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随想
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平成23年1月分 2月分
一月について
元旦になって年が改まるが,昔のような年末から年始までの忙しさは最近は無くなった,
叉新しい年が始まるといった緊張感や新鮮な気持ちも薄らいで来ているような年の始まりである。
年末ともなると何処の店もお休みだったのが,近頃は正月の三ヶ日が休日と言うことも少なくなってきている。
コンビニエンスストアでは一年中24時間 開店しており,スーパ-や外食チェーン店も年中休むところが無い。
老舗の百貨店も元旦の一日だけが休みで,二日から開店する所が多くなってきている。
各家庭で門松やしめ縄を飾る家は殆んど無く ただ店だけに正月の飾りが見かけるようになって来た。
世の中大変便利にはなってきているが,一方何か大切な物も共に失われて行っているような気がしてくる。
お正月になっての改まった気持や あの新鮮な気持ちは失われ寂しい気がする。
これは自分自身の個人的な感覚だけなのかもしれない。
依然として国内 アメリカを始め先進国と言われている国々の景気は悪く,新興国の景気は上昇しているとの報道がなされている。
新しく卒業してゆく人たちの就職率も悪く,四年制大学に在学していても三年生の時から就職活動を始めないと
就職口がみつからないような状態だ。
企業も生き残りをかけ 延命策として海外に進出し,効率を求め経費節減の結果,益々に日本の景気は悪くなっている。
現在,世界中が一国のみでやっていけない時代になって来ている結果なのかもしれない。
宮崎県での霧島蓮山の新燃岳(ライブカメラ)の爆発で連日火山灰で覆われている。
霧島連山・新燃岳の火口付近を映すライブカメラへのアクセスが、1月末の52年ぶりの爆発的噴火以降急増している。
インタ-ネットが世の中を変えてゆくような勢いを感じる。
南アフリカでのフェスブックの呼びかけを通じ市民が集まりチュニジアでは大統領が追放されて
それがエジプトにも波及しムラバク大統領の長年の専制政治に対し国民が不満を抱いていたのが,爆発し100万規模の国民の連日のデモで
大統領は退陣に追い込まれていった。
2010年12月18日に始まったチュニジアでの暴動によるジャスミン革命から、アラブの世界に波及しアラブのその他の国々でも
デモが連日に行われているようになった。 エジプトのムバラク大統領も30年間も権力の座に就いていたことは誰の目にも異常な出来事である。
.Facebook は始めハ-バード大学生が始めたものだが,世界に普及しグ-グルを使用する人口を抜くに至っている。
国内での政治の一番が小沢氏問題で,相撲の八百長問題も喧しくいわれている。
大相撲の現役十両力士ら13人が勝ち星を数十万円で売買する八百長を頻繁に行っていたとみられるメールの記録が、
警視庁が野球賭博事件に関連して押収した力士らの携帯電話に残っていたことが判って来た。
日本相撲協会はこれまで、裁判などで八百長の存在を一貫して否定していたが,
角界は再度深刻な打撃を受けることとなって春場所は中止となった。
小沢一郎・民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、
検察官役の指定弁護士は10月31日、東京第5検察審査会の起訴議決(昨年9月14日付、10月4日公表)を受け、
小沢元代表は同法違反(虚偽記載)で起訴された。
09年5月施行の改正検察審査会法に基づき政治家が強制起訴されたのは初めてのことである。
自民党時代から小沢氏近辺では常に,i金にまつわる話題がささやかれていて,
買収とか利益誘導による政治を続けてきたことは広く一般に周知の事として知られていたことである。
それが法律に触れていないかどうかが問題視され,相撲の八百長と同じような形で,日本の政・財・法界に広く蝕んできた。
市川房江さんの市民運動を助けて菅直人首相政界入りした人物との印象が強い。
そこで市川房江と菅直人で検索してみた。
しんぶん赤旗に載った菅直人氏の批判がのっている。
-以下インタ-ネットよりの引用-
@シカゴの貧民を支援する活動家だったオバマ米大統領に続き、日米とも「市民運動」出身の指導者現れる、というわけでしょうか。
菅氏は1974年参院選で、故市川房枝さんの選挙事務長を務めました。
A女性の政治参加や清い政治をめざし、市民運動をおこした市川さんです。政界へ出た菅氏は、選挙でよく語りました。
「市川房枝さんの精神を引き継いで…」。当の市川さんは、戸惑いを隠していません。
Bたとえば、菅氏に「自力で闘いなさい」といったのに「私の名をいたる所で使い、
私の選挙の際カンパをくれた人たち…にカンハ゜や選挙運動への協力を要請強要したらしく、
私が主張し、実践してきた理想選挙と大分異なっていた」(77年「私の国会報告」)と
C市川さんの記録を、もう一つ紹介します。「いまだに沖縄をはじめ全国にアメリカの軍事基地があり…
外交にまで介入されることを許したまま今日になっております」「わたしたちは、自分たちの運命を自分たちで支配する権利のあることを思いつめたい」
D1970年6月、市川さんや平塚らいてうさんなど9人の女性が発表した、安保条約の廃棄を訴える声明です。
沖縄の米軍普天間基地のかわりに新基地を辺野古につくる、日米合意の実行を、米政権に約束した菅首相。
「市民」や「市川さんの精神」から、ずいぶん遠く離れてしまったようです。
理想を追い続けるだけでなく現実から理想に向かうのも首相としても必要な事かと思う。
まず小沢氏と対立しながらも小沢問題は解決して欲しいものです。
ミニ小沢タイプは日本国中至る所,各界にも見かける現象で,この事の解決なくして政界浄化,強いては日本の浄化は始まらない。
全てまず政治が優先されている世の中で,政界の浄化無くして世の中の各界の浄化は到底見込められない。
日本の小沢さんの比ではないが,
年齢が82歳のエジプト ムバラク大統領は良く頑張ったと感心する。蓄財約6兆円もの金額の資産がスイスの銀行に預金しているようだ。
アメリカとの良好関係を最優先で維持してきたことにより,出来たことである。
同じように,敗戦後日本が自民党一党支配できたのもアメリカ一辺倒を貫いた事でもって出きえたことである。
沖縄基地問題もアメリカが基地解消すれば直ぐにも解決で゜きるのだが,何か我々に判らない力が作用して解決を遅らせているようだ。
アメリカ大統領 とノーベル平和賞で検索してみるとジミ- カ-タ大統領とオバマ大統領 である。
その他の地球環境問題てゴア副大統領が受賞している。
日本では唯一,一人だけで佐藤栄作旧首相がいるが
,-以下インタ-ネットよりの引用-
佐藤栄作の平和賞受賞は、上記の通り非核三原則の制定などが評価されてのものであった。
この受賞には国連大使だった加瀬俊一のロビー活動が寄与したといわれており、佐藤も日記の中で加瀬への謝意を表している。
しかし、平和賞を選考するノルウェーのノーベル平和賞委員会は、2001年に刊行した記念誌『ノーベル賞 平和への100年』の中で、
「佐藤氏はベトナム戦争で、米政策を全面的に支持し、日本は米軍の補給基地として重要な役割を果たした。
後に公開された米公文書によると、佐藤氏は日本の非核政策をナンセンスだと言っていた」と記し、
受賞理由と実際の政治姿勢とのギャップを指摘した。
この記念誌はノルウェーの歴史家3名による共同執筆で、同年8月の出版記念会見の際にその一人のオイビン・ステネルセンは「佐藤氏を選んだことは
ノーベル賞委員会が犯した最大の誤り」と見解を述べ、当時の選考を強く批判し、「佐藤氏は原則的に核武装に反対でなかった」という。
日本人の誰もが佐藤氏がノ-ベル賞にふさわしい人だったとは思わない。
必ずしも世界の平和に寄与した人だけがノーベル平和賞をもらっているとは思えないが,
しかし大体に世界の平和に寄与した人たちがもらっていると思える。
やはり平和が一番大切なことであり,戦争は絶対にx避けたい。正義のための戦争は有り得ないことである。
戦争は人の命をば究極的には粗末にする事態である。
-インタネットよりの引用-
1970年代以降のノーベル平和賞の受賞者,団体
現在の中国は異常である。叉アメリカが平和を求めない限りにおいて,現在の世界は平和はもたらせない。
戦争が無ければ景気が良くならず,巨大な軍隊は無用となり,最新兵器も無駄なものとなる。
アジアでは朝鮮の南北朝鮮の解消されない限りアジアでの平和は無いと考える。韓国ドラマや中国ドラマを観るにつ:けて
日本人と同じような考えでいることが良くわかり親近感を感ずる。
世界中のドラマが言葉の翻訳もされ,瞬時にネットを通し゛観みられるようになればお互い国民の心は通じ合うのではないかと思う。
家庭正月風景(画像)
世界の正月風景(画像)
明けて元旦、大雪の新年をお迎えの方も多いことだろう
家族ならぬ「孤族」という小紙連載が、いたたまれぬ人間砂漠を報じている
平成23年1月1日の天声人語よりの引用
天気図の曲線が美しく描かれるとき、この国にきびしい寒波が来る。
明けて元旦、大雪の新年をお迎えの方も多いことだろう。
鉛色の空の下、帰省の道中に難渋された人は、古里の味わいもひとしおだろうと拝察する
▼雪屋根の下の団欒(だんらん)を思う。
福島県で続く児童詩誌『青い窓』に小学5年の女の子の詩が載っていた。
〈あたたかいこたつ/家の家族は五人/「五角のこたつならいいなあ」/と、おねえさん/
一番あとからはいる/かあちゃんは/私と同じ所/私はやっぱり/四角でもいい〉
▼母さんと肩を寄せ、並んで座る幸せと安心がほのぼのと伝わる。
ずいぶん前に書かれたそうだ。
詩誌を主宰していた故佐藤浩さんはこの詩に触発されて、自らもこんな一行の詩をつくった。
〈きゅうくつな幸せを忘れていました〉
▼その「窮屈」を脱ぎ捨ててきたひずみが、この社会を苛(さいな)んでいようか。
家族ならぬ「孤族」という小紙連載が、いたたまれぬ人間砂漠を報じている。
「孤」をのさばらせず、人肌の体温を世に取り戻す意思を、互いに持ち合いたいものだ
▼人間通だった心理学者の故河合隼雄さんによれば、自立とは独りで生きることではない。
まして孤立ではない。
自立している人とは、適切な依存ができて、そのことをよく自覚している人なのだという
▼「こたつ」の詩に例えるなら、5人用に五角形のこたつを設(しつら)えて、互いが見えぬよう仕切りまで立ててきた近年ではなかったか。
便利と快適は幸せと同義ではあるまい。
「きゅうくつな幸せ」を、新春の空に思ってみる。
戦後の日本は家族主義から個人主義へと移り,考え方が欧米化し極端な個人主義となってきている。
全体の為に個人が犠牲になるのも嫌だが昔の暖かい家族主義も良かったと思う。
戦後の国民は全体主義の欠点を是正しょうとして余りにも個人主義が進んでしまった。
その結果として弧族が増え 年長者を敬う人たちが少なくなってきている。
先生が生徒を怖く 親が子供を怖がる世の中になってきている。
極端な欧米の考え方が普及して徹底的な個人主義の結果でもある。
社会の貧困も加わってのことでる。
数珠つなぎになった白い車列を元日朝のニュースで見て、
わが国の政治を思った。
立ち往生している間に外の景色が一変し、
抜き差しならなくなる、まさにその瀬戸際である
「国起こし」の雷鳴がこれほど待たれる正月はない
平成23年1月3日の天声人語よりの引用
西日本は荒天の年明けとなった。
冬空にとどろく雷を雪起こしという。
雷鳴にたたき起こされた雪雲が年をまたいで暴れ、山陰は記録的な積雪である。
鳥取県内の国道では渋滞の列に降り積もり、約千台が動けなくなった。
車中で年を越した人も多い
▼数珠つなぎになった白い車列を元日朝のニュースで見て、わが国の政治を思った。
立ち往生している間に外の景色が一変し、抜き差しならなくなる、まさにその瀬戸際である
▼東京は申し訳ないような青空に恵まれた。
散歩がてら、小沢一郎氏の新年会を塀の外からのぞいてきた。
豪邸の前には撮影用の脚立が20ほど並んだ。
玄関脇でバーベキューらしき煙が上がり、談笑や拍手が漏れてくる
▼約120人の国会議員が顔を出したという。
前年より3割ほど少ないが、一兵卒とは思えぬ威勢だ。
去年の会で万歳三唱の音頭を取ったとされる菅直人氏は今年、同じ時間帯に首相公邸で祝宴を催した。
親小沢、脱小沢に分かれての、まとまりのない新春風景だ
▼くすぶる民主党に構わず、野党が政策を研ぎ澄ます風でもない。
さる忘年会で自民党の議員らと座敷が隣り合わせになった。
聞こえてきた歌は「春が来た」だった。
敵失を喜び合うような政治は、しばらく封印したい
▼国際関係も経済も、車窓の景色は倍旧の速さで移ろうのに、永田町は緩いまどろみの中にある。
すべての政治家は、国益、暮らし向きといった自らの存在理由を行動で示す時だ。
内からでも外からでもいい。
「国起こし」の雷鳴がこれほど待たれる正月はない。
悪しき政治家は小沢流の義理や人情をからませて利便を図りお金でもって票を買収する。
それに従わないものは徹底的に懲らしめる。そのような古い自民党的政治が続いてきた。
政党である民主党は長年の野党でいて与党に慣れずに,叉与党だった自民党も野党になれていない。
じっくりとそれぞれの立場を学習して一人前の政党に育った欲しい。
時代は変わるもので,退化でなくて進化してほしいものである。変わらないものは平和を求める心。
暮れに86歳で亡くなった高峰さんは、
映画が最大の娯楽だった時代の、
文字通りの大女優だった
平成23年1月4日の天声人語よりの引用
ブロマイドの思い出を高峰秀子さんが書いている。
戦争中に前線へ送る慰問袋には、よく女優の写真が入れられたのだそうだ。
そして戦地からは日々、軍事郵便のファンレターが届いたという
▼「死んだ戦友のポケットにあなたの写真が入っていました」「生きて帰れたらあなたに似た人と結婚したい」……。
様々な事情、心情がつづられ、居たたまれない気持ちだった。
半面、ブロマイドという自分の「影」が独り歩きしていることに、不安を感じるようになったという(「カメラの中の私」)
▼暮れに86歳で亡くなった高峰さんは、映画が最大の娯楽だった時代の、文字通りの大女優だった。
だが「女優業には向いていない」と言い続けてきた。
本当の自分と銀幕の「虚像」との間には、きびしい葛藤があったそうだ
▼女先生を演じた「二十四の瞳」が封切られると、本職の教師から多くの手紙が届いた。
悩みを吐露し教えを乞う文面に、途方に暮れるばかりだったという。
「いいかげんな返事など書ける筈(はず)がなかった」と胸の内を明かしている
▼「虚像と実像は仲が悪く……」とは本人の言だ。
だが、間(はざま)で人知れず格闘する誠実さは、隠し味のような魅力でもあったろう。
「高峰秀子にとっての真の作品とは『高峰秀子』だったのではあるまいか」は、作家沢木耕太郎さんの評である
▼その女優を50代で退き、エッセーに自伝に文才を振るってきた。
老いながら静かないい顔に近づきたい、というのが晩年の思いだったと聞く。
叶(かな)えての旅立ちだったろう。
昭和がまた遠ざかる。
高峰秀子 原爆を許すまじ(動画)
晴れやらぬ時代を映してか、
三が日の社寺はにぎわったらしい
平成23年1月5日の天声人語よりの引用
今年の初取引となったニューヨーク株式市場は、終値が2年4カ月ぶりの高値となった。
米国にも「卯年(うどし)は跳ねる」の相場格言があるのだろうか。
きのう大発会だった東京株式市場の終値も、昨年末よりちょいと跳ねて、まずは良し
▼今年の賀状には「跳ねる」「とぶ」を目標にする一言が目立った。
精彩を欠いた寅(とら)年から、機敏で利発そうな兎(うさぎ)への心機一転は、干支(えと)の効用の一つだろう。
「卯年の果報は寝て待つな」という風変わりもあった。
これは中国の故事の「守株(しゅしゅ)」をもじったらしい
▼ある日、男が畑を耕していると、兎が跳び出して切り株に頭をぶつけて死んだ。
それから男は畑仕事を放り出し、連日切り株を見張って笑いものになった。
童謡「待ちぼうけ」でも知られる話は、旧習にとらわれて、時に応じた進歩ができない愚の例えである
▼とはいっても、時勢に棹(さお)さすだけでは流される。
目先の変化や、皮相な流行にたじろがぬ「不易」を身の内に養いたいとも思う。
時に遅れず、されど追わず。
そう生きたいが、なかなか難しい
▼晴れやらぬ時代を映してか、三が日の社寺はにぎわったらしい。
〈日本がここに集る初詣〉山口誓子。
昨今はパワースポットブームだという。
去年のことだが、伊勢神宮の年間参拝者は860万人を超えて過去最高を記録した
▼「山を動かす技術のあるところでは、山を動かす信仰はいらない」と米国の哲人が言っていた。
人の世に様々な山がある。
願掛けで動かすか、兎にあやかり跳ねて越えるか。
政治の影の薄いのが、気にかかる。
景気の悪い時に神頼みでは悲しいことである。
神仏に頼む心は判らないでもない。戦時中では神風に頼り戦死して逝った人たちが多くいた。
それが当たり前の世の中で政府に騙され続け滅私奉させられていたものである。
地球を覆う森林に包まれて
人類はじめ多くの生物は育まれてきた
あまり知られていないようだが
今年は国連の定めた「国際森林年」である
平成23年1月6日の天声人語よりの引用
数字を聞くだけで畏敬(いけい)をおぼえる木々がある。
たとえば米国カリフォルニア州の森にある杉の一種ギガント・セコイアは高さが84メートルある。
推定重量は実に1358トン。
推定樹齢が2千年を超える立ち姿は、神々しいばかりだという
▼名古屋大名誉教授の只木良也さんが森林文化協会の月刊誌「グリーン・パワー」で紹介していた。
仲間には樹高111メートルの木もあるそうだ。
長寿を全うすると、根が自重を支えきれなくなり、大地に倒れ伏して生涯を終える。
太古から連綿と続いてきた、悠然たる森林の営みである
▼地球を覆う森林に包まれて、人類はじめ多くの生物は育まれてきた。
あまり知られていないようだが、今年は国連の定めた「国際森林年」である。
世界各地で追いつめられる「緑」の実情を知り、守り育てる意思を確かめ合う1年にしたいものだ
▼毎年、日本の国土の2割にあたる森林が地上から消えているというから驚く。
生態系は失われ、温暖化を加速させる。
遠目には美しく豊かな日本の森林も、放置されるなどして荒れた所が少なくない
▼このあいだ近郊の山を歩いたら、間伐されない人工林は昼も暗く寒々としていた。
だが農家の耕作放棄地に比べ、話題になることは少ない。
新緑や紅葉は愛(め)でるが林業には縁遠い。
それが平均的な関心度なのだろう
▼日本の国土の約7割は森林が占める。
屈指の森林国だが、国民1人あたりで割ると、とたんに「貧林国」になると、かつて只木さんが書いていた。
貧なればこそ、共有財産としてのありがたみは計り知れない。
日本は森林に覆われている国だが安価な木材を輸入していて森林が省みられなくなってきている。
山は荒れ果てて杉も伐採されず放置されたまま,今年は例年に比べ多くの花粉が飛ぶようだ。
花粉症には要注意の春である。樹木の寿命に比べれば人間の命は短い。
ノーベル経済学賞の受賞者である教授は「高い年収で満足は買えるが、
幸せは買えない」と結論づけたそうだ
幸せ者とは、小さな喜びを十分に味わえる人、ということになろうか
その達人のひとりが、
きのうが180年の命日だった越後の和尚、良寛さんだろう
平成23年1月7日の天声人語よりの引用
朝刊を取りに出たら、夜明け前の路上でウオーキングの人同士が挨拶(あいさつ)を交わしていた。
寒の入りは冷え込み、「おはようございます」が白い息になって吐き出される。
息という字が、自分の「自」と「心」を組みあわせた形なのにふと気づく
▼この季節には岡本眸(ひとみ)さんの一句を思い出す。
〈温めるも冷ますも息や日々の冬〉。
思えば息とは重宝なもので、かじかむ指を温められるし、熱い雑炊を冷ますこともできる。
生きることのささやかな幸せを感じさせる名句である
▼寒い季節ほど、人は「幸せ」への感度をふくらませるように思う。
その幸福感は、収入が多いほど大きいものでもないらしい。
米国で調査をしたら、日々の幸せを感じる度合いは年収7万5千ドル(620万円)ほどで頭打ちになるとの結果が出たという
▼プリンストン大のカーネマン名誉教授らが45万人を電話調査した。
ノーベル経済学賞の受賞者である教授は「高い年収で満足は買えるが、幸せは買えない」と結論づけたそうだ。
幸せ者とは、小さな喜びを十分に味わえる人、ということになろうか
▼その達人のひとりが、きのうが180年の命日だった越後の和尚、良寛さんだろう。
〈この里に手毬(てまり)つきつつ子供らと遊ぶ春日は暮れずともよし〉。
「清福」という語に袈裟(けさ)を着せたような人物像は、いまも慕う人が後を絶たない
▼騒々しかったり、急(せ)かされたり、そして疲れた時代ほど、良寛ファンは増えるとされる。
今年の良寛人気はどうなろう。
日々の幸せを見いだす達人に、一度教えを請うてみたいが。
良寛に傾倒した明治時代の文人が多かったようだ。
競争に疲れた人達が傾倒したと思える。
確かに凡人では真似できないような生き様である。
良寛記念館(動画)
「焚くほどは風が持ち来る落ち葉かな」(動画)
箸使いへの苦言や意見は古くて新しい
最近の内閣府の調査も、お粗末を裏付けている
18歳以上を対象に調べたら、持ち方を正しく答えられたのは54%だったそうだ
平成23年1月8日の天声人語よりの引用
地域の小学生との食事会に出たご高齢が、箸使いのお粗末を嘆いていた。
持ち方が定まらず上手に挟めない。
だから突き刺したり、口元まで運べず食器に顔を寄せたりする。
気になりだすと色々あって、「どうにもねえ」と案じ顔だった
▼箸使いへの苦言や意見は古くて新しい。
ずいぶん前にも永六輔さんが、料理番組に出るタレントがきちんと箸を使えないと叱っていた。
「親が教えていない。
先生も注意しない。
結局、いい年をして満足に箸が使えない」
▼最近の内閣府の調査も、お粗末を裏付けている。
18歳以上を対象に調べたら、持ち方を正しく答えられたのは54%だったそうだ。
2本のうち下の1本は動かさず、上のを親指と人さし指、中指で動かす。
そうした基本も、持ち方を知らねば始まらない
▼正しく持ってなお、箸には禁じ手が多い。
刺し箸、寄せ箸、迷い箸。嫌いなものをのける「撥(は)ね箸」、食べながら人や物を指し示す「指し箸」など、手元の作法書によれば30を超す。
昔のお嬢様は、箸先を1センチ以上ぬらさぬようしつけられたそうだ
▼そんな箸に欧米人は神秘を見たらしい。
フランスの思想家ロラン・バルトは「箸をあやつる動作のなかには、配慮のゆきわたった抑制がある」と言った。
それに引きかえ西洋のナイフとフォークは、槍(やり)と刀で武装した狩猟の動作である、と
▼バルトはまた、箸に母性や、鳥のくちばしの動作も見た。
こんな川柳がある。
〈栗飯の栗母さんの箸が呉(く)れ〉森紫苑荘(もりしおんそう)。
うまく操れぬ大人が増え続ければ、優しい光景も消えかねない。
箸の持ち方も難しそうである。
お箸の持ち正しい方(動画)
夫は外で働き、妻は家を守るという分業を是とする既婚女性は、
40代を底に、若くなるほど増え20代以下で半数に近い
母親世代をしのぐ家回帰といえる
平成23年1月9日の天声人語よりの引用
川崎市の川柳作家古俣麻子(こまた・あさこ)さんの句をいくつか書きとめている。
〈ポケットに無限をつめて少女羽化〉。
人生の折々で、女性の思いをまっすぐに伝える技と感性が、琴線に触れた
▼〈ひとことを飲み込めばすむ皿洗う〉は妻の忍耐だろう。
〈この子抱く抱かれたかったように抱く〉には母性の握力を思う。
そして〈機を織る鶴にもなれず飛べもせず〉である。
主婦のかがみにも、キャリアウーマンにもなりきれない身、重ねた「ず」が切ない
▼昨今は〈機を織る鶴〉の志望者が増えているらしい。
夫は外で働き、妻は家を守るという分業を是とする既婚女性は、40代を底に、若くなるほど増える。
調査によっては、20代以下で半数に近い。
母親世代をしのぐ家回帰といえる
▼40代の「均等法第一世代」が男社会の荒野に道をつけたのに、後輩たちにはなぜか、専業主婦への憧れが広がった。
この時世、安定志向は当然ながら、男性との競争や就職難に背を向けたかにみえる
▼むろん現実は厳しい。
専業主婦の座を約束してくれる結婚相手はそうそう現れず、「ポケットの無限」はしぼんでいく。
仕事も家庭もと頑張ってはみたが、聖子さんにも、百恵さんにもなりきれず、もんもんとする30代、40代は少なくない
▼それでも、あす成人を祝う世代には、うらやましいほどの時間がある。
20代は自分を試し、磨く時だ。
家事労働は尊いが、皿洗いも子育ても、二人で繰り合わせる時代である。
主婦にせよ主夫にせよ、「専業」は結果であって、目ざすものではない。
まずは飛んでみよう。
働く女性が多くなってきている。収入が少ないからどうしても共働きしないと
まともな生活が出来ないとして勤務する主婦が増えている。
専業主婦が出来る人は経済的に恵まれた人たちである。
「つるの恩返しの話」
与作は深い雪の中で罠にかかってもがいている鶴を助ける。
その晩、与作のもとへ雪道に迷った一人の美しい娘が訪ねてきて「おつる」と名乗り、やがて彼の嫁になる。
生活に追われる彼のために、おつるは機を織る。おつるは決して機織りの姿を見てはいけないと告げる。
織りあがった布は殿様の目に止まり高く売れる。殿様はもっと布が欲しいと与作に命じる。
布を織り上げたおつるはやつれた姿で、しばらく布を織るのは休みたいと訴える。
ところが殿様の無理難題は更に続く。
与作は布を織るたびにおつるがやせていくのを感じ、止められているを知りながら、つい織り場を覗く。
そこにはおつるの姿はなく、一羽の鶴が自らの羽を抜き取って布を織っている。
「私はいつぞやの鶴です。助けていただいた恩返しにきたのですが、姿を見られたからにはお別れしなければなりません」。
哀しそうに鳴きながら空の彼方へと飛び立つやせ衰えた一羽の鶴、哀しい夫婦の別れである。
楽に涙する人は多いけれど、絵で泣いた話はめったに聞かないと
音楽の効用は気晴らしの域を超えるが、その癒やしは万能ではない
平成23年1月10日の天声人語よりの引用
「絵は音楽に負ける」。
昭和洋画壇の重鎮、中村研一の言という。
音楽に涙する人は多いけれど、絵で泣いた話はめったに聞かないと。
財界文芸誌「ほほづゑ」の座談会「音を楽しむ」で、同誌世話人の奥村有敬(ありよし)さんが紹介していた
▼どんなに心を癒やす旋律も、車内で飛び散る破片は神経を逆なでする。
イヤホンの音漏れだ。
不快を逃れるにはこちらの耳も音で塞ぐのが早い。
核兵器と同様、武装した者の間には一時の平和が訪れる。
しかし暴発の危険は拡散する
▼先般、大阪本社版などの声欄に、女子学生(18)の投書「イヤホン外して雑音聞こう」が載った。
「時には街に出て、会話や小鳥に耳を傾けよう。
知り得なかったことが見えてくる」。
そんな「開耳」の勧めである
▼音楽の効用は気晴らしの域を超えるが、その癒やしは万能ではない。
例えばひどく落ち込んだ時、落胆の理由までは消し去ってくれない。
音に紛らせただけの傷心は、芳香で封じた悪臭のように、再び「雑音」にさらされた時がつらいものだ
▼〈心がうらぶれたときは 音楽を聞くな〉という鮮烈な詩がある。
清岡卓行(たかゆき)さんの「耳を通じて」だ。
ではどうするか。
〈空気と水と石ころぐらいしかない所へ そっと沈黙を食べに行け! 遠くから生きるための言葉が 谺(こだま)してくるから〉
▼逃げずに挫折や傷心と向き合えば、再起の手がかりが降臨する。
心のささくれが絶えぬ現代人には、そうした「無音の恵み」こそ良薬なのかもしれない。
何より誰かを煩わすことがない。
いざ、沈黙を食べに河原にでも。
癒しの音楽と風景(動画)
千と千尋の神隠し(動画)
アリゾナ州の政治集会で乱射事件が起きた。
6人が亡くなり、女性の連邦下院議員ギフォーズさん(40)が
頭を撃たれて重体となった。
平成23年1月11日の天声人語よりの引用
去年の秋の小欄で「バロット(投票用紙)はブレット(弾丸)より強し」と書いた。
米国の16代大統領リンカーンの言葉である。
暴力ではなく民意によって国を変えるのだと、演説で訴えたときのものだ
▼だが民主主義は暴力に幾度も苦い汁を飲まされてきた。
民主主義の象徴のようなリンカーンも南北戦争のあと凶弾に倒れている。
米国の政治は弾丸との戦いでもあった。
そして年明け早々に繰り返された悲劇に、アメリカは悲痛な面持ちだ
▼アリゾナ州の政治集会で乱射事件が起きた。
6人が亡くなり、女性の連邦下院議員ギフォーズさん(40)が頭を撃たれて重体となった。
容疑者は22歳の男だが、詳しい背景はわかっていない
▼「この事件は巻き込まれた人々の悲劇以上のものだ。
わが国全体の悲劇である」とオバマ大統領は憤った。
狙われたのは民主主義だ、との認識からだろう。
とともに事件は、3億丁ともいう銃を日常に潜ませる米社会の、闇の深さを示してもいる
▼銃は米国で「平等をもたらす装置」と呼ばれる。
相手が雲を突くような巨漢でも、銃を持てば対等になれるからだ。
銃所持を擁護する論拠の一つだが、思えばこれは、摩天楼を倒壊させたテロの論理に、どこかで通じてはいないだろうか
▼言論に対して銃弾一発で「対等」になれるという、おぞましい妄想の温床にもなろう。
「銃が人を殺すのではなく、人が殺すのだ」は擁護派の常套句(じょうとうく)だ。
しかし銃は往々にして「俺を使え」と持つ者をそそのかす。
犠牲を悼みつつ、米社会の宿痾(しゅくあ)をあらためて思う。
銃の保持規制の無いアメリカでの出来事で銃規制を日本のように徹底すべきだが出来ない。
治安維持する警察の強化が維持できない所にあるようだ。
日本のように交番が国民の生活を護るような事が出来ないからであろう。
レルヒ少佐の名を知る人は多くないだろうが
日本人にスキーを教えた旧オーストリア・ハンガリー帝国の軍人で、
その記念すべき初指導からきょうで100年になる
平成23年1月12日の天声人語よりの引用
レルヒ少佐の名を知る人は多くないだろうが、雪国の新潟ではなかなかの人気者だ。
ゆるキャラの着ぐるみも登場した。
日本人にスキーを教えた旧オーストリア・ハンガリー帝国の軍人で、その記念すべき初指導からきょうで100年になる
▼雪中戦でのスキー活用を考えた陸軍の要請だった。
今の上越市での「初滑り」は悲惨で滑稽だったらしい。
頭から深雪に突っ込み、足だけ天に突き出してもがき――屈強ぞろいの陸軍兵もへとへとだったと伝わる。
のちに国民的レジャーとなるスキーの、原点の日である
▼上越市ではきょう、レルヒ像への献花や「日本スキー発祥の火」の採火がある。
「レルヒさんカレー」もお目見えするなど地元は盛り上がっているそうだ。
しかし、スキー人気はこのところ下降線をたどっている
▼何より若い人が行かなくなった。
車や外国への興味が薄れたのと同根だろうか。
それとも寒さを嫌う「巣ごもり派」が増えているのか。
スキー列車やスキーバスのにぎわいも、今は昔の話らしい
▼レルヒ少佐の故国オーストリアも事情は似ているそうだ。
五輪メダリストが数多(あまた)のスキー王国だが、昨今は「古い、寒い、退屈」と若者に敬遠されている。
泉下の少佐は嘆いていようか。
スキー関連は主力産業だけに懸念はひとしおらしい
▼山へ、釣りへ。
ガールは外に飛び出すが、ボーイが引きがちなのが気にかかる。
〈滑降は縦横無尽…でもないが 遥(はる)かなり白馬の青春の空〉三枝コウ(コウは昂の左下が工)之。
何十年ののち、いまどきのボーイは青春の空をどこに回想するだろう。
スキ-は熟達すれば楽しいスポーツだが滑れるまでが大変だ。
ランドセル10個、前橋市の児童相談所に置かれたのは
暮れのクリスマスだった
それを誘い水に、情けの泉がわき出すように、
「タイガーマスク」の主人公を名乗る善意が広まっている
平成23年1月13日の天声人語よりの引用
茨木のり子さんの詩「みずうみ」から引く。
「〈だいたいお母さんてものはさ/しいん/としたとこがなくちゃいけないんだ〉/名台詞(めいせりふ)を聴くものかな!
/ふりかえると/お下げとお河童(かっぱ)と/二つのランドセルがゆれてゆく/落葉の道……」
▼「ランドセル」の一語が利いている。
子どもの成長の道連れである。
ランドセルが歩いているような後ろ姿で入学し、やがて負けずに背負えるほどに育つ。
詩人を驚かす「名台詞」も口にするようになる。
背中の親友は、小さな喜怒哀楽を6年間、黙って見守ってくれる優しい存在だ
▼そんな「親友」が10個、前橋市の児童相談所に置かれたのは暮れのクリスマスだった。
それを誘い水に、情けの泉がわき出すように、「タイガーマスク」の主人公を名乗る善意が広まっている
▼最初の善意への共感が相次ぐのも、「ランドセル」が利いていよう。
ぴかぴかのランドセル姿は、子どもが貧と富、幸と不幸で分け隔てされてはならないことの象徴だ。
初代タイガーマスク氏の、ささやかだが、志ある一灯だったろう
▼市井の善意とは異なるが、山形県庄内町を思い浮かべる。
ランドセルを新入生全員に贈り続けていて、今年も187人が新品をもらう。
「子どもたちが地域の宝だという思いを、町民みんなで分かち合うのです」は原田真樹町長の弁だ
▼一つ一つは小さな善意が、「社会で子を育てる」という脆(もろ)い理念を、確かな意識に高める力になればいい。
人みな人の世の子。
めぐる春、善意のランドセルをゆらす小さな背に幸いあれと願う。
日本でのこの現象はまだまだ日本には広く善意の心がしみわたっているものと考えたい。
仙谷官房長官に心得違いなどなかったろうが、
菅内閣の大番頭がついに交代と相成る
ときに首相をしのぐ存在感が揶揄(やゆ)を招いた。
参院で問責決議をされてもいた
平成23年1月14日の天声人語よりの引用
江戸の昔、大店(おおだな)の盛衰は主人よりも大番頭の人次第だったという。
存在は大きかったが、ゆえに心得違いをする者もいたらしく、戒めも伝わる。
「分限玉の礎(いしずえ)」という古文書は七カ条を挙げ、第一に次の心得を説く
▼「主人大事と思うは勿論(もちろん)、軽き親方(主人)なりとも侮るべからず」。
続く第二条は「この家に我なくばなどと、高慢顔あるべからず」とある(青野豊作〈ぶんさく〉著『番頭の研究』)。
むろん仙谷官房長官に心得違いなどなかったろうが、菅内閣の大番頭がついに交代と相成る
▼ときに首相をしのぐ存在感が揶揄(やゆ)を招いた。
参院で問責決議をされてもいた。
交代によって野党から審議拒否の大義名分を奪い、身内の小沢元代表の政権批判も封じる。
二方面に向けた首のすげ替えというが、政治はこれで沈滞を突破できようか
▼登山をしていて「輪形彷徨(りんけいほうこう)」に陥ることがある。
道を失って同じ所を歩き回ることで、体力を消耗して死につながる。
民主党の政治も似ていよう。
歩いても歩いても「小沢山」「マニフェスト谷」「ねじれ峠」――と同じ地形が悪夢のように現れてくる
▼「このままでは行き倒れだ」は全国幹事長会議での悲鳴だという。
国民はもっとたまらない。
早く稜線(りょうせん)へ出て、新しい地平を見せてくれるのが、何をおいてもの政治の使命だろう
▼冒頭の七カ条に戻れば、しんがりの第七条には「勘忍の二字、忘れまじ」が控える。
勘忍は美徳だが、世論調査を見れば国民の堪忍袋の緒はぎりぎりに細っている。
大番頭の交代から先、掛け値なしの背水の陣が待つ
無能な官房長官よりも立派だと思う。権力闘争に政界が終始していれば
益々に国民の生活は貧迫してゆくばかりである。
「政乱れれば民は困窮する」のは歴史を省みればわかる事だ。
たちあがれ日本を離党して入閣した与謝野経財相である。
心変わりに「人徳」はありやなしや
平成23年1月15日の天声人語よりの引用
NHKドラマ「坂の上の雲」で、明治の言論人、陸羯南(くが・かつなん)を佐野史郎さんが演じていた。
その陸と、やはり論客の徳富蘇峰を比べた小欄を、先輩筆者だった深代惇郎が書いている
▼長い目で見れば論調が首尾一貫と言えないのは両人とも同じだった。
だが蘇峰はしばしば「変節」を言われ、羯南にはそうした非難はなかった。
この違いを評して、言論人で哲学者の三宅雪嶺が言ったそうだ。
「羯南は私心によって説を変えたのではないことが明白だったからではないか」
▼「心変わりにも人徳(の有無)があるらしい」と筆者はコラムを締めている。
さて、たちあがれ日本を離党して入閣した与謝野経財相である。
心変わりに「人徳」はありやなしや。
この人事、菅内閣のみならず、日本丸の行方も左右しかねず侮れない
▼年齢から見て、ご本人には「最後の奉公」の念があろう。
だが民主党を鋭く批判してきた舌の根は、いつの間に乾いたのか。
曲折への十分な説明がまず欠かせまい。
私心が透けるなら国民の目には、やはり政治は信を置けぬ代物と映るだろう
▼「明日(あす)」と題する詩が与謝野氏の祖母晶子にある。
憧れの明日はやがて〈平凡な今日に変り、灰色をした昨日になってゆく〉と嘆く。
どこか国民が民主党にゆだねた「明日」の、これまでの末路を思わせる
▼詩の中で晶子は、それでも明日に夢を抱く。
そのお孫さんが閣内で、税や社会保障など私たちの明日に向けた要職を担う。
仕事ぶりと結果が疑義への答えとなろう。
六分の不安、四分の期待で見守らせていただく。
自民党で悪い事していた人が民主党に自民党で政権握っていた人が政治を自民党も民主党も変わりがないことになるが
政権譲渡の過渡的な現象なのかどうかだ。
靖国神社で大騒ぎを起し外国との軋轢を起す事よりもマシかと思うだけなのかか。
与謝野晶子の血を引く人だけに期待もするが。
市川房江と与謝野晶子なのか。
小鳥の情愛はなかなか深い
この鳥の親も懸命に鳴き分けて、
1羽2羽を守っているに違いない
小さきものたちの大きな愛を知るにつけ、
保護者の顔をしたカラスやヘビに育てられる子を思う
平成23年1月16日の天声人語よりの引用
小鳥の情愛はなかなか深い。
例えばシジュウカラは、雛(ひな)を天敵から守るため、鳴き声を使い分けているらしい。
立教大院生の鈴木俊貴さん(27)が、21組の親子の実験で突き止めた
▼剥製(はくせい)のカラスを巣箱に近づける。
親は外からチカチカと鳴いて知らせ、雛はカラスのくちばしが届かない底に身を潜めた。
次は透明の箱に入れたヘビ。
親の声はジャジャと濁り、雛たちはまとめて丸のみされぬよう巣を飛び出したという。
まさか「地下地下」「蛇蛇(ジャジャ)」ではなかろうが、弱者なりの知恵に驚く
▼どの子も救おうと声をからす親と、けなげに聞き分ける子。
金子みすゞの「雀(すずめ)のかあさん」がチクリとくる。
〈子供が子雀つかまへた。
その子のかあさん笑つてた。
雀のかあさんそれみてた。
お屋根で鳴かずにそれ見てた。〉
▼そのスズメに一人っ子が増えているという。
こちらは岩手医科大などの研究だ。
去年の繁殖期、全国の愛好家に雛の数を調べてもらうと、商業地で平均1.4羽、住宅地が1.8羽、農村部でも2羽だった。
4〜5羽も珍しくない鳥だから少子化である
▼都会ほど瓦ぶきの家が減り、広い巣を作れる場所が減ったせいらしい。
国内のスズメは20年で半減したともいわれる。
この鳥の親も懸命に鳴き分けて、1羽2羽を守っているに違いない
▼小さきものたちの大きな愛を知るにつけ、保護者の顔をしたカラスやヘビに育てられる子を思う。
しつけに名を借りた虐待を前に、被害児は泣き分けるすべを知らない。
せめて隣家から漏れ来る「子苦子苦(シクシク)」の声を聞き分けたい
雀か少なくなりツバメも見なくなって久しい。
農薬のためか何か゛原因しているか不思議。
叉メダカも見ない。
16年前のきょう、神戸あたりのスカイラインも一変した
大揺れの後の薄明に浮かんだのは、全壊10万余棟のゆがんだ街だった
阪神大震災の被災地の区画整理がようやく完了するという
平成23年1月17日の天声人語よりの引用
時事川柳を育てた一人に小説家の野村胡堂(こどう)がいる。
明治末、当時の報知新聞に入り、社会部長時代に賞金つきの川柳欄を設けた。
自ら選者を務めた胡堂が後に、「不朽の名作」と挙げたのが〈するが町広重の見た富士が見え〉だ
▼駿河(するが)町とは今の東京・日本橋、三越かいわいで、江戸の昔は富士見の名所だった。
関東大震災で高楼が軒並み崩れ落ち、同じ場所から、67年前に広重が描いた通りの霊峰が望める。
そんな放心の句は、焼け野原と化した都の姿を17音に刻んだ
▼16年前のきょう、神戸あたりのスカイラインも一変した。
大揺れの後の薄明に浮かんだのは、全壊10万余棟のゆがんだ街だった。
幾筋もの煙を上げる屋根の下で、六千数百の命が尽きた。
悲しい記憶を塗り込めるように、がらりと趣を変えた街区も多い
▼阪神大震災の被災地の区画整理がようやく完了するという。
甲子園球場66個分の土地に道が引き直され、生まれ育った一角を公園にされた人もいる。
子や孫に安全な街をという願いが、反発を包み込んだ
▼震災翌年の秋、神戸で催した読者との集いを思い出す。
出演してくれた地元の川柳作家、故時実新子(ときざね・しんこ)さんは、あの朝、机を亀のように背負って絞り出した一句を改めて詠んだ。
〈平成七年一月十七日 裂ける〉
▼すさまじい体験ほど伝えるのが難しい。
「裂けた心」は、たやすく字や声になるものではなかろう。
片や震災を知らぬ世代の先頭はもう高校生だ。
景色や住人は移ろい、あの惨状と、整然たる支え合いを語り継ぐ意思が、年を追って大切になる。
阪神大震災で明け方に家が大揺れに揺れた。
その後に頻繁に地震があり恐ろしさを通り越す。
人間はどうしても 如何にもがいても自然には勝てない。
北アフリカのチュニジアで、長年の独裁政権が崩壊した
強力な警察組織によって言論が厳しく制限されてきた国である
打ち破ったのはインターネットだったそうだ
平成23年1月18日の天声人語よりの引用
チャプリンが初めてつくったトーキー映画は1940(昭和15)年の「独裁者」だった。
権勢をきわめていたヒトラーに敢然と挑んだ作品は、時代への深い洞察に満ちた名画の中の名画とされる
▼それまでは無声映画にこだわっていたという。
だが、対決する独裁者は、言葉を操って人心をあおる扇情の徒である。
自ら語る声なしには挑めなかっただろう。
結びのヒューマニズムあふれる演説は名高く、映画史上最も感動的な台詞(せりふ)という人が少なくない
▼北アフリカのチュニジアで、長年の独裁政権が崩壊した。
強力な警察組織によって言論が厳しく制限されてきた国である。
打ち破ったのはインターネットだったそうだ。
強権にあらがうコミュニケーションの道具に、チャプリンが頼みにしたトーキーが重なり合う
▼時代も背景も違うが、ともに「個」を権力者に対峙(たいじ)させうる利器であろう。
チュニジアでは、携帯で撮影されたデモの映像や、次のデモの呼びかけが広がり、市民を動員していった。
その威力を、天上の喜劇王はうらやんでいようか
▼今回の政変は、チュニジアを彩る花から「ジャスミン革命」と命名されたそうだ。
周辺には似たような強権国家が多い。
民主化のドミノ倒しを案じ、漂う芳香に気の休まらぬ権力者もいるように聞く
▼映画のチャプリンは演説で「飛行機とラジオは私たちの距離を縮めた。
民主主義の旗の下で手をつなごう」と呼びかけた。
いまやネットで世界が瞬時につながる時代である。
「両刃の剣」は承知しつつ、より良き世界への希望を見る。
飛行機が世界を身近にしたのと同様にインタ-ネットやテレビが世界を身近にしてきてくれる。
一国のみでは地球上で゛生活する事が出来なくなってきている。
インタ-ネットの時代は世界連邦につながって行くべきである。
今年も東洋大学から「現代学生百人一首」が届いた
24回目となり、全国から6万余首が寄せられた
平成23年1月19日の天声人語よりの引用
〈先生がニコっとして言う「がんばるな」私の中で「がんばれ」になる〉と北海道の高3の女生徒久島紗貴さん。
東京の高1女子河合光葉さんは〈「頑張って」背中に掛かるその言葉時に重荷に時に翼に〉とうたう。
今年も東洋大学から「現代学生百人一首」が届いた
▼24回目となり、全国から6万余首が寄せられた。
人生を一日にたとえるなら、明けゆく朝を生きる彼ら。
逃げ足の速い青春を紡ぐ言葉は、三十一文字(みそひともじ)というより「サーティーワン」とでも呼びたくなる
▼若い日に、友達が「人生」を教えてくれる。
〈旧友が声変わりしてふと気づく違った道を歩む僕らに〉中3、三谷航平。
ときに自分がくすんで見えることもある。
〈夢語る友の横顔まぶしくて隣にいるのに遠く思える〉高3、藤島由紀子
▼入選した100首のテーマは様々だが、家族を詠んだ作も多い。
〈そばをうつ父の姿を眺めてる母の視線はどこかあたたか〉高2、中山芙美。
〈「アレ取って」以心伝心「はい、どうぞ」25年の夫婦の絆〉高3、澤田知里
▼とはいえ反抗期。
〈ひとり見る夏の夕日のうつくしさ今日なら母に謝れるはず〉高1、石井優希。
将来への心配に揺れもする。
〈就活で不況の闇に呑(の)み込まれ嵐の波間を漂う九月〉高3、岩崎健悟
▼だが、喜びを分かち合える幸せがある。
〈泣きながら内定決まり一番に電話したのは大切な祖母〉高3、猪尾梓。
小学生の部に〈おじいちゃんあんまりゆだんしていると王手しちゃうよまったなしだよ〉2年、藤原祐奈。
冬の日だまりのような、暖かさ。
若い頃は誰にもあった。
でも若さの良さは年取ればさらにわかる。
年取れば年取るよさもあるはずだが。
冬の受け止め方は共通の季節感から外れる
何と言っても雪の有無が大きい
そして、きょうは大寒
平成23年1月20日の天声人語よりの引用
自然に色の乏しい冬は、京菓子も雪の白さを愛(め)でるものらしい。
「初雪」に始まって「雪の朝」「冬ごもり」「小雪」「大雪」など名前も色々考えて楽しみますと、
老舗のご主人山口富蔵さんが「冬の和菓子」という随筆に書いている
▼かつて、北国からの客人への菓子を雪の意匠で作ったことがあったそうだ。
後日、別の人から、雪国の人は雪を見るだけで気が重くなる、と聞かされて反省しきりだったという。
京の老舗らしいこまやかさだが、いささか粗雑なわが頭にも雪国の難儀がいたく分かる、この冬の空である
▼四季に恵まれたこの国だが、冬の受け止め方は共通の季節感から外れる。
何と言っても雪の有無が大きい。
江戸時代の越後人、鈴木牧之(ぼくし)の名著「北越雪譜」は
「雪を観(み)て楽(たのし)む人の繁花の暖地に生(うまれ)たる天幸を羨(うらやま)ざらんや」と恨み節をつづっている
▼この冬も、日本海側で続く雪に、東京の晴れが申し訳なくなる。
たとえば秋田市では、年明けから18日までの日照が15時間しかない。
片や東京は141時間。
豪雪の地では、雪下ろし中の転落などの事故も相次いでいる
▼そして、きょうは大寒。
「冷ゆることの至りて甚だしき時なればなり」と意味は直截(ちょくせつ)だ。
今年の寒さは律義で、けさは各地で氷点下という
律義者らしく、予報では来月の立春ごろまできっちり精勤するらしい
▼春が立てば、山口さんの店でも「雪」が消え、緑の餡(あん)も鮮やかなわらび餅「春かぜ」が並ぶ。
そうなれば寒さも余寒となる。
もうひと辛抱ふた辛抱の日々を、どうぞ息災に過ごされたい。
寒いときには暑い時期を思い暑い時期には寒い頃を考えるのも良いのだが。
昇竜の勢いの中国で、インターネットにこんな小咄(こばなし)が登場したそうだ
昨日は去年の国内総生産(GDP)を発表し、日本を抜いて世界2位が確実になった
今の中国で格差に苦しむ貧困層の不満はこの程度ではあるまい
平成23年1月21日の天声人語よりの引用
かつて中国で金持ちは「万元戸」と呼ばれた。「元」は通貨の単位である。
いまは「千万富豪」と呼ぶらしい。いつしかゼロが三つも増えた。
中国の調査会社によれば、車を平均3台持ち、海外旅行を年3回ほど楽しむ暮らしぶりという
▼昇竜の勢いの中国で、インターネットにこんな小咄(こばなし)が登場したそうだ。
「1979年 資本主義だけが中国を救える/2008年 中国だけが資本主義を救える」。
北京の日本大使館公使だった道上尚史さんの著書「外交官が見た『中国人の対日観』」に教わり、抜粋した
▼79年は改革開放が緒に就いた年だ。行き詰まりを破るために市場経済への移行を目指した。
時は流れて08年のリーマン・ショック以降、世界経済は中国頼みと言っていい。
かの国の高揚感をうかがわせる笑話であろう
▼昨日は去年の国内総生産(GDP)を発表し、日本を抜いて世界2位が確実になった。
足の止まったランナーを一気に抜き去った印象だ。
1位の米国を中国では「美国」と書く。
目標だった「超日」は、いよいよ天下取りの「超美」に改まる
▼43年前、日本は西ドイツを抜いて2位になった。
小欄は「へえ、自由世界二位の経済力でこんな生活か」と書いている。
今の中国で格差に苦しむ貧困層の不満はこの程度ではあるまい
▼富裕層の満足も含め、一党独裁の安定はどこまでも経済成長にかかっていよう。
踊り続ける赤い靴をはいてしまったアンデルセン童話を、中国経済は彷彿(ほうふつ)させる。
「1979年 資本主義だけが中国を救える/2008年 中国だけが資本主義を救える」。
中国の勢いを感ずるが共産主義をとった立派な専制主義的な立派な資本主義国家として感ずる。
人口が多いから国家の運営は大変な事であることには違いない。
エジプトのようなことにはならない事を願うのだが。
舵取りが大変むつかしいようだ。
『小沢一郎氏の力の源は何か』と聞かれるのが一番困る」と言っていた
思想的な牽引(けんいん)力があるわけではない
小沢氏の輪郭はなぞりにくい
今回も、衆院政治倫理審査会に出ると思ったら、あれこれ駄々をこねている
平成23年1月22日の天声人語よりの引用
知米家で知られる先輩記者の松山幸雄さんが、かつて米国の大学で学生らに話をした。
日本の「企業ぐるみ選挙」の説明をすると、「それは政治学というより文化人類学の領域ではないのか」と質問され、恥ずかしい思いをしたそうだ
▼その松山さんが、「米国の知日派の会合で『小沢一郎氏の力の源は何か』と聞かれるのが一番困る」と言っていた。
思想的な牽引(けんいん)力があるわけではない。
演説は下手。
時々雲隠れし、たまに会見してもレベルの高からぬ話――。
それでいて政治のリーダーなのが、彼らには何とも不思議らしい
▼たしかに、納得させる答えは難しそうだ。
日本人にとっても、小沢氏の輪郭はなぞりにくい。
今回も、衆院政治倫理審査会に出ると思ったら、あれこれ駄々をこねている。
民主党内はきしみ、またぞろのうんざり感が募る
▼よく「司法の場にゆだねる」と言うが、一国の政治リーダーの場合、そう単純ではあるまい。
権力をゆだねた国民に、潔白を進んで明らかにする道義的責任を常に負う。
それを知らぬ氏でもなかろうに、と思う
▼のどに刺さったトゲというより、国政の十字路に転がり落ちて動かぬ巨岩だろう。
「与党街道」も「野党通り」も渋滞し、クラクションの音ばかり大きい。
岩に足が生えぬなら、動かすしかない
▼昔、元首相の吉田茂が「反対党は嫌いだが、反対党が強くないと内輪がおさまらない」と言っていた。
言にならえば、民主党の内輪もめは野党の弱さゆえだろうか。
週明けからの国会、政治学の領域の熟議が聞きたいものだが。
世界共通の利権誘導 賄賂 票の買収 義理と人情に訴えた集票
これら全ては民主主義の阻害因子で
国民の生活向上を主眼とした民主主義の投票が出来る仕組みを作ることで
電話 テレビ インターネットを通じて家庭から投票できる仕組みを作る事である。
現在の技術水準からは簡単に出来ることだが、
それを先進国アメリカでもせず長い行列しながら投票している。
日本でも出来るが しない。投票率が100%近くなり多分二世 三世議員はなくなることだろう。
地盤 看板カ バン がなくなるからである。ムバラクさんも小沢さんも地方のミニ小沢さんも無くなる。
うわの空でも、心地よく歩きたい。
そんな道を取り戻す知恵が、
交通戦争と大気汚染の中で生まれた歩行者天国だった
秋葉原のホコ天がきょう、無差別殺傷事件から137週ぶりに復活する
平成23年1月23日の天声人語よりの引用
歌人の上田三四二(みよじ)は散策時に作歌した。
「歌をつくろうとは思わない。
歩くだけでいい……だがそういう道の上で、ふと、歌が落ちてくる……その言葉を唇(くち)にのぼせ、
吟味し、よさそうだと胸にしまい込む」と、随筆に記している
▼その人が「夕方の散歩で会いたくないものの第一」としたのが自動車だ。
〈対向の車の列に擦られつつやはらかき肉わがあゆみ行く〉の一首がある。
生身を車列に擦られては、どんな想も落ちてこない
▼うわの空でも、心地よく歩きたい。
そんな道を取り戻す知恵が、交通戦争と大気汚染の中で生まれた歩行者天国だった。
ホコ天の歴史そのものといえるのは、東京の新橋から銀座、日本橋、秋葉原を経て上野に至る中央通りだ。
南北5キロ超で一斉に車を閉め出したこともある
▼南の銀座と並び、40年近く前から北の名物だった秋葉原のホコ天がきょう、無差別殺傷事件から137週ぶりに復活する。
客足の戻りを待つ商店街と、風紀を案ずる町内会が夏までの試行で折り合ったという
▼銀座が成熟なら、アキバは途上の街。
ハイテクとサブカルが混然とし、先の読めない危うさが漂う。
求刑を待つ悪意とは無縁の、愛すべき危うさである。
どうか安全に加え、未知、新奇、乱雑の魅力を増幅するホコ天であってほしい
▼いつもは通せんぼの車道も、中に身を置けば面としての広さに驚く。
ぶらぶらと、センターラインあたりで深呼吸でもして、ささやかな非日常を味わってみよう。
こんな時代だから、祝祭の場は大切にしたい。
そう、歩くだけでいい。
身体の健康にはまず歩くことだ。
日本車の名前は数あれど、マニアが語り明かせる名跡となるとそうはない
その一つがスカイラインだ。
7代目までの開発に携わり、
あまたの伝説を残した桜井真一郎さんが亡くなった
平成23年1月24日の天声人語よりの引用
日本車の名前は数あれど、マニアが語り明かせる名跡となるとそうはない。
その一つがスカイラインだ。
7代目までの開発に携わり、あまたの伝説を残した桜井真一郎さんが亡くなった
▼出身のプリンス自動車には、ゼロ戦などを手がけた男たちが集い、1957年の初代スカイラインは「飛行機屋が凝った作品」と評された。
代々に脈打つスポーツ魂は、桜井さんが足回りを任された2代目からで、もっぱらサーキットで培われた
▼初代より小さな車でレースに挑むにあたって、桜井さんは上級車種の大型エンジンを積むべく、量産型の車体を20センチ伸ばす奇策に出る。
かくて生まれた2000GT、通称スカGはイメージを決定づけた
▼日産に吸収合併されても、技能集団の遺伝子は3代目に引き継がれた。
中でもレースを意識した「GTR」は国内無敵の走りを誇り、今も日産の看板だ。
4代目は排ガス対策などで重くなったが、「ケンとメリー」の粋な宣伝でよく売れた
▼販売戦略から、桜井さんは「スカイラインの父」にされた。
本人は職人の頭領を自称し、「伝える手段は図面のみ」と、鉛筆の線がきれいに引けるまで新人をしごいたという。
それでもオヤジさんと慕われ、桜井学校からは逸材が輩出した
▼「やれるだけやって、車づくりに心血を注いだ満足感を持って死にたい」。
享年81。
言葉通りの、うらやましい開発人生である。
ケンメリのCM曲でも聴き直し、天に駆け上る丸型テールランプを見送りたい。
この耐久財が夢や憧れでありえた時代が、また遠くなる。
日産ブルバードに乗ったことがあるがスカイラインは知らない。
正直者とおぼしき菅首相の施政方針演説である
声や表情には悲壮な覚悟が見えた
平成23年1月25日の天声人語よりの引用
詩人のサトウハチローや作家佐藤愛子さんの父、佐藤紅緑(こうろく)はおならにうるさかった。
「屁(へ)は人生を象徴する。
屁に勢いのない奴(やつ)はダメだ」と。
「兄たちはおならをしては父に(勢いがないと)叱られていた」。
愛子さんの随筆にある
▼おならの音量はともかく、気力の有無を外からうかがう材料は多い。
顔色、肌のつや、声の張り、背中の丸さ。どれも、時々の心の持ちようで変わる。
体は正直だ
▼さて、正直者とおぼしき菅首相の施政方針演説である。
声や表情には悲壮な覚悟が見えた。
この通常国会、日本の政治が更生する最後の機会かもしれない。
「今年こそ舵(かじ)を切る」「よろしくお願いします」。
決意の言葉を、もどかしげな誘いが追いかけた
▼片や自民党の谷垣総裁。
党大会で「政権を解散・総選挙に追い込む」と額に青筋を浮かべ、演台をたたいたそうだ。
その勢いの先は政局にらみの党略か、熟議に応じる責任野党か。
両論あるやに聞くが、ここは与党と熟しぶりを競う時だろう
▼本家、英国の議場は狭く、議員が密集している。
大声でやり合うと知恵が飛んでしまうからだと、外山滋比古さんの著作に教わった。
冷静な議論と、実のある妥協に導く工夫らしい。翻ってわが国会、すでにかなりの知恵が蒸発している
▼外山さんは「思い切ってゆっくり話すと案外たくさんのことが言える」と、早口も戒める。
内外の国難を思えばまくし立てたくもなろうが、どうか賢く熱くなって、密度の高い論戦にしてほしい。
国民の採点基準はおならの、いや声の大きさではない。
責任与党 責任野党の経験をそれぞれの政党がもっと経験をつまないと立派な政党にならないし
立派な政治が行う事ができない。
やはり理論だけ無くて経験も大変に大切な事である。
「あおげば尊し」の原曲が、
どうやら19世紀に米国で作られた
「卒業の歌」だとわかった。
平成23年1月26日の天声人語よりの引用
カステラや金平糖など、和の空気をまとう渡来品は多い。
童謡「ちょうちょう」の元歌はスペイン民謡、「むすんでひらいて」の作曲者はフランスの思想家ルソーだという
▼『日本の唱歌』(講談社文庫)からさらに引くと、〈小ぎつねコンコン、山の中〉の「小ぎつね」はドイツ民謡だ。
詞は〈草の実つぶして、おけしょうしたり〉と可愛らしく続くが、元の大意は「こらキツネ、ガチョウを返さねえとズドンとやるぞ」と趣を異にする
▼さて、「あおげば尊し」の原曲が、どうやら19世紀に米国で作られた「卒業の歌」だとわかった。
日本では明治期、文部省で詞を合議して小学唱歌集に載せたというが、出自は「唱歌最大の謎」とされてきた。
ちなみに先の文庫本は、作曲は日本人とする説を紹介している
▼謎を解いたのは米英民謡に詳しい一橋大名誉教授、桜井雅人さん(67)。
欧米の古い教科書や賛美歌を探るうち、1871年に米国で出版された歌集に同じ旋律を見つけたという
▼ただ、友との別れを惜しむ原詞には、歌の味わいを決める「わが師の恩」「身を立て、名をあげ」の句がない。
日本版はどうも、国家が期待する人間像を紛らせたようだ。
唱歌自体、西洋文化を学ばせる国策だった
▼だんだん歌われなくなったのは、この創作部分ゆえと聞く。
門出の場で教師が恩を売り、立身出世を強いるのはまずいと。
ごもっともだが、歌の故国が判明した今、これはアメリカンドリームの奨励と解釈し直したい。
厳かな曲調といい、若者の背中をドンと押すには悪くない。
旅たつ日に(動画)
これは面白い話でもある。
-以下インタ-ネットよりの引用-
かつては卒業式でよく歌われ、アイドルグループ「AKB48」のヒット曲「10年桜」でもメロディーの一部が使われた唱歌「あおげば尊し」の原曲とみられる歌が見つかった。
作者不詳で研究者の間では「小学唱歌集の最大の謎」とされてきたが、米国で19世紀後半に初めて世に出た「卒業の歌」の旋律が同じであることを、
一橋大名誉教授(英語学・英米民謡)の桜井雅人さん(67)が突き止めた。
桜井さんは10年ほど前から小学唱歌集の原曲を独自に研究。
インターネットなどを活用し、欧米の古い音楽教科書や賛美歌を集め、照合する調査を続けている。
「あおげば尊し」の原曲とみられる歌は「SONG FOR THE CLOSE OF SCHOOL」(卒業の歌)。4部合唱で、メロディーはまったく同じ。
歌詞は卒業で友と別れるのを惜しむ内容だった。
1871年に米国で出版された本「THE SONG ECHO」に収録されているのを、ネット上で見つけた。
同書が基本的に初出の曲を載せていることから、桜井さんは「原曲に間違いない」とみている。
作詞はT・H・ブロスナン、作曲者はH・N・Dとあったが、どのような人物かはっきりしないという。
唱歌は明治時代、西洋文化を学ぶ国策の一環で作られた。
文部省が明治15(1882)年から発行した「小学唱歌集」には「蛍の光」「蝶々(ちょうちょう)」など欧米の曲に日本語詞をつけた唱歌を掲載。
「あおげば尊し」は明治17年発行の「第3編」に載っている。
音楽教育史の研究者らが唱歌の原曲を解明してきたが、「あおげば尊し」は見つかっていなかった。
日本語詞は文部省の「音楽取調掛(とりしらべがかり)」の担当者3人が合議で練り上げたとされる。
「師の恩」「身を立て、名をあげ」などの歌詞は原曲にはなく、時代の影響を受けたとみられる。
今回の発見について奈良教育大の安田寛教授(音楽教育史)は「唱歌集の中で
、最も長く広く日本人に親しまれてきた歌。
原曲の発見が最も望まれていた」と話している。
桜井さんは「改めて、口伝えしたくなる生命力の強い歌だと感じます。諦めずに探索を続けてよかった」と話している。(春山陽一)
鶏肉ほど融通の利く食肉はなかろう。
鳥インフルエンザが、とうとう養鶏どころに広がってきた
平成23年1月27日の天声人語よりの引用
三島由紀夫は酒食もおしゃれで、文壇バーや居酒屋を避け、きらびやかな店に正装で出没した。
〈「プルニエの舌平目のピラフ」などは、何度となく食べて、一寸(ちょっと)間をおくと又(また)食べたくなる〉。
プルニエとは、皇居お堀端にある東京会館のフランス料理店だ
▼シャンソン喫茶の銀巴里(ぎんパリ)ができた頃、三島は出演中の美輪明宏さんを伴い、近くの洋食店、銀座キャンドルに通った。
今でも名物のチキンバスケットを好んだという。
以上、『作家の酒』(平凡社)から拝借した
▼文豪のつまみから台所まで、鶏肉ほど融通の利く食肉はなかろう。
宗教上の禁忌が薄いので、国際線の機内食でも重宝される。
カラ揚げが苦手という人はそういまい。
和洋中なんでもござれのこの食材に、にわかの暗雲である
▼鳥インフルエンザが、とうとう養鶏どころに広がってきた。
42万羽を殺処分している宮崎県に続き、鹿児島県や愛知県でも大量死があった。
大産地の受難は、鶏肉や鶏卵の供給に響きかねない
▼鹿児島の現場に近いツル越冬地では、先にウイルスが検出されていた。
野鳥は環境省、養鶏は農水省、動物園は文科省、人の感染は厚労省と、国の守りは分かれる。
攻める病は縦割りの垣根などお構いなしだから、総力戦の態勢づくりが急がれる
▼ウイルスをしのばせて好きに飛び回る野鳥は、さしずめステルス爆撃機だろう。
地上にひしめく鶏たちが、おびえて天を仰ぐ図である。
英語のチキンには臆病者の意味があるという。
ここは細心に徹し、姿を見せない敵から鶏舎と食卓を守りたい。
いつも思う事はウイルス感染は古くからあったものかと言う事である。
古代の奈良 平安時代と続く江戸時代 明治大正時代にもウイルス感染 流行が有ったとしてもおかしくはない。
ただウイルスの存在を知り 解析すことが出来てからが大騒動となっている。幸せな時代だ゜。
この海の幸が空前の豊漁という
定置網の水揚げが去年の数十倍という港もあり
平年の半値ほどで売られている
平成23年1月28日の天声人語よりの引用
冬の夕餉(ゆうげ)の楽しみにブリ大根がある。
生臭みを消す湯通しやアク取りの手間と引き換えに、頭やカマのうまみが仕事をしてくれる。
ご飯によし燗酒(かんざけ)によしの総菜は、味が染み込む翌日がまたおいしい
▼ソムリエの田崎真也さんによると、この魚には赤ワインも合う。
ブリ大根なら、やや軽めで熟成が進んだもの、照り焼きは粉山椒(こなざんしょう)のようなスパイス香を備えたものと相性がいいそうだ。
〈寒鰤(かんぶり)を煮る幸せや永らえて〉原田マサ恵
▼この海の幸が空前の豊漁という。
定置網の水揚げが去年の数十倍という港もあり、平年の半値ほどで売られている。
ブランド産地、富山県氷見(ひみ)市の学校では給食に塩焼きが出た。
こういう地の利はうらやましい。
大漁の前には、氷見産を装う品も出回った
▼ブリはオホーツク海から台湾あたりを回遊する。
この冬、産地の富山湾や若狭湾で魚影が濃いのは、強く張り出した寒気ゆえという。
産卵のため日本海を南下する寒ブリの群れが、低温の海域を嫌って沿岸に近づいたらしい
▼背の青緑に、黄の帯を挟んで腹の銀白。
厳冬の日本海に染められた魚が網の中で輝き、身をくねらす。
ひと抱えはある20キロ級の大物もまじるという。
寒の恵みを求め、こちらも近所の鮮魚棚を回遊する日が続きそうだ
▼日本海側は、これまた記録的な大雪に泣かされている。
お年寄りが守る家では、除雪中の災難が絶えない。
このブリ景気、冬将軍が空の不始末を海で埋め合わせているのだろう。
雪国の労苦を思い、四季と四海に謝し、出世魚にお供すべき今宵(こよい)の一献を選ぶ。
ぶり大根は食べた事がない。
一般に広く食べられているが,
富山の郷土料理のようだ。
宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)が噴火し
風下に大量の火山灰や噴石が降った
平成23年1月29日の天声人語よりの引用
白魔と闘う地方には申し訳ないが、ねずみ色に染まった道や田畑を見て、早晩とける雪の方がまだマシかと思った。
宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)が噴火し、風下に大量の火山灰や噴石が降った。
鳥獣の病に続く、南九州の災難である
▼52年ぶりの爆発的噴火で、火口の衝撃波が彼方(かなた)の窓ガラスを震わせた。
字面も不気味に、空振(くうしん)と呼ぶそうだ。
空模様と同様、大地のご機嫌にも人知は及ばない。
だからこそ、防災と民生に人事を尽くすべし、為政者には一時の気の緩みも許されない
▼まさにその人が、またぞろ余計な「空振」を広げた。
日本国債の格下げに対する菅首相の第一声、というより無反応である。
にこやかに「そういうことに疎いので」と言われては、力も抜ける
▼財政再建の決意を世界に発信すべき好機にこれだ。
空振どころか無気力な空振り。
ただの言葉尻ではなく、政治センスを疑う。
周辺は「民間の判断にいちいち反応しない」とかばうが、市場をなめる者は市場に泣かされる
▼わが国債の信用は、中国のそれと同じになった。
少子化で財政は好転せず、国ぐるみの反転攻勢もねじれ国会で望み薄との見立てである。
不用意な発言で国債の価値が下がれば、金利が上がり、ローンを抱える人が苦しむ
▼首相は投資家が集うダボス会議へと向かった。
「疎いので」はもう禁句、国会で棒読みした官僚語も通じない。
リーダーの覚悟から絞り出す言霊だけが、深く響くだろう。
一発逆転は望まないけれど、菅さん、くらしの雪景色に灰まで降らせてはいけない。
火山の多い日本として火山噴火は宿命的なところがある。
富士山の噴火は大丈夫かと思うほどにひどい。
雨が降ると火砕流が起こるようだ。
火砕流(動画)
他国も随分嘆かわしいのを、英BBC放送の無神経で知った
司会者は「生き残ったのは最も幸運か最も不運か」などと締めくくったという
BBCは謝罪声明を出した。
平成23年1月30日の天声人語よりの引用
〈テレビには「キモイ」と言わるる人映り笑われながら笑いておりぬ〉。
一昨年の朝日歌壇にあった歌だ。
「簡単なクイズに珍解答を連発して、周りの出演者が馬鹿にする光景には嫌悪感すら抱きます」。
これは昨春の声欄への投書である
▼他国も随分嘆かわしいのを、英BBC放送の無神経で知った。
お笑いクイズ番組で、広島と長崎で二重被爆した故・山口彊(つとむ)さんを「世界一運が悪い男」などと紹介した。
観衆は爆笑したそうだ。
司会者は「生き残ったのは最も幸運か最も不運か」などと締めくくったという
▼BBCは謝罪声明を出した。
英国にはテレビを「愚者のランプ(イディオッツ・ランタン)」と呼ぶ俗語があって、小紙記者だった門田勲がかつて「阿呆の提灯」の語をあてていた。
けだし妙訳というべきだろう
▼日本では一昨年の秋、放送倫理・番組向上機構の委員会がバラエティー番組の不快、嫌悪要素を五つ指摘した。
下ネタ、いじめや差別などのほか、「死を笑い事にするなど生きることの基本を粗末に扱う」があった。
BBCはこれに当たろうか
▼「夢にも見るのは、黒い雨。
川の流れを堰き止めるのは人間の筏(いかだ)。
過去はいまの私そのものでもある」。
山口さんはぎりぎりの体験を『ヒロシマ・ナガサキ二重被爆』(朝日文庫)に刻字した。
人間をおとしめた2発の閃光である
▼無知だけでなく、人間の尊厳への想像力の無さが怖い。
笑いは人の人たるゆえんだが、精神の痙攣(けいれん)のような貧相、酷薄な笑いが世に満ちていないか。
他山の石として見る目がほしい。
アメリカの原爆投によって被災に遭った人を笑いの種にするような番組に怒りを覚える。
大変に侮辱した話でけしからん事だ。勝てば官軍でひどいことをアメリカは行って来た。
その保護領の日本にはまだ対等に話し合える政治家が出てきていない。
自民党時代から現在も全く同じで政権奪取に明け暮れ利権獲得に終始している感がする。
アメリカ基地は誰が考えても日本には必要ない。むしろ危険が伴うだけである。それに「思いやり予算」とは。
日本のアメリカ軍基地内にゴルフ場が有る。その費用も日本が負担。
ヒロシマ ナガサキ原爆(動画)
●三沢飛行場に所在 ゴサーメモリアルゴルフコース、
●多摩サービス補助施設に所在 多摩ヒルズゴルフコース、
●横田飛行場に所在 パースリーゴルフコース、
●厚木海軍飛行場に所在 厚木ゴルフコース、
●キャンプ座間に所在 キャンプ座間ゴルフコース、
●岩国飛行場に所在 トリイパインズゴルフコース、
●奥間レスト・センターに所在 ハブリンクスゴルフコース、
●嘉手納飛行場に所在 バニヤンツリーゴルフコース、
●キャンプ瑞慶覧に所在 泡瀬メドウズゴルフコース、
●嘉手納弾薬庫地区に所在 知花ゴルフコース
今月の言葉から
平成23年1月31日の天声人語よりの引用
このあいだ年をまたいだと思ったら、はや睦月(むつき)も限り。
梅の紅白が一輪、もう一輪、寒さに向けて開き始めた。
冬将軍が列島の空をくっきり二分した今月の言葉から
▼かのタイガーマスクが奈良県天理市の児童養護施設にも参上した
その正体は施設内の年長の子らだった。
年少者を思ってのささやかな贈り物に、
施設の院長中島道治さんは「他人の分を奪ってでもたくさん食べたい年ごろの子たちが菓子を食べずに取っておき、
小さな子にあげる優しい気持ちを育んだことがうれしい」
▼自殺率が1位の秋田県で、防止に取り組む僧侶の袴田俊英(はかまた・しゅんえい)さん(52)が、
「昔は、優しかったけどつながりがきつすぎて、つらい部分もありました。
かつての優しさと、手に入れた自由や快適さをうまく調節できないかなと思っているんです」。
新しい絆を模索する
▼福祉施設で作られた食べ物をネット販売するサイトの代表木村知昭さん(35)は、
善意や同情だのみでなく商品力で勝負をかける。
「障害者を助けようという気持ちでなく、いい商品だと思ったら買ってほしい」と
▼パズル書「頭の体操」で一世を風靡(ふうび)した心理学者多湖輝(たご・あきら)さん(84)。
沈滞気味の若者に「人間、アイデアですよ。
世界が認めるのは、いいとこどりで総花的な日本的合議式から生まれる提案ではなく、突拍子もないアイデアです」
▼去年の入選作から選ばれた第27回朝日歌壇賞の一首に大阪の西野防人(さきもり)さんの〈六二三(ろくにいさん)、
八六八九八一五(はちろくはちきゅうはちいちご)、五三(ごさん)に繋げ我ら今生く〉。
忘れ得ぬ日々。
意味不明を言う若者の少なきを願いつつ。
「いちご白書」をもう一度(動画)
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