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12月になって


一年の経つのは早いものである。もう12月になってしまった。年齢と共に年月の過ぎ去る速度が早くなってきたように感ずる。

この一年を振り返ると,日本の国で,地震 津波 それに放射能被害と今までに経験したことのない稀に見る大災害,東日本大震災が起きた。

テレビで見ていると,被災した地域の瓦礫は山積みになっており,民家が失われ,一面空襲にで゜もあったような野原になっている。

大変な事が起きたものだとつくづく実感する。

福島での放射能被害は深刻だ。原発による放射能被害の復旧には世代を跨いで何十年という年月がかかるようだ。

これからの寒い時期になって,住民達に寒さに伴う過酷さが増してくると思われる。

人や家を失いさらに寒い季節までもがやってくる年となった。

昔から年の瀬はせかせかとして忙しく感ずるものだが,外食産業 コンビニ スーパーなと365日休まずにやっている所が出てきているので,

昔のように正月用食料品を溜め込んだりする必要もなくなってきている。

餅つきをするでなく,門松を立てたり ,しめ縄をすることもないので年越しの忙しさは昔ほどではない。

子供が少なくなって来ているので,冬休みになっても普段と変わりなく近所で遊ぶ子供達の姿が余り見かけない。

ニュースで大きく報じられたのが北朝鮮の最高指導者である金正日(キムジョンイル)総書記が17日に急死したと発表された事である。

現在69歳でまだまだ若い。列車内での突然の死亡のようであった。

 突然の知らせが国際社会は驚きをもって広がった。後継者とされてきた三男金正恩氏(28)が朝鮮労働党政治局会議でもって

急死した金正日総書記に代わる朝鮮人民軍の最高司令官に任命されたと報道されている。

叉金総書記が10月8日に残した「遺訓」に基づき、正恩氏の軍へのトップ就任が確定している。

体格は祖父金日成に似ているが,国民的な人気はまだまだ判らず,これからどんな波乱があるのかは未知数である。

北朝鮮の体制は日本の戦前の天皇制を徹底的に模倣しているかのように思われる。

若い人たちが,昔の日本の様子を知りたければ,現在の北朝鮮を見れば良くわかると思う。

現在の朝鮮は米ソ対立によって国家が南北に分断され南の韓国と北朝鮮に同一民族が分断された国家である。

朝鮮は戦前日本の植民地になり、それまで一つだった朝鮮の間で同じ民族同志が米ソ対立の影響を受けて憎しみあうことは

本当に気の毒な民族だと思う。

ある意味で植民地化され,支配していた日本の身代わりになっているように思えてくる。

大国に翻弄された気の毒な国家だと思う

本来は市民のための国家であるはずが,世襲制支配者により国民が隷属するように仕向けられている国のように思える。

民主主義とは程遠い国家のままである。

過去に日本が犯した罪は大きい。拉致問題は南北朝鮮が一つになれば自然に解決される問題だと思う。

元の一つの国家に戻れるよう努力すべきことが逆の流れになっているように見えてくる。

韓国の以前の大統領だったノ−べろ平和賞受賞者金大中氏が太陽政策でもって北朝鮮と融和を図って頑張られていたが空しく終わっている。

今もって周辺諸国及びアメリカなどが北朝鮮を利用しているように感ずる。

アメリカではオバマガ再選されるかどうか,共和党の候補者選びが始まっているようだ。

なんといっても現在世界はまだまだアメリカの意向で動いていることは間違いなさそうである。

オバマガ再選されるかどうかも日本にとって目が放せない大統領選挙になりそうである。

今年の大晦日31日夜,紅白歌合戦のテレビを見ていて,ネットを通じテレビを見ながら視聴者が投票できた。

会場では白組のカードを上げる人が多かったが,全国の視聴者では赤組を押した人が多く結局赤組勝ちとなった。

 実際に紅白歌合戦を見ていたので,試しみにボタンを押すと画面に押した組のメッセージマークが画面に表示された。

他のテレビ番組で゜もネットを使い,クイズ問題が正解かどうかをボタンを押し回答出来る番組もあった。

このようにネットのシステムを 選挙に使うようにすれば,勿論もっと機密性を高めなければならないが,

此れを見ていても,ネットを使い選挙ができることが充分考えられる。

本格的なネット選挙が早く来ることを願うものである。

選挙で投票率が常に上がれば議員へのワイロや寄付 地盤・看板・カバンの効果は無くなるか 少なくなるなることは間違いない。

きれいな世の中にするにはネット選挙がまず必要だ。

現在既に他の京都のある地区では立候補者の名前を書くのでなく,投票所ヘ行きボタンを押し投票できる所があるようた゛。

これをさらに押し進め,オンラインでもつてボタンを押し投票できる時代が早く到来することを切に願っている。

いうまでも無く厳重な機密性がまず確保されることが必須である。

この方法の投票でもって,夜間の一定の時間も投票可能となれば,投票率が格段に上がり, 集計は一瞬に出来,選挙の直接費用も大変安価になる。

これまでの,否現在の選挙時に.受付や沢山な立会人が座って監視され,多数の,票を集計する人達などの仕事の必要性がなくなってくるので,

ネット選挙では殆んど経費はかからない。

ネット選挙の準備のための費用はかかるが,一度制度が確立されれば,毎回選挙時 多額の会場費用や多くの人手に対する費用の必要性はなくなってしまう。

この時こそが本当の民主主義の到来の時期である。全国民投票も簡単に出来ることにもなる。

ただ一部の器械の管理・保守する人は必要となる。天候でもって投票率が左右されない投票が安全に出来る。

最近ロシアで発覚したような投票用紙の書き換え事件もなくなる。

投票率100パーセント近くなればこの時こそ真の民主主義の到来となる。

寄付・ワイロなどの効果は,非常に少なくなると思う。叉泡沫候補の立候補も少なくなるものと思う。

票の売買事件も一掃される。是非本気になり実行に移して欲しいものだ。寄付 ワイロ 政治屋の活躍する場もなくなるし,

地盤看板カバンの強い候補者もいずれなくなってしまう ことだと思う。

アメリカでは来年度の大統領選挙に向け共和党では州ごとの選挙が始まり出している。

長い長い選挙になりそうである。この間国民の間で大いに互いに議論が戦わされる。これも立派な選挙制度だと思うが。

だが票の買収などが起きないかとの心配はつきまとう。州ごとの共和党と民主党の地盤が変わらないのが不思議だ。

叉ネット社会の発展したアメリカで何故に早く選挙にネットが利用されないかも大変不思議に感ずる。

相手のマイナスキャンペーンがテレビで報道され,これも表現の自由だとして許されるのは社会にとり大変なマイナス作用に働く以外ない。

もっとどれだけ良いことをするかの宣伝を競って欲しい。スキャンダルは良心的なマスコミに任せばよいことである。

テレビとネットの利用方法は色んなことで無限にありそうだ。



2012年京都市長選挙(動画)



今日の日はさようなら(動画)



戦場のメリ−クリスマス(動画)



日本の子守歌(動画)





人の悲しみや泣き声を聞いて育つ木が沖縄にあると
1955年、沖縄を怒りで震わせた「由美子ちゃん事件」の犠牲者は6歳だった
他にも、基地の島で繰り返された性犯罪は数え切れない







平成23年12月1日の天声人語よりの引用


人の悲しみや泣き声を聞いて育つ木が沖縄にあると、那覇生まれの詩人山之口貘(ばく)が書いている。

その、「世はさまざま」という詩の一節を引く

▼〈木としての器量はよくないが詩人みたいな木なんだ/いつも墓場に立つてゐて/そこに来ては泣きくづれる/かなしい声や涙で育つといふ〉。

貘さんが想像を膨らませた琉球の木は、性暴力に泣いた女性の涙も、おびただしく吸い上げてきたはずである

▼1955年、沖縄を怒りで震わせた「由美子ちゃん事件」の犠牲者は6歳だった。

米兵に暴行された遺体は、海岸で雨に打たれ、手を固く握りしめていたという。

他にも、基地の島で繰り返された性犯罪は数え切れない

▼多くの事件に日本の司法権は届かず、人々は二重の屈辱と怒りに耐えてきた。

それを知らぬ沖縄防衛局長ではあるまい。

なぜあんな言葉が出たのか。


推測だが、内々ではよく使われる例えなのだろう。

沖縄と国の関係を低劣に語る傲(おご)りは、沖縄はむろん、心ある本土の人への侮辱にもあたる

▼明治の初め、日本は琉球を組み入れた。

そして怒濤(どとう)のような皇民化政策を進めた。

エリート官僚の暴言に無理押しの歴史を重ねる人もいよう。

その果ての沖縄戦で、島は壊滅する

▼〈まもなく戦禍の惨劇から立ち上り/傷だらけの肉体を引きずって/どうやら沖縄が生きのびたところは/不沈母艦沖縄だ〉。

貘さんは別の詩で、基地だらけの島を不沈空母に例えて悲しんだ。

戦後66年。

押しつけておけば済む話では、もうない。






何故に沖縄戦を戦ってからの終戦なのか?

それに加え広島 長崎の原爆が落とされてから終戦を迎えている。

なぜなのだろう。何故もっと早く敗戦を決断できなかったのか。

天皇制とは関係はなかったのか。

敗戦後に沖縄県から 一旦琉球となり再び沖縄県になっている。

何故に早く終戦に導くことができず、叉戦後の歴代の首相は沖縄に冷たかったように思える。

日本側からの沖縄戦が何故に起き,終戦が何故に昭和20年8月15日になったのかの全ての検証を

なされているのだろうかと尋ねたい所だ。



アメリカから見た沖縄戦(動画)


沖縄決戦(動画)









今年の大学3年は少し可哀想だ。
3年生に向けた企業の広報活動が、
去年までより2カ月遅れてきのう解禁され、
就職活動が本格スタートした






平成23年12月2日の天声人語よりの引用


春に新学期が始まる日本の学校はいいと、日本語で創作する米国人作家のリービ英雄さんが他紙に寄せていた。

秋に始まる米国では、自然の色彩が薄れていく中での授業になる。

それより日本のように、自然が一日一日カラフルに開いてくる季節の授業は気持ちが良い、と

▼それを思うと、今年の大学3年は少し可哀想だ。

3年生に向けた企業の広報活動が、去年までより2カ月遅れてきのう解禁され、就職活動が本格スタートした。

寒さに向かう年の瀬、木枯らしに吹かれる中で、オフィス街歩きが始まった

▼その後輩たちの足音を背中に聞いて、2度目の冬に入る人もいる。

来春卒業予定の大学生の内定は10月1日時点で6割にとどまる。

「時代のせいにしたくない」と頑張る学生をテレビで見た。会社員になることが、いま、かくも難しい

▼それにつけても就活は長く、学ぶ時間を奪う。

「人生をかけた椅子取り」に失敗できない強迫観念に生き方まで縮こまる。

内向きで覇気がないと若者を嘆くより、これがまず問題だ

▼就活生のプロ化が進んでいる、と作家の石田衣良さんが小紙で語っていた。

自分がどんな人間で何をしたいのかをはっきりさせてアピールできるプロに、みんながなろうとしていると。

未完の原石を磨く力を、企業はなくしたのだろうか


▼ともあれ、ここは熱いエールを送りたい。

〈北風にかたまりてゆくリクルートみな黒靴にひかり持たせて〉金田美羽。ひかりが失せぬよう、若さが翳(かげ)らないように願って。




一年間就職活動に費やす学生も何か4年生大学とは何ぞやと思わせる社会になっているようだ。

最近の若い人たちの間では転々と職を変える人も昔に比較して多くなっている。

大企業だから 官に就職したら安心はなくなってきているようだ。








この手のもじりの面白さには「法則」がある
言葉の変化はできる限り小さくて、意味の変化が大きいほど、笑いの声は大きくなる
「白い恋人」を「面白い恋人」とやったのは、法則通りといえる。






平成23年12月3日の天声人語よりの引用


先の戦争中に「ぜいたくは敵だ」のスローガンがあった。

これに「素」を足して、「ぜいたくは素敵(すてき)だ」とやったシャレはパロディー史に燦然(さんぜん)と輝く。

この手のもじりの面白さには「法則」がある。

言葉の変化はできる限り小さくて、意味の変化が大きいほど、笑いの声は大きくなる

▼「白い恋人」を「面白い恋人」とやったのは、法則通りといえる。


北海道の名高い菓子をもじり、大阪の吉本興業などが関西の駅や空港で売り出した。

いかにも大阪らしい「本歌取り」に、ニヤリとした向きは多かったろう

▼それを「本家」の石屋製菓が商標権侵害で訴えた。

長年かけて育てた商標や名声を、丸呑(の)みされたような立腹は分かる。

とはいえ、どちらの肩を持つか。

法律解釈はおいて、巷(ちまた)の声は色々のようだ

▼文芸作品でも、たまに議論がある。

たとえば寺山修司の一首〈向日葵(ひまわり)の下に饒舌(じょうぜつ)高きかな人を訪わずば自己なき男〉には、

中村草田男の〈人を訪はずば自己なき男月見草〉という先行句があった。

これをどう見るかはなかなか難しい

▼遊び心で通る手法もある。

4月の小紙俳壇の〈雪とけて村一ぱいの休耕田〉を、選者の金子兜太さんは「一茶の『雪とけて村一ぱいの子ども哉(かな)』の本歌取り成功」と評した。

これなど作者の「お手柄」といった感がする


▼世の中に名手はいるもので、先の川柳欄にさっそく〈「面白い変人」ならば揉(も)めてない〉の寸鉄が載っていた。



「もじり」にも頭を使っての大変な工夫が必要になる。 「打ちてし止める」、 現在の世界は 「基軸米英」、 「ほしがりませんタバコまでは」、








今年の流行語大賞が、女子サッカー代表の愛称「なでしこジャパン」に決まった






平成23年12月4日の天声人語よりの引用


清楚(せいそ)にして繊細、されど芯は強い。

そんな日本女性の美称が大和撫子(なでしこ)だが、現実が違ってきたのか、男目線が嫌われてか、めったに聞かれない。

代わって時の言葉に躍り出たのが、上下を逆にした撫子日本だ

▼今年の流行語大賞が、女子サッカー代表の愛称「なでしこジャパン」に決まった。

けなげにして豪快な活躍は賞に刻むに値する。

「日本中に希望と勇気を与えた」と授賞理由にある通り、なでしこの価値は未曽有の災害と表裏の関係にある


▼大賞を含む10傑の半分を、震災に関わる言葉が占めた。

「3・11」「絆」「帰宅難民」「風評被害」、そしてACジャパンの広告「こだまでしょうか」。

流行というより、使わざるを得なかった語句も多い

▼言葉からたどっても、震災の年だった。

ほかにも「がんばろう日本」「想定外」「除染」ときりがない。

365日の70日目、年の序盤を襲った災いが、ただの卯年(うどし)を非常の色に染めた

▼「今年の××」の発表がにぎやかだ。

あるものは震災を意識し、あるものは何事もなかったように。

ともあれ被災地にとって、それはまだ回顧の対象ではなく、日常である。

仮設の住民は寒さと苦闘し、福島ではコメの出荷自粛が広がる

▼絆、きずな。

はやりものに終わらせたくない語だ。


すべてをなくして、なお残る人の縁。

大和撫子と同じく普段使いからは遠かったが、国民の心をつなぐ大役を担う。

3・11で再生した言葉は、仮名で3字、漢字が11画。取るに足らない偶然が、今は愛(いと)おしい。





第二次大戦後の敗戦での焼け跡での水泳界の古橋 橋爪などの選手達が日本人の心のなかに火を点してくれたと同じように

東日本大震災での日本人の心に明るさをなでしこジャパンの頑張りが何らかの心の支えになってくれたと思う。









東電福島第一原発の所長だった吉田昌郎(まさお)さん(56)が入院した。
定期健診で病気が見つかったという






平成23年12月5日の天声人語よりの引用

 詩人の吉野弘さんに「星」という作品がある。部分の引用をお許し願う。

〈有能であるよりほかに/ありようのない/サラリーマンの一人は/職場で/心を/無用な心を/昼の星のようにかくして/一日を耐える〉

▼勤め人も管理職となれば、日々「無用な心」との格闘である。

修羅場を任されての消耗、いかばかりか。

東電福島第一原発の所長だった吉田昌郎(まさお)さん(56)が入院した。

定期健診で病気が見つかったという

▼最悪の事故を前に、彼は会社の利害を超えたものを背負わされた。

部下を含む万単位の命だ。一民間人には重すぎるが、逃げ場はない。

圧巻は震災翌日、本社の命令に逆らい原子炉への海水注入を続けたことだろう

▼この判断によって、頼れる指揮官の名声は高まった。


それでも、安全対策の穴を放置した責任は免れない。

それゆえの砕身ならば、英雄視は迷惑だったかもしれない。

社内評、身の安全、家族の心痛。

あまたの「無用」を昼の星にして、耐えに耐えての離脱である

▼原発事故はいや応なく、サラリーマンを最前線に押しやる。

現場を支える社員、関連企業や下請けの作業員も、それぞれ何かを捨てていよう。

そんな一線への後ろめたさもなく、自己弁護を並べた東電の中間報告に、会社組織の厚顔を見る

▼吉田さんの不調は被曝(ひばく)とは無関係というが、極限のストレスと無縁ではあるまい。

快復をお祈りしつつ、遠からず指揮する立場に戻られることを願う。

ここまでの闘いを妙な美談にしないためにも。




吉田さんの病気は食道がんでストレスが大きくてアルコールをストレス解消に多く飲用され癌になった可能性は否定できないように思う。








メジロに比べてスズメが不遇だが、何せありふれた鳥である
立教大と岩手医科大のグループが推計して、先ごろ「約20年で6割減少」という数字をまとめた






平成23年12月6日の天声人語よりの引用


夏ごろの小欄でメジロについて書いたら、ご自分で撮った写真などたくさんの便りをいただいた。

萌黄(もえぎ)色に装うこの鳥、ファンはかなり多いようだ。

歌人の故竹山広さんもその一人だったか、頬のゆるむ一首がある

▼〈木犀(もくせい)の枝に目白の来はじめて雀(すずめ)は来ても来なくてもよし〉。

メジロに比べてスズメが不遇だが、何せありふれた鳥である。

「雀の涙」や「着たきり雀」「雀の千声(せんこえ)鶴の一声」などと軽く見られるのも、いわば大衆性ゆえだろう。

しかし、そうも言っていられなくなった

▼ずいぶん数が減ったと、昨今指摘されてきた。

立教大と岩手医科大のグループが推計して、先ごろ「約20年で6割減少」という数字をまとめた。

山階鳥類研究所の標識調査をもとにしていて、スズメの受難が裏付けられた格好だ

▼別の異変も気にかかる。

スズメは人里にすみながら、警戒心が強く気を許さない。

なのに人慣れして、手から餌を食べたり、ねだったりする群れが全国で見つかっている。

調べた学者は首をひねる。

何かがこの鳥に起きているらしい

▼スズメと同じく童謡に歌われ、同じく「学校」で学ぶメダカを思う。

どこの水辺にもいたのに、開発や農薬で絶滅危惧の赤ランプがともる。みんなでお遊戯しているよ――の眺めは、悲しいかな遠くなった


▼この季節、寒気を防ぐために羽毛を膨らませる姿を「ふくら雀」と呼ぶ。

斑(ふ)入りのオーバーを着て丸くなる、小さきものの愛らしさ。

どこにでもいる気安さを、失わせたくはない。



最近ツバメも雀も見ることが少なくなってきている。メダカもよく子供の頃は同じように目にしたものである。

農薬がかんけいしているのか。動物達の食料不足がげんいんしているのか。

自然の生態系がかわってきているようだ。








唐突な改暦にはわけがあった。
大隈重信の明かすところでは、新政府の財政は火の車だった。
だが明治6年には閏月(うるうづき)があり、官吏の月給を13回払うことになる。
太陽暦なら12回ですむと気づき、慌てて変えたのだという






平成23年12月7日の天声人語よりの引用


短日にして多忙。

慌ただしさの極まる師走が、1872(明治5)年はたった2日で終わった。

旧暦が新暦に改められ、12月3日が明治6年の1月1日になった。

前にも書いたが、急なお触れに人々はてんやわんやだったそうだ

▼唐突な改暦にはわけがあった。

大隈重信の明かすところでは、新政府の財政は火の車だった。

だが明治6年には閏月(うるうづき)があり、官吏の月給を13回払うことになる。

太陽暦なら12回ですむと気づき、慌てて変えたのだという


▼2日だけだった12月分も切り捨てたそうだから、都合2カ月分を節約した。

巧みな歳出カットと言うべきか。

いささか乱暴だが、知恵は出るものだ

▼ひるがえって今の国会である。

復興財源にあてるため国家公務員給与を減らす法案の成立が、どうも難しいらしい。

いまの時代に鶴の一声とはいかない。


それにしても、国会議員の定数や歳費も含めて、「身を削る決意」が伝わってこない

▼震災後、月50万円減らしていた国会議員の歳費は、半年で元に戻った。

明後日のボーナス291万円は去年より9万円多い。


先の小紙世論調査で消費増税に反対した4割強は、まず身を切れという民意とも取れよう。

首相自ら語った「春風(しゅんぷう)を以(もっ)て人に接し、秋霜(しゅうそう)を以て自ら粛(つつし)む」を、よもや忘れてはいませんね、と

そういえば「血税」の語源も明治5年にさかのぼる。

もとは税でなく兵役義務をそう称した。


時をへて意味は変わっても重荷は変わらない。

永田町が春風に座していては、賛意は遠い。





公務員の給料は日本では外国に比べて突出して多くの給料をもらっていることがテレビのクイズ番組で報道されているが本当なのか。

国会議員 公務員の給料を下げないと消費税値上げには誰もが反対するのは当然ではないだろうか。

四億円の行方より天下国家の方が大切のようだから,出来るだけ身を削って財政難にあえぐ天下国家の為に奉仕して欲しい所です

全員の意見は一致し易いと思います。








一番泣いたのは、指導者の「型の小き」を知らず、ひたぶるな思いで戦った国民と、
戦場にされたアジアの国に尽きよう







平成23年12月8日の天声人語よりの引用


貧乏くじと言うべきか、東郷茂徳は日米開戦と終戦の時に外務大臣だった。

開戦後に退いたものの、再び請われたのは人物ゆえだろう。

戦争回避に全力を尽くしたが報われず、戦後にA級戦犯として禁錮刑を受けた

▼獄中でよく歌を詠んだ。

他のA級戦犯への目は厳しい。

〈此人等(このひとら)国を指導せしかと思ふ時型の小きに驚き果てぬ〉

〈此人等信念もなく理想なし唯熱に附するの徒輩なるのみ〉。

あれほど権勢を振るっていた軍人らの、一皮むいた「小物ぶり」への憤りである

▼とはいえ東郷も内閣の一員だった。

一番泣いたのは、指導者の「型の小き」を知らず、ひたぶるな思いで戦った国民と、戦場にされたアジアの国に尽きよう。

70年前のきょう、日本は対米開戦にわいた


▼だが緒戦の戦果の一方、日本は「戦争をどう終わらせるか」の確かな見通しを欠いていた。

そして米国の物量に対し、人の命を湯水のように注ぎ込む戦いに突き進んでいく。

その果ての破滅はご承知の通りだ

▼いま東郷の遺著をひもといて、歌に古さを感じないのは、政権交代後の政治のせいだろう。

輝いて見えた「大物」たちは早々とメッキがはげた。

閣僚級もしかり。

国難の年だけに閉塞(へいそく)感は深く、どこか往時に重なっていく

▼歴史は時代の装いをして繰り返すという。

TPP参加をめぐる「バスに乗り遅れるな」は三国同盟の時にも言われたそうだ。

戦争という荒事ではないが、世界は変わり目。

未来のために過去に学ぶ姿勢が、とりわけ政治家にほしい。





上官の命令は「畏くも天皇陛下の命令では」なかったのだろうか。それとも小物が大物の笠でもって命令て゜もしていたのだろうか?

再びそのような時代が来ないように国民一人ひとりが自覚しないといけない時代である。

子供の頃一緒にニュース映画を観たとき祖父がニュ−ス映画で天皇陛下が映し出された時,帽子を脱いで観ていた光景が゛強く印象に刻まれている。

戦争で一番苦しかったのは 学童疎開でのあのヒモジサが一番今も忘れられない。勝つまでは欲しがりませんでした。









住友生命が募った年の瀬恒例の創作四字熟語に、
特別な年となった2011年を振り返る作が多く寄せられた








平成23年12月9日の天声人語よりの引用


年中行事さながらに、今年もまた総理大臣(宰相)が交代した。

5年で6人の体たらくに皮肉をこめて「年々宰宰」。

住友生命が募った年の瀬恒例の創作四字熟語に、特別な年となった2011年を振り返る作が多く寄せられた

▼東日本大震災は未曽有の被害をもたらした。

夏には大型台風も襲い「天威無法」を見せつけられた。

首都圏は交通ストップで「帰路騒然」。

原発事故で多くの人が避難を強いられ、「帰郷村望(そんぼう)」の思いで年を越す

▼だが災いの中、人は助け合い、励まし合った。

「福幸(ふっこう)支援」のために内外から多くの「愛円義援」が届いた。

人だけではない。

岩手県陸前高田市の奇跡の一本松は「一松(いっしょう)懸命」に立ち続ける。

神々しい姿に「願晴(がんばれ)東北」のエールを聞く

▼不足して知ったのは電気のありがたみ。

関東一円は「計欠(けいかく)停電」にあわてた。

迎えた夏。

電気食いのエアコンに代えて、うちわの風、緑のカーテンに涼を求め、「電考節夏」で猛暑をしのいだ。

次には冬の節電が待つ

▼政治は今年も頼りなかった。

「賢泥鰌来(けんどじょうらい)」の野田政権が船出したが、賢い?泥鰌は国民に語らず、代わって大臣や官僚が「舌禍繚乱(りょうらん)」のお粗末ぶり。

TPPでは「参否農論」真っ二つ。

「欧州憂慮(ユーロ)」の経済危機も年を越す

▼明るい話を忘れてはいけない。

世界に誇る「才足兼美」のなでしこジャパン。

各賞を総なめの輝きだ。

2位じゃだめ、と奮起したスパコン「京(けい)」が計算速度でお見事「世界最京(さいきょう)」に躍り出た。

熱あるところに、花が咲く。




こんなに中々に考えても思いつかないのが凡才。



うるわしの白百合-マザ−テレサ−(動画)


童謡「お正月」(動画)









月が一夜で「満ち欠け」する皆既月食が、晴れれば全国で見られる






平成23年12月10日の天声人語よりの引用

これは、江戸のお話。俳句仲間の月見の脇をみすぼらしい男が通りかかった。

お前さんも一句どうかね、と小馬鹿にされながら誘われる。

渡された短冊に「三日月の」と書くと、「おいおい今夜は満月だよ、やっぱり素人はだめだなあ」と笑いが起きた

▼男は微笑して後を続けた。

〈三日月のころから待ちし今宵(こよい)かな〉。

見事な機知で一本とった男は小林一茶。

他説もあるようだが、俳人の坪内稔典さんが、真偽はおいて、として『俳句のユーモア』(岩波書店)に紹介している

▼さて今宵、一茶ならどんな句をひねるだろう。

月が一夜で「満ち欠け」する皆既月食が、晴れれば全国で見られる。

今回は月の位置が高く、絶好の条件という。

三日月のころから待った天文ファンは多いだろう


▼佳境は深夜だが、土曜日という巡りがうれしい。

澄みわたる月を「氷輪(ひょうりん)」と呼ぶ。

欠け始めてから、再び皓々(こうこう)と光る輪に戻るまで、日付をまたぐ3時間半の天体ショーになる

▼数多(あまた)ある天体の中でも、月をめぐる世界の民族の豊かな想像は楽しい。

餅つきの兎(うさぎ)だけでなく、人間から蜘蛛(くも)まで多彩な「住人」がいる。

だが先日は、無粋な話も聞こえてきた

▼月に人を送った米国が、アポロ着陸地の「立ち入り禁止」を検討中だという。

中国などの将来の有人探査を見越してのことらしいが、「月に縄張り」とは、やれやれだ。

それはさておき〈皆人(みなひと)の昼寝の種や秋の月〉松永貞徳。

「冬の月」と詠み換えて、ショー見物の寝不足を日曜に補うもよし。




2011年12月10日の皆既月食(動画)









財政は国ごとなのに、貨幣と金融政策だけ一緒にする半端である
ある国が野放図に借金を増やせば、ユーロの信用が揺らいで他国に累が及ぶ。
まさに目下の危機だ







平成23年12月11日の天声人語よりの引用


ユーロの現金が出回る前、この通貨の漢字表記について雑文を書いたことがある。

中国語の「欧元(オウユワン)」では味気ない。

おしゃれな欧風で「遊露」をあてたいけれど、前途の険しさを思えば「憂路」かと。

10年後、これほどの憂いになるとは露知らず

▼通貨統合の弱みは当時から言われていた。

財政は国ごとなのに、貨幣と金融政策だけ一緒にする半端である。

ある国が野放図に借金を増やせば、ユーロの信用が揺らいで他国に累が及ぶ。

まさに目下の危機だ

▼英国を除く欧州連合(EU)各国が、財政規律を締め直すことを申し合わせた。


EUの本丸、ドイツやフランスの国債までが格下げ圧力にさらされる中、背水の合意だった

▼せっかちな市場と、じれったい民主主義。

マネーの奔流に比べ、EUや各国議会の意思決定はのろく、燃える家で防火対策を相談する図にも見える。

それでも、血相を変えたリーダーたちが徹夜で談判する姿は悪くない。

国益のため、明日のためにもがくことこそ、政治家の仕事だから

▼さて、東の借金大国である。

国会は問責決議二つを残して閉じ、重要法案は先送りされた。

ムダ減らしにも、増収策にも見るべき進展はない。

与野党の溝どころか与党内さえまとまらず、世界の激動とは別の時間が流れるかのよう

▼市場に迫られての改革のつらさは、欧州が身をもって示している。

ユーロを案じているうちに、円もいつ「炎(えん)」になるか分からない。

内向きの政争ではなく、真っ当にもがく政治家を見たい。



EUが統一の第一段階としてのユーロ貨幣統一は素晴らしいと考えていたが,現在の世界の金融事情に翻弄されて

ユーロの価値が下がって安くなってきている。世界の金融世界の荒波に翻弄されているようだ。

EUに強力な政権が出来て貨幣をも含めての政治的統一が出来れば理想的な世の中になるに違いない。









ダグ・ハマーショルドの名をご記憶の方は、どれほどおられよう
国連の名事務総長で、敗戦国日本の加盟にも力のあった人だ







平成23年12月13日の天声人語よりの引用


ダグ・ハマーショルドの名をご記憶の方は、どれほどおられよう。

国連の名事務総長で、敗戦国日本の加盟にも力のあった人だ。

公務中の飛行機事故で亡くなり、死後にノーベル平和賞を受けた。


国連にかかわる人が寄せる敬愛は今も深い

▼週末に授賞式のあった今年のノーベル賞に、その名を思った。

スウェーデンの詩人トランストロンメル氏が文学賞を受けた。

その「俳句詩」と呼ばれる3行詩を、同国人のハマーショルドもよく作っていたからだ

▼トランストロンメル氏の詩は、硬と柔の叙情で琴線にふれる。

〈高圧線の幾すじ 凍れる国に絃(げん)を張る 音楽圏の北の涯(は)て〉(エイコ・デューク訳『悲しみのゴンドラ』から)。

脳卒中で失語症の後遺症を抱えてから、最少の言葉に世界を凝縮させる俳句詩に傾倒していったそうだ

▼片やハマーショルドは、激務の折々に多くの俳句詩を残した。

〈復活祭の空のもと、雪溶(ど)けにふくれあがった小川 夕べ。

食卓にはすみれ〉(鵜飼信成訳『道しるべ』から)。

遺著を読むと、俳句型の定型への思いはなかなか深い

▼〈冬の月が枝の網目に絡め取られた 約束に縛られて 私の血は重かった〉は厳しい国連総会のとき作ったという。

アフリカなど紛争地に踏み入ったときも、様々な胸の内を最短の詩に託していた

▼ハマーショルドが没して今年で50年になる。

「十七音節詩が追憶とその意味とへ分け入る扉を開いてくれた」と書く国連事務総長がいたことを、日本人が忘れるのは惜しい。



以下もネットよりの引用

ハマ−ショルドは1961年9月17日夜、コンゴ動乱の停戦調停に赴く途上で、搭乗機のダグラスDC-6Bが北ローデシア(現在のザンビア)のンドラで墜落。

事故死した。

現職の国連事務総長の事故死というニュースに加え、操縦士が警護上の理由から事前にフライトプランを提出していなかったこと、

国連のコンゴ動乱への介入をソ連から「反ソビエト的」だと非難され事務総長辞任を求められていたことなどから、撃墜説や暗殺説が信憑性をもって広まった。

現在のように機内にブラックボックスが搭載されていなかった時代で、事故に至るまでの経緯は事故後の推定と調査に依存するほかなかったが、

調査の結果事故機に被弾や爆発の痕跡は発見されず、謀殺説は否定された。再調査の気運もある。








韓国沖で不法操業する中国漁船団にその一語が浮かんだ。
徒党を組んで凶暴化し、とうとう取り締まる韓国当局者に犠牲が出た







平成23年12月14日の天声人語よりの引用


道を外すことを「ぐれる」と言うが、その語源はハマグリらしい。

2枚の貝は本来ぴたりと合うが、ひっくり返すと合わなくなる。


そこから、物事が食い違うことをグリハマと言うようになり、グレハマに転訛(てんか)して、グレに活用の語尾がついたという

▼「愚連隊」は派生語になる

近ごろはあまり聞かないが、韓国沖で不法操業する中国漁船団にその一語が浮かんだ。

徒党を組んで凶暴化し、とうとう取り締まる韓国当局者に犠牲が出た

自国の海は乱獲で魚介類が枯渇し、隣の海へ来るらしい。


釣れども綱(こう)せず。

すなわち釣りはしても一網打尽にはせず、ものごとに節度を保つよう先賢の孔子さまは説いたが、馬耳東風のようだ。

怒った韓国は銃の使用条件を緩めるという

▼「漁民への教育と管理を強めている」と中国政府は言うが、改まる気配はあるのだろうか。

漁船まで膨張主義の一翼を担うかのような図は、一衣帯水の友誼(ゆうぎ)ではなく、緊張だけを高めている

▼次の国家主席と目される習近平(シー・チンピン)氏が人権問題について「腹いっぱいでやることのない外国人が中国の欠点をあげつらっている」と発言したことがあった。

海外からは批判されたが、国内では愛国的と称揚された。

人権に限らず、苦言忠言に耳をふさぐ排他の空気が濃くなってはいないか

いまや世界第2の経済大国である。

南シナ海問題、排出量世界一の温室効果ガス、その他もろもろ、ふさわしい自覚と責任がそろそろ欲しい。

巨竜にぐれられては、世界の歯車が狂う。




魚を世界的に多く食べられるようになり,韓国領の海上に漁民が進出しての悲劇が起きている。

太平洋は広いのにそこでは漁獲がないのだろうか。

人は生きるために殺し合いしなければならないのだろうか。








かのビッグバンで宇宙が誕生したとき、万物の元である素粒子には質量がなかったそうだ
そこへヒッグス粒子が作用して質量をもたらした






平成23年12月15日の天声人語よりの引用


大いにうなずく方もおられようか、川柳をひとつ。

〈世界一怖い乗り物体重計〉。

毎日新聞社刊の『女の一生』という川柳集にあった。

万物に重さを与えたという「ヒッグス粒子」のニュースに、この短句がまず浮かんできた

▼きのうの記事は3度読み返した。

かのビッグバンで宇宙が誕生したとき、万物の元である素粒子には質量がなかったそうだ。

そこへヒッグス粒子が作用して質量をもたらした。


つまり、この粒子なしに宇宙には星など何も存在しない、という理屈になるらしい

▼それゆえ「神の粒子」と呼ばれるナゾの粒子が、実際に存在する「兆候」を、欧州の研究機関がつかんだという。

今のところ存在の確率は98.9%だが、晴れて「発見」となるには99.9999%が必要というから、粗雑なわが頭の想像を超す

▼1960年代に、英国のヒッグス博士が存在を予言した。

実証すればノーベル賞級らしい。

物理学上の「大予言」とされ、探索に5千億円以上が投じられてきた

▼無駄金という声も出そうだが、寺田寅彦が「科学はやはり不思議を殺すものでなくて、不思議を生み出すものである」と言っていたのを思い起こす。

不思議を生んでは解いていく営みは、人の人たる証しでもあろう

▼いくら体重計が怖くても、ヒッグス粒子がなければ人も存在しない。

無よりはやっぱり有がいい。

先の川柳集からもうひとつ。〈どうにでもなれとブタマン2個も食う〉。

大宇宙の原初につながる、人の体の不可思議と愛(いと)しさよ。



話が複雑なのでーインタネットより引用-

物質になぜ重さがあるか、世界中の物理学者が研究を進めているが、スイスのジュネーブ郊外の丘陵の地下100mのところで、その謎が解明されつつある。

 ニュートンの万有引力の発見で、人類は物質に重さがあることがわかったが、物質の最小の単位である質量をもたない電子やクオーク等の素粒子が、

何ゆえ質量を持つか説明が付いていない。

 1964年に、英国の物理学者ピーター・ヒツグス博士が「質量を持たないとされる素粒子が、質量があるように見えるのは、

宇宙に存在する未知の粒子とぶつかることによるものであると」予言し、博士の名前をとり「ヒッグス粒子」と命名された。

 世界中の素粒子物理学者が、その発見を目指し研究を続けているが、ヒツグス粒子が短時間で別の粒子に変わる為、

測定が困難を極め、現在に至るまで、その存在が確認できていない。

 インターネット発展の原動力なった、HTML言語を発明したことで有名なCERN「欧州核開発研究機構=European Organization for Nuclear Research」が、

スイスのジュネーブ郊外の丘陵の地下100mのトンネルにある、全長27Kmのリング状の大型電子・陽子衝突型加速器LEPで、

ビックス粒子の存在を確認する実験が続けられていた。

 加速器の真空パイプ中で、電磁石により、逆方向に進んでいる電子と陽電子が加速され、ほぼ光の速さで走り、パイプ上の四カ所で正面衝突させる。

プラスとマイナスの電気を持った両者が衝突すると、瞬時に消滅するが、この時に膨大なエネルギーが発生する。

その結果、種々の高エネルギー粗子が生まれるが、その中にヒッグス粒子も含まれていると考えられている。

しかし、ヒッグス粒子はごく短時間で崩壊し別の粒子に変わることなどから観測が難しい。

 CERNは、12月2日までの実験で、Z粒子と呼ぶ粒子と問題のヒッグス粒子とが同時に誕生した形跡が見つかったと発表した。

今回、ヒッグス粒子存在の兆候を観測したことで、長年追い続けていた重さの謎が、ヒッグス粒子の存在の確認によって、解き明かされるのではと、期待されている。

もしヒッグスの存在がはっきりと確認されれば、宇宙誕生の謎の解明にもつながり、ノーベル賞級の世紀の大発見となる。








岩手県陸前高田市の奇跡の一本松も、あの日以来、
声なき言葉を多くの胸に届かせてきた






平成23年12月16日の天声人語よりの引用


昆虫記で知られるファーブルは『植物記』も書いている。

切り倒された栗の木と会話をするくだりがあって、こんなふうに木が言う。

「私は70歳になりますが、まだ5、600年は生きるつもりでした。

忌まわしい斧(おの)さえなければ」。

そして、樹皮からどっと涙を流した(平凡社刊、日高敏隆・林瑞枝訳から)

▼むろんファーブルの想像だが、樹木はおのれの姿をもって、人に何かを語ることがある。

岩手県陸前高田市の奇跡の一本松も、あの日以来、声なき言葉を多くの胸に届かせてきた

▼樹齢270年というから、芽を出したのは徳川の8代将軍吉宗のころだ。

忌まわしい波さえなければ、と涙しただろうか。


白砂青松の仲間7万本は倒れ、望みもしなかったろうに、日本一有名な木になった

▼4月ごろはまだ青々としていた。

しかし海水で根が腐って立ち枯れていった。そして先ごろ、蘇生が断念された。

O・ヘンリーの名短編「最後の一葉」ならぬ「最後の一木」として、被災地を励ましつつ力尽きていく

▼まど・みちおさんの「木」という詩が、ふと重なる。

〈木が そこに立っているのは/それは木が/空にかきつづけている/きょうの日記です/あの太陽にむかって……一日(いちじつ)一ときの休みなく〉。

震災このかた、空に書かれる日記を人は読んできた

▼枯死はつらいが命はつながる。一

本松の松ぼっくりの種子から18本の苗が育っている。

日記を書くのは遠い先だが、光を見る。親のように勁(つよ)くあれと、若い命に願いながら。





七万本のうち一本だけ残り,その一本松も枯死しそうだ。大変な津波が襲ったこと名なる。よくも耐えたものだと思う。









「世界を仕切るのだという思い上がりが、我々を振り回し続ける」
イラクに大量破壊兵器はなく
仕掛けた戦いは「大義なき戦争」の汚名にまみれた。






平成23年12月17日の天声人語よりの引用


政治家という人種はときおり「歴史」という一語を都合よく使う。

米国のオバマ大統領がイラク戦争の終結を宣言し、「まもなく歴史になる」と述べたのもその類(たぐ)いだろう

▼歴史のことを「ひょっとしたら避けられたかもしれない出来事の積み重ね」とも言う。

イラク戦争もその感がある。

だが、唯一の超大国だった米は「戦争ありき」で突き進んだ。

開戦をはさんで国連を取材していたころ、その尊大ぶりはきわまっていた

▼「味方か敵か」と国際社会に迫り、開戦に反対する仏や独を「古くさい欧州」と小ばかにした。

「世界を仕切るのだという思い上がりが、我々を振り回し続ける」。

嘆きの声を、各国の外交官から聞いたものだ

▼結局、イラクに大量破壊兵器はなく、仕掛けた戦いは「大義なき戦争」の汚名にまみれた。

早く「歴史」にしたい大統領は兵士に「おかえり」を繰り返す。

その間にもイラクでは、収まらぬ混乱に血が流れている

▼「歴史」の2文字に、先日も歌をお借りした故竹山広さんを思った。

長崎で被爆した歌人は米に厳しい目を向け、戦後62年の晩年に次の歌を詠んだ。

〈あやまたず歴史は書けよ六十二年アメリカがなしきたりしすべて〉。

イラク戦争も眼(め)に入れてのことだったろう

▼そして、小泉政権がこの戦争を真っ先に支持した史実も、あやまたず書かれなくてはなるまい。

なのに検証もせず、頬被(ほおかぶ)りを決め込む政治家は、とうに忘れてしまっているかのようだ。

歴史への不誠実が世界に恥ずかしい。




大義はいくらでも作れて,時代と共にあせてくる。ブッシュのやり方は強引だった。始めから判っていたがだが止められなかった。

イラクに拘わった人たちの死傷者は多くて今も続いているようだ。

確実に言えることは兵器産業が潤ったことだけぐらいだ。








年末恒例の報道写真展が、東京・日本橋の三越本店で始まった(無料、25日まで)





平成23年12月18日の天声人語よりの引用


私たちは指先ひとつで、ある一瞬に永遠の命を授けることができる。写真の話である。

シャッターが切られ、ひとたびフレームに納まった表情や景色は、時計の針と同じ速さで遠ざかりながら、過去を語り続ける

▼年末恒例の報道写真展が、東京・日本橋の三越本店で始まった(無料、25日まで)。

展示作の半数近くが震災関連である。

過去と括(くく)るには鮮烈すぎる恐怖や悲しみが、時を止めて並んでいる

▼会場入り口で迎える読売新聞東京本社の「ままへ」は、両親と妹を津波に奪われた女の子の寝顔を捉えた。

覚えたての字で母への思いをつづるうち、4歳はノートに突っ伏して眠ってしまう。

撮影した立石紀和記者(39)はこの子の家に通い、一緒に遊び、ここまで寄れる関係を築いたという

▼「発生時の国会」も伝えるべき一枚だろう。

丸テーブルの下にもぐり込む速記者たち。

その向こうで、当時の菅首相が椅子のひじ掛けをつかんで宙をにらむ。

閣僚の口はそろって半開きだ

▼若い歓声が聞こえてくる写真もあった。

放射線を気にかける福島県の中学校。

廊下でハードルの練習をする陸上部員に、つかの間の笑顔がはじける。

復興の障害を越える力は、拙速な「事故収束」宣言ではなく、次代の愛郷心から生まれる

▼被災者らが自筆のメッセージを掲げる「読む写真」がある。

子どもたちの小さな決意に、深くうなずいた。

「もらった命 たから かんたんに失わないようにがんばって生きよう」。

写真は時として、未来も語る。





年末恒例の報道写真店








訪日した李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領が、
野田首相との会談で、旧日本軍の慰安婦問題に初めて言及した







平成23年12月19日の天声人語よりの引用


古今東西の悪習に、隣り合う国の不仲がある。攻めて攻められ、取ったり取られたり。

要らぬ戦を四海が防いだ分、日本は仲直りの経験も乏しい。

双方の責任ながら、一度こじれるといけない

▼訪日した李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領が、野田首相との会談で、旧日本軍の慰安婦問題に初めて言及した。

この件を優先して解決する「誠実な勇気」を促したという。

首相は国交回復時に解決ずみとの立場を繰り返し、慰安婦像の早期撤去を求めた

▼ソウルの日本大使館前にできた像は、慰安婦の少女期をモチーフとする。

民族衣装で椅子に座り、道を隔てた日の丸を見つめている。


日本に謝罪と賠償を求める団体が、この場での集会が千回になったのを記念して建立した

▼日本にすれば、在外公館の尊厳を損ねる非礼にあたるが、大統領は憲法裁判所と世論に背を押され、強く出ざるを得ない。

お互い別の隣国に難渋している折なのに、未来志向の関係に銅像ひとつが水を差す。

残念ながら日韓の現実である

▼韓国政府に届け出た元慰安婦は、今年16人が亡くなり、存命は63人になった。

しわに刻まれた風雪は偲(しの)んで余りある。

だが、少女像が日本の世論をとがらせては、抜けるトゲも抜けず、双方の不幸となろう

▼売り言葉に買い言葉という。

同じことを、あちらではより前向きに、優しく「行く言葉が美しければ、来る言葉も美しい」と説くらしい。

文化や芸能で深まる絆を思えば、越えられぬ壁はない。

反日と嫌韓の連鎖はそろそろ断ち切りたい。




第二次大戦の戦争の傷跡が未だに続いているとは驚きである。






先日は、50日以上姿を見せない女性看板アナが取り沙汰された
喪服に涙で報じたのは、最高指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記の急死である






平成23年12月20日の天声人語よりの引用


かつてクレムリノロジーという言葉があった。

ソ連政治の内幕や権力序列を、たとえば赤の広場で要人の並ぶ順などささいな事象や情報から分析、推測する手法をそう呼んだ。

遠ざかった死語の意味が今も生きるベールの向こうに、北朝鮮はある

先日は、50日以上姿を見せない女性看板アナが取り沙汰された。

異変の兆候か、などと臆測を呼んだ。

その人が久々に画面に映った。

喪服に涙で報じたのは、最高指導者・金正日(キム・ジョンイル)総書記の急死である

▼「金王朝」の2代目は、徹底した社会主義独裁と、軍をすべてに優先する政治を進めた。

抑圧と欠乏に民衆の疲弊は深い。


米の外交専門誌フォーリン・ポリシーは去年、世界の独裁者ランキングで、この人を「最悪」に選んでいる

▼「アラブの春」の起きた今年、何人かの独裁者が権力の座から引きずり降ろされた。

その原動力は「抗議する人」、すなわち民衆の力だった。

片や極東の独裁者は病で権力から去った。

いわば「陽」と「陰」の、時代の変わり目である

▼そして早々と3代目への世襲が宣言された。

だが、その資質の程はほとんど知られていない。

賢愚の次第で民は泣き、国際社会は迷惑を被る。

拉致被害者の早い救出も、そこによるところは大きい

▼世継ぎへの忠誠心争いや、どさくさの権力争いで、ミサイルや砲弾が他国へ飛ぶ事態もないとはいえない。

ベールのすき間から漏れて来る少ない情報を分析し、「たら」と「れば」で推測する。

気の抜けない時がしばらく続く。





金正日の死亡は余りにも突然のように感じた。脳卒中を起しているからかなりの動脈硬化が全身に有った事は

間違いなく 誤った権力譲渡が行われていることが問題だ。

アラブの春のような事態が起きるかどうか。韓国が同じ民族同志だから救いの手をさし伸ばすべきである。





生命に不可欠な水が液体で存在できる温度の星だという。
太陽系外にあるそんな惑星を、米航空宇宙局(NASA)が初めて確認した









平成23年12月21日の天声人語よりの引用


冬の星を凍星(いてぼし)とも荒星(あらぼし)とも呼ぶ。

季節風がするどく吹き抜けて裸木をひゅうと鳴らす。

木枯らしに磨かれた北の空に北斗七星が立ち上がっている。

南には三つの1等星をつなぐ「冬の大三角」が冴(さ)え、隣にはオリオン。

有名な者たちの住む天空である

▼その空の、どの辺りにあるのか。

「ケプラー22b」なる星の記事を先日読んだ。

生命に不可欠な水が液体で存在できる温度の星だという。

太陽系外にあるそんな惑星を、米航空宇宙局(NASA)が初めて確認した

▼セ氏22度と推定されるそうだから、生命の誕生にはまさに、♪いい湯だな――の適温であろう。

熱すぎれば水は蒸発し尽くし、寒ければ凍りつく。

液体でいられる温度の幅は広くない


▼この星は600光年の彼方(かなた)にある。

大きさは地球の2.4倍と聞けば、人口急増や資源の枯渇が心配な折、どこか羨(うらや)ましい。

公転周期290日にも親しみがわくが、地球のような岩石の星か、木星のようなガス惑星かはまだわからない

▼NASA以外にも最近、「第二の地球」候補の発見の報を聞く。

生命の可能性のある星を、仏の研究チームも見つけた。

こちらは20光年の先にある。

地球外の生命、そして地球外文明。


人類がひとりぼっちでないと分かる日が、やがて来るのだろうか

▼漆黒に浮かぶ地球は、大気という皮膜で閉じられている。

生命を満載したはかなく青い球だ。

〈寒星や神の算盤(そろばん)ただひそか〉中村草田男。

夜空を仰ぐとは、奇跡の星、地球を顧みる営みでもあろうか




地球以外に生命の存在することは間違いないと思うが,遭遇するようなことがあるだろうか。








暦の上では、きょうが変わり目の冬至になる





平成23年12月22日の天声人語よりの引用


災いを恨んだ年の暮れ、来年の賀状のあいさつ言葉に迷う人が多い。

「一陽来復」の四文字を選んだ方もおられよう。

衰えの極まった太陽が復活に転じる意味で、凶から吉に向かう例えでもある。

暦の上では、きょうが変わり目の冬至になる

▼昔から、この日は柚子(ゆず)湯につかり、南瓜(かぼちゃ)や小豆(あずき)粥(がゆ)を食べて息災を願った。

夏の太陽は冬には植物の実に仕舞われていて、それに浴し、食することで命を養う意味があるそうだ。

すたれがちな習わしだが、これに限らず、厳しかった今年は「古き良き日本」に癒やされる人が多かろう

▼そして、冬至を過ぎると師走も「数え日」となる。

年内も指折り数えるほどになった日々を言い、せわしさは募る。

先急ぎするような気持ちと、見送ってたたずむような思いが入りまじるときだ

▼〈時計でも/十二時を打つとき/おしまひの鐘をよくきくと/とても 大きく打つ〉。

それは今日という日が別れていくため、とうたう室生犀星の詩にも似て、歳(とし)と別れる12月の打つ鐘が、今年はひときわ大きい

▼今日という日が〈地球の上にもうなくなり……茫々(ぼうぼう)何千年の歳月に連れこまれる〉と犀星の詩は続く。

2011年も間もなく過去の歳月にまじる。

忘れたいこと。

忘れ得ぬこと。

忘れてはならないこと。

誰もがかみしめつつの数え日となる

▼列島はクリスマス寒波の到来だが、冬至の日に一陽来復を願う心には、素朴な再生への祈りがある。

早い日暮れに灯(とも)る明かりのどの窓にも、人の幸いがあればいい。




冬至を過ぎると師走も「数え日」となるように年越しまで後わずかとなった。








「早くしろ」のオーラを立ちのぼらせ、もたもたに不寛容な空気が、どうも世の中に濃い
人だけでなく機械もそうだ。







平成23年12月23日の天声人語よりの引用


小紙の声欄を読んで、ときおり切り抜いている。

去年に読んだ一通を、年の瀬の銀行の長い列に並んで思い出した。

「暴言にめげず老いを生きる」と寄せた女性は、病院内の現金預け払い機でもたつき、後ろの男に「さっさとやれ」と怒鳴られた

▼動作がのろくなったと自覚してはいたが、ショックだったという。

長生きはしたくないものだと半月ほど落ち込んだ、とあった。

「早くしろ」のオーラを立ちのぼらせ、もたもたに不寛容な空気が、どうも世の中に濃い

▼人だけでなく機械もそうだ。

机上の電話はプッシュに少し手間取ると切れてしまう。


歩行者用信号にも随分早く赤になるのがある。

取り残されるご高齢がいるとハラハラさせられる

▼そんな中の朗報だろう。

渡りきれない人を感知して青の時間が延びる信号機がお目見えした。

全国でまだ20基余りというが、増えつつある。


たとえば水戸市のは、通常は20秒だが5秒から15秒延びる

▼一般に、高齢者が10秒に進める距離は若年より2メートル短いという。

体に支障があればさらに遅れよう。

急げば転倒の恐れもある。


信号に限らず、バスの乗降、レジの支払い。

せかす空気が緩めば、お年寄りは萎縮しないで済む

▼〈三秒だけ待って下さい履けるのです飛んできて靴を履かせないで〉の一首が小紙歌壇にあった。

介護の人に訴えているのだろう。

善意でも、健康成人のペースで測っては、できることも奪ってしまう。

周囲で街で、心と時間のささやかな余裕を、互いに贈りたい。




ますは高齢で健康であることに感謝すべきである。






アンデルセンの祖国デンマークでこの秋、バターの新税が導入された
他にもチーズや肉類、ピザなど、飽和脂肪酸を一定以上に含む食品が対象という






平成23年12月24日の天声人語よりの引用


アンデルセンの「絵のない絵本」は、お月様が空から見聞きしたあれこれを夜ごとに話して聞かせる物語。

最後の第三十三夜は、女の子が眠る前に「日々のパンを与えたまえ」とお祈りする話だ

▼祈りのあと、こそっと言った言葉を、母親が「何て言ったの?」と聞く。

〈「お母さん、怒らないでね」と小さな女の子は言いました。

「あたし、お祈りしたのよ。

パンにバターもたくさんつけてくださいまし、ってね!」〉(矢崎源九郎訳)。

かわいく切なく、胸に残るせりふである

▼さて、女の子はがっかりだろうか。

アンデルセンの祖国デンマークでこの秋、バターの新税が導入された。

他にもチーズや肉類、ピザなど、飽和脂肪酸を一定以上に含む食品が対象という。

脂肪への課税は世界初と騒がれた


▼税収を増やす胸算用もあるが、まずは国民の健康増進が狙いのようだ。

飽和脂肪酸をとりすぎると、悪玉コレステロールが増えて病を呼ぶとされる。

とはいえ名だたる酪農王国である。

反発もあったと思われるが、憂いの方が勝ったらしい

▼どこで聞いたか、「大人とは、垂直方向には発育をやめたが、水平方向にはやめていない人」という寸言があった。

腹の周りを気にしつつ、日本も週末のクリスマス。

ご馳走(ちそう)にスイーツに食欲全開の大人もおられよう

▼やぼは申すまい。

体重計を放念し、存分に味わうも良しである。

ただ一つだけ、パンにバターをたっぷりつけてあげたい子が、地球に多く暮らすことを忘れないようにして。




日本ではまだタバコに対しての税金がかけられないような後進国では成人病への挑戦はほど遠いことである。








居座る寒気も、舞う雪も同じながら、地上の風景が違う
被災地には積もるべき屋根がない







平成23年12月25日の天声人語よりの引用


戦後まもなく、9歳の男の子が「雪」という短い詩をつくった。

詩を書いていると/雪が降ってきた/えんぴつの字がこくなった〉。

北国だろう。

たぶん暖も行き渡らぬ部屋で、窓辺の景色に身を硬くする子が浮かぶ

▼週末の列島をこの冬最強の寒波が包み、北海道は吹雪に、日本海側は西まで白に染まった。

ゴシック体で書きたい雪である。

ホワイトクリスマスには違いないが、降り募る六花(りっか)がいつも団欒(だんらん)やデートの小道具とは限らない

▼居座る寒気も、舞う雪も同じながら、地上の風景が違う。

被災地には積もるべき屋根がない。

沿岸から内陸に逃れ、慣れぬ雪かきにあえぐ人々がいる。

雪暗(ゆきぐれ)の空に思うのは変わり果てた古里か、離ればなれの肉親か

▼行政のすきま風であろう。急ごしらえの仮住まいには、防寒対策が不十分なところも多い。

お年寄りのみの世帯に、昼間だけ黄色い旗を掲げてもらう仮設住宅があるそうだ。

旗が出なくても、出たままでも、無言のSOSになる


▼震災は弱い立場にある人をさらに傷つけ、初めての冬が傷口を疼(うず)かせる。

被災者を含む弱者にピンポイントで暖を届ける時なのに、来年度予算案をめぐる迷走と裏切り、小細工はどうだろう。

一段の寒さを覚えてしまう

▼むろん、悪いことばかりは続かない。

お天気の経験則によれば、聖夜の前後が凍(い)てつくと、元日あたりに寒が緩むらしい。

混乱の後は平穏、拙政の果てには賢政が待つと念じたい。

こうして字を打ち込む音が、だんだん大きくなる。




寒さが弱い立場の人たちを益々に苦しめることとなる。








橋下徹大阪市長にすり寄る民主党、自民党の面々には淡い線もないらしい






平成23年12月26日の天声人語よりの引用


阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」と巨人の「闘魂こめて」は、ともに古関裕而(ゆうじ)が作曲した。

高校野球の「栄冠は君に輝く」で知られる古関は、早稲田の「紺碧(こんぺき)の空」、慶応の「我ぞ覇者」の作者でもある

▼作詞家阿久悠さんの本紙連載にあった話だ。

阿久さん自身、複数の球団歌を手がけた。

節操がない、などと言うなかれ、プロの仕事とはそういうものである。

芸術家なら己の「美学」の許す限りでだが、顧客の注文に合わせる器と技が要る

▼一方で、八方美人では務まらない職業もある。

政治家だ。

柔軟と変節、太っ腹と無定見の間には濃い一線を引かねばならない。

橋下徹大阪市長にすり寄る民主党、自民党の面々には淡い線もないらしい

▼両党は市長選で橋下氏を攻撃した。

衆院選での報いを恐れたにしても、「独裁ごめん節」と「橋下万歳音頭」を続けて歌える神経は信じがたい。

同じ握手でも、幾らか恥ずかしそうにできないものか。

「政党の馬鹿が手玉に取られてる」(石原都知事)との評にうなずく

▼鈴木宗男氏の「出所祝い」でも、政治家の変わり身を見た。

親交の深い議員にまじり、かつて国会や街頭で鈴木氏を罵倒した顔がある。

氏は意に介さない風だったが、こちらが赤面した

▼そんなものさと諦めるなかれ。

国の危機にこそ、政治家の節操が厳に問われるべきだろう。

ぶれないのは誰か、自分たちの選挙より、顧客である有権者のことを考える本物のプロは誰かを覚えておきたい。

党名と氏名の両方で。





見方を変えるとヒットラーが台頭してきた時の様にもとれるような橋元氏の熱弁と国民の熱狂振りを感ずるような恐ろしさを感ずる。

新しいようだが,人を扇動し一方で抑圧しながら一定の方向に国民を向かせる危険性を感じたが。

民主主義を上手く利用した独裁者か。?








政治が方向を決め、そこへの道筋を官僚が整える。
本来の姿だろう






平成23年12月27日の天声人語よりの引用


日本にも、たまにだが「政治主導」が出現する。

例えば日中の国交正常化は、田中角栄内閣ができて3カ月足らずで実現した。

中国を承認する国は増え続けていたが、自民党内には反発する親台派がいた。

大平正芳外相と北京に飛んだ田中は、「私と大平の政治力が試される」と腹を括(くく)る

▼先ごろ公開された外交文書によると、田中は「迎賓館ができたら最初にお迎えしたい」と周恩来を誘いもした。

政治が方向を決め、そこへの道筋を官僚が整える。

本来の姿だろう

▼これと比べては酷ながら、野田首相の訪中、どれほどの成果があったのか。

この時期、中国首脳と北朝鮮を語る意味はあろうが、首相の言動は霞が関の台本に忠実すぎる嫌いがある


▼経済的にも軍事的にも、中国の重みは40年前の比ではない。

自信過剰の振る舞いに、アジアの海は荒れ放題。

日中の懸案の多くも、ガス田からパンダの貸し借りまで、先方に主導権があるかに見える

▼不利な形勢でまみえるには、倍旧の外交力が要る。

ところが、日本には田中も大平もいない。

二回り小粒で、のべつ交代している首相と外相がいるだけだ。

政治を見限った官僚たちの中には、妙に活気づく者もいる

▼大衆人気を誇った田中首相も、狂乱物価と金脈批判で退陣に追い込まれた。

そしてロッキード事件。

それでも2年前の本紙調査では、戦後首相の一番人気である。

前に進まない政治は「小粒」だけの責任ではないのだが、強烈なリーダーシップへの郷愁は理屈抜きらしい。




:さすが現実主義者の野田首相にも夕日が注しかかって来ている様だ。一層のこと先輩の岡田首相になれば良いのにと思う。









国会議員がわが身も切らぬまま国民に負担増を求めるなど、愚の骨頂だろう
まじめに生きていればいつかは報われる、幸運に巡り合う。
そう思ってもらうのも、政治の役割である






平成23年12月28日の天声人語よりの引用

 いつぞやの川柳欄に〈宝くじたの字が消える大晦日(おおみそか)〉とあった。

鳴り物入りの年末ジャンボも、抽選後は大半が「空くじ」となる。

運なき多数が支える現実には目をつむり、もう何日か夢を温めたい

▼年の瀬には景気のいい話が似合う。

スペインのクリスマス宝くじで、1等(約4千万円)1800本を人口2千人の町が独り占めしたという。

同じ番号が大量に出回る方式で、町のくじ屋が仕入れた「58268」の束がお宝に化けた

▼スペインは22%の失業率とユーロ危機にあえぎ、北東部のその町も沈んでいた。

捨てる神あれば拾う神あり。

世界一ともいわれる賞金総額の3割弱、約730億円が転がり込んだ町は、飲めや歌えの大騒ぎである

▼くじを買わなかった人の居心地が気になるが、にわか景気のお裾分けはあまねく及ぶ。

居酒屋、車販売店、旅行業者などは大入りに違いない。

皆が財布の紐(ひも)を緩めれば、経済は回り始め、皆が少し幸せになる。

古今東西の道理である


▼景気が心配な大統領や首相は、当たりくじを配る代わりに、手を尽くして人々の懐を温めてはどうか。

まさかとは思うが、国会議員がわが身も切らぬまま国民に負担増を求めるなど、愚の骨頂だろう

▼〈宝くじ買える程度の暮らしぶり〉。

まじめに生きていればいつかは報われる、幸運に巡り合う。

そう思ってもらうのも、政治の役割である。

「有馬記念」で外し、ジャンボに一発逆転を託す向きもあろう。

「たの字」が消えてなお、笑える世でありたい。




食べるのに精一杯の人たちにとっては,消費税増税はひどすぎる。

まず贅沢品への消費税増税をやっては如何かと思うが。

叉タバコ税 肉類などのコレステロールが多く含まれる食品へのコレステロール税があっても良いと思う。








一つの虚構を守るために十のうそを創り、それを支えるのに百のうそが要る
金正日(キム・ジョンイル)総書記を亡くした北朝鮮で続く「神秘現象」だ







平成23年12月29日の天声人語よりの引用


一つの虚構を守るために十のうそを創り、それを支えるのに百のうそが要る。

金正日(キム・ジョンイル)総書記を亡くした北朝鮮で続く「神秘現象」だ。

聖地白頭山では湖の氷が音をたてて割れ、平壌(ピョンヤン)のハトは弔問所に入ろうと窓をつつく。

青い稲妻も伝えられた


▼どれも「金王朝」と跡継ぎに箔(はく)をつけるためらしい。

髪形や体形を祖父に似せた金正恩(キム・ジョンウン)氏はもう最高指導者と呼ばれ、「21世紀の太陽」「愛の化身」と称(たた)えられる。

若い偶像には、国営メディア総がかりで権威を重ね着させねばならない。

それも大急ぎで

▼雪中の葬列で、正恩氏は父の棺(ひつぎ)の右側を歩いた。

防寒着が包む肥満体はひと回り大きく見えたが、なにぶん実績がない。

この人を神聖化するしかない危うさ、半端でない

▼世襲も3代となると、国の存在自体がフィクションじみてくる。

はた迷惑にも小道具の核兵器は本物、舞台裏は餓死者の山だ。

抗日闘争というリアリティーに依拠した国父金日成(キム・イルソン)は、明けて生誕100年。

泣き女に泣き男、動員されるエキストラ衆の消耗を思う

▼何を祝うのか、4月4日が祝日にされた。

腹ぺこで「ごっこ」に付き合う民も辛(つら)いが、誰より拉致被害者が気がかりだ。

権力の移行期を、なんとか「救出の小窓」にしたい

▼かの国の案内書によれば、平壌は「アジアにおける人類発祥地の一つ」で、一帯には「アジア最初の国家」ができた。

5千年の後、その由緒正しき地は恐怖政治の舞台と化した。

聞きたいのは、凍土に築いた虚構が解ける音である。





韓国と北朝鮮とが一つになり本来の統一朝鮮国家になってほしい。世界を知らない北朝鮮国民が可愛そうだ。









忘れがたき年を納める12月の言葉から





平成23年12月30日の天声人語よりの引用


「災害に明け暮れた心の重い年でした」。78歳を迎えた天皇陛下のご感想だ。

つらい記憶を分かち合い、前に進みたい。

忘れがたき年を納める12月の言葉から

▼被災地に通う医師で作家の鎌田實(みのる)さん(63)が言う。

「長期戦に入り、みんな疲れている……人生はマラソン。

がんばらない時間を作り、エネルギーを蓄えた人が勝つんです」


▼病を抱えて、原発事故で避難生活を強いられた元中学教員三本杉(さんぼんすぎ)祐輝(ゆうき)さん(53)。

「がんを宣告され、残された回数券をどう使って生きていくか考えた。

放射能もはっきりしてくれ。

進む覚悟が決まればがんばれる」と講演で

▼「何でも絆でくくると、収まりのいい物語になってしまう」と、作家あさのあつこさん(57)。

大震災から日本論へ。

脚本家の倉本聰さん(76)は、小国でも尊敬される国をと願う。

「日本というスーパーカーに付け忘れた装置が二つある。

ブレーキとバックギアです」

▼映画で山本五十六(いそろく)を演じた役所広司さん(55)が語る。

陸軍でも海軍でも、戦争体験のない若手に強硬派が多かった。

今こそ、昭和史と向き合う必要のある時代じゃないでしょうか」


▼サントリー学芸賞の小川さやかさん(33)は、タンザニアでの行商体験を本にした。

「マチンガ(行商人)には、ウジャンジャ(手練手管)で窮地を切り抜けてしまう生命力がある。

私たちは将来が不安だからと現在を我慢してしまうけど、今を大切に生きることを見直してもいい」

▼日々の「回数券」。

惜しみながら使いたい





日本人の平均寿命は、女性が86歳を超え、男性も80歳に迫る。
生まれた時に約3万日をもらう計算だ








平成23年12月31日の天声人語よりの引用


今年もたくさん献本していただいた。

出版社ばかりか、自費で編んだ詩集や句集を送って下さる方も多い。

すべての熟覧はかなわないが、納めの日を借りてお礼申し上げたい

▼書物の山を前に、安岡章太郎さんの随筆「本の置き場所」の一文が浮かぶ。

「本が増え過ぎて嘆かわしいのは、家が狭くなることもだが、それを読む時間が自分にどれだけ残っているか、と考えるときである」

▼50代の記だから、現在91歳の作家には長い時間が残っていた。

それでも、50歳を過ぎて人生が引き算になる焦燥は分かる。

そして時の流れの速いこと。

高橋真梨子さんの名唱「オレンヂ」のごとく、〈春儚(はかな)き 夏儚き 秋儚き 冬儚き〉である

▼日本人の平均寿命は、女性が86歳を超え、男性も80歳に迫る。

生まれた時に約3万日をもらう計算だ。

統計上は、ほぼ半数がその歳月を使い切らず生涯を終える。

終えるのではなく「断たれる」不条理を、これほど感じた年はなかった

▼読みかけの本もあったろう。


絵本しか知らずに、持てる時間の大半を余して消えた命も多い。

あれ以来、新たに始まる一日と、近しい人を愛(いと)おしむ機運が高じた気がする。

いま生きている、それだけで貴い

▼年惜しむ、とは言いづらい一年だったが、人の強さや優しさも知った。

はかなき四季を共に過ごす奇遇、誰かとつながる喜びを、かみしめたい。

被災地に笑顔が戻る日を願い、ご愛読と「書き写し」に感謝し、忘れ得ぬ年の筆を洗います。

よいお年を。

こんどこそ。




来年は良い年になってほしいと思うがその努力が必要だ。




向島地域での京都市交通行政の矛盾



現在の市長の選挙での主張を聞いていると「民間が出来ることは民間に任す」では決して世の中良くならないと思う。

公的に是非必要な所と,民間に任してよい所が必ず有る筈です。

民間企業は必ず少しでも多く儲けようとする営利目的が伴うのが普通のことである。

福祉のような領域は営
の利は度外視するのが一般的に常識になっている。

現在の向島地域が全て近鉄会社にまかされておられるように見られる。

向島地域が他地域に比べ住民に不自由を強いられていることは知られていないようである。

向島住民は諦めておられるのか。?

向島地域は宇治市内の一部と誤解されている市民や市職員,もおられるようだ。

民間と重複してもよいから是非とも向島地域に京都市バスを走らせてほしいものです。

京都市交通行政から向島地域は冷遇されている。

向島地域だけでなく全ての京都市市民が気楽にバスを使い,外出できれば高齢者にとっても家庭内に閉じこもりにならず

気楽に外出して運動ができれば健康にとり非常に良い。病気になることも少なくなる。

定年後の65歳以上になれば一定の額を支払っての無料パス券を発行すれば良いのではと考えている。

人に世話になっての施設に入るよりも,何時まで元気で高齢期を迎えたいものです。

それにはできるだけ外出し運動することにあるが,まず外出し易い環境作りが必要になってくる。

少なくとも住居している向島地域にはそれが欠けている。

京都市営地下鉄と京都市営バスの路線図を見てスクロールして4枚目の一番下,宇治川を渡った所が向島地域になる。






京都市は今までに京都市内に「向島ニュ-タウン」と「洛西ニュ-タウン」を大規模団地を開発している。

だが交通の便に於いては


「洛西ニュ-タウンでは

向島ニュ-タウンでは

   向島ニュウ−タウンは完全に近鉄会社のみが独占しているような状態にある

 それだから是非とも




 京都市営バス 向島駅-竹田駅或いは京都駅迄の往復ピストン運転途中に停留所を作る(広い国道24号線を利用)-

私鉄と競いラッシユアワ−時にも運用すれば黒字となり,大いに京都市財政改善にも寄与する。是非京都市に希望する



下記の京都市地下鉄及び市営バス路線図を見ると向島は京都市の交通行政からして全くの陸の孤島になっている。

市民税は京都市民として同等に支払っている。だが京都市の交通行政の恩恵は受けていない。



京都市営地下鉄と京都市営バスの路線図
(地図をスクロールして4枚目の一番下に宇治川の下に小さく向島とあるが 京都市の南端に当たり人口2万人余の住民が住んでいるニュウ−タウンで
向島地域全体としては人口は約3万二千人位向島地区内には,近鉄京都線が走っています。鉄道駅として向島駅があり,1日の平均利用者数は
19,700人となっており,1日平均利用者数が5,000人以上の特定旅客施設。 )

向島地区の概況   伏見区の各地区毎の人口老齢化率など4と5が向島地区


向島ニュウ-タウンでは京都市営バスは通じていない。近鉄関係の交通機関でもって向島ニュ-タウンは支配されてしまっている。

最近向島ニュウ-タウンも住人が高齢化して老人パスを使う人たちが増えてきている。

老人パスは京都市営バス並びに京都市地下鉄、京都の美術館 博物館 植物園 動物園などの公共施設が入場無料で

そのパスは収入に応じ一定金額を支払って一年に一回の手続きして老人パスを受け取ることが出来る。

京都市関係の交通機関(京都市営バス.京都市地下鉄)は何回乗ろうとも何処へ行っても無料になっている。

京都市内の老人達は大変便利に利用されている。

この老人パスによる無料制度は京都市としては大変な善政を行われていると思う。

現在は70歳での年齢をば定年退職する65歳にまで引き下げもっと素晴らしい制度となる。

一般の人たち特に高齢者の人は健康の為には,運動することが一番に大切なことである。

昼間の地下鉄 バス利用者たちは非常に少ない。その少ない間をば利用されることとなる。

パス利用者達も増えれば一定の収入の増加が認められ,市の収入として入るはずだ。

市にとって良くで高齢者の為にも毎日を楽しんで健康者が増え治療が必要とする人たちも少なくなり一石三鳥の制度である。

しかしながら向島ニュウ-タウンは京都市民でありながら市営の交通機関が通じていない。

近鉄竹田駅迄行ってそこで京都市地下鉄に乗り換えなければならない。ホームは同じ所にある。

向島の高齢者は老人パスでもって市営の交通機関を利用することができない。

するためには200円の近鉄乗車券を買わなければならないことになる。

ちなみに終着駅の京都駅までは250円である。距離としては向島駅から竹田駅迄は京都駅までの三分の一ぐらいしかない。

向島駅で老人パスを利用する人 竹田駅からの乗り越す人数を聞いてみたが本社からの指示が無ければ教えられないとのことでした。

1日の平均利用者数が19,700人の内の百人単位或いは何十人の人数と想像する。

それでも向島からは竹田駅までの200円を支払わないといけない。帰りも同様に200円支払うこととなる。

向島ニュウ-タウンは市営の交通機関からは全く孤立した孤島のような状態に置かれてしまっている。

一方では京都市と近鉄との協議にによるものか,京都市地下鉄車両が遙か南のの新田辺駅まで走っている。

だから向島駅前までまでも走っているが其れに乗るには改札口で200円の乗車券を買って入らねばならない。

近鉄バス 向島ニュータウン内を循環にガラガラ空いたバスが団地内を循環し空車で廻っているのを見かける。

この路線だけ見るならば全くの赤字であることは明白である。

だがバスが巡回しているのはただ京都市営バスを通さないためのものしか思えてこない。

悪質な商売をしているのかと思うことがある。

もしこの近鉄バスがなければ京都市営バスは向島に来ているはずである。

向島地域には京都文教大学 種智院大学 スバル高校と近鉄をば利用されている

乗降者が多くなってきて朝夕のラッシュ時には大勢の人たち混雑しての光景を見かける。

でも向島から出ようとするならば必ず近鉄向島駅を利用する以外に仕方がない。

向島は近鉄一社が独占状態で支配されている。

近鉄グル−プは不動産 レジ゜ゃ−施設 交通などなどの事業をている大きいグループ会社のようである。

上層部には多分末端の細部のことは伝わっていないことと思う。

だが洛西ニュ-タウンでは

四社が競っている状態であり 老人パスが利用できる京都市営バスも通っている。

ガラガラの巡回バスを近鉄が団地内を走っているのは市営バスを入れないために走っているのではないかと憶測する。

そのことの矛盾をば近畿鉄道近鉄本社に電話した所 運輪課の方が応対し 名前をネットに書いても良いかとの許可を得ているので書きますが,

事情を話してパスをもった高齢者が市営近鉄までの料金200円をなんとか無料にして欲しいと,

近鉄循環バスの無料パスはもらっているのでこの区間(]向島-竹田)をば無料になるように話したところ

会社としては慈善事業はしていないと一蹴された。

だが交通機関は
公益事業ではないかと話しても,近鉄会社を代表し応答していると言う。

近鉄会社内で充分な討議して善処をお願いたいものです。


京都市と近鉄会社とは京都市地下鉄を乗り入れ交渉されているので,京都市からも強く強く近鉄会社に申し入れてほしいものです。

無料化で京都に出られるようになれば老人の運動の為に美術館 植物園 動物園 百貨店などにも気楽に外出出来て家に閉じこもることもなく,

健康に非常に良いことである。

出来るだけ外出するように話しているが年金生活者では回数が増えれば大変な金額に相当してくる。

市内の市営交通機関を利用し易い人たちに比べて向島ニュウ−タウン市民は同じ京都市民ながらハンディがある。

京都市にも事情を話すために電話した。

秘書課につないてもらい話したが,くやしくて涙か出て来て充分に話せなかった。

向島は交通行政からは全くに無視された状態を訴えた。

近鉄と京都市が話し合えば解決できることだと思うのだが。

近畿鉄道が駄目と言うならば京都市営バスを向島と竹田の間さらには京都駅迄ピストン運転していただければ良いだけのことです。

道幅の広い国道24号線を使い途中に停留所を作れば,桃山地区丹波橋地区など途中の住民達などの利用者も大勢に利用が出てくると思う。

竹田からは近鉄京都駅まで 京都市地下鉄が利用できることになる。

京都市制協力委員をしている方に話したが10年以上前より訴え続けているが回答としては

京都市の財政困難だからできないとのことである。

京都市営地下鉄と京都市営バスの路線図

を見れば全く向島は無視されている。ほぼ全域に市バスは通っているように見かける。

京都市の財政悪化を何故向島ニュ−タウン市民だけが負わねばならないのかと言いたい気持ちです。


京都市長寿福祉課に健康に暮らせる老人の引きこもりを少なくして,外出しやすいように今回12月11日より近鉄バスが一日7本竹田駅の東口まで便を桃山から延長されたが

此れで゜は不十分で実際的ではないので長寿福祉課に電話した。 そのような要望が沢山寄せられていいるので検討するとの返答だった。

叉長寿福祉課は交通局と関係がないと言われたので京都市交通局にも電話した。

京都市交通局には長寿福祉課が現在近鉄バスに支払っているお金でもってすれば市バスを走らせられることができるのではないかと話した。

長寿福祉課 交通局ともにたまたま電話に出た係りの方なので要領がえない。

市バス一台が終日竹田駅迄ピストン運転 叉さらに京都駅まで運行されれば近鉄と競争して乗客が増えると思う。

何故京都市バスが動かないのか,動かそうとしないかが大変不思議で謎である。

京都市バスを実際に向島地区に走らせ,乗客数が少ないから駄目だといわれるのであれば納得する。

向島へのバス運行によって赤字になり,初めて京都市の財政上できないといわれるのであれば解る。

このままだと依然向島地区は市バスからは孤立したままである。

「近鉄は少しでも利益を得ようとしている営利会社」であることを京都市は認識されているのだろうか と疑問に思う。




近鉄バスの向島-竹田東駅間のバスに乗ってみたが,通過道路の工夫がもっとあって良いと共にラッシュ時の時間帯は避けているようだ。

私鉄電車に乗客を誘導するための運行としか思えない。企業の儲け主義にもとずいて計画されているようだ。

何故に向島地域に市バスが通じないのかが大変不思議である。

向島駅から遠方の方も向島駅から降りず竹田駅からでも行ける。



近鉄線向島駅

近鉄向島駅


嘆願書 平成21年2月の共産党市会議員の方達を介しての嘆願書のようだが,京都市バスは向島から京都市内に向け走行してほしいものです。





嘆願ではなくてむしろ要望でないと民主主義にふさわしくないようだ。上位下達でなく下意上達,で市長が当選すれば好き勝手

何でも出来るようでは民主主義にふさわしくない。常に民意を聞きながらの汗をかき一生懸命に舵取りする必要がある。

財界(企業)への丸投げするだけでは困る。財界(企業)は市と関係なく利益を求めて動くだけである。

それはでは市政とは言えない。

市のやるべき仕事を企業に丸投げしていれば赤字を黒字にするのも容易なことだ。

苦労して嫌な思いをするのは市民だけである。丸投げするだけならば誰でも市長は出来る。



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