まちで闘う方法論 自己成長なくして、地域再生なし

木下 斉 著
四六判・232頁・定価 本体1800円+税
ISBN978-4-7615-1359-7
2016/05/15

お金がない、無関心、旧態依然の組織…環境を嘆くだけでは始まらない。
まずは自分から変わる必要がある。まちを経営するという観点で18年闘い続けてきた著者が、まちを変えるために必要な思考と、身に付けるべき7つの技術、そしてまちの活動に参加する段階から継続的な事業マネジャーになるまでの成長プロセスを解説する。



評 : 岡崎 正信 (オガールベース・オガールプラザ代表取締役)


まちという道場で黒帯を獲ってきた木下斉の金言

過去40年以上にわたって行われてきた政府主導のまちづくり事業。地域再生、都市再生、まちづくり…まちを舞台にした活性化事業の名称は名前は変わるが中身が変わらない。名称に飽きが出てくると、これまた飽きもせずに新しい名称が連呼される。

何十年にわたって我が国がやってきた政府主導、官主導の活性化事業は、やればやるほど、頑張れば頑張るほど、まちが不活性していくという不都合な真実を見た木下斉が、自分の体験をベースにこれからは活性化という公共は民が担うという考えの基、まちづくり事業で起こりうるリスク、それをヘッジする能力とは何かを突き詰めた本に仕上がっている。対象は、まちづくりの現場で屍になる勇気を持っている事業マネージャー。歳は関係ない。まちで闘う覚悟を持った事業マネージャーが武装するための本だ。

木下がこの分野において評価されているのは、課題設定が実に正しいのである。課題の認識が正しいから正しい対処方法が生まれ、正しい行動に向かう。まちが活性化しない理由の多くはこの課題設定が間違っていること。つまり課題に真剣に向き合っていない事業マネージャーが実に多いのが不活性化の理由だ。

まちづくりに関する講演会、シンポジウムは星の数ほどあるが、通信教育で黒帯をもらったような講師の話に違和感を持っている人は多いはずだ。そんな講師に教えられた学生が「地域のために役に立ちたい」と言って丸腰のまま社会起業家と自称し挙句の果てに補助金ゴロに落ち着く。

朋友でもある木下斉は33歳にして既に18年もまちと関わる生活をしてきた。その「まちと関わる生活」を木下は本著で「まちで闘う」と表現している。まさに、木下の18年間に及ぶ闘いの記しであり、まちという道場で黒帯を獲ってきた木下斉の金言。

これからまちで闘うマネージャー候補には是非読んでもらいたい。


担当編集者より


あとがきにも書かれているとおり、この本ができるまでに実に4年を要しました。 まちづくりは仕事になるのか、興味のある人は増えているけど、何から手をつければいいのかわからない人も多いのではないか、そんな疑問に木下さんの体験をもとに答えてほしい、というのが発端です。

何度も構成を練り直し、原稿を書き直して、ようやくまとめることができました。それほど、まちに関わることは一筋縄ではいかないのです。

この本では、本気でまちづくりを楽しみ、幾度とない苦境も乗り越えてきた木下さんが、どういう考え方で取り組めばよいのか、どんな使える技術があるかを丁寧に教えてくれます。自分のまち、あるいは好きなまちを少しでも良くしたいと頑張っている人に届けたいメッセージが満載。また、木下さんがオススメする本もテーマごとに紹介しており、参考になること間違いなしです。

(中木)


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