにと、いつも言葉の断片を拾い集めていた。

盛り場での会話や、小耳に挟んだ片言を、コースターや割り箸(ばし)の袋など何にでも書きとめた。

巷(ちまた)には生きた言葉があるからだった。

マッチの燃え残りで書いたこともあるという

▼ポケットに入れて持ち帰る「メモ」は、妻の朱実さん(故人)が清書した。

何十冊ものノートになって残っているそうだ。


言葉はいつしか熟成し、珠玉の歌に姿を変えて、再び巷に戻っていったことだろう

▼星野さんは若いころ海に憧(あこが)れた。

しかし病で船乗りをあきらめる。

「僕は人生の花といわれる青春時代をせんべい布団の上で使いはたしてしまった」。

だが失意の時期こそ詩心を育む揺りかごだった

▼そんな体験ゆえだろう。

めげず、ひるまず、くじけずの「三百六十五歩のマーチ」が一番信条の詰まった歌だと言っていた。

85年の歳月を歩き終えた雲上で、最愛の朱実さんと二人三脚を結び直すころだろうか。





星野哲郎が「男はつらいよ」を語る(動画)










卒業まで半年を切った学生の就職難がとりわけ厳しい
政府によれば、大学生の内定率は10月1日の時点で57%にとどまる
かつての「氷河期」を下回る最低の数字だ







平成22年11月18日の天声人語よりの引用


明治生まれの俳人竹下しづの女(じょ)は気丈な人だった。

夫が脳卒中で倒れたとき急を知って駆けつけた。

意識が遠のく夫の耳元に口を当て、「子供は立派に育てます。

心配なさるなっ」と声をかけたそうだ(宇多喜代子著『名句十二か月』)

▼その気丈な人が、〈たゞならぬ世に待たれ居て卒業す〉と詠んだのは、長男が旧制高校を出た1937(昭和12)年だった。

前年に二・二六事件があり、この年に日中戦争が勃発(ぼっぱつ)する。

世情が暗く傾く中、母の不安が伝わる名句とされる

▼時代も事情も違うが、いま同じ思いの親御さんもおられよう。

卒業まで半年を切った学生の就職難がとりわけ厳しい。

政府によれば、大学生の内定率は10月1日の時点で57%にとどまる。かつての「氷河期」を下回る最低の数字だ

▼「ただならぬ世」に加えて、今の就職活動は長い。

去年の秋に始まり、夏の猛暑を汗だくで駆け、2度目の木枯らしに吹かれる人は心細いだろう。

再三の不採用に「人間を否定されている感じ」と唇をかむ学生がいた。

先行世代の責任を痛感する

▼企業の採用活動が早すぎる問題は古くて新しい。

昭和20年代の末に、東大教授だった中野好夫が「花園荒らしはやめてくれ」と書いている。

4年生の9月からでさえ「専門教育の4分の1を奪う」と厳しい。

いまの様子を知ったら怒り心頭だろう


▼中野はまた、学生を「役に立つ」「間に合う」ではなく可能性の存在として見るように訴えていた。

人を「宝」とする企業との良縁に出会えるよう、いまも扉を叩(たた)く人にエールを送る。





リーマンショツクから続いての不況が最低に来ている。

中国は景気が良くてアメリカが景気が悪い。

円高が進んでアメリカと同様に景気は上向きそうもない。










柳田法相は、術策とは無縁な、正直な人柄なのだろう。
「答弁は二つ覚えておけばいい」とあけすけに言い放ち、批判がやまない
正直と失言は往々にして紙一重だ








平成22年11月19日の天声人語よりの引用


策士で知られたフランスの政治家タレーランに「言葉は思うところを偽るために人に与えられた」の一言がある。

ナポレオン戦争後のウィーン会議で、敗戦国でありながら権謀術数を駆使して列強を手玉に取った伝説的な人物だ

▼ひるがえって柳田法相は、術策とは無縁な、正直な人柄なのだろう。

「答弁は二つ覚えておけばいい」とあけすけに言い放ち、批判がやまない。

正直と失言は往々にして紙一重だ。


発言は聞き捨てならないが、答弁の現状がその通りであることが、いっそう問題ではあるまいか

▼法相ばかりではない。

きのうの川柳欄にさっそく〈総理なら遺憾が言えたら大丈夫〉の寸鉄があった。

紋切り型、とぼけ、はぐらかし、勉強不足……。

ときに死語の羅列のような答弁に、国民はとうに気づいている。

それは菅政権の掲げる「熟議」からは遠い

▼金看板の政治主導からも遠い。


法相の「二つの答弁」は官僚の入れ知恵だろう。

役人の授けた「弾(たま)よけ」に隠れて質問をかわす。

昔ながらの図は旧政権と変わらない

▼「傾聴に値するご高説を賜り、今後検討に検討を重ね、鋭意善処してまいります」。

これが「やりません」であることは、長い官僚主導の政治をへた常識だ。


新政権で改まった実感のないのがもどかしい

▼「脱官僚」は、まず「脱・官僚言葉」であろうと前に小欄で書いた。

官僚語の御利益(ごりやく)を語って得意げな法相に、政治主導の虚構を見る思いがする。

答弁では死語に引きこもり、失言が生きた言葉として騒がれる。

この皮肉を、どうお考えだろうか。





柳田法務大臣が更迭されている。ズフ゛の素人のようで何故に任官されたのかが不思議である。








暦を眺めると、週明けの11月22日は「いい夫婦の日」である。
平成22年だから「夫婦」の記念年でもある。








平成22年11月20日の天声人語よりの引用


100年前のきょうトルストイが没したのは、家出をした旅先の片田舎の駅だった。

世界の尊敬を集めたロシアの大文豪が82歳にして家出をし、いわば野垂れ死にした「事件」は様々に取りざたされた

▼噂(うわさ)の中心は妻ソフィアだった。

日本でも戦前、作家の正宗白鳥が「山の神を恐れ……おどおどと家を抜け出て」と恐妻ゆえの家出を論じた。

これに批評家の小林秀雄が「果(はた)して山の神なんかを怖(おそ)れたか。

僕は信じない」とかみついた。

文豪の思想と実生活をめぐる名高い論争である

▼真相はともあれ、家出事件で文豪の妻は世界的に悪妻のレッテルを張られる。

ソクラテスの妻とともに「三大悪妻」の動かぬ地位を占めてきた。

もう一人にはモーツァルトやナポレオンの妻たちの名があがる。


「うちの山の神!」と仰せの方も、まあ、おられようか

▼暦を眺めると、週明けの11月22日は「いい夫婦の日」である。

平成22年だから「夫婦」の記念年でもある。


しかし近年、熟年夫婦の間に立つ波は、いささかならず高いようだ

▼夫が疎まれるケースが多いらしい。

増える熟年離婚の約8割は妻からの三行半(みくだりはん)という。

「ウチは大丈夫」。

そう思っている夫にかぎって危ないと聞けば、首すじが寒くなる御仁もあろう

▼ソフィアについては、悪妻どころか献身的だったと見る説もある。

ただトルストイという存在が途方もない重荷で、追いつめられたのだと。

文豪夫妻の生涯を偲(しの)びつつ、われら凡人は〈妻愛す妻につながる人愛す〉今川乱魚。

この一句、妻を夫(つま)に置き換えることもできる。



人間とはなんぞやと同じにいい夫婦とはどんなものかとかはこれは謎である








国際宇宙ステーションから撮影した「地球の夜景」に見入った
米航空宇宙局(NASA)の飛行士による地中海の写真だ







平成22年11月21日の天声人語よりの引用


 80年以上も前、宇宙に浮かぶ地球を詠んだ人がいる。

〈月から観(み)た地球は、円(まど)かな、紫の光であつた、深いにほひの〉と。

北原白秋だ。

色を夢想するのにも、月にまで飛んでしまうのが詩人の感性か

▼紫にせよ青や緑にせよ、闇に輝く球体を自分の目で確かめた人間はまだ500人ほどらしい。

宇宙飛行士が撮った写真や映像によって、およそこんな様子だろうと察しはつくが、昼夜の微妙な移ろいとなると今も詩歌の域である

▼国際宇宙ステーションから撮影した「地球の夜景」に見入った。

米航空宇宙局(NASA)の飛行士による地中海の写真だ。


暗碧(あんぺき)の海にイタリア南部とシチリア島。

「長靴に蹴(け)られる三角」の姿が金色(こんじき)に縁取られている

▼今年配備された超高感度デジカメの威力で、肉眼の印象に近い、臨場感のある光景が撮れるようになったという。

飛行体験のおすそ分けである。

「子どもたちが地球や環境を考えるきっかけになれば」とは、同じカメラを宇宙で操った山崎直子さんの感想だ

▼照明デザイナーの石井幹子(もとこ)さんは、地球の本当の色を知りたくて、月面に降りた米国の元飛行士に直接尋ねたことがある。

答えは〈温かい青〉だった。


寒色の極みである青にぬくもりを添えるのは、この星が宿す生命の息吹だろう

▼NASAの写真には、地表の丸みに沿って黄の帯が薄く走る。

大気の層と説明にある。

球形の夜に散り敷かれた光点あまた。

文明の証しと思えばいとおしい暖色も、青い素肌をむしばむ温暖化のシミに見えぬでもない。

温かいのは遠景だけでいい。




宇宙から見るならば地球は小さなもので,何故に小さなことで争っているかが不思議に思えるのでなかろうか。



宇宙から見た地球(画像)












「ヤクルト」の容器が、立体商標と認められた。
名前を伏せても、98%がこの乳酸菌飲料を思い浮かべるという








平成22年11月22日の天声人語よりの引用


茶器の名前には「見立て」が多い。

薄茶を納める棗(なつめ)はずんぐりしたナツメの実が由来だし、

濃茶(こいちゃ)の入れ物には、下膨れの姿から茄子(なす)と呼ばれる型がある。

例えるものは、その形を広く知られていないといけない

▼「ヤクルト」の容器が、立体商標と認められた。

名前を伏せても、98%がこの乳酸菌飲料を思い浮かべるというから、ナツメやナスに劣らぬ識別力である。

商品名以上に消費者の目を引くという知財高裁の結論は、信じたデザインを使い通す企業への敬意でもあろう

▼ガラス瓶に代わり、プラスチック容器が登場したのは1968(昭和43)年。

有名デザイナー、剣持勇(けんもち・いさむ)の晩年の代表作である。


直線と曲線が織りなす宇宙船のようなフォルムは、子どもの目にも新鮮だった

▼剣持は、伝統と機能を併せ持つ「ジャパニーズ・モダン」の意匠で知られ、わけてもイスの造形に多くの秀作を残す。

軽くて小さいのに、なるほど、ヤクルトの容器も「座り」がいい。

持ちやすさという実用の利が、どっしりと底に控えている

▼知られた立体商標にコカ・コーラの瓶がある。

自動車デザインでコークボトルラインといえば、多くが連想するあの曲線のこと。

大衆に長く親しまれた容器は、商品の一部にして、文化遺産でもある

▼茶人のたしなみを説いた「利休百首」に、〈名物の茶碗(ちゃわん)出でたる茶の湯には少し心得かはるとぞ知れ〉がある。

由緒ある茶碗は心して扱えという教えは、立体商標の趣旨そのものだ。

名茶碗で飲んでいると思えば、いつもの一服が滋味を増すかもしれない。





ヤクルトを飲まない人はいないだろうう。ちいさな容器で誰でもが知っている。









沖縄はいま知事選挙の真っ最中だが
その模様が本土に届くことはあまりない







平成22年11月23日の天声人語よりの引用


「いまさら呆(あき)れも憤慨もしませんが」と沖縄の旧知から便りをもらった。

「またまたヤマトの健忘症ですね」。

たしかに半年前にあれだけ報じられた普天間飛行場の移設問題は、潮が引くように紙面、画面から遠のいた感がある

▼つまり本土のメディアは、鳩山さんが迷走し、ふらつき、グロッキーになるのを面白がっただけで、

問題は基地でも何でもよかった――と久しぶりの文面は厳しい。

しかし反論はしづらい。

沖縄はいま知事選挙の真っ最中だが、その模様が本土に届くことはあまりない

▼「最低でも県外」を唱えた前首相の背信に、地元では「沖縄差別」という言葉も噴き出した。

知事選で競(せ)る候補2人もそれを口にしている。

基地を押しつけているヤマトへの対立姿勢が、かつてなく深い選挙なのだという

▼差別といえば、沖縄で平和運動を続けてきた中村文子さんに、以前こんな話を聞いた。

戦争中は川崎市に住んでいた。

沖縄からの移住が多かったサイパン島が陥落したとき、近所の奥さんが何げなく言ったそうだ

▼「玉砕したのはほとんど沖縄の人ですって。

内地人の犠牲が少なかったのが救いだったんですって」。


その人は中村さんが沖縄の人とは知らなかった。

口をきけば涙がこぼれるから、黙っていたという

▼沖縄は様々な差別にさらされてきた。

いまに残るのは、ヤマトによる「無関心」という差別かもしれない。

小さい島の基地問題を訴えて「小指の痛みは全身の痛み」と言う。

わが健忘症が「差別」を助長しないよう自戒し、その言葉を胸に呼び戻す。



沖縄の人たちは制限された中での選挙で 日本はやはりアメリカの保護下にあることは違いない。

アメリカの基地をもっとグアムなどのアメリカ領土にどうして移転できないのかが不思議。

一番の犠牲を強いられているのが沖縄だ。









矢継ぎ早に核開発の動きを見せたと思ったら、
いきなり韓国の大延坪島(テヨンピョンド)を砲撃した
軍事境界に近い黄海に浮かぶ人の住む島である







平成22年11月24日の天声人語よりの引用


北朝鮮という国は中国を頼みとするところが大きい。


だが金正日(キム・ジョンイル)総書記は、かの国の古典を読んだことがあろうか。

たぶんないのだろう。

老子が「佳(よ)き兵は不祥の器」と言っていることも知るまい。

武器は不吉な道具で、手にするだけでも災いがやってくる、といった意味だ


▼またぞろのキナ臭い暴挙である。

矢継ぎ早に核開発の動きを見せたと思ったら、いきなり韓国の大延坪島(テヨンピョンド)を砲撃した。

軍事境界に近い黄海に浮かぶ人の住む島である。


着弾は多数という。

艦船同士などと違って、領土への攻撃はより重大である

▼外電の写真では、島のあちこちから黒煙が上がっている。

住民の身にも被害が及んだ。

韓国軍は北側に対応射撃をし、警戒レベルを最高に引き上げた。

引き返せぬ一線は韓国にもあろう。

異様な国の異様な行動で、朝鮮半島の緊張がまた高まっている

▼独裁国の死命を握る米国をさらに振り向かせ、かまって欲しいゆえの「火遊び」なのか。

独裁者は承知のうえか、それとも軍の暴走なのか。

真相は分からない。

ただ深い霧の向こうで、民衆は飢えにおびえている

▼先日、「3頭目のクマが現れた」と風刺する反体制ビラが平壌で見つかったそうだ。

肥満した世襲3代目の金正恩(キム・ジョンウン)氏のことで、「あなたが太ると、我々がやせる」と書かれていた。

捕まれば死刑も覚悟の抵抗だろう


▼この手の国は、国民全員を人質に取っているようなものだ。

兄貴分の中国は、世襲を是とする前に老子の「徳政」でも説くべきではなかったか。

内に外に、まさに不祥の国である。




東西冷戦が朝鮮を南と北に分割された。それ以前は日本の植民地で過酷な運命を背負わされた

民族である。金大中 盧泰愚大統領時代は平穏だったが,次第に緊張が増した国となってきている。

保守政権とアメリカとの画策が働いてのことか,わざわざに危ない所で軍事演習したのが発端なのか。?










林檎の赤は純情に加えて、どこか孤独をたたえ
青い林檎は思春期の硬さを呼びさます
そんな林檎に白い色が仲間入りをした







平成22年11月25日の天声人語よりの引用


あまたある果物のうちでも林檎(りんご)は、若い胸の内を委ねる隠喩(いんゆ)にふさわしい。

〈林檎の木ゆさぶりやまず逢(あ)いたきとき〉。

寺山修司の句は少年の切ない恋心だろう。

これが「柿の木」では渋すぎるし、どこからかお寺の鐘が聞こえてきそうだ

▼名高い藤村の「初恋」も林檎のイメージが詩全体を包む。

〈まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき……〉。

ビワやミカンに代役は務まるまい。

林檎の赤は純情に加えて、どこか孤独をたたえ、青い林檎は思春期の硬さを呼びさます

▼そんな林檎に白い色が仲間入りをした。

青森の名久井農業高校の女生徒が開発し、地元農家の手がけた品が、東京の有名フルーツ店でお披露目された。

まだ展示だけだったが、「紅と白は贈答にうってつけ」と注目を集めたそうだ

▼林檎は袋をかけて日に当てずに育てると白くなる。

だが農家には「白いと甘くない」という先入観があった。

ところが袋をかけ、普通なら日当たりを良くするために摘む葉を残すと、糖度は赤林檎を上回った。

自在な発想のお手柄であろう


▼まだ先の話だろうが、フルーツ店は「雪のようなりんごをクリスマス向けに売りたい」と言う。

〈君かへす朝の舗石(しきいし)さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ〉が北原白秋にある。

古い時代の訳(わけ)ありの一首だが、とりわけ下の句など、白い林檎への賛歌のようだ

▼果物離れが言われ、皮むきが面倒だからと林檎が敬遠される時世である。

「りんごで地域を盛り上げたい思いがあった」。

女生徒たちの夢が、いつか実を結べばすばらしい。



赤いりんごは判るが白いりんごとは驚きである。


白いりんご(画像)











国会は言論の府のはずが、
このところ口論の府になり下がっていないか








平成22年11月26日の天声人語よりの引用


国会は言論の府のはずが、このところ口論の府になり下がっていないか。

そんな趣旨の投書が東京で読む声欄に相次いでいる。

たしかに実のある議論は少なく、ののしりの声ばかり大きい。

憂える人は投書氏以外にも少なくあるまい

▼テレビの国会中継は質問者のパフォーマンス会場みたいだと、投書氏らは嘆く。とりわけ野党の若手に目立つようだ。

「ヒステリック症候群とでも称すべき態度」で「大げさな物言いや、汚い言動で罵倒(ばとう)」する。

そうした場面が続くことに、「これでは一種の低俗番組」と厳しい

▼わが印象も相似たりだ。

こき下ろすのに力が入り、度を超す人を散見する。

言葉は魔物だから、自ら言い募るほど自ら酔っぱらう。

ゆえに言葉はますます尖(とが)って、盛大になるが、言っている当人の人望は下がるばかりだ

▼一問一答の委員会だけでなく、昨今は若手の代表質問にもその手の言葉が紛れ込む。

政権への失望は言うまでもなく大きい。

一方で自民党に人心が戻らないのは、そのあたりに一因がありはしないか

▼清水幾太郎の名著『論文の書き方』に次の一節がある。

「無闇(むやみ)に烈(はげ)しい言葉を用いると、言葉が相手の心の内部へ入り込む前に爆発してしまう。

言葉は相手の心の内部へ静かに入って、入ってから爆発を遂げた方がよいのである」。

言葉は慎(つつ)ましいものにかぎると、この碩学(せきがく)は言う

▼ネズミ花火ではなく、静かで確かな言葉を聞く耳を、人はちゃんと持っている。

与野党とも見くびるなかれ。丁々発止と口げんかの違いぐらいは、先刻お見通しである。




国会が誹謗中傷合戦の場になってきている。野党慣れしないのと与党慣れしていないので仕方ないことなのか。

自民党は今までに思う存分に政権を荷ってきた結果の出来事である。

国民も叉自民党に叉与党になってほしいとは誰もは感じないと思う。成果ある討論を願うだけである。








60年前の朝鮮戦争には米国がまず介入し、
押し込まれた北朝鮮を助けるために中国が参戦した
中・朝の死者数は不明確だが、
米軍などは計約150万人と見ている







平成22年11月27日の天声人語よりの引用


狂言の演目に「悪太郎」というのがある。

大酒飲みで乱暴な悪太郎は、伯父が自分の不行状を心配し、快く思っていないのが不満だ。

あるとき押しかけて薙刀(なぎなた)を振り回し、大酒を飲んで泥酔のあげく、帰り道で寝込んでしまう

▼心配で見に出た伯父は、何とか改心させたいと、寝ているうちに薙刀を取り上げ、頭を剃(そ)って僧形に変える。

あれやこれやで、ついに心を入れ替える筋立てなのだが、何やらを彷彿(ほうふつ)させる。

国際社会の「悪太郎」を改心させる責任感が「伯父」にあるのかどうか。

お察しのとおり北朝鮮と中国である


▼狂言とは違い、さんざん甘やかしてきた。

3月に韓国の哨戒艦を攻撃し沈没させた件でも、国連安保理の非難決議を断念させた。

こちらの悪太郎は懲りることなく、酒量は増し乱暴はエスカレートするばかりだ

▼中国はあろうことか、ときにこの乱暴者を外交カードにするそぶりも見せる。

今回の砲撃でも、内心は辟易(へきえき)かも知れないが表向きに非難はない。

次なる蛮行を止めるためにも、ここは「薙刀」を終(しま)えと強く諭すべきところだ

▼60年前の朝鮮戦争には米国がまず介入し、押し込まれた北朝鮮を助けるために中国が参戦した。

中・朝の死者数は不明確だが、米軍などは計約150万人と見ている。

膨大な数が、互いに「血で固められた同盟」と称し合うゆえんである

▼スターリンの後押しで生まれ、毛沢東にへその緒を切ってもらって、北朝鮮はいま世界地図上にある。

禁断のカードのペースを不気味に早める暴君を、これ以上甘やかすべきではない。





再び朝鮮戦争を願う人は誰もいないと思う。戦争だけはご免だ。









ピンクパンサーといえば、今や国際強盗団の通称だ
旧ユーゴスラビア出身者が中心で、故郷では義賊扱いらしい
被害は10年で約400億円3年前
銀座で2億円相当の髪飾りなどが強奪された事件では、
一味の男が東京で裁きを待つ。







平成22年11月28日の天声人語よりの引用


英国の喜劇俳優、ピーター・セラーズが54歳で急死して30年になる。

当たり役は「ピンク・パンサー」シリーズのクルーゾー警部。

ドタバタ劇は、大粒のダイヤモンドをめぐる怪盗との攻防で始まる

▼高名なピンクダイヤがスイスで競売されたと聞いて、警部のとぼけ顔を思い出した。

指輪を飾る25カラット弱のその石、公衆の目に触れたのは60年ぶりという。

映画のように桃色のヒョウが浮かぶことはないが、宝石としては史上最高の約38億円がついた


▼カラーダイヤの淡い色は結晶のゆがみなどに由来し、赤や青、黄もある。無色透明が貴ばれるダイヤだが、色つきも希少価値では劣らない。

競売会場となったレマン湖畔の高級ホテルには、さぞや厚い警備が敷かれたことだろう

▼セラーズの一作に、強大な悪の組織を例えて〈マフィアが少年聖歌隊に見えるほどの……〉というせりふが出てくる。

そこまでの迫力はともかく、ピンクパンサーといえば、今や国際強盗団の通称だ。

旧ユーゴスラビア出身者が中心で、故郷では義賊扱いらしい

▼被害は10年で約400億円。


3年前、銀座で2億円相当の髪飾りなどが強奪された事件では、一味の男が東京で裁きを待つ。

組織の結束は固く、犯人奪還も一再ならずというから、こちらの警戒も怠れまい

▼さて宝石と人と、どちらが奪いにくかろう。

獄中の仲間はポケットに入らない代わり、逃げる足がある。

連れ戻しを阻む早道は一つ、東洋の異郷で罪を償い、足を洗うと思い定めてもらうことだ。

人の心というもの、たやすくは盗めない。



このような事件は映画て見るほうがはるかに面白い。








ジョージ・ワシントンのそれも美談にあふれている
そんな建国の父の名を冠した米原子力空母が
横須賀から大小の「バッスル」が待つ黄海に入り、
米韓の合同軍事演習が始まった








平成22年11月29日の天声人語よりの引用


偉人伝の例に漏れず、ジョージ・ワシントンのそれも美談にあふれている。

例えば子ども時代の、いじめっ子バッスルとの格闘だ。

「おれにかなうやつはいねえのか」と仁王立ちの乱暴者に、ジョージは一人挑む

▼日頃やられてばかりの友たちが囲む中、卑怯(ひきょう)な手にもひるまず、ジョージは大きな相手を投げ飛ばした。

皆も一斉に飛びかかった。

注意に駆けつけた先生に、英雄は「悪いのは僕です」。

正直で勇敢、人望厚い少年はこうして、合衆国初代大統領への道をめでたく歩み出す

▼そんな建国の父の名を冠した米原子力空母が、横須賀から大小の「バッスル」が待つ黄海に入り、米韓の合同軍事演習が始まった。

韓国領を砲撃した北朝鮮に、さらなる挑発を思いとどまらせる狙いらしい


▼庭先に堂々と現れた米第7艦隊の主力艦に、中国は不快感を隠さない。

国連軍が引いた北方限界線、北が言い張る海上軍事境界、さらには各国の排他的経済水域と、見えない線が波間を走る黄海だ。

その先には沖縄や尖閣諸島、台湾がある。極東の一衣帯水を思う

▼米中の反目は、まさに朝鮮戦争の構図である。

半世紀を経て、南北の国力には大差がついた。

先進国の仲間入りをした韓国にとって、再びの戦で失うものは大きすぎるが、北の蛮行に耐えてきた民衆の憤りは沸点に近い

▼一触即発の状況下、日本の役回りは「やられてばかりの友」である。

案じつつ、隣国の有事を見守るしかない。

あらゆる展開に備えて、せめて黄海と日本海に目を凝らしたい。

遠巻きにできる距離ではない。





横須賀から空母が出動すれば北朝鮮のミサイルで基地が攻撃されること必定だ。

同じことは沖縄基地についても言えることだ。

そのような単純なことが判らないのが今の日本の政治家たちなのか。

アメリカの前線基地にでもなって頑張るとでも言われるのか。

昔当時の首相中曽根さん一人頑張って下さいとの戯画を読んだことがある。









落ち葉を踏みしめ、言の葉の重さを思う11月の言葉から







支持率を右に左に振り落として、菅政権の迷走が続く。

多事多難を抱えた法務大臣は放言で去り、朝鮮半島の有事にも頼れる言辞は聞かれない。

落ち葉を踏みしめ、言の葉の重さを思う11月の言葉から

▼裁判員裁判で初の死刑判決が出た。

会見に一人応じた50代の男性裁判員は「本当に悩みました。

今も思い出すと涙を流してしまう。

それで察してほしい」。

「言葉少な」は時に雄弁だ

▼死刑囚から初の再審無罪を勝ち得た免田栄さん(85)。

獄中の34年間に約70人を見送った。

看守の足音が他の独房前で止まった時の心境を「こぎゃん縮まってた体がスーッと伸びていくような感じ。

背中には冷たい汗がコロコロ落ちよるですたい。

普通は流れ落ちるのに、あれが丸くなって転げ落ちる」と

▼「テレビやネット、政治家まで、短くて強い言葉があふれている。

じっくり伝え合うのではなく、ワンフレーズで振り向かせる風潮が教師にも影響していると思う」。

元教師の歌人俵万智さんが、止まらぬトンデモ授業に一言


▼在ベオグラードの詩人山崎佳代子さんが東京外大で講演した。

「声は人の魂を結びつける。

声を出す時はみんなに届くように出し、声を聴く時は心を込めて聴く。

この二つが欠けると社会はほころびる」

▼小惑星イトカワの砂粒をしっかり持ち帰っていた探査機はやぶさ。

「帰ってきただけでも夢のようなのに、夢を超えたものはどう表現していいのか」と、

計画を指揮した川口淳一郎教授の笑顔がはじけた。

言葉を失うほどのうれしさ、生涯に何度味わえるだろう。






宇治上神社と菟道稚郎子命





宇治上神社と宇治神社には何度か訪れている。宇治上神社は簡素で 宇治神社は少し華やかさはあるものの

伏見稲荷神社や平安神宮などに比べて規模も小さく豪華さや参拝者の多さなどを比べるとひっそりとした神社である。

宇治川の東岸で,丁度平等院の宇治川を越え反対側に建っている。平等院ができるとその鎮守社となる。

宇治上神社・宇治神社には菟道稚郎子命 その父の応神天皇 兄の仁徳天皇が祀られている。

四,五世紀の頃 平安時代の前の応神天皇には宇治の豪族和邇氏の娘を母に持つ三男菟道稚郎子命と 大和三輪付近を地盤とした長男大山守皇子,

難波一帯を地盤とする次男大鷦鷯尊(おほさざきのみこと)(後の仁徳天皇)の三人の息子がいた。

応神天皇は三男の菟道稚郎子命に天皇の位を譲ろうとして皇太子にされた。

しかし応神天皇の死後長男の大山守皇子はこれを不服とし 自分が取って代わろうと菟道稚郎子命を宇治へ攻め入ったが,

事前に大鷦鷯尊からの知らせを受け宇治川で待ち伏せしていた菟道稚郎子命に敗れて亡くなってしまう。

その後,兄弟二人が残り、両者は皇位を譲り合うことで長く国務は遅滞するばかりで,菟道稚郎子命は国民の窮状を見かね,

後事を兄の大鷦鷯尊に託し,宇治川に入水して自ら命を断った。

ここで仁徳天皇が誕生したことになる。

大和三輪王朝から河内王朝に変わっていったときに宇治が政治上大きな位置を占めていたとされる。

宇治上神社の辺りに菟道稚郎子命が住んだ離宮が有ったとされている。そこへの道を先導したのが兎で

菟道稚郎子命と名ずけられたとしているが以上一連の話は寓話の域を出ない話である。(播磨国風土記)

応神天皇が初めての実在したかも知れないと思われた人物のようで,宇治での菟道稚郎子が大鷦鷯尊(後の仁徳天皇)に

自殺してまで天皇の位を譲った話は一見美談ののようだが何かそぐわないように思える。

河内に新しい王朝でも出来たのかわけがわからないことばかりである。

                                               ー以下インタ-ネットよりの引用ー

宇治上神社 (うじがみじんじゃ)は、京都府宇治市にある神社。「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されている。

菟道稚郎子命(うじのわきのいらつこのみこと)・応神天皇仁徳天皇を祀る。宇治神社と対をなす。

創建年代などの起源ははっきりしていない。

すぐ近くに宇治神社があり、明治維新前は両方を合わせて宇治離宮明神、八幡社と呼ばれ、

宇治神社を下社・若宮とするのに対して、宇治上神社は上社・本宮と呼ばれている。

延喜式神名帳』には「山城国宇治郡 宇治神社二座」とあり、それぞれ宇治神社・宇治上神社を指している。近くに平等院ができるとその鎮守社とされた。

2004年2月奈良文化財研究所や宇治市などの年輪年代測定調査によれば、本殿は1060年頃のものとされ、

現存最古の神社建築であることが裏付けられるとともに、1052年創建の平等院との深い関連性が考えられている。

境内

現存最古とされる平安時代後期の本殿が残っている(外から見えるのは覆屋で、中に本殿が3つ並んでいる)。

拝殿は鎌倉時代前期の宇治離宮を移築したものといわれ、寝殿造の趣きを伝えている。境内にある湧き水は桐原水と呼ばれ、宇治七名水の一つとされている。

国宝

重要文化財

菟道稚郎子(うじのわきいらつこ、生年不詳 - 壬申年(312年))は、記紀に伝えられる古墳時代皇族(王族)。

菟道稚郎子皇子
(『日本書紀』)・宇遅能和紀郎子(『古事記』)・宇治若郎子(『山城国風土記逸文)・宇治天皇(『播磨国風土記』)とも。

応神天皇の皇子で、母は和珥臣祖の日触使主(ひふれのおみ、比布礼能意富美)の女 ・宮主宅媛(みやぬしやかひめ、宮主矢河枝比売)である

(ただし『先代旧事本紀』には、物部多遅麻連の女・山無媛とする)。

同母妹に八田皇女雌鳥皇女。父天皇の寵愛を受けて皇太子に立てられたものの、異母兄の大鷦鷯尊(おおさざきのみこと、

後の仁徳天皇)に皇位を譲るべく自殺したという美談で知られる。

百済から来朝した阿直岐王仁を師に典籍を学んで通達し、父の天皇から寵愛された。

応神天皇40年(309年)1月に皇太子となる。

翌年に天皇が崩じたが、太子は即位せず、大鷦鷯尊と互いに皇位を譲り合った。

そのような中、異母兄の大山守皇子は自らが太子に立てなかったことを恨み、太子を殺そうと挙兵する。

大鷦鷯尊はこれをいち早く察知し、大山守皇子はかえって太子の謀略に遭って殺された。

この後、太子は菟道宮(京都府宇治市の宇治上神社が伝承地。

『山城国風土記』逸文に桐原日桁宮)に住まい、大鷦鷯尊と皇位を譲り合うこと3年。

永らくの空位が天下の煩いになると思い悩んだ太子は互譲に決着を期すべく、自ら果てた。

尊は驚き悲しんで、難波から菟道宮に至り、遺体に招魂の術を施したところ、太子は蘇生し、妹の八田皇女を献ずる旨の遺言をして、再び薨じたという。

伝承では菟道山上(『延喜式諸陵寮に宇治墓)に葬られたという。

同墓は現在、宇治市莵道丸山の丸山古墳(前方後円墳・全長約80m)に比定され、宮内庁の管理下にある。

この地は宇治川東岸にあり、明治以前は「浮舟の杜」と呼ばれる円丘であったが、

明治22年(1889年)、当時の宮内省により、伝承とは異なるこの地が宇治墓と治定され、前方後円墳状に成形されて現在に至っている。




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