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11月について


本格的な冬になって来た。11月の初めの頃は比較的しのぎ易かったが,次第に寒い日が増して来ている。

11月前半頃には行事に参加していたが,次第に寒くなるにつれ,出歩くことも少なくなってきている。

東日本大震災の人々のことを考えれば人や家が失われた訳でなく,仮住まいに住んでいることも無い普段の生活ができている。

これが普通なのだが。厳しい生活を強いられている人たちが多くおられる。

被災地での復旧 復興は遅々としてすすんでいないようだ。

被災者のことを考えると合理化とか利益追求してきた政治が如何にお粗末なもので有ったかかが判るような気がする。

平凡な人間らしい生活の大切さをしみじみと感ずる。

仙台に若い頃,約一ヶ月間住んで大変寒かった記憶がある。

丁度大雪が降り仙台でも特に11月としては大変寒い季節であったようである。

部屋に暖房が無かったので,宿泊所内の着物を着込んだまま寝たことか゛ある。

夜に外出すると寒いと言うよりも,肌が痛いといったほどに東北の冬の寒さをしみじみ実感したことがあった。

これから本格的な冬に入り被災した人々がどんな暮らしをなされるのかが気になる所である。

日本の政局は野田内閣に変ってから特に以前ほどに野党からあまり攻められることが少なくなってきているようだ。

野党自民党とはあまり変りか゛なくなってきているように感ずる。

原発は戦後長期間アメリカの真似をしての核の平和利用で原発を推進してきたのが,自民党である事を国民は周知の筈である。

そのことを踏まえ考えながら政権の取り合い合戦でなく真の国民の政治を考え議論して欲しいことです

それに前首相の菅氏と現首相の野田氏との性格の違いによっているのかもしれない。

テレビで見ていても野田氏の穏かな人柄がよくわかる。

一番心配なのは健康でメタボ体質,にタバコ吸われるとのことで、いずれ大病になられる可能性が強いと思う。

タバコ値上げが出来ず見送るようなことでは危険な原発を稼動しているのに等しく,国民への健康被害は深刻なままだ。

高価な原発施設を作り 多分高価なタバコ栽培をし,国民の健康を犠牲にしてまで,原発業者やタバコ栽培農家を何故に潤そうとするのか疑問だ?

議員の選挙地盤の意見が優先し,国民の全体の健康被害をきずかう気持ちが生じないのが不思議だ。

原発はいらないし,タバコ喫煙者への強い動機づけとしてのタバコの値上げも必要である。

それによって税収が増えるのは結果で,増税の為だけではない。

野党との妥協をする必要性は全く無いことである。「タバコは毒だ」とのコマーシャルを見るようになってきている。

政治屋に取り囲まれているような政治家では真の開かれた政治をするのには無理なのであろう。

政治屋とは政治家に寄生する輩たちである。

地盤 看板 カバンに頼る議員達は何時まで経っても絶えない。其の為に真の立派な志ある政治家の出現の機会を失わせている。

今やネット時代である。ネットを使って簡単に選挙投票が出来る仕組みを作れば,有権者の全面的な国民の意向が反映される政治が可能だと思う。

長い行列を作り投票所へ行かなくとも家庭から投票できるシステムを作ると,地盤・看板・カバンに頼る議員,、ただ人気だけで当選する様な

議員達が少なくなるに違いない。首長選挙も同様だ。

投票率が100パ−セント近くになり,それで初めて当選した暁「国民の意志」が反映された選挙だと胸がはれると考える。

現在選挙投票者が半数(投票率50%)前後では政治屋が絡んだ選挙でもって国民の意志だと騒いだり威張るようなことは如何なものかと思う。

アラブの人達や北朝鮮の人たちのように選挙も出来ないような人に比べ,日本は曲がりなりにも民主主義の進んだ国なのかもしれない。

だが政治屋に囲まれての政治家による政治ではまだまだと思っている。

家庭内からの100パーセントに近い投票率の選挙は現在のテレビの普及とその利用に加え, 

これだけ進んだネット社会ではやろうと思えば簡単にできることだ。

しかし職を失い利益が得られなくなる政治屋連中達にとってはやりたくない事だろうが。

そのようになれば政治献金 賄賂の効果も極端にうすれ,議員への献金等はいずれ廃れてゆくものと考える。

現在の献金を認めている制度自体がおかしいことだ。

民主主義の先進国といわれているアメリカでの軍事技術は誰もが想像もつかない目を見張るような革新的な兵器が作られることが出きている。

一方そのアメリカに於いても,選挙となると長い長い行列を辛抱強く待つ国民の姿がテレビで映し出されているのを見る。

何故できる事をやろうとしないか,やる方向に向かないのかが大変に疑問だ。

アメリカのイラク撤退がオバマ政権で進んでいる。

ブッシュによる後始末をさせられた感じだ。大変迷惑なのは自国内が混乱したイラク国民である。

あれだけ世界中が反対していても個の利益があたかも正義の天使のようなことでイラク戦争が行なわれた。

だが其の戦争の巻き添えにされて死んだ人 負傷した人たちは大変気の毒なことである。

イラクの人達 アメリカ兵 同盟した国々の兵士 暴君による残虐行為は今も大衆の意志では止めることが出来ないでいる。

アラブでの民衆による政権を倒すことが出来たのも,オバマ氏がアメリカ大統領になっての出来事だと思っている。

これまで常識的にリビアのカダフィ大佐が存在し続けたことが不可解なことである。

最後のカダフィ大佐は下水道に隠れていたのを引きずり出され少年によって射殺されたと報道されている。

パレスチナが国連に加盟できそうだが大勢の国々が加盟支持していても,アメリカが安全保障理事会で反対しそうな様子だ。

アメリカがイラクに続いてアフガニスタンからも撤退をし始めている。

ついで沖縄からの撤退をも決意してほしい所である。

誰が見ても沖縄基地問題はアメリカと日本の関係が,日本政府と沖縄との関係にすり替わってしまっている。

沖縄問題が解決され始めてアメリカと日本は同等の関係だと感ずるのは大方の日本国民の気持ちだと思う。

アメリカ軍の基地が多い日本は,未だ現状ではにアメリカの半植民地国家だと思っている。

敗戦を終戦と言い換え 占領軍を進駐軍と言い 戦場での敗北を転戦と聞かされ慣らされてきた戦中の日本人の悪い慣習だったと思う。

だが現在でも同盟は従属であり, 交渉は半強制的命令の如く表現すべき所が曖昧化されているように思える。

一般に使われている言葉の中に戦時中の言葉の論理が現在も使われているのではないだろうかと疑っている所が多い。

アメリカ軍


平成23年11月18日の朝日新聞社説よりの引用

驚き、あきれてしまう事実がまたも明らかになった。

 小沢一郎・民主党元代表の政治資金をめぐる裁判で、秘書だった石川知裕衆院議員を取り調べた東京地検の検事が、

事実と異なる捜査報告書を上司に提出していたことを認めた。

 石川氏は昨年1月に逮捕されたとき、「政治資金収支報告書にうそを書くと元代表に報告した」と認める供述調書に署名した。

元代表を「起訴相当」とした検察審査会の1回目の議決を受け、この検事は改めて5月に石川氏から事情を聴いた。

その際、あえて不利なことを認めた理由として氏が語ったという、報告書の中の生々しい言葉は、実は架空のものだった。

 捜査員がねじまげた調書を作ることが問題になっている。

それでも調書の場合、調べられた当人が署名しなければ証拠にならない。

だが報告書は部内資料のためルールは甘く、捜査員が署名するだけだ。

そこにうそを書く。

ある意味で、調書のねじまげより罪深いといえる。

 なにより真実でない報告を受ければ、上司は捜査の方針を誤るだろう。

この検事は「別の取り調べの時と記憶が混同した」などと弁解したが、本当ならばそれだけで検事失格だ。

 自覚と緊張感のなさは、報告を受けた側も同様である。

 元代表の刑事責任の有無を考えるうえで、石川氏はカギを握る重要人物だ。

再聴取の様子をしっかり確認していれば、今になって「報告書は事実と違う」という話が出てくることなど、およそなかっただろう。

 結局、起訴に向けてさらに捜査を尽くせという審査会の指摘には正面から向き合わず、

一方で、自分たちの調べに問題がなかったことを組織内で確認しあって再捜査を終わらせた。

はた目にはそのように見える。

 素人である検察審査会の審査員や裁判員に正しい判断ができるのか、という声はくすぶる。

 もちろん絶対に間違えないとは言わない。

だが国民の能力をうんぬんする以前に、専門家の手で正しい証拠が隠されたり、不当な誘導がされたりすることが、誤った結論をもたらす。

この当たり前のことを、いま一度確認しておきたい。

 今回の問題が元代表の裁判にどう影響するかは軽々しく言えない。

確かなのは、検察不信がまた深まったということだ。

 なぜうその報告書が作られ、チェックもできなかったのか、経過を解明・検証して国民に説明する作業が欠かせない。

「公益の代表者」の名が泣いている。


再生の道は、はるか遠い。



天声人語と社説の性格は変わっているものである。社説は新聞社の良心を代表し言論界でのその新聞社での顔だとかんがえている。

検察だけでなく、新聞社の言論自身が曲がったことを主張しだすとさらに恐ろしい世の中になっていくのではないかと心配する。

真の正義をばつらぬいてほしい。時代に迎合したり自社の利益をも度外視して真実を貫いてほしいものです。

一般の人々はマスコミからの情報が唯一のもので ネット情報がアラブのような独裁者追放のようなケースもあるようだが。

マスコミの報ずる金正日北朝鮮の独裁者の死を悲しむ様子は恰も明治天皇が亡くなった昔の日本の風景に似た感じに思えた。

明治維新は開国・文明開化と同時に戦争への第一歩を踏み出した時期ではなかったか。

維新



「地上の星」 中島みゆき(動画)


セガンテイーニ(画像)


由紀さおり「夜明けのスキャット」(動画)

-以下インタ-ネットよりの引用-

歌手由紀さおりさんの新作アルバムが米、カナダ、ギリシャなどでチャートの最上位に躍り出て、欧米メディアを驚かせている。

「夜明けのスキャット」など自他の往年のヒット曲を日本語で歌って、欧米でこれほど売れるのは異例中の異例だ。

 米オレゴン州ポートランドが拠点のジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」と共演したアルバム「1969」。

由紀さんの「夜明けのスキャット」が大ヒットした1969年前後の曲を拾い出してカバーした。

いしだあゆみさんの「ブルー・ライト・ヨコハマ」、佐良直美さんの「いいじゃないの幸せならば」など全12曲のうち11曲を日本語で歌っている。

米国では今月初めから販売され、ネット音楽販売iTunes(アイチューンズ)ジャズ部門で堂々の1位に。

カナダではiTunes外国音楽部門で1位、ギリシャでも総合アルバム部門で4位に入った。







靴より大きなホオノキの葉を踏みながら、北軽井沢を歩いた







平成23年11月1日の天声人語よりの引用

人気(ひとけ)のない別荘地で耳を澄ますと、四方の森がカサコソと鳴いている。

紅葉から落葉へ、晩秋の囁(ささや)きである。

靴より大きなホオノキの葉を踏みながら、北軽井沢を歩いた

▼道端で丸まるモミジを、時おり北風が転がす。

山麓(さんろく)の牧場では冬支度の牧草ロールが、発酵を促す白いビニールにくるまれていた。

標高1100メートルの高原に吹く風は、秩父山地を越え、武蔵野を渡り、東京で木枯らしになる。

小春日がうれしい霜月である

▼北軽井沢が舞台の映画に、日本初の長編カラー作品「カルメン故郷に帰る」がある。


高峰秀子さん演じる誇り高きストリッパーが、牧場の村に帰ったのも秋だった。

公開は60年前。

青空に白煙を吐く浅間山と、真っ赤な口紅の対照は、当時の地方と東京の距離でもあろう

▼村での公演を渋る校長先生に、カルメンの父親が頭を下げる。

「日本のど真ん中で踊ってる踊りなら、この山ん中だって立派なもんに決まってまさあ」。

家を、古里を捨てた娘にも、肉親や村人は優しかった

▼〈帰る家もどる巣ありて秋の暮(くれ)〉木内怜子。

今年は数万人が「帰るべき故郷」や家を奪われたまま、心身にぬくもりが要る季節を迎える。

国中が故郷になり家になり、被災者を支えたい


▼カルメンが降り立った北軽井沢駅を訪ねた。

撮影から程なく鉄路は廃止され、駅舎のみが残る。

交通はバス、マイカー、新幹線と移ろい、東京と地方は似た色になった。

銀幕と変わらぬ浅間山の稜線(りょうせん)を仰ぎ、転変やまない人の世の哀れを思った。





帰る家のない人のことを考えるとため息が出る。


高峰秀子の24の瞳 浜辺の歌(動画)


高峰秀子の「原爆を許すまじ」(動画)






埋設物が多く、古くからの地下鉄や地下街が入り組む東京だ
世田谷区で計測された高い放射線の出どころも、福島の原発ではなく地中だった








平成23年11月2日の天声人語よりの引用


日本でいちばん深い地下鉄は10年ほど前にできた都営大江戸線で、最深の六本木駅ホームは42メートルの地底にある。

埋設物が多く、古くからの地下鉄や地下街が入り組む東京だ。

新参の路線は腰を低くし、頭(こうべ)を垂れてもぐるしかない

▼十数本の路線が縦横に走る闇の世界は、迷宮に例えられる。

ものの本によれば、首都の足元には旧軍の防空壕(ごう)やら、政府の「秘密トンネル」やら、

この国の裏面史を埋め込んだような不思議な空間が広がるとか

▼たまに不発弾騒ぎがある通り、住宅地にも何が埋まっているか分からない。

世田谷区で計測された高い放射線の出どころも、福島の原発ではなく地中だった。

現場の食品スーパーを掘り起こしたら、ラジウムらしきものが出た


▼同区では、やはり高線量を糸口に、空き家の床下からラジウムが出たばかり。

あそこも拙宅から遠くはなかったが、今度は歩いて10分だ。

そこに取材車が列をなした。

小中学校も近く、親御さんは心配だろう

▼原発事故で不安に駆られ、通学路を線量計でパトロールする父母は多い。

念入りに調べた地域ほど、事故とは無関係の放射線源も見つかりやすい。

凶悪犯をあぶり出すローラー作戦で、長く潜伏する別の犯人が網にかかるようなものだ


▼世田谷だけではあるまい。

なにせアスファルトの下は「異界」である。

地中だけでなく、そして放射能に限らず、見えぬがゆえに意識の外に放置している危険はほかにもあろう。

知らないということ、安心とイコールではない。





放射能に国民が敏感になってきてとんでもない所からの放射能が検出されて見えない健康被害が防げてよかった。






戦後初の大ベストセラーは、終戦1カ月後に出た『日米会話手帳』である





平成23年11月3日の天声人語よりの引用


戦後初の大ベストセラーは、終戦1カ月後に出た『日米会話手帳』である。

誠文堂新光社を興した小川菊松の早業だった。

旅先で敗戦を知り、悔し涙にくれつつ、企画がひらめいたそうだ

▼社員による32ページの原稿を、焼け残った大日本印刷に持ち込んだ。

必要は発明の母。進駐軍がいる全国から注文が殺到し、360万部売れた。

「考えたことを早く実行に移す……場当(あた)りの出版においては欠くことのできぬ要素なのである」と『日本出版界のあゆみ』で顧みている

▼小川によると、その秋から民主主義や敗戦を論じる本が出始め、「印刷したものなら何でも売れる時代」が到来する。

都市の読書家の蔵書は空襲に焼かれていた。

文字文化への飢餓感が、出版界の再スタートを支えたといえる

▼出版不況の今でも文字情報は健在だ。

電子書籍にケータイ小説、ネットにあふれる種々の自己主張も文字に頼る。


文字の運び手が紙から画面になったにすぎない。

これで活字世界にとどまる若者もいよう

▼画面で読み慣れてくると、紙の本をページごとに切り離し、画像読み取り機で自ら電子化するようになる。

「自炊」と称する手法だ。

自炊を代行する商売も盛んで、海賊版の横行を危ぶむ出版社、作家との摩擦が激しくなってきた

▼代行商売の人気は、電子書籍の品ぞろえが薄いのも一因という。

古い出版人は、本が売れすぎて紙不足になった戦後が恋しかろう。

自炊の料理でもつつきながら、紙ばなれの吉凶を論じる文化の日も悪くない。




戦時中と戦後を体験したものとして戦中の天皇陛下崇拝の気持ちと戦後のアメリカ軍がもたらした文化の違い

アメリカ一辺倒の世の中に対して大変な違和感を感じている。現在も異常である。

電子書籍は利用していないが電子辞書は使っている。勿論スマートフォンも。使いこなせてはいないが。








EUの支援と引き換えに緊縮財政を受け入れたはずが、
ユーロ圏にとどまる覚悟を国民投票で問う、と口にした
痛みを甘受するよう促す、政治的な賭けらしい







平成23年11月4日の天声人語よりの引用


ギリシャのユーロ圏入りは、11年前の欧州連合(EU)首脳会議で認められた。

それを伝える本紙記事の一節である。

「ギリシャの参加で、EUはユーロの価値を維持するための構造改革を一層迫られよう」

▼己の筆ながら、硬い上にまだるっこい。

はっきり時期尚早と書けばよかった。

ちなみに同僚の関連記事は「背伸びした分、しわ寄せを被った国民の不満も強く、ギリシャ政府は内政上難しいかじ取りを迫られそうだ」と、

今日の事態をほぼ正確に見通していた

▼ちゃぶ台返し、とでも呼ぼうか。

欧州危機をめぐるギリシャ首相の決断である。

EUの支援と引き換えに緊縮財政を受け入れたはずが、ユーロ圏にとどまる覚悟を国民投票で問う、と口にした。

痛みを甘受するよう促す、政治的な賭けらしい


▼各国が国内世論をなだめ、銀行に頭を下げてまとめた支援策だ。

日米中などの主要国がそれを「裏書」しようかという時に、合意のガラス細工を載せたお膳を当事者がひっくり返した

▼欧州がしびれた国民投票といえば、フランスを思い出す。

小差で通貨統合を容認したり、欧州憲法を拒否したり、そのたびに金融市場が荒れた。

政治が絡む統合のくねり道は、経済の合理性だけでは説明しがたい

▼ギリシャでは首相が政権を投げ出すとの観測もあり、さらなる混迷は必至。

じれる市場をよそに、デモやストも続こう。

ヨーロッパ文明の故郷やあわれ。


ちゃぶ台返しの次は、世界経済というワレモノを頭に載せた綱渡りとなる。




文明発祥の地のギリシャがEU圏で始めての財政破綻とは怠け者が多い国とは思えないのだが。

医聖ヒポクラテスを生んだ国でもある。

現在が狂っているのかそれとも?。







どのスポーツでも、ここぞという時の「雑音」は集中を乱す
悩ましいのは対戦種目の場合で、
己を奮い立たせる声が相手の迷惑にもなる






平成23年11月5日の天声人語よりの引用


野球評論家の野村克也さんは現役捕手の頃、ささやき戦術で打者を泣かせた。

「もうカーブは投げられん」などの独り言から夜遊びの話題まで、ボソボソと気を散らす。

ついには耳栓をして打席に入る選手が出たというから、効いたのだろう

▼どのスポーツでも、ここぞという時の「雑音」は集中を乱す。

ゴルフでは、せき払いやシャッター音も御法度だ。

悩ましいのは対戦種目の場合で、己を奮い立たせる声が相手の迷惑にもなる


▼女子テニス界で、サーブやラリーでの絶叫が論議を呼んでいるそうだ。

有名どころではシャラポワ(ロシア、世界ランク4位)の「悲鳴」と、アザレンカ(ベラルーシ、同3位)の「遠吠(とおぼ)え」だという

▼「意図的だ」と文句をつけたウォズニアッキ(デンマーク、同1位)によると、打球音が消されて球速が読みにくい。

トップ選手の異議だけに、女子テニス協会も黙殺できまい。

声の大きさは「列車通過時のガード下」に相当する100デシベル前後あり、観衆やテレビ視聴者からも苦情が来るらしい

▼シャラポワ対アザレンカの動画を見た。

モデル顔負けの両者が「ギャー」「ウー」「ギャー」「ウー」とものすごい。

好きずきだが、これはこれで見応えがある


▼そのアザレンカは中国での大会で、「ゲーム中は携帯電話を切って」と観戦マナーに苦言を呈していた。

音源がコートの内か外かを峻別(しゅんべつ)するようだ。

「泣き相撲」のように声の大きい方が勝つわけではなし、雄たけびもプロの個性と楽しみたい。





スポーツ番組を見ていると良く掛け声をかけたりする風景はよく観ることである。

それが相手への威嚇になるようならば反則ではないかと思ったりする。







すきとおった風の中で自然は色づき、寂(さ)びていく
気がつけば立冬も近い
わが最寄り駅への道にも石榴の植わったお宅がある






平成23年11月6日の天声人語よりの引用


今年の夏前の小欄で、「梅雨時に見る花には不思議と白が多い」と書いたら、関西に住むご年配から達筆の手紙をいただいた。

「万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)、紅(あか)い花もお忘れなく」とあった。

自宅の庭に石榴(ざくろ)の一木がある、とお書きになっていた

▼万緑叢中紅一点――は漢詩の一節で、いちめんの緑に紅い花が一つ咲く情景をうたっている。

詩の題を「石榴(せきりゅう)の詩」というから、石榴の花を言うようだ。

わが最寄り駅への道にも石榴の植わったお宅がある。

夏の緑に可憐(かれん)な朱を点じていた花が、今は実をなしてぶら下がり、晩秋の風に吹かれている

▼その実はどこか古風で、俳味をかもす。

樹上に熟して裂ける姿は、笑うように口を開いた「お化け提灯(ちょうちん)」を連想させる。

〈皿におく呵々大笑(かかたいしょう)の石榴かな〉豊田都峰。お便りにあった石榴も、呵々と笑っている頃だろうか

▼思えば「白」は秋の色で、青春、朱夏、そして白秋となる。

秋の風には「白風」の異名がある。

その風を「色なき風」とも呼ぶ。

すきとおった風の中で自然は色づき、寂(さ)びていく。

気がつけば立冬も近い

▼透明感のある風の中、目に温かい実を見るのもこの季節だ。

秋の陽(ひ)の色に染まったような熟れ柿。

ピラカンサやソヨゴといった小粒な赤には、時々鳥が来て、枝を揺らしていく

▼きょうは広く雨模様の一日になるそうだ。

気温は穏やかというが、何せ「冬隣(ふゆどなり)」と呼ばれる時候である。

〈国安く冬ぬくかれと願ふのみ〉。

戦前に虚子の詠んだ一句が、今年はことに思い起こされる。


11月の前半はまだ温暖な日も多いが日ごとに寒さが増してきて体調を狂わす事の多い季節でもある。




次の選挙まで1年となったアメリカ大統領には、これまでに43人が就任した





平成23年11月7日の天声人語よりの引用


次の選挙まで1年となったアメリカ大統領には、これまでに43人が就任した。

多士済々だが政治家らしからぬ人もいる。

第30代カルビン・クーリッジもその一人だろう。

あまりの寡黙に「サイレント・キャル」なるあだ名がつくほどだった

▼現職の急死で副大統領から昇格した。


無為、無言を旨とした珍しい人で、米史学者の故・猿谷要さんによれば「何もしないことを芸術の域にまで高めた」などと評されたそうだ。

当人は「何も言わないために傷つけられたことはない」が口癖だったというから、筋金が入っている

▼在任していた1920年代、米国は「金ぴか時代」と呼ばれる空前の繁栄に酔っていた。

政治が何もしなくても経済は踊った。

圧勝で再選されているから、苦境のオバマ氏は羨(うらや)むに余りあろう

▼その幸運な人の、無為はともかく「無言」で思うのは、わが野田首相である。

先の衆院代表質問で、公明党の斉藤鉄夫氏が「あなたは物言わぬ総理」と突いた。

同感の人は多かろう

▼ふらふら無定見にしゃべる首相も困るが、「物言えば唇寒し」では国民も寒い。

そのくせ外に出れば消費増税を国際公約する。

国民に向けた先の所信表明では一言もなかった。

どんな作戦か知らないが、釈然とはしない

▼多答弁型だが中身がないと言われたのは佐藤元首相だった。

「総理はいらんことをしゃべらんからいい」と役人は喜んだそうだ。

今日から山場の国会。

国民に語る気概を欠く「サイレント」のままでは、希望は見えにくい。




仮にこの東日本を襲った地震 津波 放射能被害といった国難が自民党政権下で起きていた場合を仮定すれば

此れだけの情報が得られたかということからして政権交代していて良かったのではないかと思う。

サイレント首相ながらも 菅前首相 野田首相ともよくやっていると評価したい。官僚 政府共に隠せば何も伝わってこないことになる。

大変な時期だから消費税増税するのか 景気を良くしてからの増税だが1000兆円の借金財政ではなんともしないわけには行かない。

天皇がこじんまりと富士山麓に移転していただくのも案ではなかろうか。平民からの皇后 皇太子妃が気の毒な状態と高齢になられた

天皇を心配される気もよく理解できる。








愛知、東京、大阪などで、秋口から子どもや若者に急増しているマイコプラズマ肺炎





平成23年11月8日の天声人語よりの引用


ハウス野菜が広まり、八百屋の店先を移ろう四季は見えにくくなった。

昨今、季節感にあふれるのはドラッグストアだ。

この間まで店頭に盛られていた制汗や防虫の品々は影が薄く、風邪薬にマスク、使い捨てカイロが主役の座を占めている

▼こうした備えの裏をかくように、聞き慣れない病気が流行中らしい。

愛知、東京、大阪などで、秋口から子どもや若者に急増しているマイコプラズマ肺炎。

しつこい咳(せき)と高熱が続き、高齢者がかかると重症化することもある

▼皇太子ご夫妻の長女、愛子さまが入院したのもこの感染症ゆえという。


同じ病院に、今度は天皇陛下が入院された。

数日前から発熱で公務を見合わせていたところ、気管支炎が重くなり、大事をとられたと聞く

▼「これまでの疲労が相当蓄積し、抵抗力が弱まっている」との診断だ。

来月78歳を迎える陛下だが、今年は被災地へのお見舞い視察が加わり、多忙を極めた。

定年や引退のない立場はお気の毒でもある

▼小さなコラムを書く仕事でも、休めば同僚に迷惑をかける。

だから真っ先にインフルエンザの予防接種を受け、たまには体に無理をさせる。

頑張りすぎは禁物ながら、休むに休めぬ働き手はせめて旬の味でも食し、養生されたい

▼〈柿の実の熟れたる汁にぬれそぼつ指の先より冬は来にけり〉谷崎潤一郎。

きょうは立冬。

西日本では遅い夏日もあったが、いよいよ北から寒気が流れ込んでくる。


風邪との攻防だけでなく、節電という「団体戦」も再開である。




天皇もマイコプラズマ肺炎になられたのも高齢と疲労が重なり被災地慰問の途上感染されたとも考えられる。

高齢になられた天皇には負担かけないとされる秋篠宮の気持ちもわかる。








商標は世界の高天原(たかまがはら)、ギリシャ神話の聖地から拝借した。
オリンパスの名は、こうして生まれる
高貴な社名と、先人の理想を裏切る失態である





平成23年11月9日の天声人語よりの引用


高千穂製作所の誕生は約90年前、大正半ばである。

八百万(やおよろず)の神々が宿る高千穂の峰。

海外に通じる製品を作らんと、商標は世界の高天原(たかまがはら)、ギリシャ神話の聖地から拝借した。

オリンパスの名は、こうして生まれる

▼高貴な社名と、先人の理想を裏切る失態である。


企業買収に絡む不自然な散財。

巨額を動かした目的は、バブル期から引きずる含み損の穴埋めだった。

粉飾決算は上場廃止に値する不名誉だ


▼真相に迫る英国人社長を切った前会長兼社長、副社長、常勤監査役らこそ、不正に手を染めた面々だとか。

自浄能力のない日本の経営陣と、独り乗り込んで悪を暴く外国人。

単純明快な筋立てが悲しい

▼内視鏡のトップメーカーである。

それが財テクの古傷を見過ごし、いや、見て見ぬふりで20年も放置し、切るに切れぬ病巣にした。

手術には外国製のメスを要したが、それは一本で十分だった。

この情けない展開、ことは企業統治の緩さに関わり、日本の企業や市場全体が疑われかねない

▼大王製紙の前会長が子会社の金を使い込んだ件では、同族経営の甘さが言われた。

オリンパスで問われるべきは、サラリーマン役員の無責任と保身だろう。

不正を抱えたまま出世できる気楽な稼業である

▼顕微鏡と体温計に始まる同社は、戦後間もなく世界初の胃カメラを世に出した。

内視鏡の先駆として、数えきれぬ人命を救ってきた開発陣が気の毒でならない。

誇り高き光学企業が、技術ではなく不正経理でつまずく不条理を何としよう。




胃腸内視鏡ではオリンパスが世界のトップを独占するぐらいの勢いの中でのトップの不祥事件の発覚で世間を騒がしている。







上野の東京国立博物館で特別展「法然(ほうねん)と親鸞(しんらん) ゆかりの名宝」を観(み)た






平成23年11月10日の天声人語よりの引用


信心深いほうではないが、人知を超えたものに救いを求めることはある。

あらゆる宗教に期待される役割でもあろう。

平安末から鎌倉期に多くの仏教宗派が生まれたのは、絶えぬ戦乱や天災と無縁ではない

▼上野の東京国立博物館で特別展「法然(ほうねん)と親鸞(しんらん) ゆかりの名宝」を観(み)た。

浄土宗を開いた法然と、浄土真宗の宗祖親鸞。


極楽を夢見る民衆を導き、仏教を大衆化した師弟の歩みを、あまたの国宝や重要文化財でたどっている(12月4日まで)

▼当時の極楽浄土は狭き門。

出家して修行を積むか、寺に寄進した者だけに許される別世界だった。

それゆえに、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)をとなえれば誰もが浄土に行ける、

という法然らの教えは革命的で、現世で苦しみ、往生もかなわぬ民衆は光明を見た

▼京都・知恩院からの国宝「阿弥陀二十五菩薩(ぼさつ)来迎図(らいごうず)」(13日まで公開)は、死期迫る人を阿弥陀如来が迎えに来る様を描く。

左上から右下へ、雲に乗り、山肌を駆け下りる阿弥陀たちのスピード感。

見る者は救われたに違いない

▼法然の800回忌、親鸞の750回忌にちなんだ企画ながら、どういう縁なのか、救いが必要な年に重なった。

未曽有の天災と人災に襲われ、明日を描けず、もがく人々がいる。

すべてを救うという思想は、色あせない

▼癒やしを求めて訪れるのもいい。

紅葉燃える上野には、求道者たちの魂が宿る品々が待つ。

親鸞のきちょうめんな直筆を追い、歎異抄(たんにしょう)の墨跡や阿弥陀像に向き合っていると、心がすっと軽くなった。



法然 親鸞は浄土宗 浄土真宗を開いた開祖である。京都でも展覧会があったが 京都に本山があるのでそれとなくに宝物に接する機会もあって

ついつい展覧会に行き損じた。京都国立博物館も常設展示場が改修中で博物館から遠のいている。新平常展示館は2013年度の完成予定。








日本蝶類学会の調査隊が、ブータンの奥地で約80年ぶりに確認した
「ブータンシボリアゲハ」だという。







平成23年11月11日の天声人語よりの引用


紙面で見たその蝶(ちょう)に、黒い和服の女性が重なった。

憂いを帯び、言葉をかけるのがはばかられる風情には、かすかにアジアの芳香が漂う。

記事にある「ヒマラヤの貴婦人」という異名にうなずいた

▼日本蝶類学会の調査隊が、ブータンの奥地で約80年ぶりに確認した「ブータンシボリアゲハ」だという。

英国の探検家が1930年代に見つけ、大英自然史博物館に5匹の標本があるのみだった

▼羽を広げた大きさは12センチほど。

熱帯の密林を舞う種類の鮮やかさはないけれど、それゆえ、淡黄の細じまと赤い文様が際立つ。

後ろ羽から延びる突起も優雅この上ない。

調査隊は、ブータン政府の許しを得て5匹を捕獲し、標本を残してきた

▼NHKの番組で、飛翔(ひしょう)や産卵の様子を見た。

蝶の森にはたまに村人が入り、要るだけの薪(まき)を切り出す。

適度な関与により、蝶が生きるための植生が保たれるらしい。

「ブータンの人たちが守ってきたといえる」。

研究者の言葉が胸に残った

▼〈現実が夢かと思う秋めく日黒揚羽(くろあげは)ゆくアバウトな空を〉中村偕子。

黒い蝶は総じて神秘的だが、この貴婦人には知が匂う。

先頃、ブータン国王が妻に迎えたペマ王妃(21)に通じるクールさだ。

来週、ご夫妻で日本にいらっしゃる

▼人口70万の山国は、国民総生産ならぬ「総幸福」を追う国づくりで知られる。

スローライフの思想だろう。


少し前の調査では実に97%の国民が「幸せ」と答えたそうだ。

霧の谷で命をつなぐ蝶にも似て、そっと見守りたい国である。




ブータンシボリアゲハ(動画)








TPP(環太平洋経済連携協定)の意で紙面にあふれるのは、
ここ2年、米国が参加を決めてからだ
あやふやなまま、短期にこれほど知れ渡った略称も珍しい






平成23年11月12日の天声人語よりの引用


パソコンなどを燃えにくくする難燃剤に、リン酸トリフェニルという化学物質がある。

小紙の過去記事を調べて知ったが、これもTPPと略すらしい。

同じ3字が環太平洋経済連携協定の意で紙面にあふれるのは、ここ2年、米国が参加を決めてからだ

▼あやふやなまま、短期にこれほど知れ渡った略称も珍しい。


賛否両派がその「重大さ」を言い募り、もはや内政の可燃物である。

与野党の反対を振り切って交渉参加に動く野田首相には、それなりの覚悟があるのだろう

▼ただ、国民各層が熟考しようにも材料が乏しい。

国論二分というが、利害の当事者や選挙が気になる政治家ほどに、熱くはなれない現実がある。

道端で始まった口論に、「?」の人だかりができる図だ

▼TPPとは何か。

推進派によれば、乗り遅れたら生き残れないノアの箱船だが、反対派は日本を滅ぼす黒船だという。

どちらも誇大広告だろう。

それは、アジア太平洋地域の貿易と投資を円滑にする一案であって、箱船や黒船ではない

▼船長格の米国には市場拡張の思惑があろうが、何をどう積むかは交渉による。

国益を賭けた談判や国内調整の苦難と、新ルールが日本抜きで固まる不利。

比べれば後者が大きく、「不戦敗」を避ける判断には一理ある

▼無論、TPP参加が国民のくらしに資するかどうかは、ひとえに交渉力、要は米国にどれほど物が言えるかである。

毒にも薬にもなるものを、いかにして日本再生の良薬とするか。

本当の試練はそこに尽きる。




対等な関係でアメリカと対等に交渉が出来ない現在の日本としてはTPPに参加しない方が良いのではないかと思っている。








球団会長の渡辺恒雄(わたなべ・つねお)氏(85)が「鶴の一声」でコーチ人事を覆した、のだという





平成23年11月13日の天声人語よりの引用


ちゃぶ台返し、と聞いて昭和の人気野球漫画「巨人の星」を思い出す方もおられよう。

わが世代には懐かしい主人公・星(ほし)飛雄馬(ひゅうま)の父親の「得意技」とされた。

ところが原作にはその場面はないという

▼一度だけ、主人公を張り倒したはずみでちゃぶ台が転ぶ。

テレビアニメで毎週絵が流れ、「常習犯伝説」になったらしいと、前に同僚が書いていた。

さて、漫画はともかく、本物の巨人である。

「ちゃぶ台返し」がお家騒動の引き金になったようだ

▼球団会長の渡辺恒雄(わたなべ・つねお)氏(85)が「鶴の一声」でコーチ人事を覆した、のだという。

「一声」には慣れていると思われた身内からの反旗である。

渡辺氏は反論の談話を出し、外からは理非は見えにくいが、ごたごたに辟易(へきえき)のファンは多かろう

▼しょせんは内輪もめともいえ、世間に訴えた清武英利球団代表には、喝采とともに疑問視する声も飛ぶ。

他球団ならここまで話題になるまい。

名門に加え、君臨する渡辺氏の個性ゆえである

▼大リーグの名門ヤンキースの大スターだったディマジオは言ったそうだ。

「(球場で)自分を見るのが最初で最後の人がいる。

その人のためにプレーしている」と。

テレビのない時代、日々最高のものを見せようと張りつめるプロ魂は気高くさえある

▼日本の選手にも同じ魂があろう。

そんな選手の一途さにくらべ、澱(よど)んだような内紛劇は見るにつらい。

いまや巨人は昭和の栄光から遠い。

平成の巨人に「ナベツネ伝説」だけが残るようでは、ファンは寂しい。



鶴の一声はおそろしいもののようである。何処の業界でもあるのだろうか。それとも読売新聞の特殊な事件なのか。







かの国のベルルスコーニ首相が辞めた





平成23年11月15日の天声人語よりの引用


ある役所への電話

。「ビアンコ部長いますか」「いません」「午後は働かないの」「いいえ働かないのは午前中で、午後は出勤しません」。

『イタリア・ジョーク集』(大西克寛〈よしひろ〉著)にお借りした。こうした南欧ネタを腹から笑えなくなった

▼部長どころかトップが働かない国はつらい。

醜聞と失言の山を残し、かの国のベルルスコーニ首相が辞めた。

ユーロ危機で国債が売り込まれる中、財政緊縮策と引き換えの退場だ。

国内メディアを牛耳る金満家も、金融市場の圧力には逆らえなかった

▼火元ギリシャやポルトガルの政権も代わった。


20日に総選挙があるスペインや、大統領選を来年に控えたフランスも野党が優勢らしい。

信用不安による「政権倒産」の連鎖である

▼次の指導者が緊縮策を焦れば、ストや騒乱で経済がまた滞ろう。

市場の警告と怒れる世論の間で、借金大国の政権はふらつくばかり。

連なるドミノ駒の先には、白地に赤丸の一枚がある

▼日本の大手銀行はイタリア国債をそこそこ抱えていて、そちらの傷口も心配だ。

ユーロを「欧州の実験」と傍観できた十数年前、実験の白煙にむせぶ日本は想定外だった。

今や地球上のあらゆる波乱が明日のくらしに響く

▼米国は成長市場を囲い込もうと、環太平洋経済連携協定(TPP)にこだわる。

日本ゆえに交渉が遅れる事態は許すまい。

国益争いの非情である。


南欧的「古き良き緩さ」の対極へと突き進む世界で、あわれビアンコ部長たちの居場所は官にも民にもない。




借金大国が連鎖的に首相が交代している。交代するだけではすまない筈なのだが。







きのうは、34年前に横田めぐみさんが拉致された日である






平成23年11月16日の天声人語よりの引用


声のマスゲームとでもいうのか、統制された5万人が絞り出す大音声に圧倒された。

君が代の演奏をかき消す「完全アウェー」の洗礼である。

サッカーW杯の日本代表が、22年ぶりに平壌で北朝鮮と相まみえた

▼満員の金日成(キム・イルソン)競技場は、赤くうねる人民の海。

日本から駆けつけた150人の青い小船は、凍えたように動かない。

途中から数で優位となった選手たちも、慣れぬ人工芝と異様な雰囲気に戸惑ったか、ザッケローニ監督の無敗神話が崩れた

▼選ばれし民が暮らす平壌でも、観戦できるのは特権階級と聞く。

観衆が大写しになるたび、ある女性の面影がよぎった。

少女期までの写真はいくつも見た。

長じて後(のち)は、優しい微笑(ほほえ)みしか知らない。

47歳の顔は風雪の跡をとどめ、愁いに包まれていようか

▼きのうは、34年前に横田めぐみさんが拉致された日である。

北朝鮮側は29歳で自殺したと言うが、先方の不誠実を裏づける生存情報、目撃証言が伝えられている。

日本政府はあらゆるルートで再説明を求める時だ

▼観戦ツアーの日本人が味わった短い不自由の、何万倍もの孤独と疎外。

国交がなく、政府間で話ができない国はそれほど遠いのに、2時間もの生中継はこんなに近い。

拉致被害者のご家族は、歯がゆく見ただろう

▼北国から、平年より遅い初雪の便りが続いている。

同じシベリア気団に覆われる平壌の冬はひときわ厳しいそうだ。

せめて、暖かい高層アパートの一室にいるその人を想像したい。

遠いご両親を思う姿を。




近くて遠い国北朝鮮だが拉致された横田めぐみさんが生存しているのか亡くなっているとの情報が伝わっている。

北朝鮮内に生存されていて騒ぎ立てるのは生きておられるのならば危険なことにならないのかと心配する。

北朝鮮の金正日が亡くなって良い方向に変わればと願う。







どうかすると小さな絵に見えるから、漢字は面白い
象形文字ではないが、偶然の妙のような例がある






平成23年11月17日の天声人語よりの引用

 どうかすると小さな絵に見えるから、漢字は面白い。

象形文字ではないが、偶然の妙のような例がある。

百の能書きに勝る川柳を引こう。

〈膝(ひざ)抱けば哀という字に似てしまう〉矢本大雪(だいせつ)

▼先月の朝日歌壇に、広島市の小田優子さんの一首が載った。

〈「かなしい顔している字」だと言いながら幼(おさな)は《谷》と半紙に書きたり〉。

なるほど、下がった眉の下に横開きの口。

べそをかいているように見える

▼ほどなく、この漢字を姓に持つ読者から「返歌」が寄せられた。

書きようで笑顔にもなる《谷》の字を嫁ぎ来てより親しみて書く〉谷チイ子、〈幾度(いくたび)も書いているけど谷の字は大口あけて笑っているよ〉石谷茉莉。

泣いて笑って、どちらもうなずける


▼永田和宏さんの選者評には、「この歌壇は一種のソサエティでもある。

時にこういうやり取りも楽しい」とあった。

週初めに現れる紙上の小宇宙は、歌人俳人の技と遊び心に満ちている

▼過日の小欄で、歌壇の常連となった富山市の松田梨子(りこ)さん(13)、わこさん(10)姉妹を、「青い閃(ひらめ)きに打たれる心地よさ」と紹介した。

同じ思いで成長を見守る人は多い。

〈梨子ちゃんとわこちゃんのいる言の葉の遊園地へ行く月曜日には〉甲斐みどり

▼出入り自由で年齢制限なし、感性を解き放つ遊び場である。

遊んで学ぶこともあろう。

遊園地のスケールには遠く及ばないが、当コラムも言葉と戯れていただく場である。

森羅万象について、ここだけの表現があふれる「おもちゃ箱」でありたい。



確かに谷と言う字は笑った顔にも見えるが笑うの字もそれ以上に笑った顔に見えてくる。








洗顔用の「茶のしずく石鹸」も名は悪くない
年前に発売、通信販売で5千万個ほど売れている





平成23年11月18日の天声人語よりの引用


石鹸(せっけん)という響きには、しつこい汚れにも動じない趣がある。

同じ物を指しても、西洋から伝わって以来の「シャボン」や、液状の商品に目立つ「ソープ」は語感が優しすぎて、ちょいと頼りない

▼風呂好きと女性の美肌で知られる国である。

体を清める品には、やはり漢字の名がふさわしい。

広く売るとなれば、自然をにおわす命名も効果的で、昭和が薫る「牛乳石鹸」は傑作の一つだろう

▼洗顔用の「茶のしずく石鹸」も名は悪くない。

7年前に発売、通信販売で5千万個ほど売れている。

ところが、去年までの旧商品は小麦の成分を含み、小麦アレルギーによる顔の腫れ、目のかゆみを訴える人が続いた。

呼吸困難に陥る例もあったという


▼販売元が回収に努めるも、日用品だけに多くが泡と消えていた。

CMの女優に「あきらめないで」と励まされた女性たち。

60グラムで約2千円という商品の背信に、あきらめきれぬ思いに違いない

▼アレルギー源の食物の中でも、小麦はパンやケーキ、パスタ、天ぷら、カレーと用途が広く、食生活が不自由になる。

外食も多い大人になっての発症は厄介だ。


美しくありたいと親しんだ泡のせいで、食事のたびに緊張を強いられる半生になりかねない

▼どの精密機械より複雑な人体は、外部の刺激に思わぬ反応を示す。

それゆえ、危険情報は速やかに社会で共有したい。

今回、病院に異変を知らされた厚労省や消費者庁、販売元の動きは鈍かった。

想定外と不作為、再び聞きたくない二重奏である。





小麦が石鹸に混じっているとは驚きである。








福島市の大波地区でとれたコメから基準を超す放射性セシウムが検出され
地区の全農家が出荷を止められた






平成23年11月19日の天声人語よりの引用


内輪の席がしばし盛り上がる話題に〈人生の最後に食べたいもの〉がある。

「宇宙一の食いしん坊」を自称する作家、よしもとばななさんの場合は、意外にも「おむすび」だという。

アエラ誌の対談企画で知った

▼小紙別刷り「be」のアンケートでも、同じ設問で「ごはん」が2位につけていた。

1位は「にぎりずし」で、これも下半分は米粒だ。

コメばなれが言われて久しいが、瑞穂の国の食文化はそうそう廃れまいと、うれしくもなる

▼だからこその落胆である。

福島市の大波地区でとれたコメから基準を超す放射性セシウムが検出され、地区の全農家が出荷を止められた。

コメの出荷停止は初めて


山海の幸を汚した見えない敵は、食の本丸に及んだ

▼福島県の稲作には幾重もの安全網がかぶせられ、知事の「安全宣言」で新米が動き始めていた。

今回基準値を超えた田んぼは抽出検査の対象外。

山間(やまあい)にあり、樹木についたものが雨や沢水で流れ込んだのだろうか

▼似た条件の水田は珍しくない。

農地にもホットスポットがあるという現実を前に、全袋検査どころか「全粒」の吟味を欲する消費者もいよう。

安全網の粗さは風評を呼ぶ

▼「結局、肝心なのは食い物、第一次産業です」。

『吉本隆明「食」を語る』(朝日文庫)で、ばななさんの父上が論じている。

「これの解決がついたら、病気とか健康とか、ほとんどすべてのことが解決する糸口になるよ」と。

その逆を行く原発事故は、日本の元気を深いところで蝕(むしば)んでいる。



せっかく作った作物が放射能に侵されていることは大変気の毒なことである。核は悪で有り続ける。

地球上からの核の廃絶が必要である。「核の平和利用」と同様に「核の戦争抑止力」も信用出来ない。

地球の破滅 人類は勿論のこと地球上の全生命の廃絶につながる。核は悪である







歴代の閣僚にも誤用をもって表すべき人はいた
今ならさしずめ防衛相の一川保夫氏か





平成23年11月20日の天声人語よりの引用


言葉の誤用例の定番に「役不足」がある。本来は、その人の力量に比べて役目が軽すぎることを言う。

それが往々、「彼では役不足だ」などと、役目やポストに器量が及ばない意味に使われる。

広まったのは後者のケースが目につくからだろう

▼歴代の閣僚にも誤用をもって表すべき人はいた。

今ならさしずめ防衛相の一川保夫氏か。

ブータン国王夫妻を招いた宮中晩餐会(ばんさんかい)は欠席し、仲間の議員の政治資金パーティーに出ていた。

「こちらの方が大事」と挨拶(あいさつ)したそうだ


▼またか、の感がある。一川さんは就任に際して、「私は安全保障の素人だが、それが本当のシビリアンコントロールだ」と述べて、周囲を呆(あき)れさせている

▼普天間の問題では沖縄県の仲井真知事に、「自衛隊の小松基地を抱える石川県に生まれ育ったので苦労も十分わかっている」と言っていた。

沖縄の歴史を少し学べば、自衛隊と米軍の基地の違いは分かるのに、である

▼沖縄の基地は、沖縄戦をへて、あるいは銃剣とブルドーザーによって奪われた土地だ。

米兵は犯罪をおかしても基地に逃げ込めばすんだ。

基地問題の根には、米軍の分厚い壁と、人の尊厳の蹂躙(じゅうりん)がある。

知事が不快感を示したのは当然だろう

▼人の世には「地位が人をつくる」という情け深い俗言がある。

だが、その間にも世界は動く。

折しも太平洋をはさんで米中は緊張を高めている。

防衛に限らずTPPあり復興あり。

あの人もこの顔も、「役不足」で国の足を引っ張らないよう願いたい。




民主党内に人材がいないのかと嘆く。派閥均衡も此処まで来るとお終いではないだろうかと思う。







二輪咲きを見るような、ブータンからのお二人だった
素朴でつつましく、かくも好印象を残した国賓はあまり記憶にない




平成23年11月21日の天声人語よりの引用


歌人の宮英子(ひでこ)さんの一首を拝借する。

〈係恋(けいれん)に似てとしながく思ひたる青いケシ(メコノプシス)をブータンに訪(おとな)ふ〉。

係恋とは心にかけて恋い慕うこと。

長いあいだ恋い続けてきた、という意味だ。

かの国を象徴するその花は、息がつまるほどに青い

▼ヒマラヤの雪嶺(せつれい)のふもとには他にも多くの高山植物が咲く。

その二輪咲きを見るような、ブータンからのお二人だった。


〈男雛女雛(おびなめびな)の国王夫妻〉は朝日川柳の☆印の入選作。

素朴でつつましく、かくも好印象を残した国賓はあまり記憶にない

▼福島県相馬市の小学校でワンチュク国王(31)は語りかけた。

「皆さんの中に人格という竜がいます。

年をとって経験を積むほど竜は大きく強くなります」。

被災地の子らは忘れまい。竜もかの国のシンボルで、国旗に描かれている


▼金閣寺では雨に降られた。

有馬頼底(らいてい)住職に傘を差していた寺僧が、邪魔にならぬよう場を外すと、国王はすっと自らの傘を住職に差し掛けた。

人格という竜は、ささいなところに顔を出す

▼ブータンという国に、中国の古い詩人陶淵明の「桃花源記(とうかげんき)」を思う。

ある男が渓谷をさかのぼって、俗界を隔てた桃源郷に迷い込む話だ。

帰った男は再び訪ねようとするが、道は二度と見つからない

▼グローバル化の時代、物質に頼らぬ幸福を追う国そのものが奇跡の青いケシに似る。

孤高を保ちゆく難しさは想像がつく。

ともあれ、幸せとは何か、絆とは――。

震災の年に来日された巡り合いを思いつつ、彼我のたしかな友情を誓いたい。


ブータンからは決して裕福なことだけが幸せにつながるものでないことを教えてもらった。

昔の日本の良さを見せてもらった気がする。




摘発から16年、オウム真理教事件の裁判がようやく終結した





平成23年11月22日の天声人語よりの引用


風のように流れ去る時間があれば、泥のごとく滞る歳月もある。

被害者やご遺族の多くは、もがく思いでこの日を迎えたことだろう。

摘発から16年、オウム真理教事件の裁判がようやく終結した

▼死者29人、重軽症者6千人以上。有罪188人のうち、麻原彰晃こと松本智津夫元代表(56)ら13人が、極刑を告げられた。

「捜査手法を尽くし、組織テロを鎮圧した戦争でした」。

東京地検で捜査を指揮した神垣清水(せいすい)氏が振り返る

▼片や松本死刑囚の一審弁護団長だった渡辺脩(おさむ)氏は、「なぜ事件が起きたのかという問題にフタをし、有罪にするための儀式になった」と悔やむ。

高学歴が多い教団幹部を誤らせたものは何か。

教祖は真相を語らぬままだ

▼「オウムは不安を食って大きくなった。

第二第三が出ないとも限らない」と、評論家の佐高信(さたか・まこと)さんがテレビで語っていた。

教義を継ぐ団体は活動を続けているし、世は往時にもまして、凡百の新興宗教が消化しきれないほどの不安に満ちる

▼フルに働いても年収200万円以下の人が1千万を超え、生活保護の受給者は、制度ができた戦後期を上回るという。

皆が貧しかった60年前は、旧秩序の残骸が「一発逆転」のにおいを発していた。

今はそれもなく、若者の希望はかすれがちだ


▼生きにくい時代には、色んな教えが「輝く未来」を競い、悶々(もんもん)と暮らす人々を誘う。

よこしまな扇動家の仮面は、むろん宗教家とは限らない。

こんな年だからこそ、頼るに足る、本物のきずなを見抜きたい。



宗教は一歩誤ると狂信に走る。麻原彰晃を信ずる信者は今もいるようだ。事件を起した麻原彰晃こと松本智津夫は狂人の振りをしているが

刑を逃れるための悪巧みのようにおもわれる。確かに狂っている。







大王製紙の井川意高(もとたか)前会長(47)が
特別背任の疑いで東京地検に逮捕された






平成23年11月23日の天声人語よりの引用


字面は硬いが、勤労感謝なる言葉は味わい深い。

収穫に謝する新嘗祭(にいなめさい)の休みを継いだせいもあろう。

祝日法にある「勤労を尊(たつと)び、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」という素朴さがいい

▼対立するかに聞こえる名言が、劇作家のバーナード・ショーにある。

「老いゆえに遊びをやめるのではない。

遊びをやめるから老いるのだ」。なるほど、遊興は人生を潤し、よく遊ぶ者は時に大成する。

無論、よく働いた上での話である

▼大王製紙の井川意高(もとたか)前会長(47)が、特別背任の疑いで東京地検に逮捕された。

子会社から勝手に100億円超を借り出し、ほとんどを海外のカジノ遊びに費やした上、数十億円の損害を与えたという

▼大負けは時の運にしても、創業家3代目の優位を乱用した罪は重い。


かの散財はどう見ても、人間修業というより道楽である。

紙問屋の若旦那がよからぬ界隈(かいわい)に入り浸り、店の金を使い込む。

時代劇なら古い番頭あたりが諫(いさ)める場だが、乱行は止まらなかった

▼その昔、旦那どころか世の大店(おおだな)がこぞって賭場に入れ込んだ時代があった。

財テクと称するギャンブルだ。

オリンパスの負けは1300億円にも膨らんだが、表沙汰を恐れて帳簿をごまかしてきた。


こちらも特捜部が関心を寄せる

▼精勤あっての息抜き、本業あっての余資運用である。

遊びが過ぎた若旦那も、保身に汲々(きゅうきゅう)とした大店の面々も、きょうの旗日はほろ苦いだろう。

幸か不幸か億の額には縁遠い小欄、ご同輩と存分に勤労を称(たた)え合うとする。





御曹司は苦労を知らないで,一般の常識にはずれたことを平気でしているとには驚きである。

オリンパスの損失隠しでの不正には叉驚く。








宇宙滞在連続167日の「日本記録」を土産に、
国際宇宙ステーションから戻った古川聡さん(47)も笑みを絶やさなかった





平成23年11月24日の天声人語よりの引用


宇宙飛行士には、気立ての良さそうな人が多い。

歴代の日本人を思い浮かべても、少なくともカメラの前ではなべて上機嫌だった。

まあ、それしきの平常心は必携だろうし、憧れた仕事のただ中にいる喜びもあろう

宇宙滞在連続167日の「日本記録」を土産に、国際宇宙ステーションから戻った古川聡さん(47)も笑みを絶やさなかった。

降りたカザフスタンの雪原は零下20度。

無重力で弱った筋肉を椅子に支えられての、まん丸の笑顔である

▼初の宇宙でお疲れだろうに、記者の質問にも律義に、飾らない答えが返る。

「重力を本当に感じます。

重力のお陰で座れますから」「冷たくて新鮮な空気。

息ができる空気が周りにたくさんあるのは素晴らしい」

▼医師の古川さんは、宇宙暮らしの影響などを体を張って調べた。

交代要員の遅れで、図らずも野口聡一さん(46)の記録163日を抜くことになったが、その野口さんがこれまたニコニコ顔で出迎えた

▼山崎直子さん(40)は、帰還後の著書『夢をつなぐ』(角川書店)に「どんな存在も、決してムダというものはなく、世の中のすべてのものには意味がある」と記す。

「どんなに悲惨な災害が人々を襲おうとも、飢餓や貧困、差別や格差が厳然としてあろうとも、それでも生きている世界は美しい」と

▼飛行士たちが日本語で伝える天空体験の数々は、等しく、地球と人間の尊さ、愛(いと)おしさを語る。

「好人物」に備わる優しさの何割かは、どうやら宇宙から持ち帰ったものらしい。




宇宙へのロマンはつきることがない。地球を宇宙の一つの星と見るならば世界が一つにまとまらないのが不思議で

さらに細かいことに角をつき合わしている自分達が情けなくなってくる。

生物が生きている可能性のある天体が何百光年も先で発見されたとかの報道もある。ロマンはつきない。








75歳で逝った立川談志さん。
誰よりも語りの美学にこだわった芸人だから、
声を喉頭(こうとう)がんにやられた悔しさは察するに余りある。







平成23年11月25日の天声人語よりの引用


75歳で逝った立川談志さん

誰よりも語りの美学にこだわった芸人だから、声を喉頭(こうとう)がんにやられた悔しさは察するに余りある。

楷書を崩すように古典をいじったのは、きちんと巧(うま)い落語はいつでもできるという自負ゆえなのに、その楷書が意に染まない

▼天才つながりか、手塚治虫さんと親しかった。

漫画家に「丸が描けなくなりました」と明かされた談志さん、「先生にしか描けない丸もある」と励ましたが、似た晩年となった

▼「師匠にしかできぬ噺(はなし)」は慰めになるまい。

なにせ昭和の大名人を並べて、「晩年はやりやすい噺ばかり。

それを枯れた芸なんてほめる奴(やつ)がいた」と突き放した人だ。

「年相応」を拒み、退路は粋に断っていた。

筆談の病床に去来したものは何か

▼博識で能弁、芸談も社会批評も止まらない。

本気か洒落(しゃれ)か、境界が危うい毒舌にファンは酔った。

素人が下手に触ると火傷(やけど)するが、実はこまやかで優しい人らしい。

桂米朝さんの評「むちゃを演じていた」が温かい

▼話芸は同業が等しく認める。

それを「前座の頃から巧いと気づいていた」と言うのが談志流だ。

思うがままに生き、それゆえ好き嫌いは割れたが、落語とは人間の業(ごう)の肯定という持論通りの75年だった

▼昨秋、週刊朝日の対談で「生まれ変わるなら」と聞かれた。

「何でもいいよ、ヘビでもカラスでも」。

鳴かない一羽を見かけたら、頭に何か巻いていないか確かめてみようか。

あの、神がかりの「芝浜」が、ひときわ染み入る年の瀬になる。




かなり積極的な人物のようで衆議院に立候補して落選 それから参院議員になられているようだ。

告別式には大勢の弔問客が訪れているようだった








読売グループ本社の渡辺恒雄会長(85)に反旗を翻し、
巨人軍代表を解かれた清武英利氏(61)が、
近く裁判に訴えると明言した







平成23年11月26日の天声人語よりの引用



十二分に楽しめた日本シリーズに続き、プロ野球はストーブリーグである。

契約更改や補強の傍らで、戦力外とされた選手たちが他球団の門をたたく。

生活をかけた熱い冬だが、今季のストーブは異常燃焼の気配だ。

妙な煙が出始めた

▼読売グループ本社の渡辺恒雄会長(85)に反旗を翻し、巨人軍代表を解かれた清武英利氏(61)が、近く裁判に訴えると明言した。

渡辺氏も先に「法廷闘争はわが方の得意とするところ。最高級の弁護士を10人用意する」と語っている

▼泥仕合に思うのは、渡辺氏の威勢である。

主筆として大新聞を率いながら、球団のコーチ選びにも関わる精力は尋常でない。

ただ横からお見受けするに、ほとばしる自信がオール読売の印象を損ねている感がある


▼8年前の監督交代時には「読売グループ内の人事異動」と言い放ち、G党を白けさせた。

翌年のリーグ再編騒動では、オーナー側との面談を望む古田敦也選手会長に「無礼なことを言うな。

分をわきまえないといかん、たかが選手が」である

▼グループのご同輩にはお見舞い申し上げる。

上役中の上役をめぐる報道はぎこちなくもなろう。

4年前に渡辺氏が仲介した大連立劇でも書いたが、伝える側がニュースの主役になるとややこしい

▼ともあれ、有力メディアがかくも長く、一個人の絶大な影響下にあるのは健やかな景色ではない。

愛すべき大先輩だって、独裁呼ばわりは不本意でしょう。


「たかがコラム屋」の独り言ながら、晴耕雨読という道もある。



詳しい事情は判らないが民主主義の世の中ワンマンは良くないないし裁判まで何故必要なのかもわからない

プロ野球を面白くするためなのだろうか。?







木々の「紅葉」は秋の季語だが、「落葉」はもう冬の季語になる
北国から雪の便りを聞きつつ、暖地は晩秋から冬の入り口へと移る







平成23年11月27日の天声人語よりの引用


芥川龍之介が俳人の高浜虚子に俳句の評を乞うた手紙が見つかり、兵庫県芦屋市の虚子記念文学館で展示されている。

天才肌の作家は句作にも熱心で、幼年から親しんだ。

小学4年で詠んだという一句が、枯れ葉の舞う季節になると思い起こされる

▼〈落葉(おちば)焚(た)いて葉守(はも)りの神を見し夜かな〉。

栴檀(せんだん)は双葉より芳し、だろう。

「葉守の神」とは柏(かしわ)の木に宿るといわれる樹木の守り神。

木々の「紅葉」は秋の季語だが、「落葉」はもう冬の季語になる

▼北国から雪の便りを聞きつつ、暖地は晩秋から冬の入り口へと移る。

近所の公園を歩くと銀杏(いちょう)が豪壮な炎のようだ。

小春の陽(ひ)を受けて満開の桜のように華やいでいる。

花吹雪ならぬ黄金の雨を降らすときは遠くない。

銀杏は、春の桜を思わせる潔さで散っていく

▼青森生まれの作家、故三浦哲郎さんが郷里の寺にある銀杏のことを書いていた。

「毎年十一月の、よく晴れた、霜が降りて冷え込みのきびしい或(あ)る朝に、わずか三十分ほどで一枚残らず落葉してしまう」と

▼文学的誇張はあろうが、たしかに銀杏は、風の力も借りずに憑(つ)かれたように散りしきり、樹下を金色に変えていく。

その姿に凋落(ちょうらく)の悲哀はない。枝から地面までの短い旅は、集団演舞さながらだ

▼だが原発事故の今年、多くの落ち葉は不遇をかこつ。

落ち葉焚きは自粛され、腐葉土作りは見送られ、子らに拾われることもない。


薄幸な「病葉(わくらば)」を量産した人災への、葉守の神の怒りを聞くように、落葉の季節が過ぎていく。




落ち葉を広い初めて木を見上げることがある。綺麗な落ち葉が放射能に汚染された地域は邪魔者扱いにされている。

落ち葉には何の罪もないのに可哀想に思う。









大阪の市長と府知事のダブル選挙を、「大阪維新の会」の橋下徹氏と
松井一郎氏のコンビが制した







平成23年11月28日の天声人語よりの引用


大阪人の気質をひとことで表すなら、それは合理精神だという。

たとえば江戸っ子は初鰹(はつがつお)のような、値の張る初物にうつつを抜かす。

だが浪速では、旬のものが出盛ったときに安く賞味するのを良しとした。

芝居ひとつにしても、浪速は理づめに筋ができていたという

▼いわば東京の情緒に対する大阪の合理だが、さて、その気質で説明がつくかどうか。

大阪の市長と府知事のダブル選挙を、「大阪維新の会」の橋下徹氏と松井一郎氏のコンビが制した。

既成政党による「包囲網」をものともしない勝利だった


▼もっとも、タレント議員や知事で知られる土地柄である。

合理などは古い話で、いまや「ノリと面白さ」が第一ともされる。

大阪秋の陣が、政策論争よりも、橋下氏への「好き、嫌い」で人気投票めいたのは否めない

▼とはいえ、しょせん選挙のツボは「この人にやらせてみよう」と思われるか否か。

結果は、中央の政治の体たらくへの痛烈なパンチだろう。

閉塞(へいそく)感と政治不信の世に英雄待望論が湧くのは不思議ではない


▼課題を打ち出して「白黒をつける」のが橋下流と聞く。

「独裁」は必要とも語り、多数決なら文句あるまいと言うが、多数決は手続きであり結果の正しさは保証しない。

大阪は一種のあやうさを承知で、現状打破の可能性を買ったようだ

▼小泉元首相への熱狂的な支持は、どうやら「不毛な興奮」だったと、後になって多くが気づいた。

似ているとされる橋下流の行方はいかに。


全国の目がそこに集まる。



政界では橋下氏の活躍が報じられている。確かに精力的だが明治維新は文明開化と同時に大正 昭和へと続く

戦争へ突き進む序曲だったことをも忘れてはいけない。

「君が代」斉唱の時に起立しない教師を辞職させるような極端なことがあってはいけないと思うのだが。








その一角の南アフリカで、温暖化防止の国際会議COP17が始まった
去年の世界の二酸化炭素(CO2)排出は大幅増で過去最高になった





平成23年11月29日の天声人語よりの引用


蚊雷(ぶんらい)、とは蚊の発する羽音のこと。

かぼそい声を「蚊の鳴くような」と例えるが、蚊柱が立つほどの群れだと「雷」になるのだろう。

憎(に)っくき蚊をののしるユーモラスな一文が子規にある

▼「汝の一身は総(すべ)てこれ罪なり、人の血を吸ふは殺生罪なり、

蚊帳の穴をくぐるは偸盗(ちゅうとう)罪なり、耳のほとりにむらがりて、雷声をなすは妄語罪なり……」。

いや、笑ってはいられない。

マラリアを媒介するもっと罪深い蚊が、温暖化で生息域を広げていると、先の小紙が伝えていた

▼場所はケニア。

「高地」と呼ばれ冷涼だった地域で患者が多発している。

住民は蚊の飛ぶ音も知らなかったのに、ここ25年で最高気温が2.5度以上高くなったためらしい。

年に何十万人もがマラリアで死ぬアフリカで、感染地域の拡大は脅威そのものだ

▼その一角の南アフリカで、温暖化防止の国際会議COP17が始まった。


この問題、震災後は影が薄かったが消えたわけではない。

この間にも極地の氷は解け、タイの洪水など各地を異常気象が襲っている。

じわじわと世界が傷んでいる


▼だがここ数年、米中はじめ各国のエゴがぶつかり方途が定まらない。

減らすどころか、去年の世界の二酸化炭素(CO2)排出は大幅増で過去最高になった。

英知を絞るときなのに、蚊を喜ばせてどうする

▼原子の火が生む放射能と違い、原始の火のCO2は太古からある。

だが、いまや脅威としては同じ。

神話で人類に火を授けたプロメテウスに後悔させては、申し訳がない。




ウラン 石炭ともに埋蔵している量には限りがある。原発や火力発電はいずれ廃止に追い込まれる。

それまでに有害な放射能廃棄物 一酸化炭素を多く排出する。それよりも太陽 風力 波 川の流れなどの

自然発電に電力の産出にを移行すべきであって 今回の大災害で強く感じた。







11月の言葉から




平成23年11月30日の天声人語よりの引用


天気図の曲線が美しくなると冬は近い。

街に野に走りの木枯らしが吹き、指の先のかすかな冷えに、ふと「幸せ」の意味を問うてみたりする11月の言葉から

▼長崎県諫早市の72歳の高校生久保ツネ子さんが大学に合格し、社会福祉学科に進む。

若いとき貧しくて高校に行けなかった。

その作文に、「新しいことはなかなか憶(おぼ)えられません……でもいいのです。

先生方が教えてくださることを、一生懸命自分の頭でかみしめながら聞いている、それだけでうれしいのですから」

▼津波で大黒柱を亡くした福島県相馬市の一家5人が、家族写真に納まった。

「夫がいなくなって寂しい。

でも出来上がった写真を見ながら『こういう時があったよね』と言えるようになりたい」と阿部美香さん(41)。

娘2人と祖父母との新たな歩みだ

▼震災後、宮城県気仙沼のかつての共演者を支援してきた欽ちゃんこと萩本欽一さん。

「よく知っている一人を幸せにして、次の人へとつながるのがいい」

▼都道府県の「幸福度」で福井が1位とされた。

名刹(めいさつ)永平寺の西田正法布教部長は「福井のように雪深いなど自然の厳しいところでは、『何も起きなかったらありがたい』と考える。

それが幸せにつながるのでは」


▼初めての恋愛小説を書いた作家の川上未映子さんが言う。

「幸せの形は決まったものではない。

昔を振り返った時にあったなと眺められるような、今この瞬間はあるなと思えるような、点のようなきらめきでもいいのでは」。

冬の星座を仰ぐ。




向島ニュ−タウン」での京都市交通行政の矛盾



京都市は今までに京都市内に「向島ニュ-タウン」と「洛西ニュ-タウン」を大規模団地を開発している。

だが交通の便に於いては


「洛西ニュ-タウンでは

向島ニュ-タウンでは

   向島ニュウ−タウンは完全に近鉄会社のみが独占しているような状態にある

 それだから是非とも




 ●京都市営バス 向島駅-竹田駅或いは京都駅迄の往復ピストン運転途中に停留所を作る(広い国道24号線を利用)-

私鉄と競いラッシユアワ−時にも運用すれば黒字となり,大いに京都市財政改善にも寄与する。是非京都市に希望する



下記の京都市地下鉄及び市営バス路線図を見ると向島は京都市の交通行政からして全くの陸の孤島になっている。

市民税は京都市民として同等に支払っている。だが京都市の交通行政の恩恵は受けていない。



京都市営地下鉄と京都市営バスの路線図
(地図をスクロールして4枚目の一番下に宇治川の下に小さく向島とあるが 京都市の南端に当たり人口2万人余の住民が住んでいるニュウ−タウンで
向島地域全体としては人口は約3万二千人位向島地区内には,近鉄京都線が走っています。鉄道駅として向島駅があり,1日の平均利用者数は
19,700人となっており,1日平均利用者数が5,000人以上の特定旅客施設。 )

向島地区の概況   伏見区の各地区毎の人口老齢化率など4と5が向島地区


向島ニュウ-タウンでは京都市営バスは通じていない。近鉄関係の交通機関でもって向島ニュ-タウンは支配されてしまっている。

最近向島ニュウ-タウンも住人が高齢化して老人パスを使う人たちが増えてきている。

老人パスは京都市営バス並びに京都市地下鉄、京都の美術館 博物館 植物園 動物園などの公共施設が入場無料で

そのパスは収入に応じ一定金額を支払って一年に一回の手続きして老人パスを受け取ることが出来る。

京都市関係の交通機関(京都市営バス.京都市地下鉄)は何回乗ろうとも何処へ行っても無料になっている。

京都市内の老人達は大変便利に利用されている。

この老人パスによる無料制度は京都市としては大変な善政を行われていると思う。

現在は70歳での年齢をば定年退職する65歳にまで引き下げもっと素晴らしい制度となる。

一般の人たち特に高齢者の人は健康の為には,運動することが一番に大切なことである。

昼間の地下鉄 バス利用者たちは非常に少ない。その少ない間をば利用されることとなる。

パス利用者達も増えれば一定の収入の増加が認められ,市の収入として入るはずだ。

市にとって良くで高齢者の為にも毎日を楽しんで健康者が増え治療が必要とする人たちも少なくなり一石三鳥の制度である。

しかしながら向島ニュウ-タウンは京都市民でありながら市営の交通機関が通じていない。

近鉄竹田駅迄行ってそこで京都市地下鉄に乗り換えなければならない。ホームは同じ所にある。

向島の高齢者は老人パスでもって市営の交通機関を利用することができない。

するためには200円の近鉄乗車券を買わなければならないことになる。

ちなみに終着駅の京都駅までは250円である。距離としては向島駅から竹田駅迄は京都駅までの三分の一ぐらいしかない。

向島駅で老人パスを利用する人 竹田駅からの乗り越す人数を聞いてみたが本社からの指示が無ければ教えられないとのことでした。

1日の平均利用者数が19,700人の内の百人単位或いは何十人の人数と想像する。

それでも向島からは竹田駅までの200円を支払わないといけない。帰りも同様に200円支払うこととなる。

向島ニュウ-タウンは市営の交通機関からは全く孤立した孤島のような状態に置かれてしまっている。

一方では京都市と近鉄との協議にによるものか,京都市地下鉄車両が遙か南のの新田辺駅まで走っている。

だから向島駅前までまでも走っているが其れに乗るには改札口で200円の乗車券を買って入らねばならない。

近鉄バス 向島ニュータウン内を循環にガラガラ空いたバスが団地内を循環し空車で廻っているのを見かける。

この路線だけ見るならば全くの赤字であることは明白である。

だがバスが巡回しているのはただ京都市営バスを通さないためのものしか思えてこない。

悪質な商売をしているのかと思うことがある。

もしこの近鉄バスがなければ京都市営バスは向島に来ているはずである。

向島地域には京都文教大学 種智院大学 スバル高校と近鉄をば利用されている

乗降者が多くなってきて朝夕のラッシュ時には大勢の人たち混雑しての光景を見かける。

でも向島から出ようとするならば必ず近鉄向島駅を利用する以外に仕方がない。

向島は近鉄一社が独占状態で支配されている。

近鉄グル−プは不動産 レジ゜ゃ−施設 交通などなどの事業をている大きいグループ会社のようである。

上層部には多分末端の細部のことは伝わっていないことと思う。

だが洛西ニュ-タウンでは

四社が競っている状態であり 老人パスが利用できる京都市営バスも通っている。

ガラガラの巡回バスを近鉄が団地内を走っているのは市営バスを入れないために走っているのではないかと憶測する。

そのことの矛盾をば近畿鉄道近鉄本社に電話した所 運輪課の方が応対し 名前をネットに書いても良いかとの許可を得ているので書きますが,

事情を話してパスをもった高齢者が市営近鉄までの料金200円をなんとか無料にして欲しいと,

近鉄循環バスの無料パスはもらっているのでこの区間(]向島-竹田)をば無料になるように話したところ

会社としては慈善事業はしていないと一蹴された。

だが交通機関は
公益事業ではないかと話しても,近鉄会社を代表し応答していると言う。

近鉄会社内で充分な討議して善処をお願いたいものです。


京都市と近鉄会社とは京都市地下鉄を乗り入れ交渉されているので,京都市からも強く強く近鉄会社に申し入れてほしいものです。

無料化で京都に出られるようになれば老人の運動の為に美術館 植物園 動物園 百貨店などにも気楽に外出出来て家に閉じこもることもなく,

健康に非常に良いことである。

出来るだけ外出するように話しているが年金生活者では回数が増えれば大変な金額に相当してくる。

市内の市営交通機関を利用し易い人たちに比べて向島ニュウ−タウン市民は同じ京都市民ながらハンディがある。

京都市にも事情を話すために電話した。

秘書課につないてもらい話したが,くやしくて涙か出て来て充分に話せなかった。

向島は交通行政からは全くに無視された状態を訴えた。

近鉄と京都市が話し合えば解決できることだと思うのだが。

近畿鉄道が駄目と言うならば京都市営バスを向島と竹田の間さらには京都駅迄ピストン運転していただければ良いだけのことです。

道幅の広い国道24号線を使い途中に停留所を作れば,桃山地区丹波橋地区など途中の住民達などの利用者も大勢に利用が出てくると思う。

竹田からは近鉄京都駅まで 京都市地下鉄が利用できることになる。

京都市制協力委員をしている方に話したが10年以上前より訴え続けているが回答としては

京都市の財政困難だからできないとのことである。

京都市営地下鉄と京都市営バスの路線図

を見れば全く向島は無視されている。ほぼ全域に市バスは通っているように見かける。

京都市の財政悪化を何故向島ニュ−タウン市民だけが負わねばならないのかと言いたい気持ちです。


京都市長寿福祉課に健康に暮らせる老人の引きこもりを少なくして,外出しやすいように今回12月11日より近鉄バスが一日7本竹田駅の東口まで便を桃山から延長されたが

此れで゜は不十分で実際的ではないので長寿福祉課に電話した。 そのような要望が沢山寄せられていいるので検討するとの返答だった。

叉長寿福祉課は交通局と関係がないと言われたので京都市交通局にも電話した。

京都市交通局には長寿福祉課が現在近鉄バスに支払っているお金でもってすれば市バスを走らせられることができるのではないかと話した。

長寿福祉課 交通局ともにたまたま電話に出た係りの方なので要領がえない。

市バス一台が終日竹田駅迄ピストン運転 叉さらに京都駅まで運行されれば近鉄と競争して乗客が増えると思う。

何故京都市バスが動かないのか,動かそうとしないかが大変不思議で謎である。

京都市バスを実際に向島地区に走らせ,乗客数が少ないから駄目だといわれるのであれば納得する。

向島へのバス運行によって赤字になり,初めて京都市の財政上できないといわれるのであれば解る。

このままだと依然向島地区は市バスからは孤立したままである。

「近鉄は少しでも利益を得ようとしている営利会社」であることを京都市は認識されているのだろうか と疑問に思う。

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